2021年10月26日

長浜のお庭文化を後世に

市民有志が書籍化へCFで資金募る

 長浜市内に残る個人宅の庭や名勝庭園などを調査しているグループ「ながはまのお庭プロジェクト」(山崎弘子代表)はこれまで発行した小冊子5冊を再編集し新たにインタビューなどを盛り込んだ書籍を販売することになり、クラウドファンディング(CF)で制作費用180万円を募っている。

 長浜市は茶人で造園家の小堀遠州(1579〜1647年)の出身地。遠州の手掛けた庭は市内にはないものの、遠州の作庭文化を受け継いだ辻宗範、勝元宗益(鈍穴)、布施宇吉(植吉)らが活躍した。長浜商人は豊かな経済力を背景に庭師を呼び寄せて競って庭を造らせ、今もその多くが当時の姿を変えず受け継がれている。

 2009年に京都大学の学生らが市街地で庭の調査を始めたのをきっかけに個人宅に古い庭が多く残ることが明らかになり、さらに調査を進めるため、大学教授や庭師、市民活動家、市職員ら有志でプロジェクトを結成。中心市街地に残る個人宅の庭の調査を進め、市町合併後は市全域を見て回り、約10年かけて約1000カ所を調べた。このうち、江戸、明治、大正時代に造られた庭を小冊子「ながはまのお庭」にまとめあげ、これまで5巻を発行した。また、庭を巡るツアーや講演会の開催などを通して、長浜に残る庭文化の発信、保存に取り組んできた。

 新しく書籍化を計画しているのは小冊子を再編集したもので、約100カ所の庭を紹介したうえで、所有者へのインタビュー、庭師による座談会のようすも収録する。タイトルは「市中の山居〜ながはまのお庭〜」(仮題)で、B5判98ページ。

 古い庭は今も隠れるように大切に受け継がれてきたものの、現代の住宅に似合わないとして取り壊されて駐車場になるなど少しずつ失われつつあり、同プロジェクトは「今、声を上げないと失われてしまう」と危機感を抱く。山崎代表は「埋もれていた長浜のお庭文化を調査・発見する機会をいただいた。住宅事情が変わり庭の存続が危ぶまれるが、世界に誇れる日本の庭文化が守られるきっかけとなれば」と話している。

 なお、CFでは寄付金額に応じて書籍や絵はがき、米、地酒などの返礼品を贈る。詳細はキャンプファイヤー(https://bit.ly/3mojy2m)へ。

2021年10月22日

ガラス作家97人 こだわり光る

黒壁主催  慶雲館で公募酒器展

 長浜市街地の黒壁スクエアや北国街道、慶雲館などで23日から11月7日まで黒壁主催の「ナガハマグラスフェス2021」が開かれる。

 市街地に点在する歴史的建造物や古民家、文化施設を会場として、全国の多彩なガラス文化を発信する催し。全国のガラス作家から酒器を募る「北近江サケグラス公募展」(慶雲館)、小中学生のデザイン画を実物グラスにした「みんなのグラスデザイン画コンペティション」(元浜町、旧長浜アートセンター)、ガラス工芸の巨匠の作品を並べる「伊藤けんじガラス工芸展」(慶雲館新館)などがある。

 慶雲館では22日午前、北近江サケグラス公募展の準備が完了し、北海道から沖縄までの作家97人の作品が並んだ。吹きガラス、切子、サンドブラスト、ベネチア伝統のレースガラスなど、作家それぞれが得意の技法を駆使して制作している。桜の花などを緻密に表現した作品「一陽来復〜冬から春へ」や、「愉しく呑みたいね」とのメッセージを添えたユニークな作品「イカ徳利とタコ盃」など、作品のタイトルからも作家のこだわりや思いが伝わる。なお、公募展では入館者やインターネットでの人気投票で入賞作品を決める。黒壁の広報担当・佐藤泉さんは「慶雲館の歴史あるたたずまいの中で、全国の作り手による、おうち時間を楽しくしてくれるガラスの酒器をご鑑賞ください」と来場を呼びかけている。

 慶雲館の入館料は大人300円、小中学生150円。午前9時半から午後4時半まで。

 

 

2021年10月20日

車いすバスケ清水選手 パラ報告

「悔しくて、楽しい大会」

 東京パラリンピックの車いすバスケットボール競技に出場した長浜市出身の清水千浪選手が19日、藤井勇治市長を表敬訪問し、大会結果を報告した。

 清水選手は浅井中、虎姫高出身。愛媛大学時代にサッカーを始め、なでしこリーグでも活躍していた。引退後、病気で下肢に障害が残り、2015年から車いすバスケに打ち込んでいる。今夏、日本代表としてパラリンピックに初出場。全6試合に出て計8ポイントを得点している。日本代表は予選を2勝2敗で突破し、準々決勝、5位決定戦で敗れ、出場10カ国中6位となった。

 表敬訪問で清水選手は「とてつもなく悔しくて、楽しい大会でした」と笑顔で振り返った。目標としていたメダルには届かなかったものの、車いすバスケ女子日本代表としては13年ぶりのパラリンピック出場で、「6位ということは、満足いく結果だったと思う」と語った。コロナ禍での開催について「無事に開催されたことに感謝したい」とした。

 清水選手はユニフォームや競技に使用する車いすを紹介し、素早く回転できるように車輪の角度が「ハ」の字になっていることを説明していた。

 2024年のパリ大会でのメダル獲得が今後の目標といい、「チームの課題は経験値が足りないこと。上位のチームは応用力があるが日本にはない。男子と試合して経験を深めたい」とした。自身もシュート力の向上に励むとした。

 また、2025年に滋賀で開かれる国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向け、湖北地域で車いすバスケの大会を開いて競技を広めたいとした。

 藤井市長は「清水選手の活躍でパラリンピックを身近に感じた。次のステージを目指して活躍してください」と声をかけていた。

2021年10月12日

新しい江北図書館目指して

県内最古の私立図書館 理事一新  有志集い次世代へ継承

 開館から114年にわたって地域住民によって運営されてきた県内の最古の私立図書館「江北(こほく)図書館」(木之本町木之本)。資金難や建物の老朽化、利用者の減少など課題が山積する中、図書館を運営する公益財団法人江北図書館はこのほど理事を一新し、新しく策定した「基本方針」に基づき図書館再生に動き出した。

 同図書館は旧余呉村出身の弁護士・杉野文彌氏(1865〜1937年)が「郷土の青少年に読書に親しむ機会を」と1902年(明治35)、私財を投じて杉野文庫として設立したのが前身。これを継承して07年に財団法人が設立され、翌年に江北図書館が開館した。75年からは旧伊香郡農会の建物を図書館としている。

 開館から100年以上を経過する中、各地に公立図書館が次々と誕生し、利用者が減少。支援を受けていた伊香郡町村会が市町合併を機に解散して以降は資金難にも見舞われ「今後の運営は資金的に見通しが立たないのが現状」としている。また、築84年の2階建ての建物は雨漏りするなど老朽化が深刻な状態となっている。

 そんな苦境にあえぐ地域の私立図書館を再生しようと地域住民有志が集い、今年6月に理事を一新した。地域活動に熱心に取り組む30代、40代の若手を含め9人体制で発足した理事は、これまでより平均年齢が約20歳若返ったという。

 理事長には岩根卓弘氏(47)=キクヤ社長=が就任し、副理事長として平井和子さん(読み聞かせグループ木のポン代表)、太田浩司氏(長浜市学芸専門監)が支える。館長には久保寺容子(ひろこ)さん(あいたくて書房店主)が就き、これまで40年にわたって理事長を務めてきた冨田光彦(てるひこ)氏(滋賀大名誉教授)は名誉館長に。

 新たに策定した基本方針は、杉野氏が抱いた青少年育成と地域文化向上の思いを大切にし、地域に貢献する図書館を目指す、としている。具体的には▽子どもの本を厳選した開架▽館内での読み聞かせ会やワークショップの開催▽歴史資料の調査・研究▽レトロな建物の維持と活用▽前庭を活用したイベントの開催▽地域の情報収集と発信の拠点づくり▽「図書館だより」の発刊—などを掲げている

 岩根理事長は「長い歴史を持つ江北図書館がこれから先も地域に貢献し地域住民から必要とされるよう、次世代にしっかりと受け継いでいく」と決意を語り、「図書館のイメージを一新するため小さな事業を積み重ねていきたい」としている。

 久保寺館長は「建物も蔵書も古いが、それが魅力でもある。これを発信して多くの方に足を運んで興味を持ってもらい、江北図書館が大好きと言ってもらえる人を増やしたい」と話している。

 なお、江北図書館の開館時間は火〜土曜が午前10時から午後4時まで、第2、4、5日曜が午前10時から午後2時まで。第1、3日曜と祝日は休館。

2021年10月5日

どうなる?お産 ㉒-㉓

㉒地域医療[3] 医師の働き方改革 期待もある

 2024年に始まる医師の働き方改革。病院が減ってしまわないのか、分娩費が値上がりしないのか…、気がかりは多い。

 ただ、「医師側としては、期待もある」と、滋賀医科大医学部付属病院の村上節教授は言う。

 まずは女性医師が働きやすくなる。産婦人科医は女性が多い。県内の病院勤務医の約48%は女性で、うち7割弱が20〜30歳代だ。

 一般的に、医師は24歳で医学部を卒業後、研修医として2年かけて診療科全体を回る。その後、専攻医として約3年間、専攻した科で研修を積む。

 さらに、産婦人科のキャリアでは、基本となる領域以外にも、それに基づく「サブスペシャルティー領域」(周産期、婦人科腫瘍、生殖医療、内視鏡技術など)を習得するのに約3年かかる。その時点で30歳代半ば。中堅として働き盛りだが、女性医師はとうに出産適齢期を迎えている。子どもを望むなら現場を離れざるを得ない。

 その結果、科の構成が50、40代の次は若い研修医という事態が頻発し、上級医師に過重負担がかかる構図が生まれがちだという。

 村上教授は「集約化で1施設当たりの医師が増えれば、産休・育休から復帰した女性医師に日中を任せ、上級医師は日中休むなど、柔軟な体制が組めるかもしれない」と話す。

 さらに、産婦人科医師の志望者数の増加が期待できる。産婦人科は、当直回数や勤務時間、訴訟リスクが他科を上回る「3K」と呼ばれてきた。過去25年、医師総数は増えているのに、産婦人科医は微減となっている。

 実際、滋賀医大でも、4年生の時には産婦人科に興味を持っていても、翌年からの臨床実習と卒業後2年間の初期研修で各科を回ると、他科を選ぶ者は少なくない。

 「忙しさを目の当たりにするから。だが医学生や初期研修医にゆとりのある働き方を見せることができれば、志望者は増える」と村上教授は信じている。

 なぜなら、「医療界でこんなに幸せなことが起こるのは産婦人科だけ」だからという。

 教授は元々、精神科医志望だった。しかし、入学した東北大の臨床実習で病棟を回る内に、他科が「残念です」ばかりなのに、産婦人科だけが「おめでとう」と言えることに感動し、産婦人科医になったそうだ。

 「今は過渡期。みんな将来がわからないでいる。何年もかかる事業だが、未来は悪くないはずだ」

 一市民として、働き方改革が地域医療にもたらす課題は注視したい。一方で、医師の労働環境の整備が期待通りに進むよう、理解も深めていきたい。

(9月27日掲載)

㉓地域医療[4] 楠井隆・長浜赤十字病院長に聞く1

 市立長浜病院が分娩を中止した背景に、病院の集約化を急ぐ国策があった。

 厚労省は2020年、病院再編を重点支援する全国5区域の一つに、湖北区域(長浜、米原両市)の4病院(長浜赤十字=日赤、市立長浜、市立湖北、セフィロト)を選んだ。

 再編統合の核となる長浜日赤と市立長浜は、救命救急や緊急性の高い「高度急性期・急性期」の病院だ。どんな再編統合が地域医療のためなのか。長浜日赤の楠井隆院長に話を聞いた。

 「2病院の機能を再配分し、急性期も回復期も地域で完結して支える一つの病院となることが望ましい」

 そう話す楠井院長は、理由を次のように説明した。

 「医師不足と将来の人口減を考えると、似た病院が二つあっても効率が悪い。一方で、長浜に回復期の患者の受け入れ先が少なく、県南の施設に転院をお願いしている状況がある」

 院長がモデルとみるのは、兵庫県立病院だった尼崎病院(約500床)と塚口病院(約400床)の統合だ。15年に「県立尼崎総合医療センター」(約730床)に再編された。

 尼崎病院は地域の中核病院として、がん手術など高度専門医療を提供する一方で、周産期医療は実施していなかった。

 塚口病院は、地域周産期母子医療センターの指定を受け、周産期医療と小児(救急)医療を担っていた。しかし脳神経外科医、心臓血管外科医が不在で、合併症妊婦(脳血管障害、急性心疾患など)への対応ができなかった。また両病院とも老朽化や敷地不足に直面していた。

 確かに長浜の2病院と状況は似ている。市立長浜(約600床)は厚労省から「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受け、長浜日赤(約500床)は「地域周産期母子医療センター」の指定を受ける。

 両病院とも建設から築20年以上の本館の老朽化、高度医療機器のメンテナンスが問題となっている。長浜日赤は、現状の敷地では改修・増築に対応できない。

 楠井院長は、病院再編への期待は多いという。

 まず、医師が1病院に集まれば診療機能の充実が図れる。そこに患者が集まれば、症例数が増え治療の多様性に厚みができる。

 指導医は研修医や専攻医に多様な指導ができ、若手が習得できる手技が増える。技術的な向上が見込めるとなれば、医師にとってはそこで働く大きな誘因となる。技術レベル向上が医師確保を促す、という好循環を目指したいという。

 楠井院長は「一つになれば、大学病院に負けない高度な機能を持てる。話を前に進めるため、行政の支援が必要だ」と力を込めた。

 

(10月5日掲載)

堀江昌史

2021年10月4日

「旅する蝶」アサギマダラ

西浅井のペンションに大挙、産卵も

 西浅井町大浦のログハウスペンション「ラダー」に、「旅する蝶」アサギマダラが大挙。乱舞する光景が見られ、話題となっている。

 アサギマダラは、浅葱(あさぎ)色の大きな羽が特徴。秋に温暖な地を求め、信州方面から九州などへと、日本列島を縦断するように南下し、その距離は1000㌔を超えることも。人気アニメ「鬼滅の刃」にも登場し、キャラクターのモチーフになった、とファンの間で話題となっており、近年、脚光を浴びている。

 ラダーには開設当初の22年前から数匹が飛来していた。昨年、オーナーの田中伸征さん(52)は蝶が飛び交う「バタフライガーデン」を作ろうと、アサギマダラが蜜を吸うため集まるフジバカマを10株ほど植えたところ、多い日で10匹程度が集まるように。

 今年、フジバカマの数を3倍増やし、産卵場所として好むキジョラン(鬼女蘭)を植えたところ、9月上旬から次々と飛来するようになり、10月3日には過去最多の60羽が集結。初の産卵も確認できた。

 アサギマダラは各地を移動しながら、昼間、フジバカマやヒヨドリバナ、アザミなどキク科の植物に集まり、夜は涼しい山中で過ごす。天候や気温に敏感で環境バロメーターを示すとされ、近年、地球温暖化の影響で北上傾向にあるという。

 この蝶の生態は明らかにされていない部分が多く、各地で固体識別番号を羽に入れるマーキング調査も行われている。田中さんは「ラダーの目前には琵琶湖があり、周りを山に囲まれているから、棲みやすいのでは。来年はもっと増えるだろう」と推測している。見ごろは今週いっぱい。

2021年9月30日

自然農シェア畑を開設

宮崎さん「ゆるく野菜作りいかが?」

 「ゆるく農業してみませんか?」—公園町の宮崎好美さん(50)は米原市長沢に無償貸し出しの「自然農シェア畑」を開設。農業を楽しみたい女性らを募集している。

 宮崎さんが農業に興味を持ったのは6年前。湖北町の山本山の南斜面で、趣味でミカンやハッサクなどの栽培をしていた父の雨森由平さん(享年76)の急逝により、柑橘畑の世話をするようになった。

 雨森さんは実家の西浅井町岩熊から通い、柑橘類を大切に育てていた。宮崎さんは父の思いを受け継ぎ、農薬や化学肥料を使わない自然農法を実践。作物本来の味を知ってもらうと、親子向けの柑橘狩り体験を開いた。その後、夫が同僚から借りた高月町東物部の畑で豆類を栽培し、農業や味噌作りのノウハウを積み重ねた。

 「友達と一緒に楽しく野菜を作りたい」と、1年前、友人の紹介で長沢の畑を無償で借り受けた。このあたりは農業従事者の高齢化により、遊休農地が点在しており、第1区画(約50平方㍍)を預かることになった。

 知人の女性に「農業しない?」と呼びかけたところ、5人が集まり、区割りした畑でキュウリやトマト、ピーマンなどを作るように。参加者は子育てやパートの合間、自由に出向き、好き勝手に作物を栽培。作り方がわからない時は宮崎さんがアドバイスしている。

 地域住民の協力で今は第2区画(25平方㍍)もでき、栽培女性も増えている。「作る喜び、収穫する楽しさを味わってもらえたら」と話す宮崎さん。今後は収穫した農作物を加工するなどし、ムーブメントを広げたい、としている。

 現在、無償で畑を貸してくれる人、野菜作りをしたい女性、畑と人をつなぐ仲間を募集している。問い合わせは宮崎さん℡090(4305)4337へ。

2021年9月29日

ローザンイルミ 琵琶湖&虹をイメージ

面積は関西最大級、LED110万個

 米原市の複合型観光施設ローザンベリー多和田は10月8日から、体験型イルミネーション「ローザンイルミ2021」を始める。関西最大級、約6万平方㍍のエリア内に色鮮やかな約110万個のLEDが灯り、幻想的な世界を演出する。

 コロナ禍で低迷する地域の宿泊滞在型観光の振興を図るため、昨年初開催。昨シーズンは約8万人を動員した。今回のテーマは滋賀を象徴する「琵琶湖」と「虹」。園内には4つのゾーンがあり、「スターダストレイク」では「琵琶湖」「虹」をイメージ。幾重にも連なった虹のアーチの中をくぐってゆく。「銀河鉄道」は幻想的なブルーを基調とした天の川の横をローザン鉄道ミルキーウェイ(有料)が走る。「妖精と暮らす村 フェアリーガーデン」は丘の上にある絵本の中に入ったようなファンタジーな世界。奇跡の青いバラや七色のシンボルツリーがお出迎え。点灯参加型のイルミで昨年、話題となった。

 インスタ映えするポイントとして約4㍍の巨大リースとツリーハウスが登場。独創的なリースは草輪作家・二名良日さんが手がけた作品。ツリーハウスは9月中旬に完成したばかり。

 広報担当者は「緊急事態宣言が解除されるものの、感染対策を十分してゆきたい。皆さんに元気と癒しをプレゼントしたい」と話している。年内は火曜を除き毎日営業。点灯は午後5時半からだが、日没に合わせ、早める。インターネット予約大人1500円、子ども900円、3歳以下無料。来年2月14日までの予定。問い合わせはローザンベリー多和田℡(54)2323へ。

滋賀中央観光 イルミ&豪華夕食

 醍醐町の滋賀中央観光バスは「ローザンイルミ2021」に合わせ、イルミネーション観賞と優雅な夕食がセットになったツアーを企画した。

 ローザンベリー多和田のイルミを観賞後、長浜市内で特別メニュー(イタリアンコース料理または松茸&ハモ会席)の夕食を楽しめる。指定地まで貸切タクシーの送迎付き。夜間の運転が苦手な人や晩酌をしたい人向け。

 2人乗車で1人1万9000円、3人同で1万5000円、4人同で1万3000円。希望日の2日前までに予約を。問い合わせは同社℡(74)2525。

2021年9月27日

自然染めミツロウラップ

Bookcafeすくらむ 廃野菜をエコ利用、脱プラスチック

 木之本の女性グループ「ブックカフェすくらむ」(藤谷法子代表・11人)は廃野菜で染色したエコな「自然染めミツロウラップ」を開発。10月1日から販売を開始する。

 グループは5年前、食と本で人をつなぐまちづくりを展開しようと、地元の古民家を改修し、飲食スペースを開設。週末や祝日、コミュニティの場としてカフェや本に関するイベントなどを開いてきたが、コロナ禍による緊急事態宣言で活動の休止を余儀なくされた。

 長い休業の間、主婦目線で食にまつわる新たな活動を模索。エコな観点から、ごみ減量化と脱プラスチックを兼ねたミツロウラップの開発を思いついた。

 ミツロウラップは100%コットンの布を野菜くずの煮汁で染色し、蜜蝋(みつろう)を染み込ませたもの。ミツバチが作る天然のワックス蜜蝋には抗菌・防カビ効果があり、鮮度を保ちながら、食品などを包むことが可能。水洗いして繰り返し使えるので、環境にも優しい。

 メンバーたちは調理の際に出たタマネギやニンジン、栗の皮などで染め、通販で取り寄せた蜜蝋をアイロンで溶かして、布に染み込ませる作業を各自で分担。試行錯誤の末、最も使い勝手の良い15㌢〜31㌢角の3サイズで自然な風合いの6色のミツロウラップを完成させた。

 ミツロウラップは手の温かみで固まる性質があり、容器のフタ代わりになるほか、蜜蝋がハンドクリームのように手に保湿感を与えるメリットも。ただ、熱に弱く65℃で溶けるため、電子レンジでは使用できない。

 藤谷代表は「マイクロプラスチックによる環境汚染が世界的に問題になっている。これは脱プラスチックで土に還るエコなラップ。ごみ削減に貢献したい」と話している。

 自然染めミツロウラップはLOCO(えきまちテラス長浜)、ふれあいステーションおかん(木ノ本駅)で販売。1枚350円から。

2021年9月22日

SDGs 持続可能な未来に向けて②

MLGs 2030年の琵琶湖と、琵琶湖に根ざす暮らしに向けた13のゴール

 滋賀県は今年7月、琵琶湖保全のために2030年までに達成すべき13の目標「マザーレイクゴールズ(MLGs)」を策定した。SDGsの琵琶湖版で、生物多様性や環境浄化などを掲げている。ただ、保全するのは自然環境としての琵琶湖だけではなく、山、川、里、湖、海のつながりと、そこにある人の営みまで含めた象徴としての琵琶湖「マザーレイク」。

 ①清らかさを感じる水に②豊かな魚介類を取り戻そう③多様な生き物を守ろう④水辺も湖底も美しく⑤恵み豊かな水源の森を守ろう⑥森川里湖海のつながりを健全に⑦びわ湖のためにも温室効果ガスの排出を減らそう⑧気候変動や自然災害に強い暮らしに⑨生業・産業に地域の資源を活かそう⑩地元も流域も学びの場に⑪びわ湖を楽しみ愛する人を増やそう⑫水とつながる祈りと暮らしを次世代に⑬つながりあって目標を達成しよう—の13のゴールを設定している。

 MLGsの取り組みはSDGsの達成にも貢献し、すでに複数の企業がMLGsに賛同を表明している。振り返ると琵琶湖の水質改善を目指して県内の主婦が率先した「石けん運動」以来、県内では40年にわたって琵琶湖をはじめとする自然環境保護に積極的に取り組んできた。これらのさまざまな活動が土台となってMLGsにつながっている。

 

滋賀県版ボードゲーム

 SDGs実現への道筋を手っ取り早く体感する手段に、カードゲームやボードゲームがある。座学でSDGsを学ぶだけではなく、ゲームを通してSDGsの実現を体感することで、なぜ今SDGsが必要なのか、SDGsがどんな変化や可能性を生み出すのか、大人も子どもも理解しやすい。

 県内でゲームを使ってSDGsの普及に取り組むのが神照町出身の島田利恵さん(栗東市)。SDGs普及に特化した「あもる」を設立し、企業や学校での研修などに取り組む。今年5月には、未来技術推進協会(東京都千代田区)が開発したSDGsボードゲームを改良し、琵琶湖のヨシの紙を使った県独自のボードゲームを製作。クラウドファンディングで寄付を募って量産を始め、県内の事例を楽しく学べるボードゲームとして注目されている。毎月20日、守山市役所に隣接のSDGs拠点「future lab」で体験会を実施している。出張研修も受け付ける。【問い合わせ】℡050・5866・4969、メール(rie@amoru-s.com)へ。

 

気候変動から考えるSDGs

 滋賀県地球温暖化防止活動推進センター(草津市)は「気候変動から考えるSDGs〜誰一人取り残さない未来のために」と題したプログラムを提供している。温暖化防止活動推進員やセンター職員による出前講座で、気候変動が直接的なものだけでなく、間接的にもさまざまなリスクを引き起こすことを学べる。気候変動対策はSDGsのベースでもあり、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」(目標7)、「つくる責任つかう責任」(目標12)について考える。【問い合わせ】℡077・569・5301。

2021年9月22日

SDGs 持続可能な未来に向けて①

 最近、新聞やテレビで目にするSDGs。Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、2015年9月に国連で開かれたサミットで採択された国際社会共通の目標を指す。このサミットでは、2030年までの長期的な開発の指針として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が決定され、この中核を成す「持続可能な開発目標」をSDGsと呼んでいる。

 SDGsは「誰ひとり取り残さない」ことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標として、「貧困をなくそう」「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「人や国の不平等をなくそう」など17のゴール(目標)を定めている。湖北地域でも企業や団体、教育機関などがそれぞれSDGsの各目標を念頭に置いた取り組みを推進し、その輪がじわりと広がっている。

 

 湖北地域でSDGsの啓発活動に率先して取り組むのが長浜ユネスコ協会の片山勝会長。学校や団体の研修会でSDGsについて解説し、その輪を広げようと精力的に活動している。いま、なぜSDGsが注目されるのか、そして、市民はSDGsにどう向き合えばいいのか、そのヒントを聞いた。

 —なぜ、今、SDGsが注目されるのでしょうか?

 ◆世界は深刻な課題を数多く抱えています。森林伐採やCO2排出に伴う温暖化、そして異常気象。地球環境はいよいよ悪化しています。一方で、世界の人口は増え続け、国同士が限られた資源を奪い合うことになりかねません。紛争や貧困も、いまだに解決されない課題です。SDGsが国連で採択されたのは「世界は、このままではいけない」という意識が世界の指導者の間で広がったためです。

 —長浜ユネスコ協会としてはどのような取り組みをされていますか?

 ◆書き損じはがきを募って現金化し、途上国の教育環境の向上を図る「世界寺子屋運動」は、SDGsの「質の高い教育をみんなに」(目標4)に通じます。教育を受けられないと、読み書きができない。そうすると安定した職に就けず、収入がなく貧困に陥ります。その貧困によってその子どもも教育を受けられないというスパイラルに陥ります。その連鎖を断ち切るのが「世界寺子屋運動」です。カンボジアに学校を整備し、教育を受けられなかった大人の女性にも教育機会を提供したりと、その成果は着実にあらわれています。

 —世界寺子屋運動は「貧困をなくそう」(目標1)にもつながりますね。他にはどのような活動がSDGsに合致しますか?

 ◆終戦記念日に大通寺で「平和の鐘」を鳴らす事業は、「住み続けられるまちづくりを」(目標11)と「平和と公正をすべての人に」(目標16)に該当しますし、わたしのまちのたからもの絵画展は「質の高い教育をみんなに」(目標4)と「住み続けられるまちづくりを」(目標11)に、これまでに延べ2万2000人が受講した外国人市民向けの日本語教室は「質の高い教育をみんなに」(目標4)と、「働きがいも経済成長も」(目標8)に合致します。

自分ごと地域ごととして、明日から実践を

 —長浜市内の学校でもSDGs実現に向けた取り組みがありますね。

 ◆小中学校や高校でSDGsの取り組みが広がっていることに注目しています。虎姫高校では古着や古本を保護者や生徒から集め、得られた資金で途上国の子どもたちのポリオワクチン接種や教育支援に活用する活動に取り組みました。高時小学校は地元のオオサンショウウオの保護活動を通じて源流の自然環境に関心を深めています。また、長浜西中学校は大花火大会後の会場でごみを拾うボランティア活動に毎年取り組んだ結果、年々、ごみの量を減らす成果を出しています。これらもSDGsの達成に向けた活動と捉えることができます。

 —企業や学校、団体などがSDGsの活動に取り組んでいますが、一市民、一地域としてはどう向き合ったらよいのでしょうか?

 ◆決して難しいことはありません。例えば世界全体の食料援助は年間320万㌧です。しかし、日本の食品ロス(まだ食べられるのに捨てている食品)は646万㌧にのぼります。世界の食糧援助の倍の量です。日本では1人当たり毎日ごはん1杯分を捨てている計算となります。賞味期限や消費期限を正しく理解して、食品ロスを減らすことはSDGsの「つくる責任つかう責任」(目標12)に通じます。これなら、明日からでも、取り組めそうですよね。

 —食品ロスの半数近くが家庭で発生しています。買い物や料理のスタイルを改めることで少しでもロスを減らしたいですね。

 ◆スーパーでの買い物でも、ハウス栽培の野菜よりも季節の野菜を買う、遠くの産地のものより地元産を買うことはエネルギーの削減にもつながります。つまり地産地消はSDGsの目標で言えば「海の豊かさを守ろう」(目標14)、「陸の豊かさも守ろう」(目標15)をはじめ、「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」(目標7)、「産業と技術革新の基盤をつくろう」(目標9)、「気候変動に具体的な対策を」(目標13)にも貢献することになります。

 —これならSDGsの実現に誰でも取り組めそうです。

 ◆ほかにも、すぐに実践できる取り組みはたくさんあります。こまめに電気を消す、水を出しっぱなしにしない、アイドリングストップを心掛ける、簡易包装の商品を選ぶなどです。服を買う時に、SDGsの達成に向けて取り組んでいる企業の商品を選ぶなど、消費行動でも協力できます。琵琶湖の湖魚を食べることも地産地消にもつながりますね。最も大切なことは、自分自身がSDGsという物差しを持ち、「自分ごと」「地域ごと」としてとらえて、できるところから実践してゆくことです。

2021年9月21日

地空連携の災害ロボット開発へ

京都大学が大井町で洪水の情報収集

 「地空連携」による災害用ロボットを開発している京都大学の教授らがこのほど、大井町の姉川一帯でドローン3台による同時空撮を実施。ロボット開発に必要なデータを収集した。

 同大学の松野文俊教授(工学博士)の研究グループは日本、ロシア、タイの3カ国で3年間かけ、土砂災害や水害に役立つロボットの共同研究をしている。

 プロジェクトは被災地で開発した「空中」「陸上」「水上」「水中」のロボットの特徴を生かしながら、連携させ、被害状況の確認や人命救助に役立てるというもの。

 今回の撮影は河川流域や集落周辺の地形など、情報を収集するのが目的。災害時を想定し、危険回避のため、省人数化を目指しており、1人のオペレーターが同時に複数のドローン(空中ロボット)を管理する。

 調査では3台のドローンを同時に上空約50㍍まであげ、20分間、飛行。大井橋周辺や姉川左岸一帯の写真を約600枚撮った。撮影した写真は学生たちがコンピューターで地図と重ね合わせ、歪のない画像に処理される。

 松野教授は「ドローン同士の衝突が無いかなど、チェックできた。陸と空との連携により、さまざまなシーンで役立てられるようなロボットを開発したい」と語っていた。

越水の可能性指摘 高時川の調査も

 大井町は2017年8月の台風で甚大な浸水被害を受けており、メンバーの1人、畑山満則教授(京都大学防災研究所)は地元自治会、防災組織の協力を得て、浸水場面をVR(仮想現実)でリアルに体験できる防災システムを開発している。今回の研究ではこのデータを照らし合わせながら、「地空連携」による災害用ロボットを開発する考え。

 湖北の水害について、畑山教授は「水害の要因となった県道の切り通しは塞がれ、同じような被害は無いと思うが、流域の形状から上流域で(堤防を)越水する可能性が高い」とし、高時川についても「水かさが急激に増す姉川との合流点などを調べてみたい」と話していた。なお、今回、収集されたデータは県の「地先安全度マップ」資料に提供される。

2021年9月17日

湖北の消防士3人 全国入賞

機器改良・開発と意見発表で

 湖北地域消防本部の職員3人が消防機器の改良・開発や意見発表の大会で全国入賞し、17日、消防本部で表彰式が行われた。

 表彰を受けたのは全国消防協会主催の消防機器改良・開発論文で会長賞(優賞)を受けた東浅井分署の浦島智彦さん(40)と山瀬樹さん(26)、全国消防長会主催の意見発表会で入賞した長浜消防署の出路夏穂さん(26)。いずれも県予選、東近畿予選を通過して全国大会に出場した。

 浦島さんらは消防現場で使用頻度の高い「三連はしご」の安定性を高める器具を開発。三連はしごを使用する際には支え役がはしごの基底部に足をかけ固定するが、ぐらつくことがある。開発した金属製のプレートを基底部に取り付けたうえで踏むことで「確保力」が4割程度向上した。表彰を受け、浦島さんは「受賞は光栄で、良い経験となった。これからも日ごろ気付いた課題を改善する気持ちを持って活動していきたい」、山瀬さんは「表彰は消防人生における大きなポイントになる。一生懸命取り組んだことが評価され嬉しい。今後も開発を進めたい」と話している。

 出路さんは意見発表会で、女性消防職員の悩みや不安を共有・解消するSNSアカウントの作成を提案した。

 湖北地域消防本部初の女性消防職員として採用され、男性主体の職場の中で「気を遣われている」などとストレスを抱えた自身の経験を伝えたうえ、全国で同年代の女性が同じ悩みを抱えているとして、SNS活用で「都道府県や本部の垣根を越えて支え合うことで多くの女性消防職員の心を救うことができる」と発表した。

 発表後は湖北地域消防本部に「境遇が同じ」などと悩み相談の連絡も入っており、出路さんは「女性が1人しかいない消防署もある。私が発表会に出たことで、同じ悩みを持っている女性職員が多くいることを知ってもらうきっかけとなった」と話している。