1泊2日で「来年も行きたい」
自転車で琵琶湖を一周する「ビワイチ」。湖周道路のサイクリングコース整備や県の推進条例制定などもあって自転車愛好家からの人気が高まる中、長浜市内の70代の女性4人も年1回のビワイチを満喫している。
宮部早苗さん(73)、松本久子さん(72)、田中千代子さん(73)、田中朱美さん(73)=いずれも三川町=は3年前から揃ってビワイチを楽しんでいる。
元々自転車に乗ることが好きだった4人。いつしか揃って余呉湖や賤ヶ岳、醒ヶ井、彦根などへの日帰りサイクリングを楽しみ、2019年からは年に1回、ビワイチに挑戦している。
今年は今月16、17日の1泊2日で挑戦。16日午前7時半に三川町を出発し、午後3時40分に大津市南小松のホテルに到着。17日は午前8時半にホテルを出発し、琵琶湖大橋を渡って午後5時半に三川公会堂へゴールした。全行程約150㌔を、平均時速17㌔程で駆け抜けた。
「風もなく穏やかな天気でサイクリング日和でした」と話す4人。道中、対岸の湖西からの竹生島と伊吹山の眺めが普段と違って印象的で、琵琶湖大橋ではスピードの出る下り坂で風を切るのが楽しかったという。また、サイクリングコースの整備が進んで快適に走行でき、「来年もまた行きたくなった」と笑顔をはじけさせていた。
条例でビワイチ推進 今秋にはイベントも
ビワイチは琵琶湖を反時計回りに1周する約200㌔のサイクリングコースで、走り慣れた人なら1日で走れる距離だが、観光や食事を楽しみながら2〜3日かけて走るのも魅力。1周完全走破だけでなく、琵琶湖大橋の北側(約150㌔)だけや南側(約50㌔)だけのコースもある。2019年に国指定の「ナショナルサイクルルート」となり、今年4月には県が推進条例を施行している。
県の集計によると、2021年度の体験者数は8万4000人(速報値)。コロナ禍の影響で19年の10万9000人に比べると減ってはいるが、15年の5万2000人と比較すると、体験者が増加している。
推進条例で制定された「ビワイチの日」(11月3日)と「ビワイチ週間」(11月3〜9日)に向け、県は老若男女が楽しめるサイクリングイベントを準備している。各地にエイドステーションを設置し、ふるさと観光大使でアーティストの西川貴教さんも参加。県を挙げてビワイチの魅力を県内外に発信する。