2023年3月31日

海の生き物、目の前に

小谷児童館でスマートグラス体験

 拡張現実(AR)機能を備えた眼鏡型の情報端末「スマートグラス」の体験会が30日、小谷丁野町の小谷児童館(ニコニコハウス)で開かれ、子ども22人が室内にいながら目の前で海洋生物へのエサやりを楽しんだ。

 スマートグラスはサングラスのような形で、目の前の景色はそのままに文字や映像、ARなどを同時に見ることができ、産業分野やイベントなどで普及が進んでいる。

 体験会は北近江リゾート(高月町唐川)が子どもたちに最先端の技術に触れてもらおうと、スマートグラスを開発した取引企業の日本出版関西支社(大阪市)に協力を呼びかけて企画した。

 子どもたちが体験したのは簡単な操作で海の生き物と触れ合えるゲーム「海の生き物と遊ぼう!」。グラスをかけ、目の前に掲げた手をグーにするとクマノミやウミガメなどの生き物が泳いで現れ、パーにすると星形のエサが出現して魚たちが寄って来る。

 子どもたちは魚に近寄って上からのぞき込んだり下から見上げたりして、その泳ぎを観察。突然現れたサメに驚いて悲鳴を上げる子どもや、クマノミを捕まえようとする子どももいて、思い思いに拡張現実が作り出す海の世界を満喫していた。

 速水紗菜さん(小谷小3年)と佐藤根彩羽さん(速水小4年)は「ウミガメとかエイとか、いろんな魚を目の前で見られて、エサやりもでき、とても面白かった」と話していた。

 北近江リゾートの担当者は「子どもたちの喜ぶ反応が予想以上で、企画して良かった。ゴールデンウイークなどにも体験イベントを検討してみたい」と話していた。

2023年3月29日

イヌワシの子育て「ライブ配信」

生育環境の保護で、米原市サイトなどで

 伊吹山のイヌワシの子育てを多くの人に見守ってもらおうと、米原市は28日から市役所3階の市民交流エリアで、子育てのようすを撮影した動画のライブ配信を開始した。

 カメラマンのマナー違反などで生育環境が脅かされていることから、野生動物の調査研究会社の「イーグレット・オフィス」(米原市下板並)が設置したリモートカメラの映像をリアルタイムで公開することで、イヌワシの保護につなげたい考え。

 イーグレット・オフィスによると、県内の山岳地帯でのイヌワシのつがいは伊吹山の1ペアを含む4ペアしかいない。伊吹山ではふ化して巣立ったイヌワシは同社が調査している37年間で7羽しかいないという。現在、伊吹山のペアが卵2個を交代で温めている。

 イヌワシが減少している背景には開発による自然環境の悪化のほか、伊吹山では一部のカメラマンが巣に近づきすぎて親鳥が巣に戻れなかったり、シカの死がいで餌付けするなどの違法行為やマナー違反があるという。

 このため同社は巣の周辺の監視と多くの人が見ているという「見守り効果」を期待し、リモートカメラを設置。市も同社の趣旨に賛同し「イヌワシ子育て応援プロジェクト」と題して、市役所の市民交流エリアと伊吹山文化資料館でライブ映像の配信を開始。4月1日から市の公式ウェブサイトからも映像を見られるようにする。

 ふ化して巣立つ7月初め頃まで配信するが、市はこのプロジェクトを来年以降も継続させるため、クラウドファンディングを行う予定。またカメラマンが生息場所に立ち入らないための啓発看板の設置などを行う。

 同社CEOの須藤一成さん(62)は「普段はあまり見ることができないイヌワシとその子育てを見て、イヌワシが暮らしやすい自然環境に関心を持ってもらい、その保護につながればいい」と話している。

2023年3月27日

浅井三姉妹の郷にカフェ

旧商工会館を改修、地元スイーツなど提供

 内保町の道の駅「浅井三姉妹の郷」の隣に、長浜商工会の会員事業所のコーヒーやスイーツを提供するカフェ「Chaya」が25日オープンした。ドライバーや観光客の休憩に利用してもらうと同時に、地元スイーツなどの紹介と販路拡大、観光情報発信の拠点にしたい考え。

 道の駅は365号線沿いの好立地にあり、ドライバーや観光客に愛用されているが、物販やレストランが中心で、カフェなどの休憩スペースがないことが課題だった。

 カフェの建物は旧東浅井商工会館として利用されていたが、市内商工会の合併に伴って事務所が湖北町速水に移って以降は空いたままで、その利活用が模索されていた。

 カフェは商工会が国の補助金などを活用して改修し、道の駅の経営会社「浅井三姉妹の郷」が運営する。会員事業所の自家焙煎コーヒーと、ヨーロッパ発祥の「コスタコーヒー」のテイクアウトを扱う。スイーツは会員事業所から公募して提供する。現在約20事業所から応募があり、当面は木元製菓舗の「どんべ金もなか」、菓子乃蔵角屋の「でっち羊羹」、TROIS(トロワ)3の焼き菓子などを提供する。

 広さは約200平方㍍。個人客がゆったりとくつろげるスペースと、団体客などに対応した部屋などを設けている。

 25日には押谷小助商工会長、上野賢一郎衆院議員、浅見宣義市長らが出席してオープニングセレモニーがあり、押谷会長は「地域の和菓子、洋菓子を持ち寄り、全国展開するきっかけになれば」とあいさつし、上野議員は「東京でも外国人観光客がどんどん増えている。コロナが落ち着き、国内でも海外でも人の移動が増えているので、うまく取り込んでほしい」と期待を込めた。

 営業時間は午前10時から午後4時まで。無休。

2023年3月23日

「忠太郎」の銅像 番場へ移設

除幕式で住民ら喜び「シンボルに」

 長浜市内で見つかった「番場の忠太郎」の銅像(高さ175㌢、幅70㌢、奥行き60㌢)が米原市番場の地に移設され、18日に除幕式が開かれた。かつては番場近くの国道21号線沿いに建っていたため、地元住民らは「忠太郎おかえり」と喜んでいた。

 番場の忠太郎の銅像は国道沿いにあった飲食店「忠太郎食堂」の近くに建っていたが、閉店と建物解体に伴い不動産会社を通じて長浜市内の民家に渡り、敷地内で保管されてきた。

 米原市番場の住民たちの間では銅像の行方がわからないまま、忘れられかけていたが、昨年3月に番場史跡顕彰会の泉峰一会長(73)が長浜市内の知人を通じて銅像の存在を知り、交渉の末で番場への移築で合意。クラウドファンディングなど100人以上からの支援で移設費用を集めた。

 移設場所は中山道沿いの市所有のポケットパーク内。除幕式には平尾道雄市長や上野賢一郎衆院議員らも出席し、泉会長は「番場の入り口に銅像を建てたことで、番場のシンボルになった」と喜んだ。

 番場の忠太郎は昭和5年作の戯曲「瞼(まぶた)の母」に登場する架空の人物で、米原市番場で生まれた忠太郎が5歳の頃に母親と離別し、30歳を超えた頃に江戸で再び母親と出会うストーリー。番場の蓮華寺には忠太郎の墓や地蔵尊があり、毎年7月24日には忠太郎地蔵まつりを開催。親子の縁の大切さと家庭円満を願いながら顕彰している。

 泉会長は「若い人たちに番場の忠太郎が生まれた歴史を知ってもらい、親子の絆の大切さを改めて認識してくれたらうれしい」と話していた。

2023年3月16日

湖北キッカーズ 県大会初優勝

25日から関西大会出場 表敬訪問で抱負

 高時川運動広場(湖北町速水)を拠点に活動するサッカースポーツ少年団「湖北キッカーズ」が2月のSFA第46回U11選手権大会で初優勝し、今月25日に大阪府堺市で開幕するフジパンカップ第29回関西小学生サッカー大会に出場する。県南部のクラブチームが幅を利かせる滋賀で湖北勢が県大会を制するのは初めての快挙。

 湖北キッカーズは昨年11、12月に行われた湖北ブロック予選を1位で通過し、今年2月に各ブロックの代表32チームが出場した県大会のトーナメント戦を全勝で制した。強豪のオールサウス石山との決勝戦では後半で0対2と追い詰められたところから、約5分間で3得点する劇的逆転で湖北勢初の栄冠をつかんだ。

 関西大会は25日から27日まで開かれ、近畿2府4県の代表24チームが出場する。湖北地域からは県大会で3位に入賞した浅井FCも出場を決めており、湖北勢の活躍に期待がかかる。

 15日には湖北キッカーズの選手11人が浅見宣義市長を表敬芳訪問し、県大会優勝と関西大会出場を報告した。佐野源治代表は「練習試合で強豪と対等に戦っていたので、優勝を狙っていた。湖北勢としては初の優勝で、子どもたちの頑張りを誇りに思う」と語った。

 キャプテンの山口隼人さんは「決勝戦のように最後まであきらめないで、11人全員で力を合わせて頑張り、精一杯プレーしたい」と抱負を語った。

 浅見市長は「滋賀1位の名に恥じない戦いをしてきてほしい。勝ち負けにかかわらず、上手な他の選手を見て学んでくることも大切」と話しかけていた。

 出場選手は次の皆さん(いずれも小学5年生)。

 杉本慎斗(朝日)、伊吹諒(小谷)、川上瑛大(同)、柴田怜音(朝日)、関谷龍斗(同)、和泉朋生(虎姫)、當間琉央(木之本)、畑野佑二郎(長浜北)、松井尚生(速水)、松山陸(同)、山口隼人(小谷)。

2023年3月14日

女性研究者の道、知って!

虎姫高で女子生徒にバイオ大助教ら講演 自身の歩みや支援制度を紹介

 科学の道を志す高校生に女性研究者が自身の歩みを通じて今後のキャリアについてアドバイスする講演会が13日、虎姫高校で開かれた。

 講演会は女性奉仕団体の国際ソロプチミスト長浜(松井喜久枝会長)が主催する「夢を拓く—高校生のためのキャリア・サポート」事業。長浜バイオ大助教の近藤真千子さん(39)と同大学院生の梅田知晴さん(26)を講師に迎え、女子生徒20人が話を聞いた。

 近藤さんは長浜バイオ大の1期生で、博士課程修了後、助手として勤務。出産・育児のため退職したが、その後復帰して、現在は2人の子どもを育てながら大学の実験実習や授業を行っている。

 講演では植物が独自の免疫反応で病原菌の感染から身を守っている仕組みについて研究していることを紹介したうえで、研究者の仕事を解説。実験実習や講義科目の授業のほか、研究資金の調達、論文の執筆・投稿が重要だとした。

 他国に比べ日本は女性研究者が少ない実態を伝え、例えば長浜バイオ大では教授53人中1人、准教授14人中1人、助教13人中2人しかいないとした。

 日本に女性研究者が少ない理由として「家庭との両立が困難」「無意識の偏見」「職場環境」「ロールモデルの少なさ」との新聞社調査の結果を紹介した。そのうえで、男女共同参画の視点から、女性研究者向けの研究費支援などのサポート制度が徐々に増えつつあると説明した。

 女性研究者のロールモデルとして、次期学長に選ばれている長浜バイオ大の伊藤正恵教授を挙げた。伊藤教授は農学部で大学院修士課程を修了し、一度民間企業に就職した後、博士課程に入学してウイルスの研究を始めた。近藤さんは「やりたいことや興味は少しずつ変化する。軌道修正はいつでも可能だから、今の気持ちを大切に」との伊藤教授のメッセージを伝え、自身も「今やりたいことを大切に、ちょっと先の未来を考え、欲張りに生きよう」とアドバイスしていた。

 梅田さんは大学院で酵母菌を使った老化のメカニズムを研究。「健康寿命を伸ばすために、将来、人に生きる研究につなげたい」と研究動機を説明した。将来は企業で研究を続けたい考えで、企業で活躍する女性研究者を紹介していた。

 出席した生徒からは「出産や育児で休んだりすると、男性研究者が多い中では不利ではないか」との質問があり、近藤さんは「独身ならば好きなだけ研究できるが、私は時間になったら帰らないといけない。ただ、やりたいことをやれている状態なので、不利だとか考えてもしょうがない」と語り、梅田さんは「論文は1人だけで出すのではなく、チームで出す。男性に頼ってもいいし、男性と比較する必要はない」とアドバイスしていた。

 講演後、岸田紗季さん(2年)は「研究職には女性は不利だと漠然と思っていたが、サポート体制が整いつつあることを知った。生活の安定、ライフプランとかを考えると難しさを感じるが、女性が研究をやりやすくなっていて、私も研究職に挑戦したい」と話していた。

2023年3月13日

桐畑さんジュニア五輪へ

スキー大回転、インハイ出場の姉も応援

 余呉小中学校6年の桐畑莞爾さん(12)が4日にびわ湖バレイスキー場で行われた県ユーススキー大会第3戦の大回転(ジャイアントスラローム)で優勝し、ジュニアオリンピックに県代表として出場することが決まった。

 姉2人の影響で小学校就学前からスキーを始めた桐畑さん。西田スキースキールに所属し、冬は箱館山スキー場をホームグラウンドに練習し、夏場は筋トレなどに励んでいる。

 県大会では旗門を通過しながら標高差94㍍を一気に滑り降り、2本の合計タイムで優勝した。小学校生活最後の県大会で大舞台への出場を決め、「嬉しい。ジュニアオリンピックでは他県の代表に通用するような滑りを見せ、上位を目指したい」と張りきっている。

 姉の望さん(16)=高島高校1年=も県大会の大回転で準優勝し、2月にインターハイに出場した。出場者約190人中、133位となり「全国の舞台は初めてで、北海道など雪国の選手は速く、学ぶことが多かった」と振り返る。目標としていたインターハイに1年生で出場でき、「次回は上位を目指したい」と話す。

 ジュニアオリンピックに出場する弟には「全国レベルの大会で緊張すると思うが、普段の練習通りの滑りを見せて優勝してほしい」と期待を寄せている。

 ジュニアオリンピックは25日から29日まで長野県の菅平高原パインビークスキー場で開かれる。

2023年3月10日

湖北野鳥センターの写真コンテスト

金賞は「もらったぜ!!」

 湖北野鳥センターは8日、今年度の野鳥写真コンテストの入賞者を発表。金賞にはコイ科の魚を捕まえたミサゴと驚いたような表情のセグロカモメをとらえた「もらったぜ!!」(福井県越前市、奥野宏樹さん撮影)が選ばれた。

 コンテストは35回目。長浜市内で撮影した野鳥写真を募り132点の応募があった。長浜スタジオや湖北野鳥の会の関係者ら5人による審査で、入賞、入選9点を選んだ。いずれも自然や生き物の強さ、可愛らしさを表現しており、「図鑑のような写真が多かった時代も過去にあったが、カメラ性能の向上でより自由な鳥の写真が増えている」としている。

 金賞作品は尾上港で撮影したもので、「シャッターチャンスを見事にとらえている。2羽の鳥の表情が良く、しぶきを含めた構図も素晴らしい」との講評だった。

 銀賞は早崎ビオトープでキジのカップルを写した「歓喜の出会い」(大垣市、安田弘さん)、銅賞は姉川河口でダイサギが向かい合うようすをとらえた「語らい」(守山市、藤原厚士さん)が選ばれた。

 全作品を紹介する展示は、18日から4月16日まで湖北野鳥センター、5月8日から22日まで市役所1階ロビーで。

 ほかの入賞者は次の皆さん。

 ▽入選=上田喜好(竜王町)、風間一範(地福寺町)、桒原達夫(彦根市)、内藤又一郎(高月町西柳野)、古川博(南高田町)▽OM SYSTEM賞=安藤優樹(野洲市)。

 

金賞・奥野宏樹さん撮影「もらったぜ!!」

 

銀賞・安田弘さん撮影「歓喜の出会い」

 

銅賞・藤原厚士さん「語らい」

2023年3月7日

発見、通報、救助、消火…連携で火災拡大防止

湖北地域消防本部が米原市西山の4人に感謝状

 昨年11月に米原市西山で発生した民家火災で、住民が協力し合って初期消火や救助にあたり被害拡大を防いだとして、湖北地域消防本部は7日、米原市西山の住民4人に感謝状を贈った。

 表彰を受けたのは藤田淑子さん(83)、寺尾洋一さん(72)、小野兵衛さん(81)、梶田宗弘さん(82)。

 昨年11月9日午前10時20分ごろ、集落内を散歩中の藤田さんが男性(75)=当時=が一人暮らししている住宅から煙が出ているのに気づき、たまたま屋外にいた小野さんに伝えた。小野さんは現場を確認したうえ、区長の寺尾さんに連絡し、寺尾さんが119番通報した。寺尾さん、小野さん、梶田さんの3人は男性宅内に入り、火が上がり煙が充満していた居間から逃げようとしていた男性を屋外に誘導。また、男性宅にあった消火器を使ったり台所の水をバケツで汲んだりして初期消火にあたった。男性にけがはなかった。

 消防本部で開かれた感謝状贈呈式では4人の功績が読み上げられた後、清水正幸消防長が1人ずつ感謝状を手渡し、「地域住民による通報、避難誘導、消火活動による延焼拡大防止で被害を最小限に抑えた。こうした活動を多くの人に知ってもらい、地域に暮らすすべての人が助け合える社会になれば」と話した。

 4人は「当たり前のことをしただけで、まさか表彰されるとは思わなかった。日ごろから訓練し、いざという時にどれだけ協力し合って動けるかが大事」と話していた。

藤田消防士を表彰

 この日の表彰式では昨年8月の第50回全国消防救助技術大会に滋賀県代表として出場した長浜消防署の藤田亮輔消防士(20)に表彰状が贈られた。

 藤田消防士は大会競技のうちロープブリッジ渡過に出場した。高さ7㍍に張られた20㍍のロープを往復する競技で、往路はロープの上に体を乗せる「セーラー渡過」、復路はロープに両手両足でぶら下がる「モンキー渡過」でタイムを競う。6月の県大会で優勝し、滋賀代表として出場した全国大会では25秒0の記録で規定タイムをクリアし、入賞した。

2023年3月3日

ヒツジの赤ちゃん誕生

ローザンベリーで「ブラックノーズ」

 米原市のローザンベリー多和田は1日、園内で飼っているヒツジの「ヴァレー ブラックノーズ シープ」に赤ちゃん3頭が生まれたと発表。今月21日から一般公開し、25日から「ミルクあげ体験」を開催する。

 このヒツジはスイスのヴァレー州で生息する珍しい種類で、体はほかのヒツジと同様に白色だが、顔の部分と足が黒く、折れ曲がった角があるのが特徴。2020年11月から翌年10月にかけてニュージーランドで生まれた雄と雌の2頭ずつが昨年10月中旬から同園で放牧されてきた。

 そのうち雌の1頭ずつから2月10日に雌の赤ちゃん2頭、2月15日に雄の赤ちゃん1頭が生まれた。同園の職員によると「10日に生まれるまでわからず、職員一同が驚いた」という。

 赤ちゃんの動画は同園の公式ユーチューブ(https://www.youtube.com/shorts/d2wVV2ivdpo)で視聴できる。ミルクあげ体験は25日、27日、29日、31日、4月2日、5日、7日、9日の午後1時半から各日3人のみ。有料。当日受付で、希望者が多い場合は抽選に。

 赤ちゃんの名前の投票を今月25日から4月9日まで受け付ける。園内に設置の専用のQRコードを読み取って、4案の中から選んで投票する。

2023年3月1日

医療テント設営、毎日100人診療

トルコ大地震、援助隊の金澤さん帰国

 大地震に襲われたトルコで、日本政府が派遣した国際緊急援助隊・医療チームの一員として支援活動を行っていた朝日町の看護師・金澤豊さん(63)=京都橘大学健康科学部救急救命学科教員=が2月27日、帰国した。

 医療チームは医師や看護師、薬剤師ら75人で構成され、トルコ南部のカジアンテップ県オーゼリ市で活動。金澤さんは2月14日に日本を発ち、現地でテント設営や被災者の受け入れ対応などに取り組んだ。

 医療チームは現地の職業訓練校の駐車場に大小約30のテントをつなぎ合わせて、集中治療室、手術室、分娩室、ナースステーション、診察室、病床などの機能を備えた設備を整備。また、電子カルテも導入し、タブレットを使って情報を共有するなど、国際緊急援助隊として新しい試みが行われた。

 大地震による被害を受け職業訓練校に機能を移転していた現地の病院の指示を受けて診療に従事した。

 復興作業中にけがをしたり、マイナス10度の気温で体調不良を訴えたりする被災者を1日当たり約100人受け入れて診療を行った。妊婦のエコー検査が評判を呼び、興味本位で診察に訪れる住民もいたという。

 治安悪化が報じられ、医療チームには外出禁止令が出されていたため、地震被害を受けた地域で直接活動することはなかったが、金澤さんは「治安の悪さを感じることはなかった」と話している。

 トルコは1999年にも大地震(イズミット地震)に見舞われ、日本の援助隊が現地で献身的に活動。その恩返しとして東日本大震災ではトルコの援助隊がいち早く駆け付け、原発事故を受けて各国の援助隊が撤退する中でもトルコ隊は活動を続けた経緯がある。今回の派遣に日本の隊員は「東日本大震災の恩返し」との思いを胸にトルコに赴き、現地の空港で住民から大きな拍手で出迎えられるなど大歓迎を受けたという。

 金澤さんは1999年のトルコ大地震の際に現地に派遣されており、トルコ語も片言だが話すことができる。「現地では温かく歓迎され、レトルト食品ばかりの私たちにボランティアの住民が食事を提供してくれることもあった。とても友好的だった」と振り返った。

 国際緊急援助隊として9回目の派遣だった金澤さん。「地震はいつ発生するか分からない。ライフラインが途絶したときのために我々医療に携わる者はしっかりとした体制を構築する必要があるし、個人レベルでは日ごろから万一の備えが必要」と語る。

 そのうえで、「コロナ禍で地域のコミュニティが弱くなったと感じる。大規模災害が起こったときは、公助よりも共助が重要になる。救助、水の確保、排泄の問題などは、地域や近所が互いに助け合うことが大切で、共助が試される。今一度、希薄化しているコミュニティの再構築が必要だと感じた」と話している。