2021年9月22日

SDGs 持続可能な未来に向けて②

MLGs 2030年の琵琶湖と、琵琶湖に根ざす暮らしに向けた13のゴール

 滋賀県は今年7月、琵琶湖保全のために2030年までに達成すべき13の目標「マザーレイクゴールズ(MLGs)」を策定した。SDGsの琵琶湖版で、生物多様性や環境浄化などを掲げている。ただ、保全するのは自然環境としての琵琶湖だけではなく、山、川、里、湖、海のつながりと、そこにある人の営みまで含めた象徴としての琵琶湖「マザーレイク」。

 ①清らかさを感じる水に②豊かな魚介類を取り戻そう③多様な生き物を守ろう④水辺も湖底も美しく⑤恵み豊かな水源の森を守ろう⑥森川里湖海のつながりを健全に⑦びわ湖のためにも温室効果ガスの排出を減らそう⑧気候変動や自然災害に強い暮らしに⑨生業・産業に地域の資源を活かそう⑩地元も流域も学びの場に⑪びわ湖を楽しみ愛する人を増やそう⑫水とつながる祈りと暮らしを次世代に⑬つながりあって目標を達成しよう—の13のゴールを設定している。

 MLGsの取り組みはSDGsの達成にも貢献し、すでに複数の企業がMLGsに賛同を表明している。振り返ると琵琶湖の水質改善を目指して県内の主婦が率先した「石けん運動」以来、県内では40年にわたって琵琶湖をはじめとする自然環境保護に積極的に取り組んできた。これらのさまざまな活動が土台となってMLGsにつながっている。

 

滋賀県版ボードゲーム

 SDGs実現への道筋を手っ取り早く体感する手段に、カードゲームやボードゲームがある。座学でSDGsを学ぶだけではなく、ゲームを通してSDGsの実現を体感することで、なぜ今SDGsが必要なのか、SDGsがどんな変化や可能性を生み出すのか、大人も子どもも理解しやすい。

 県内でゲームを使ってSDGsの普及に取り組むのが神照町出身の島田利恵さん(栗東市)。SDGs普及に特化した「あもる」を設立し、企業や学校での研修などに取り組む。今年5月には、未来技術推進協会(東京都千代田区)が開発したSDGsボードゲームを改良し、琵琶湖のヨシの紙を使った県独自のボードゲームを製作。クラウドファンディングで寄付を募って量産を始め、県内の事例を楽しく学べるボードゲームとして注目されている。毎月20日、守山市役所に隣接のSDGs拠点「future lab」で体験会を実施している。出張研修も受け付ける。【問い合わせ】℡050・5866・4969、メール(rie@amoru-s.com)へ。

 

気候変動から考えるSDGs

 滋賀県地球温暖化防止活動推進センター(草津市)は「気候変動から考えるSDGs〜誰一人取り残さない未来のために」と題したプログラムを提供している。温暖化防止活動推進員やセンター職員による出前講座で、気候変動が直接的なものだけでなく、間接的にもさまざまなリスクを引き起こすことを学べる。気候変動対策はSDGsのベースでもあり、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」(目標7)、「つくる責任つかう責任」(目標12)について考える。【問い合わせ】℡077・569・5301。

2021年9月22日

SDGs 持続可能な未来に向けて①

 最近、新聞やテレビで目にするSDGs。Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、2015年9月に国連で開かれたサミットで採択された国際社会共通の目標を指す。このサミットでは、2030年までの長期的な開発の指針として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が決定され、この中核を成す「持続可能な開発目標」をSDGsと呼んでいる。

 SDGsは「誰ひとり取り残さない」ことを目指し、先進国と途上国が一丸となって達成すべき目標として、「貧困をなくそう」「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「人や国の不平等をなくそう」など17のゴール(目標)を定めている。湖北地域でも企業や団体、教育機関などがそれぞれSDGsの各目標を念頭に置いた取り組みを推進し、その輪がじわりと広がっている。

 

 湖北地域でSDGsの啓発活動に率先して取り組むのが長浜ユネスコ協会の片山勝会長。学校や団体の研修会でSDGsについて解説し、その輪を広げようと精力的に活動している。いま、なぜSDGsが注目されるのか、そして、市民はSDGsにどう向き合えばいいのか、そのヒントを聞いた。

 —なぜ、今、SDGsが注目されるのでしょうか?

 ◆世界は深刻な課題を数多く抱えています。森林伐採やCO2排出に伴う温暖化、そして異常気象。地球環境はいよいよ悪化しています。一方で、世界の人口は増え続け、国同士が限られた資源を奪い合うことになりかねません。紛争や貧困も、いまだに解決されない課題です。SDGsが国連で採択されたのは「世界は、このままではいけない」という意識が世界の指導者の間で広がったためです。

 —長浜ユネスコ協会としてはどのような取り組みをされていますか?

 ◆書き損じはがきを募って現金化し、途上国の教育環境の向上を図る「世界寺子屋運動」は、SDGsの「質の高い教育をみんなに」(目標4)に通じます。教育を受けられないと、読み書きができない。そうすると安定した職に就けず、収入がなく貧困に陥ります。その貧困によってその子どもも教育を受けられないというスパイラルに陥ります。その連鎖を断ち切るのが「世界寺子屋運動」です。カンボジアに学校を整備し、教育を受けられなかった大人の女性にも教育機会を提供したりと、その成果は着実にあらわれています。

 —世界寺子屋運動は「貧困をなくそう」(目標1)にもつながりますね。他にはどのような活動がSDGsに合致しますか?

 ◆終戦記念日に大通寺で「平和の鐘」を鳴らす事業は、「住み続けられるまちづくりを」(目標11)と「平和と公正をすべての人に」(目標16)に該当しますし、わたしのまちのたからもの絵画展は「質の高い教育をみんなに」(目標4)と「住み続けられるまちづくりを」(目標11)に、これまでに延べ2万2000人が受講した外国人市民向けの日本語教室は「質の高い教育をみんなに」(目標4)と、「働きがいも経済成長も」(目標8)に合致します。

自分ごと地域ごととして、明日から実践を

 —長浜市内の学校でもSDGs実現に向けた取り組みがありますね。

 ◆小中学校や高校でSDGsの取り組みが広がっていることに注目しています。虎姫高校では古着や古本を保護者や生徒から集め、得られた資金で途上国の子どもたちのポリオワクチン接種や教育支援に活用する活動に取り組みました。高時小学校は地元のオオサンショウウオの保護活動を通じて源流の自然環境に関心を深めています。また、長浜西中学校は大花火大会後の会場でごみを拾うボランティア活動に毎年取り組んだ結果、年々、ごみの量を減らす成果を出しています。これらもSDGsの達成に向けた活動と捉えることができます。

 —企業や学校、団体などがSDGsの活動に取り組んでいますが、一市民、一地域としてはどう向き合ったらよいのでしょうか?

 ◆決して難しいことはありません。例えば世界全体の食料援助は年間320万㌧です。しかし、日本の食品ロス(まだ食べられるのに捨てている食品)は646万㌧にのぼります。世界の食糧援助の倍の量です。日本では1人当たり毎日ごはん1杯分を捨てている計算となります。賞味期限や消費期限を正しく理解して、食品ロスを減らすことはSDGsの「つくる責任つかう責任」(目標12)に通じます。これなら、明日からでも、取り組めそうですよね。

 —食品ロスの半数近くが家庭で発生しています。買い物や料理のスタイルを改めることで少しでもロスを減らしたいですね。

 ◆スーパーでの買い物でも、ハウス栽培の野菜よりも季節の野菜を買う、遠くの産地のものより地元産を買うことはエネルギーの削減にもつながります。つまり地産地消はSDGsの目標で言えば「海の豊かさを守ろう」(目標14)、「陸の豊かさも守ろう」(目標15)をはじめ、「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」(目標7)、「産業と技術革新の基盤をつくろう」(目標9)、「気候変動に具体的な対策を」(目標13)にも貢献することになります。

 —これならSDGsの実現に誰でも取り組めそうです。

 ◆ほかにも、すぐに実践できる取り組みはたくさんあります。こまめに電気を消す、水を出しっぱなしにしない、アイドリングストップを心掛ける、簡易包装の商品を選ぶなどです。服を買う時に、SDGsの達成に向けて取り組んでいる企業の商品を選ぶなど、消費行動でも協力できます。琵琶湖の湖魚を食べることも地産地消にもつながりますね。最も大切なことは、自分自身がSDGsという物差しを持ち、「自分ごと」「地域ごと」としてとらえて、できるところから実践してゆくことです。

2021年9月16日

もったいないをなくしたい

わけわけDeli 「有能」人材活用で食品ロスを削減

 「もったいないをなくしたい」—西浅井町集福寺の熊谷理美さん(34)は食品ロスの削減を目指す「わけわけDeli」(屋号)を発足。10月23日、高月まちづくりセンターで、食品ロスをテーマにした映画「もったいないキッチン」を上映する。

 熊谷さんは10年前、料理教室に通っていた際、調理で廃棄される大根の葉や皮のおいしさ、栄養に気付いた。昨年3月、夫の実家がある西浅井に住むようになり、同時期、同じ野菜を大量にもらっても、消費しきれない。また、少々色形が悪い野菜でも廃棄処分となっていることを知り、「食のもったいない」を感じるようになった。

 また、地域には障害者や高齢者、子育てに追われている母親など、何らかの制約で働きたくても働けない人材がたくさんおり、「人のもったいない」も意識するようになり、「将来、食べ物に困る時代が来るかも」「まだ、間に合うかも」と起業することに。

 来春のオープンに向け、近江塩津駅近くの遊休農地約900平方㍍を借りて、コミュニティーガーデンと貸し農園を整備している。貸し農園ではシルバー世代が農作物を栽培し、作る楽しさを感じてもらいながら、セカンドライフを充実。ガーデンでは「わけあり野菜」を調理し、世代間や地元民との交流を深めてもらう考え。

映画は県内初上映 10月23日、高月で

 農園のオープンを前に、市民に「食品ロス」について考えてもらおうと、映画会を企画した。

 「もったいないキッチン」は日本が大切にしてきた「もったいない」精神に魅せられ、オーストリアからやってきた「食材救出人」ダーヴィド・グロス映画監督が各地を旅して食品ロス解決の糸口を探すロードムービー。

 日本の食品ロスは世界トップクラスで、ダーヴィド監督はコンビニや一般家庭に突撃し、捨てられてしまう食材を救出。キッチンカーでおいしい料理に変身させる爽快なストーリー。

 熊谷さんは「食品ロスの現状を『楽しんで』知ってほしい」と話している。映画会では、長浜でフードバンク、規格外野菜の販売をしている人たちの取り組みの紹介や「わけわけDeli」の事業説明なども予定している。

 県内初上映。上映は午前10時と午後1時の2回。チケットは前売り1000円(当日1200円)。中学生以下無料。購入はhttps://bit.ly/3kuc4Ktから。

2021年9月10日

どうなる?お産 ⑳-㉑

⑳地域医療[1] 急速化する病院の再編・統合

 市立長浜病院が今年4月に分娩を休止した。理由は「滋賀医大が、派遣医師を引き揚げたため」。昨年着工した産婦人科病棟拡張工事は中断し、NICU(新生児集中治療室)の増設もなくなった。

 滋賀医科大に行くと、村上節・医学部付属病院教授が「ずいぶん前から(引き揚げるという)話はあり、2年前に方針を伝えていた」と教えてくれた。

 長浜市には、4病院(長浜赤十字、市立長浜、市立湖北、セフィロト)ある。中でも、日赤と市立長浜は「高度急性期」「急性期」に対応する病院で、診療科も似通っている。

 産婦人科も両方にある。日赤には京大医局が、市立長浜には滋賀医大医局が医師を派遣していた。

 村上教授が現職に就いたのは2008年。当時から、県内の産婦人科医不足は深刻だったという。そこで11年、村上教授は「長浜一つ構想」を両病院長に提案した。

 日赤は「地域周産期母子医療センター」に指定されている。そこで産科は日赤に任せ、市立長浜は「地域のがん拠点病院」として婦人科だけを置く。京大、滋賀医大の医局から各病院に派遣されている研修医はその両方を回る、という内容だった。しかし、当時は話がまとまらなかった。

 雲行きが変わったのは15年。岐阜大が、市立長浜に派遣していた小児科医を引き揚げた。「岐阜県内の医療体制の充実」が理由だった。

 新生児の担当は、本来小児科医だ。小児科医がいなくなれば、産婦人科医は新生児に一晩中つかねばならない場合も生じる。ただでさえ多忙な医師には過酷な状況だった。村上教授は「産婦人科医が壊れてしまう。小児科のないところで、産婦人科を続けるのは厳しい」と判断した。

 両病院の産婦人科をひとつにする道を探るため、滋賀医大は日赤にも産婦人科医を2人派遣した。2人は、市立病院との交流を図る特命を託されていた。

 しかし、経営母体の違いや医局の壁もあり、実現しないまま派遣は2年で終了した。

 そうした中で20年、湖北地域は、国が病院再編を重点的に支援する区域に選ばれた。病院の再編統合は待ったなしとなった。24年には医師の働き方改革も始まる。

 こうした国策も後押しして、滋賀医大は、湖北地域の周産期医療を日赤に任せることに決めた。村上教授は「集約化のため、医師の引き上げは避けられなかった」という。

(8月31日掲載)

 

㉑地域医療[2] 妊産婦の負担増?公の支援考えて

 2024年、「医師の働き方改革」が始まる。法定労働時間に上限を設け、医師の労働環境を守る国策だ。地域医療はどう変わるのか。

 「現体制を維持できるのは県内で4病院ほどになる恐れがある」

 滋賀医科大医学部付属病院の村上節教授(産婦人科)はいう。

 滋賀医大医局に所属する産婦人科医は約40人。大学で勤務するほか、高島、甲賀、東近江、済生会滋賀県病院、近江八幡市立総合医療センターに派遣されている。これ以外の県内の病院は、京大や京都府立医大の医局に頼っている。

 村上教授によると、働き方改革後も現体制の維持が優先されるのは、滋賀医大のほか、大津赤十字、近江八幡市立総合医療センター、長浜赤十字病院。「それ以外の病院がどうなるか、正直わからない」。さらにこの4病院さえ、「絶対」はないという。

 医師不足は県内だけの話ではない。他府県の大学医局から派遣された医師が、いつ引き揚げられるかもわからないのだ。

 病院だけではない。産科の開業医(診療所)にも深刻な影響がありうると、村上教授はいう。

 「県内でこれまで産科崩壊が起きていないのは、分娩の6割を開業医が担ってきたからだ」

 開業医は半数以上が60歳代以上。滋賀医大は夜勤や休日に医師を派遣し支援してきた。しかし改革後は、院内勤務で法定労働時間の上限に達し、開業医の支援に回れない可能性がある。村上教授は「産科崩壊が県内で起こるとすれば、改革が始まった後、2025年から30年の間かもしれない」と心配する。

 妊産婦の経済的な負担が増える可能性もある。

 働き方改革に伴い、病院はより多くの医師を雇わなければならない。だが、労働時間が制限され、医師1人が担当する妊産婦の数は減る。病院経営者には、人件費ばかり増えて収益が上がらない不安がある。

 報酬を下げれば、医師の離職は避けられない。病院は、雇い控えして分娩を止めるか、分娩料金を値上げするか、選択しなければならない。

 厚労省によると、19年度の出産費用の全国平均は52万4000円。妊産婦が受給できる「出産育児一時金」は42万円で、差し引くと約10万円の自己負担が発生している。買いそろえなければならないベビー用品も多い。これ以上の経済的負担は、産み控えの原因にもなるはずだ。

 村上教授は「公費助成を求めるのがよいと考えている。少子化の時代に産む人を応援するのは、行政の仕事だ」と話した。

(9月10日掲載)

堀江昌史

2021年9月9日

長浜小で創立記念集会 リモート開催

150年の歴史、誇りと自信持って

 長浜小学校で9日、創立150周年記念集会が開かれた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため一部の児童を除き各教室からリモートで参加する形式となった。

 長浜小は1871年(明治4)9月9日に開校し、小学校としては県内最古。「滋賀第一小学校」「開知学校」などと名前を変えながら、明治、大正、昭和、平成、令和と5つの時代を歩んできた。

 体育館で行われた集会には150周年記念事業として実施した「長浜小学校の未来を語ろう!絵画コンクール」の入賞者ら児童38人が出席し、他の児童は各教室からモニター越しに見守った。

 杉本義明校長は「滋賀で最初にできた学校で学んでいることに誇りと自信を持ち、『開知』という言葉に込められているように知識と知恵をいっぱい身に付けて社会に役立つ人になって欲しい」とあいさつしていた。

 かつて開知学校の屋上の鼓楼に設置され、明治時代に1時間ごとに打ち鳴らされていた時報太鼓を叩く行事もあり、1年生の代表8人が元気良くばちを振るっていた。

 絵画コンクールの表彰式では6年生2人が代表して杉本校長から表彰状を受け取った。薮下きぬさん(12)は羽根の生えたランドセルで楽々と通学する1000年後の未来を描き、校長賞に輝いた。「150年も学校が続いてすごいと思う」と長浜小の歴史を振り返り、10月の記念事業に向けて「歌舞伎公演では司会を担当する。みんなに分かりやすく伝えたい」と話した。

 当初、この日はグラウンドで人文字の空撮写真を撮る予定だったが、延期した。

 なお、同校では10月30日に150周年記念式典を実施し、子ども歌舞伎などを行う。

 

2021年9月1日

長浜市美術展覧会 入賞作決まる

滋賀夕刊新聞社賞は古川さんの写真

 第73回長浜市美術展覧会(長浜市、長浜市民芸文化創造協議会主催)の審査が行われ、市展賞や特選など入賞・入選作品が決まった。滋賀夕刊新聞社賞(特選)には南高田町の古川博さん(61)の写真「迅雷」が選ばれた。

 日本画、写真、工芸、洋画、書、彫刻の6部門に計336点の応募があり、市展賞6点、県芸術文化祭奨励賞1点、特選29点などが選ばれた。

 入選以上274点を長浜文芸会館で展示する。展覧会は4日開幕の予定だったが、緊急事態宣言発令に伴って長浜文芸会館が臨時休館しているため、第1期(4〜11日)を延期(日程未定)。第2期(18〜23日)は一部内容を変更して開催を予定している。

 市展賞と特選に輝いたのは次の皆さん。

 【日本画】▽市展賞=藤居喜美子(八木浜)▽特選=中川安治(朝日)、吉井悟(川崎)、粟津槙優(列見)。

 【写真】▽市展賞=古川夏子(南高田)▽特選=小松弘子(勝)、廣部修次(三ツ矢元)、武藤繁一(高月町柳野中)、中川良次(彦根市)、武藤知得子(高月町柳野中)、中嶋ひろ子(公園)、櫻井廣治(大戌亥)、古川博(南高田)、田中惣八(布勢)。

 

 【工芸】▽市展賞=山崎美恵子(高月町東柳野)▽県芸術文化祭奨励賞=荒木徳治(曽根)▽特選=藤浜ゆき子(元浜)、中嶋由美子(湖北町石川)。

 【洋画】▽市展賞=野洲昭夫(高月町西野)▽特選=川嵜健次(元浜)、大澤浩子(余呉町中之郷)、田中葵(高月町雨森)、日比野千恵子(宮前)、原昌子(余呉町下余呉)、大塚愛理(元浜)、七里藤吾(高月町西阿閉)。

 【書】▽市展賞=音居玲子(米原市寺倉)▽特選=佐治真実子(宮司)、萬代和美(十里)、中谷佐江子(湖北町二俣)、中川峰子(曽根)、前川善太郎(木之本町西山)、澤田律子(高田)、北川依子(宮部)。

 【彫刻】▽市展賞=木下茂昭(石田)▽特選=柴田郁造(室)。

 

2021年8月31日

伊吹山の登山道を補修

鹿の食害、豪雨で裸地化 住民有志と県市職員が力合わせ

 ニホンジカの食害や集中豪雨で斜面の裸地化(らちか)、崩壊が進んでいる伊吹山で30日、登山道の補修が地元住民や県市職員により行われた。

 伊吹山ではここ5〜10年の間に、鹿が異常繁殖し、40〜50頭単位の群れが多数存在。自生する植物を食い荒らし、頂上の「お花畑」をはじめ、山の各地で深刻な食害が発生している。

 植物が無くなると、表土がむき出しとなり、裸地化。岩場などが崩れやすくなる。伊吹山ではお盆前後、10日間、降り続いた大雨により、大量の土砂が流出(洗掘)。そのため、麓から見ると、伊吹山の中腹あたりは「茶色い山」に見える。

 伊吹山は日本百名山に選ばれ、年間4〜5万人の登山客が訪れるが、5〜6合目にかけての登山道は川筋のようにえぐられ、周囲からの落石の危険もあることから住民有志でつくる「霊峰伊吹山の会」(高橋滝治郎代表)が市や県に協力を呼びかけ、被害の大きい箇所を修復することに。

 この日は県市職員や会のメンバーら44人が参加。補修に必要な長さ2㍍の木材30枚や鉄杭60本、土留め用の岩石などを背負って現場まで担いで運搬。木材や丸太を使って、階段状にし、洗掘された部分にはネットに石を詰めた蛇篭(じゃかご)を敷き詰め、排水溝を設けた。

 残暑厳しい中、参加者は汗を滝のように流しながら、重労働を黙々と続け、44人の「人海戦術」により、登山道は見違えるようになった。

 高橋代表は「傷んだ箇所は他にもたくさんあるが、できることを台風シーズン前にしておきたかった。今回の補修は県市の職員に現状を知ってもらえたことが何より。長浜、米原の人たちにもぜひ、伊吹山に足を運んでもらい、被害状況を知ってもらえれば」と話していた。

2021年8月30日

全国大会準優勝の快挙

長浜の中学生水球チーム 春に雪辱誓う

 エル・アテインスイミングスクール長浜(八幡東町)の中学生水球チームがJOCジュニアオリンピックカップ全国大会で準優勝した。初優勝は惜しくも逃したが、3年生は最後の大会となる来春大会での雪辱を誓っている。

 8月22日から26日まで京都市内で開かれた全国大会には地区予選を突破した24チームが出場。予選トーナメントを勝ち抜いた長浜は決勝トーナメントで山口水球クラブに6対5、群馬ジュニア水球に10対8で競り勝ち、決勝戦へと進んだ。悲願の初優勝の前に立ちはだかったのは強豪の京都踏水会水泳学園。チームを研究されていたこともあり、6対13で涙を呑んだが、チームとしては過去最高記録に並ぶ準優勝となった。また、山中智敦、桐畑全、世一翔大、上坂飛嘉の4選手が大会優秀選手(13人)に選ばれた。

 キャプテンの森川永遠君(14)は決勝トーナメントを振り返り「1回戦では勝てると思っていなかった強豪を相手に終始リードし、自分たちのプレーが全国の舞台で通じることが分かった。2回戦では自分のミスでリードを許したが、仲間で声を掛け合って逆転でき、決してあきらめないことの大切さを知った」と語っている。来年3月には中学最後の春季大会が予定されており、「今度は優勝を目指す」と意気込んでいる。

 出場選手は次の皆さん。

 山中智敦(長浜北3)、桐畑全(高月3)、上坂飛嘉(長浜北3)、山本悠馬(湖北3)、森川永遠(長浜北3)、越後沙貢(安土2)、中野友貴(双葉2)、世一翔大(同)、奥昇大(浅井1)、供田晄(高月1)。

小学生チームはベスト8

 エル・アテインスイミングスクール長浜の小学生水球チームも全国大会でベスト8に入賞した。小学生チームは予選を2戦2勝で突破し、計8チームによる決勝に進出したが、初戦で三重WPスターズに1対4で敗れた。キャプテンの鈴木蓮君(11)は「全国の舞台は他のチームも強かった。春の大会に向け、基礎練習からしっかり取り組みたい」と話していた。

 出場選手は次の皆さん。

 上坂昭嘉(神照6)、上田夢翔(北郷里6)、打木橙羽(長浜北6)、春日翔真(米原6)、五井龍征(高月6)、鈴木蓮(長浜北6)、花澤映紀(北郷里6)、荒木健汰(富永5)、島田蒼馬(神照5)、中野元稀(坂田5)、山本拓馬(速水5)、世一芽生(坂田5)、前田寛太(神照5)、三輪隆太(坂田4)、高藤渓登(長浜北4)。

2021年8月24日

高時の地域、環境に誇りを

児童クラブが種子島とオンライン交流

 高時地区地域づくり協議会(池田金夫会長)が運営する放課後児童クラブ「トキッズクラブ」は23日、鹿児島県の種子島の住民とのオンライン交流会を開き、児童たちがスクリーンを通して、島の自然や人の温かみを感じ取っていた。

 現在、種子島の小学校に勤務する大谷ともよさんは木之本町大見に3年間暮らし、地域おこし協力隊となった夫の義彦さんの後を追い、昨年12月、種子島に移住。同クラブの支援員からの「コロナ禍の中、思うように外出できない子どもたちのために、夏休みの思い出を作ってあげたい」との思いが、大谷さんの橋渡しにより実現した。

 交流会には児童20人が参加。種子島からは家族で島暮らしを楽しんでいるグラフィックデザイナーの小早太さんやサトウキビ精糖会社で働きながら鹿児島大学で研究している野間口智さんが、小学校をあげウミガメの卵を保護していること、サーフィンを楽しむ子どもたち、サトウキビから砂糖ができる工程など、現地の暮らしぶりや自然豊かな島の風景を映像で伝えた。

 2人は「自分たちが住んでいる地域の良さや環境に誇りを持つこと」「努力次第で誰でもヒーローになれる」と高時の子どもたちにエールを送った。

 子どもたちは「画面越しに話しができたことがびっくり」「種子島の海もきれいだけど、高時の川の水もきれい」などと話していた。

2021年8月23日

農舎改修し、多目的カフェ

ヨコタ農園  支援の恩返しで「みんなの居場所」作り

 被災やコロナ禍などの試練を仲間たちの支援によって乗り越えてきた高月町馬上のヨコタ農園。農舎を改装した多目的農園カフェで「みんなの居場所」作りを目指している。

 農園は横田圭弘さん、尚美さん、一仁さんの家族3人を中心に2000年から水稲や麦、大豆、イチゴやブロッコリーなどを栽培。ジャムや漬け物などの加工品を製造、販売している。

 イチゴの観光農園もしており、摘み取り体験や収穫感謝祭のほか、飲食マルシェやライブなどを開催していた。ところが2018年の台風21号でビニールハウス9棟が全半壊、農作業場の一部も壊れるなど大きな被害を受けた。

 横田さんらが途方に暮れていたところ、被害を知った人たちが復旧作業を手伝い、応援してくれた。昨夏には復旧し「さあ、これから」という時にコロナ禍。またも近所の人や知人らの支援により、助けられた。

 横田さんはこれまでの恩を返そうと、既存の木造の農作業場をリフォームし、多目的に使えるカフェの開設を考えた。農作業場は大工だった父・睦さん(83)が現役最後の仕事として建てたもの。合掌造りの軸組みを生かし、延べ98平方㍍に喫茶のほか、レンタルスペースを設け、音楽ライブや講座、展示などイベントができるようにする。プレオープンは11月、グランドオープンは12月を予定している。

 同農園ではカフェ開設にあたり、厨房、音響、プロジェクターの設備費と装飾・コロナ感染防止対策費をクラウドファンディングで募集する。

 横田さんは「みんなに多く来ていただき、喜んで帰ってもらえるような場にしたい」と話している。なお、返礼品はイチゴ詰め合わせ、米、加工品やイチゴ・ブロッコリー狩り体験、イベント招待券など。目標額は100万円。期限は10月22日。詳細はサイト「キャンプファイヤー(https://bit.ly/3DlvEjg)」参照。

2021年8月20日

人と人、公的支援をつなぐ

家事代行サービス「伴歩」スタッフ募集

 長浜の主婦2人が家事代行サービス「おうちサポート伴歩(ばんぽ)」を立ち上げた。必要に応じ利用できる公的機関を橋渡しする新形態のサービスで、現在、得意分野で働けるスタッフを募集している。

 「ちょっとの間、赤ちゃんを見てほしい」「老いて何もかも、しんどくなった」など、子育て中の母親や1人暮らしの高齢者ら、「社会的弱者」と呼ばれる人たちへの細やかなサービスが求められている。

 代表の村山さおりさん(49)は子ども食堂や生活困窮者のためのフードバンクなどを運営しているうち、共稼ぎや核家族化が進み、急な用事ができても、子どもを預けることができなかったり、育児に悩んでいる若い母親、体力的、精神的な理由から身の回りのことができなくなっている高齢者らを垣間見るようになった。

 長浜市では子育て支援のためにファミリーサポートセンターを設置しているが、利用は小学6年生までの保護者に限定している。伴歩では年齢枠など設けず、家事を通してふれあいを作り、必要な場合は専門機関(支援)につなぐことを目的としている。

 主なサービスとしては掃除、洗濯、料理、子守り、話し相手、草刈り、犬の散歩など。料理などはその家に置いてあるものを活用する。伴歩は依頼を受け付け、業務内容などに応じて登録スタッフをマッチング。業務管理などを行う。

 村山さんは「プロのような仕事はできないが、依頼者のニーズに応えられるようにしたい。必要とされる方から感謝されるようになれば嬉しい」と述べ、スタッフは雇用促進にもつながるとし「リタイア後の空き時間などを活用し、いろんな地域から集まってもらい、趣味や特技を生かしてもらえたら」と話している。

 スタッフは18歳以上で、非喫煙者。車、運転免許を所有し、スマホが使えることなどが要件。時給は1200円。交通費別途支給。問い合わせは伴歩℡090(4038)8899へ。

2021年8月18日

京極氏ゆかりの地に「うむ」

上平寺御城下、ゲストハウスオープン

 京極氏ゆかりの地、米原市上平寺に28日、空き家をリノベーションしたゲストハウス「上平寺御城下うむ」がオープンする。

 オーナーの川村千恵さん(50)は埼玉県深谷市出身。結婚後、夫の博さん(55)の故郷、長浜に移り住んだ。山城マニアで、約10年間、小谷城ガイドを務め、湖北各地を巡るうち、城のように石垣で集落内が区画整理されている上平寺を気に入った。

 いざない湖北定住センターに勤めていた川村さんは空き家バンクに登録されたまま、長年、買い手がつかなった集落内の空き家を2019年に購入。国の史跡、上平寺城跡や京極氏遺跡などが残る土地柄を生かし、「山城」と「戦国」をテーマに、宿泊施設や地域拠点にしようと考えた。

 1986年築、木造2階建て延べ198平方㍍の民家は10年前から空き家で下水が整備されていなかったため、水廻りを中心に家の東側半分を約1年かけ、リフォーム。趣が残る座敷や建具を生かし、テーブルや長持なども再利用した。

 仏教用語にちなんでネーミングした「うむ」には和室や機能的なキッチン、浴室やトイレを備え、2階には落ち着いた雰囲気の4部屋の客室、ベッドルームがある。川村さんは「城跡のすぐ下にあり、京極氏が治めていた面影が残っており、戦国ロマンに浸ることができる。田舎のおばあちゃん家に遊びに行く感覚で利用してもらえれば」と話している。

 1棟貸し切り、1泊3万円(2人〜、食事代別)。21、22の両日、午前10時から午後4時まで内覧会を開く。問い合わせはうむ℡(56)0220へ。

2021年8月18日

どうなる?お産 ⑱-⑲

⑱滋賀医科大付属病院が取り組む 産科オープンシステム「需要は無し」

 専門家の継続ケア「LMC制度」があるニュージーランド。妊婦の9割が自分を担当する専門家に助産師を選ぶが、その多くが出産場所として「オープンシステム」が利用できる病院を選ぶそうだ。地域の開業医や助産師に、病院が分娩室を開放する取り組みだ。

 このシステムを、県内では滋賀医科大付属病院が2005年に採用している。

 母子診療科の村上節教授によると、オープンシステムの開設には、次のような目的があった。

 地域の診療所と連携し、ハイリスク症例を大学病院へ振り分ける道筋を作る▽分娩をやめた開業医に分娩立ち合いの協力を求め、大学病院の産科医不足対策とする。

 ただ、実際にシステムを使ったのはこれまでに医師3人。過去15年間172分娩中、医師が立ち会ったのが97件。そのほかの分娩の多くはハイリスク症例で病院の医師が担当したという。今年度は医師15人、助産師4人がシステムに登録しているが、実際にいまも利用しているのは医師1人だけである。

 村上教授は「これまで分娩ができる診療所が地域に多く存在してきた。妊産婦にとって地域で健診を受けて、出産だけ遠方の病院へ行くというのは気が進まない。医療者も自分の施設に比べて自由度の低い病院は使いづらい。妊産婦にとっても医療者にとっても利用しづらい制度なのだろう」と分析する。

 現在では、診療所の医師もハイリスクは事前に基幹病院に振り分ける体制が定着した。2024年に働き方改革が実施されれば、集約化された病院には医師の数が集中し医師不足も解消される見通しだ。村上教授は「オープンシステムは当初の役目を終えている」として、近い将来このシステムを終了する予定という。

 それを聞いて、私はショックを受けた。オープンシステムは、妊娠初期から信頼関係を築いた開業助産師と一緒にお産に臨める安心感と、万が一のことがあればすぐに病院の医療的措置を受けることができる安心感の「二つの安心」を同時に得ることができる「良いとこどり」の仕組みだと思っていた。地域の診療所が次々とお産をやめていく中で、この仕組みは今後多くの妊産婦に求められていくのではないかと期待していた。村上教授は「助産師の利用はこれまでになく、妊産婦側からも需要はないと考えていた。貴方の話を聞いてそういう使い方もあるかも知れない」と私の意見を受け止めてくれた。

(8月11日掲載)

 

⑲自立した助産師が活躍する時代に

 滋賀医科大学付属病院が2005年から続けてきた、地域の開業医や開業助産師に分娩室を開放する「産科オープンシステム」。診療所が減り、病院の集約化が進む中で、妊産婦の身近な存在として開業助産師のお産を見直してきた私は、出産場所に病院も選べるなら、万が一の事態を不安に思う妊産婦の積極的な選択肢となるのではと期待した。しかし、これまでにこのシステムを利用した助産師はおらず、妊産婦にも需要がないとして近い将来終了する予定だという。

 私は、むしろ各地域の病院にも広がってほしいと思っていたと話すと、村上節教授は「それには医師も助産師も、妊産婦とその家族を含めた出産に関わるすべての人が『リスクを背負う』という意識改革が必要だ」と言う。滋賀医大では、緊急事態に24時間体制で対応できるマンパワーを備えた『最後の砦』の責務として、地域の助産師たちが開業するために必要な嘱託医・嘱託病院を引き受けてきた。だが、必ずしも他の病院がそうできる訳ではないという。

 助産師主導のお産が急変するときは、必然的に難しい症例が起きたときだ。「難しい症例を急に引き受けるのは怖い」と考える医師は多い。確かに産科医は訴訟リスクが高い。緊急時の対応を望むなら、リスクを引き受けてくれる医師たちをフォローする仕組みを明確に示すことが必要だ。

 村上教授は「本来、お産の7、8割弱は医師が積極的に手を下すことなく誕生する。健康な妊婦のお産を助産師が扱うことは法的に認められている」と理解を示す。「ただ、ローリスクと考えていた症例でも羊水塞栓症など様態が急変するケースがある。一旦起こればすぐに対応を始めないと落命してしまうような状況はいつ誰に起こるかわからない。妊婦さんは正しい情報を知識として得てリスクを判断し、自らの進む道を決めてほしい」と話す。

 その上で村上教授は、働き方改革が施行される2024年以降は「自立した助産師が活躍する時代」とし、「減っていく診療所の代わりに、開業助産師が地域で活躍すれば、妊産婦にとっては出産方法や出産場所の選択肢を残すことができる。開業助産師が妊産婦一人ひとりと面で向き合い、長い距離をしっかりとみるのはよいことに違いない。院内でも、不足する夜中の当直などで『医師がいなくても私たちだけでできる』と言ってくれる自立した助産師が増えてくれたら」と期待をかけた。

 早速知り合いの開業助産師にオープンシステムのことを報告した。彼女は「妊産婦の選択肢の一つとして是非残してほしい。予期せぬことで医療のバックアップを得たいと思っている人はいる。積極的に活用したい」と話した。

堀江昌史

(8月18日掲載)

 

2021年8月17日

心風流に大谷石のピザ窯

ソロプチミスト長浜が寄贈 遠赤効果で生地の食感引き出す

 余呉町菅並の飲食店「ココカフェ心風流(シンプル)」で「大谷(おおや)石」製の窯で焼いた特製ピザの販売が始まり、人気を集めている。

 ピザ窯は女性の社会奉仕団体「国際ソロプチミスト長浜」(北川庸子会長)が認証30周年を記念して寄贈したもの。大谷石は栃木県宇都宮市の大谷地区で生産される石で、蓄熱性があり、石窯に適しており、多くのイタリアンレストランで使われている。

 また、石窯はブロック状で積み上げる構造になっており、移動が可能。ピザを焼く調理室と薪を燃やす燃焼室が別でなどが食べ物に付着しないメリットがある。

 同店を運営するNPO法人「子ども自立の郷ウォームアップスクール ここから」(唐子恵子理事長)は不登校や引きこもり経験者の自立を支援するスクールを2006年に開設。飲食店は卒業生が自立に向けて調理、接客などを学ぶ場として、2年前にオープンし、現在、5人が働いている。

 スクール内の喫茶スペースでは3年前から固定式の土窯によるピザを提供しており、好評だった。「地域に出向いて、お年寄りにもこの味を楽しんでもらいたい」(唐子理事長)と移動式のピザ窯の購入を思案していたところ、この話をソロプチミストのメンバーが聞きつけ、寄付を申し出た。

 大谷石製のピザ窯は高さ160㌢、幅70㌢、奥行き80㌢で価格は30万円。焼いているピザはバジルとトマトが乗った「マルゲリータ」、ほくほくしたジャガイモがおいしい「ジャーマンポテト」、チーズとメーブルがたっぷりの「クアトロフォルマッジ」の3種。遠赤外線効果で薄めの生地を焼いており、クリスピー風のパリパリ感が楽しめる。

 北川会長は「釜で新しい分野を開拓し、卒業生の就労に繋がれば」と話し、唐子理事長は「ソロプチミストの皆さんには日頃から応援してもらっており、感謝している。コロナにより大きなダメージを受けたが、これを機に挽回したい。仕事を頑張れるきっかけとなれば」と話していた。

 なお、ピザは8月中、日曜の午後1時から販売。1ドリンク付きで700円。問い合わせは心風流℡080(2434)3458へ。