2025年5月16日

彦根産ハーブで作った化粧水

芹町の美容室、フィリップさん栽培

 彦根市芹町の自然派美容室「Lusa Natural Hair&Beauty Studio」は、市内の畑で育てたハーブ製の保湿化粧水「Lusa Bоtanics オーガニックスキンケアローション」を発売。代表の岡川千尋さん(43)は「彦根産のハーブで作った商品を多くの人に使ってほしい」と話している。

 岡川さんは彦根市立城西小、西中の出身。大学卒業後、ホテルでウェディングプランナーや外資系化粧品会社での英文事務の仕事に就いた。この時に彦根市内の英会話スクールの講師をしていたフィリップ・クフーンさん(41)と出会い、08年にフィリップさんの母国のイギリスへ渡航。現地のヘアサロン2店舗で働き、12年に結婚。翌年に彦根へ夫婦で戻り、ヘアサロンの勤務を経て、18年10月に現在の店を開業した。

 ヘナやインディゴなど自然素材で髪を染め、ハーブで頭皮や肌の手入れをする美容室を経営。フィリップさんは21年から市内でハーブの栽培を始め、現在は約1000平方㍍の農園で25種類のハーブを無農薬で育てている。店での使用のほか、オリジナルブレンドのハーブティー5種を販売してきた。

 多くの種類のハーブをさらに活用したいとの思いから、オーガニック化粧水の開発にも乗り出し、ハーブを漬け込んで作った商品を完成させた。ローズマリーやカモミール、ヨモギなど13種類のハーブを使っており、敏感肌や乾燥肌、アンチエイジングを意識している女性らに適しているという。

 岡川さんは「すべての原材料が彦根産のハーブの商品。年齢肌に悩んでいる、または乾燥肌の方などに最適な化粧水だと思う」と利用を呼びかけている。価格は4900円。問い合わせは岡川さん℡090(7360)9057。

(滋賀彦根新聞)

2025年5月14日

市民が創るミュージカル 「とりあえず!あんみつENCORE」

17、18日、長浜文芸会館で上演

 公募の市民がキャストやスタッフを務める「長浜浪漫ミュージカル!『とりあえずあんみつ!ENCORE(アンコール)』」の公演が17、18日、長浜文芸会館で開かれる。大正時代の田舎町を舞台に少女歌劇団に憧れる少女の挑戦とそれを見守る家族や仲間を描いた物語で、演出、脚本、音楽、振付などすべて長浜オリジナルとなっている。 ミュージカルは市と市民芸術文化創造協議会の主催、NPO法人はまかるの運営。舞台芸術作品を市民の手で創り上げようと、これまでもオペラ「しのぶときく」(2022年)、演劇「アカツキ」(2023年)を上演しており、その経験を踏まえた今回のミュージカルは「満を持して」の上演となる。 演出は磯崎真一さん、脚本は井口真帆さん、音楽は北澤あさこさん、振付は谷春華さん、歌唱指導・編曲は鳥塚貴絵さんが担当している。 上演まで1週間に迫った11日には長浜文芸会館の大ホールに組み上がった舞台上で終日、稽古に打ち込んだ。大正レトロの衣装に身を包んだキャストが歌唱シーンでの声の出し方、視線の向き、立ち位置など細部について確認。笑顔あふれるリラックスした雰囲気の中でも、舞台上で自身をどう見せるのか時折真剣な表情を見せていた。 「自分のしたいことに向かって挑戦し一生懸命になることの素晴らしさを伝えられる舞台にしたい」。少女歌劇団に憧れる14歳の少女タエ子を演じるのは長浜北高2年の澤居空南さん。小中学生時代は長浜市少年少女合唱団「輝らりキッズ」で活動し、高校では演劇部に所属している。タエ子と同じく将来は舞台に関わりたい考えで「自分の夢を追いかけ、家族や友人が応援してくれるのは、この舞台に通じるところがある」と話していた。 公演は17日が午後6時、18日が午後3時から。チケットは全席自由で前売り一般3000円、大学生以下1000円、小学生以下500円。割引が受けられるペア・ファミリーチケットもある。当日券は500円増。長浜文芸会館、浅井文化ホール、木之本スティックホール、チケットぴあ、ローソンチケットで。 詳細はインスタグラム(https://www.instagram.com/nagahamamusical/)で。

2025年5月2日

投資詐欺被害、水際で防止

長浜署、滋賀銀行虎姫支店の5人に感謝状

 詐欺被害を未然に防止したとして長浜署は1日、滋賀銀行虎姫支店(伊藤剛史支店長、田町)の行員5人に署長感謝状を贈った。

 同署によると4月10日、支店に90代の男性が来店し、窓口で「海外の証券会社の口座に振り込みたい」と30万円の振り込みを依頼。行員が振込先の口座をたずねたところ、スマートフォンの画面に表示されたLINEのメッセージを見せられ、その振り込み先が個人名義となっていたことから詐欺を直感。他の行員にも声をかけて対応し、「30分以内に振り込まないと」と焦る男性を応接室に招き入れて話を聞いている間に長浜署に通報した。

 男性は通報で駆け付けた署員に説得されたことで振り込みを断念した。直前には別の金融機関で現金50万円を詐欺犯に指定された口座に振り込んでだまし取られており、同支店の機転で被害の拡大を防げた。

 同支店で行われた感謝状贈呈式では、米森昌一署長が支店長代理の大橋典子さん(51)、行員の佐藤根静香さん(38)、岸本亜紀さん(40)、田中久惠さん(55)、清水充美さん(50)の5人を称え「見事なチームワークと連携プレーで詐欺を防止した。県内で多くの詐欺が発生し、我々も1件でも被害を減らそうとしている。今回、その詐欺を何とか止めていただいた。今後もおかしい振り込みに気付いた際には声を掛けていただきたい」と話した。

 大橋さんは「日ごろの研修や近隣で発生している詐欺の事例を行員で共有しており、詐欺が多く、巧みになっていることを感じる。お客様に叱られても大切な資金を守るために全員で取り組む必要があることをあらためて学んだ。これからもお客様の大事な資産を守れるような滋賀銀行でありたい」と話した。

 なお、今年県内で発生した特殊詐欺の認知件数は3月31日時点で67件、被害額1億7000万円、SNS型詐欺(ロマンス、投資)は64件、被害額4億8000万円に上っている。

 長浜署管内でもマネーロンダリング捜査協力の名目で無職男性(78)が2500万円をだまし取られたほか、会社員の男性(53)がマッチングアプリで知り合った女から仮想通貨への投資を持ち掛けられ1100万円の被害を受けるなど、巧妙・多彩な手口で老若男女を問わず詐欺被害が出ている。

2025年4月28日

希少種ホソバオグルマ守れ!

八島町で発見、三田町の耕作放棄地に移植

 県内ではほとんど群生が確認されていないキク科の希少種「ホソバオグルマ」(細葉小車)が八島町の国道365号線の脇で見つかった。「このままではなくなってしまうかもしれない」と、地元の浅井湯田地域づくり協議会などの手によって一部が三田町内の耕作放棄地に移された。

 ホソバオグルマは1年草で初秋に黄色い花を咲かせる。花びらが規則正しく円形に整って咲くさまから小車に例えられたとされる。県内では八島町のほか、甲賀市と多賀町でしか確認されていないという。

 湖北野鳥センターの植田潤所長によると、5年ほど前に米原市内の植物愛好家から八島町にホソバオグルマが咲いているのを知らされた。もともとは周辺の田んぼの畔に群生し、除草などの影響で国道沿いの歩道にだけ残ったとみられる。ただ、この歩道からいつ姿を消してもおかしくない状況で植田さんが「何とか残せないか」と地域づくり協議会に相談。協議会の橋渡しで、農地の保全活動などに取り組む「三田まるごと会」の協力を取り付け、姉川堤防近くの耕作放棄地に一部を移植することになった。

 27日、地域づくり協議会、八島町、三田町自治会関係者、三田まるごと会のメンバーが植田さんからホソバオグルマの特徴を教わりながら歩道に生えている株をスコップで掘り起こし、三田町内に移植した。

 植田さんは「どうなるかと心配していたが、こうしてみんなの協力で残すことができ嬉しい」と話している。移植されたホソバオグルマは今年、根を張り巡らせ、来年には黄色の花を咲かせる姿が見られそう。

2025年4月24日

地域活力プランナー24人に委嘱状

熱意、アイデア、経験を生かして!

 長浜市内の地域づくり協議会や連合自治会と連携して地域活動の中心的役割を担う「地域活力プランナー」の委嘱式が23日、市役所で行われた。

 プランナーは住民と話し合いながら地域課題を把握し、地域活性化や課題解決に住民と一緒になって取り組む。

 市は総務省の「集落支援員」制度を活用して2016年度から導入している。地域づくり協議会が人材を選考して市が委嘱しており、今年度は市内の地域づくり協議会24組織のうち、長浜、六荘、南郷里、神照、北郷里、西黒田、浅井湯田、下草野、虎姫、こほく、高月、高時、余呉、西浅井の14地域の25人が委嘱された。前年度からの更新22人、新規採用3人で、年齢層は30〜70代と幅広い。

 委嘱式では浅見宣義市長が出席者に委嘱状を手渡し「熱意、アイデア、経験をそれぞれの地域で存分に発揮してほしい。皆さんの活動が地域の希望となる」などとあいさつした。

 プランナーはそれぞれ自己紹介した上で「地域に誇りを持ってまちづくりを進めたい」「まちづくりセンターに来る人が限られる。今年からLINEを開設したので若い人にどんどん来てもらい地域を活性化したい」「昨年、学生や若者、地域の女性とつながりができた。今年は協力してもらって新たな取り組みを考えている」「子ども達が自慢できるふるさとづくりを柱としている」「他の地域のプランナーと情報交換して地域を盛り上げたい」「空き家対策や移住促進を重点的に取り組んでおり、今年度も移住したいまちを目指して取り組む」などと、それぞれ抱負を発表していた。

2025年4月16日

資金難で苦境、寄付呼びかけ

旧校舎活用の若者自立支援NPO「ここから」

 余呉町上丹生の旧小学校校舎を使って不登校や引きこもりの若者の自立支援に取り組むNPO法人「子ども自立の郷ウォームアップスクールここから」(唐子恵子理事長)が資金難で苦境に立たされている。「人も雇えず、施設の修繕もままならない」と窮状を訴え、15日から人件費や施設修繕費などの寄付を呼びかけるクラウドファンディング(CF)を始めた。

 スクールは長浜市内で幼稚園教諭などをしていた唐子さんが旧丹生小学校の校舎を借りて2006年に始めた。不登校の子どもや引きこもり状態が長引いたことであらゆる支援のネットワークから外れた若者たちを対象に、木曜から月曜の4泊5日の寄宿をメインに自立する力を養うサポートに取り組んでいる。

 掃除や洗濯、毎日の食事作りといった「日常の生活」、陶芸、木工、山登り、カヤック、サイクリングなどの「体験活動」、地域イベントへの参加などの「地域との交流」を3本柱に、若者がさまざまな活動に挑戦している。

 スクールは四季折々の美しい景色が広がる山間にあり、1949年築の木造校舎は小学校だったころの面影を色濃く残し、その懐かしさと温もりがスクールに通う若者の疲れた心と身体を自然と落ち着かせてくれるという。これまでに100人以上がスクールを巣立った。

 ただ、数年前から資金難で厳しい経営を余儀なくされる中、コロナ禍を経て利用者が減少。経営が一層深刻になり、現在は唐子さんとスタッフを含め4人が無給で勤務しているという。校舎の老朽化も著しく、雨漏りの水を受けるバケツがあちこちに置かれ、校舎裏の壁には大きな穴が開いたまま。

 CFでは運営資金と校舎の修繕費用など500万円を目標に寄付を募っている。指導員を雇って生徒を受け入れられる環境を整え、校舎の応急修繕を行いたい考え。

 唐子さんは「この地域で、この校舎で、『ここから』を必要とする人々と一緒に、この先もずっと『ここから』を運営していきたい」と語り、広く協力を呼びかけている。

 CFは「キャンプファイヤー」のサイト(https://camp-fire.jp/projects/827385/view)から。6月30日まで受け付ける。

 

 

2025年4月11日

子ども歌舞伎、13日から上演

長浜曳山まつり、八幡宮に奉納へ

 ユネスコの無形文化遺産で、国の重要無形民俗文化財の長浜曳山まつりは13日から子ども歌舞伎の上演が始まる。

 長浜八幡宮に子ども歌舞伎を奉納する今年の出番山は壽山、鳳凰山、猩々丸、高砂山。それぞれの山組では子ども役者が春休み返上の稽古を続けてきた。

 13日は朝から八幡宮で「御幣迎えの儀」があり、全13山組の御幣使らが御幣を受け取り、各山組の自町へ持ち帰る。午後1時から八幡宮で歌舞伎の奉納順を決める「籤取り式」がある。午後5時半頃からは「十三日番」と呼ばれる子ども歌舞伎の上演があり、出番山の地元で、化粧と衣装で飾った子ども役者が初めて曳山の舞台で歌舞伎を披露する。

 十三日番の歌舞伎上演は壽山が午後5時半、同7時半からの2回、鳳凰山が午後6時、同8時からの2回、猩々丸が午後7時から、高砂山が午後6時半からの予定。

 14日は午前9時半から地元で歌舞伎の上演があり、午後からは曳山が八幡宮へ向かう「登り山」がある。午後7時から子ども役者の行列が八幡宮から各山組へ帰る「夕渡り」がある。沿道からの声に応えて役者がポーズを決め、見得を切ることも。役者を近くで撮影できるシャッターチャンスで、毎年多くの市民や観光客が詰めかける。雨天時はアーケードで実施。

 なお、14日午前は地元の長浜西中2年生147人が市街地に繰り出し、観光客に対して曳山まつりや曳山の解説などのボランタリーガイドに挑戦する。1年生で実施した曳山文化教室の学びの集大成で、曳山まつりを通じた世代間交流、観光客のもてなしと、まつり文化の継承が狙い。

 本日(ほんび)の15日は子ども役者の「朝渡り」、長刀組の「太刀渡り」の後、八幡宮境内で午前9時25分から三番叟と歌舞伎奉納が始まる。以降、大手門通りなどで歌舞伎公演があり、最後はお旅所に曳山が集う。道中を含め各山組が計4回、上演する(雨天の場合は計3回の上演)。お旅所に曳山が揃う頃には日が暮れ、提灯の下で上演される歌舞伎は幻想的。

 16日は終日、地元公演を行うほか、午前10時45分から長浜文芸会館で観劇会を催す。17日の「御幣返しの儀」で今年の曳山まつりが終わる。

 

 

 

2025年4月1日

神田まちづくりセンター竣工

地域活動の拠点、住民ら完成祝う

 神田まちづくりセンターが完成し、3月30日、竣工式が行われた。センターは神田山と麓に広がる広場に面した開放的なテラス、旧講堂の意匠を引き継いだ多目的ホールが特徴。記念イベントも開かれ、地域住民や市の関係者が新しい地域活動拠点の完成を祝っていた。

 新しいセンターは1935年築の旧講堂と79年築の旧センターを解体して整備。鉄骨平屋建てで、会議室、調理実習室、和室、多目的ホールなどを設けている。このうち、多目的ホールには旧講堂で飾っていた腕木を取り付け、窓のデザインも引き継いだ。屋根にも旧講堂に取り付けられていた棟飾りを採用するなど、地域のシンボルだった旧講堂をイメージした造りになっている。総事業費は5億4319万円。

 竣工式で浅見宣義市長は「神田地域はスマートインターチェンジ整備などこれからの南長浜の振興の中心になる地域。活気あふれるまちづくりを進めてほしい」とあいさつ。設計・施工を担ったヤスザワ設計、大塚工務店、川一電機、岩崎工業所の代表者に感謝状を手渡した。

 大橋松行・建設委員会委員長はセンター改築に至る経緯を振り返った上で「地元だけでなく市内外の幅広い世代が気軽に快適に安心して活用でき、人に優しい施設となっている。豊かな自然に囲まれているので、四季折々の自然を五感で感じ取れる」などとあいさつしていた。

 竣工式の後には伊勢大神楽による獅子舞披露や隣接の長浜南認定こども園の園児による歌の発表があった。

2025年3月24日

赤田家住宅、有形文化財に

長浜市太田町、国の審議会が答申

 国の文化審議会は21日、江戸時代に庄屋を務めた旧家「赤田家住宅」(太田町)を国の登録有形文化財にするよう文部科学大臣に答申した。官報告示などの手続きを経て登録されれば、市内の登録有形文化財(建造物)は43件となる。

 答申されたのは、赤田家住宅主屋(1910年築)、離れ座敷(1916年築)、土蔵(1917年築)、物置(1967年頃築)、正門(江戸時代後期築)の5件。

 家伝によると赤田家は嵯峨源氏の流れをくみ、戦国時代には六角氏や浅井氏に仕えた。浅井氏滅亡後は当主の弟が現在地に移って帰農し、江戸時代には代々庄屋を務めた。大垣藩士の家に生まれ入り婿した10代目は地元の学校で教師を務め俳人としても活躍。屋敷では句会が催され、煎茶がふるまわれていたという。11代目は実業家で名古屋市議会議員も務め、茶人としても活躍した。

 主屋は江戸時代の建物が1909年の姉川地震で倒壊したため翌年に倒壊建物の部材の一部を利用して再建され、木造2階建ての桟瓦葺(さんがわらぶき)、片入母屋造(かたいりもやづくり)。「地域の庄屋の屋敷構えを伝える大規模農家建築であるとともに、県指定名勝の赤田氏庭園への眺望が優れた上質な建物として貴重」と評価している。

 離れ座敷は木造2階建て、桟瓦葺、切妻造(きりづまつくり)。円窓からの景色が座敷を彩り、「煎茶文化に精通した文人好みの離れ座敷」としている。

 正門は江戸時代後期に建てられ、建造物の中で最も古いと考えられる。現在では珍しい茅葺屋根で、赤田家の屋敷景観を構成する重要な建物となっている。

2025年3月13日

金賞は風間さん撮影「仲間と一緒に」

湖北野鳥センターの写真コンテスト

 湖北野鳥センターは13日、今年度の湖北野鳥写真コンテストの入賞者を発表した。金賞はゴイサギの成鳥と幼鳥をとらえた「仲間と一緒に」(地福寺町、風間一範さん)が選ばれた。

 コンテストは長浜、米原市内で撮影した野鳥写真を募り、153点の応募があった。審査で金、銀、銅賞各1点、道の駅湖北みずどりステーション賞5点などを選んだ。

 金賞に輝いた風間さんの作品は昨年9月に早崎町で撮影したもので、「アカメヤナギの芽の赤と葉の緑、飛翔しているゴイサギの幼鳥と成鳥の色合いの美しさが際立ち、野鳥と周辺の自然環境の一瞬が写されている。シャッターチャンス、構図、トリミングの仕方、色合い、総合的に素晴らしい作品」と評価された。

 入賞作をはじめ応募作品を紹介する写真展は15日から4月20日まで湖北野鳥センター、5月19日から30日まで市役所1階ロビーで開かれる。

 ほかの入賞者は次の皆さん。

 ▽銀賞=滝波友美(愛知県東郷町)▽銅賞=金巻愛翔(名古屋市)▽道の駅湖北みずどりステーション賞=大石正史(京都市)、加木屋千歳(三重県桑名市)、北嶋敏和(岐阜県垂井町)、白波瀬博己(大津市)、中川芽美(新庄中町)▽OMSYSTEM賞=村﨑新祐(新庄寺町)▽審査員特別賞=赤井秀樹(大阪府岸和田市)、伊藤直美(敦賀市)、松田滉平(京都市)、丸山富久(三田町)、山﨑愛生(湖北町山本)。

 

金賞 風間一範さんの「仲間と一緒に」

 

銀賞 滝波友美さんの「まるで妖精」

 

銅賞 金巻愛翔さんの「オオワシじゃんけん対決」

2025年3月12日

大正期の曳山祭礼図、初公開

町衆の家から見つかる、 「夕渡り」「籤取り式」など描く

 大正時代の長浜曳山まつりの祭礼行事を描いた「長浜曳山祭礼図」が市内で見つかり、15日から長浜城歴史博物館で初公開される。曳山のみを描いた屏風や版画はあるが「太刀渡り」「籤取り式」などの行事全体を描いた作品は初めての発見で、同博物館は「当時の祭礼のようすを知ることができ、重要な資料」としている。

 祭礼図は41枚で、いずれも画絹(がけん)に描かれている。サイズは縦が約54㌢、幅が42・5~162・5㌢。 子ども歌舞伎の稽古、かつら制作、山組集会、曳山巡行、夕渡り、長刀組の太刀渡り、桟敷席、お旅所に集合した曳山など多彩な行事や長浜町のようすが描かれている。同博物館は「全体を通して筆致は穏やかであるが、描かれた人々の表情は生き生きとしており、まつりで活気づく町のようすがよく表現されている」と評価している。 制作は大正4~6年ごろと推定している。大正4年以降に長浜町で設置が始まった電柱が描かれている一方で、大正6年まで実施していた春の曳山全基出場のようすがうかがえることから、この頃の曳山まつりを描いたとみられる。 祭礼図の存在は昨年春、市内の古美術商から知らされ、元々は市内の町衆の家にあったという。以来、博物館が描かれた絵を分析してきた。落款印章(らっかんいんしょう)はなく、作者は不明。それぞれの描写が詳細でまつりを記録しようとする意図が強く感じられることから、町衆の依頼受けた作者が実際の祭礼を見て制作したものと推測している。 曳山まつりを題材にした絵画作品は、曳山のみを描いた屏風や版画はあるが、祭礼行事全体を描いた作品はこれまでに確認されておらず、文化財級の発見という。また、祭礼行事だけでなく、当時の長浜の町中の景観も描かれている点も注目される。 博物館では新発見の「長浜曳山祭礼図」のうち10点を4月20日まで公開する。入館料は大人410円(4月1日以降は500円)、小中学生200円(長浜、米原は無料)。月曜休館。

2025年3月10日

長浜キヤノンの8人に感謝状

湖北地域消防本部、連携プレーで人命救助

 湖北地域消防本部は7日の「消防の日」に合わせ今年度の消防表彰式を行い、人命救助活動に貢献した長浜キヤノン(国友町)の従業員8人に感謝状、全国消防救助技術大会に出場した消防職員1人、消防機器を開発した消防職員4人に表彰状を贈った。

 感謝状が贈られたのは片桐聡さん(46)、大矢将之さん(38)、辻功さん(50)、川崎信一さん(53)、山中昌子さん(53)、北川直樹さん(39)、西川達哉さん(45)、中川郁男さん(59)。いずれも長浜キヤノンに勤務している。

 昨年10月3日朝、始業前の工場休憩室で男性(61)が突然倒れ、心肺が停止。最初に気付いた片桐さんが男性の意識や脈を調べ、119番通報を行うとともに、救急隊が到着するまでの間、AEDを使用したり、心臓マッサージを行ったりした。他の従業員も交代で心臓マッサージを施し、AEDや担架の準備、救急隊員の誘導などに協力した。また、看護師の資格を持つ山中さんは救急車に同乗し、男性の病歴などを救急隊員に伝えた。

 男性は救急搬送中に呼吸を再開し、病院到着時には会話ができるまでに回復。無事に社会復帰を果たした。湖北地域消防本部は「一つ一つの行動により、救命活動が絶え間なく継続され、男性の社会復帰につながった」として8人を称えた。

 感謝状贈呈式では清水正幸消防長が1人ずつに感謝状を手渡し、「誰もが躊躇する場面で、とっさに行動を起こされた皆さんの勇気が尊い命を救った。こうした活動を多くの人に知ってもらい、地域の人が助け合える社会になれば」と話した。

 最初に男性に駆け寄った片桐さんは長浜市消防団浅井北分団で約8年間、消防団活動に従事している。「消防団員のスキルを生かせて良かった。初めてのことだったが、体が勝手に動いた」と振り返っていた。

 

長浜消防署の5人を表彰 救助大会や機器開発論文で入賞

 消防職員への表彰状は、全国消防救助技術大会ロープブリッジ渡過の部で入賞した古川幸平さん(30)、全国消防協会主催の「消防機器の改良及び開発」に関する論文で東近畿支部代表として推薦され、入賞した浦島智彦さん(43)、薮田唯人さん(22)、西村公利さん(46)、奥出晴貴さん(32)の5人(いずれも長浜消防署勤務)に贈られた。清水消防長は「功績は日ごろの職務におけるたゆまぬ研鑽と努力の成果。今後も日々努力を続けてほしい」と声をかけていた。

2025年3月5日

ほおずき作業所 「駄菓子屋号」リニューアル

双葉中生がタペストリーをデザイン

 米原市社会福祉協議会の「ほおずき作業所」(同市新庄)が地域のイベントなどで出店している移動販売車「駄菓子屋号」の車両がリニューアルされた。日ごろから交流のある近くの双葉中生徒が駄菓子屋をPRするタペストリーのデザインを手がけ、新しい門出に花を添えた。

 作業所は軽バンを使用して約15年前から駄菓子屋を出店し、地域サロンやイベントなどで駄菓子約150種類を販売している。作業所で働く障害者が店を切り盛りし、売上は賃金に反映されている。

 初代の車両が老朽化したことから、2代目を手配。車両は日ごろ別の業務に使っていることからラッピングを施すことができず、一目で駄菓子屋とは分からない。このため、出店時に駄菓子屋と分かるようなタペストリーを制作することになり、双葉中にデザインを依頼した。

 同校は職場体験や「ほおずき市」でのブラスバンド演奏、運営のボランティアなどとして日ごろから作業所に協力しており、今回は創作部の部員がタペストリーのデザインを担当した。

 タペストリーは縦1・9㍍、横1・2㍍で、「駄菓子屋」「リサイクルショップほおずき」の文字とともに、飴やチョコ、サイダー、イカ珍味などを賑やかに描いている。主にデザインを手がけた副部長の須戸菜乃華(なのは)さん(2年)は「こんな駄菓子があればいいなとデザインした。タペストリーの絵を見ていただいて、駄菓子を手に取ってもらえれば」と話し、部長の上田空峯(そらね)さん(2年)は「ほおずきの駄菓子屋を皆さんに利用してもらいたい」と話している。

 作業所の野瀬育美さん(29)は「タペストリーはすごく可愛らしいデザイン。みんなに覚えてもらえると思う」、古池恒さん(30)は「お客さんにたくさんお菓子を買ってもらえれば。新しい駄菓子屋号では企業などでも販売してみたい」と話した。

 駄菓子屋号の出店の依頼はほおずき作業所℡(52)4659へ。