2022年11月17日

季節の食材、彩り豊かに

調理短大展示会、学生の力作ずらり

 県調理短期大学校(分木町)で16日、学生が実習の成果を発表する料理展示会が開かれた。

 展示会は年1回開かれ、今年は「一味同心〜みんなで心を一つに最高の料理を」をテーマとした。1年生15人、2年生19人が出品し、指導員らが全体のバランスや盛り付け、季節感、配色などを審査した。

 2年生の部で金賞に輝いたのは高山夕綺さん(22)=長浜市=の懐石料理「秋の城下町」。城下町での食べ歩きをコンセプトに、竹串に刺した赤コンニャクや厚揚げなどの田楽をはじめ、イカ、ニンジン、海苔で鯉そっくりに作った「鯉寿司」などを盛り付けた。高山さんは「昨年はまったく選ばれなかったが、今年は金賞を受賞し、技術力が上がったことを実感でき嬉しい」と話していた。

 1年生の部では土屋心乃さん(18)=米原市=の懐石料理「千秋万古」が金賞を受賞。柿、鮭、子持ち鮎、柚、銀杏など秋の食材を豊富に用いた季節感あふれる料理で、彩りを意識したという。土屋さんは「これからも、日本ならではの四季の美しさを、食材や見た目で感じられる料理を作りたい」と話していた。

 このほかの入賞者は次の皆さん。

 【1年】▽銀賞=藤木萌愛▽銅賞=菅能月海▽佳作=中山朝陽、田中海璃【2年】▽銀賞=植本春花▽銅賞=加藤拓真▽佳作=山瀬優華、多賀愛莉、渡部留音。

2022年11月16日

江州音頭 寿賀廼家三代目に

米原市長沢の羽渕さん「後世に伝えたい」

 江州音頭・近江節の寿賀廼家(すがのや)三代目・桜川小寿賀富士に、米原市長沢の羽渕清信さん(63)が就任。このほど、グランパレー京岩(長浜市八幡中山町)で襲名披露が行われた。

 江州音頭は滋賀(江州)の音頭として江戸時代後期に誕生し、現在は県外各地でも親しまれている。いくつかの流派・系列に分かれており、派ごとに節に違いがあるという。正調の江州音頭の寿賀廼家は昭和40年(1965年)頃に羽渕さんの父親の博清さんが結成し、初代・桜川小寿賀富士に就いた。

 羽渕さんは1977年に寿賀廼家に入団。その後、初代と二代目の小川正一さん(78)=長浜市常喜町=の指導を受けて、腕前を磨いてきた。現在、寿賀廼家には湖北地域の30代から70代までの14人が所属。湖北地域の自治会のイベントや祭り、介護施設などで披露している。

 10月23日の襲名披露では二代目から三代目に名跡が譲られた。羽渕さんは「二代目にならって、一門をうまくまとめていきたい。(江州音頭は)一つの文化なので、後世に伝えていく務めも果たしたい」と述べた。

座敷音頭のCD作成

 江州音頭は屋外の「櫓」音頭と、節やお囃子がない屋内での「座敷」音頭があり、語りのみの舞台芸の座敷音頭はより上級者向けとされる。羽渕さんは「より難しい座敷音頭を残したい」との思いから、羽渕さんが座敷で語る「番場の忠太郎」などを収録したCDも作成した。問い合わせは羽渕さん℡090(8658)7252。

2022年11月11日

地元企業の技術・製品PR

長浜商議所で見本市、23社出展

 湖北地域の製造業・ものづくり企業の製品、技術、サービスを展示する見本市「長浜ものづくりTECH」が11日、さざなみタウンの長浜商工会議所で始まった。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う国際輸送の混乱や原油・材料高の影響でサプライチェーンの見直しを余儀なくされる中、地元企業同士の連携を図ろうと長浜商工会議所が初めて企画した。働き方改革関連法によってドライバーの労働時間に上限が設定されることで物流コスト上昇が懸念される「2024年問題」が迫っていることも、地元企業同士の連携を後押しする背景にある。

 オープンニングセレモニーでは大塚敬一郎会頭が「コロナ禍で疲弊している企業もある。長浜ものづくりTECHで工業製品を広く知ってもらい、各企業が互いに交流してほしい」などとあいさつし、テープカットで開幕を祝った。

 23社が各ブースで独自の製品、技術、サービスなどをPR。調味料や化粧品、医薬品などの液体を個包装する技術を開発したVPAK(南田附町)の橋本忠社長(79)は「この技術を使って、地盤産業の振興や若者の創業を応援したい。良い出会いやきっかけが生まれれば」と見本市に期待を込めていた。

 なお、地元企業の魅力を学生をはじめとする住民にも発信し将来の地元定着につなげようと、VR体験コーナー、トートバッグ作りのワークショップ、マルシェなど、若者向けのイベントも同時開催している。

 見本市は12日も開かれる。午前10時から午後4時まで。入場無料。

2022年11月11日

女子プロレス王者 安納サオリさん 滋賀初凱旋

12月3日 長浜市民体育館でゴング

 今年6月に女子プロレス団体「アイスリボン」の王者となった大津市出身の安納サオリさん(31)が12月3日、長浜市民体育館で凱旋大会に臨む。ご当地プロレス団体「長浜プロレス」の協力で実現し、2015年にプロレスラーとしてデビューして以来初めてとなる滋賀での試合に「女子プロならではの華やかさと強さを皆さんに見てもらいたい」と来場を呼びかけている。

 安納さんは大津高校卒業後に上京し、女優を目指して舞台で活動しているさなか、プロレスに誘われた。新団体「アクトレスガール」の旗揚げ大会でデビューし、その後はさまざまな団体に参戦して活躍の場を広げ、舞台女優としても活動。今年6月のアイスリボンのシングル王者決定トーナメントで優勝し、第34代王者に君臨した。

 高校時代の友人でダンスインストラクターの桑名菜奈さん(32)の発案で滋賀での凱旋試合を模索していたところ、長浜を拠点に県内一円へと活動を広げている長浜プロレスの存在を知り、協力を取り付けた。

 凱旋会場に選んだ市民体育館は、かつてアントニオ猪木、ジャイアント馬場、長州力、ジャガー横田、ダンプ松本、アジャコングら著名レスラーが試合を行った「プロレスの聖地」。長浜プロレスは「男にはない華やかで華麗なプロレスを見せて欲しい」と期待を込める。

 「滋賀出身の女子プロレスラーがいることを知ってもらい、プロレスに興味を持つきっかけになれば」と話す安納さん。凱旋試合を機に故郷の滋賀に関わる活動に取り組みたい考えで「プロレスファンには大好きな滋賀のことを知ってもらい、滋賀の方にはプロレスの魅力を発信したい」と話している。

長浜の子どもを限定100人無料招待

 当日は午後2時半に開幕。キッズダンスチームによるコンテスト、長浜プロレスの試合の後、安納さんとアイスリボンの所属レスラーによる試合がある。

 入場料は3000円(自由席)〜7000円(VIP席)。チケットぴあなどで発売中。当日券は500円増し。

 なお、長浜市在住の中学生以下の子どもたちを2階席に無料招待する。先着100人限定。長浜プロレスを率いる覆面レスラーのエル・ヒキヤマは「若い子にもプロレスの面白さを知ってもらい、将来、長浜プロレスに参加してもらえれば」と来場を呼びかけている。同伴の保護者は1人まで。申し込みは長浜プロレスにメール(nagahama.pw@gmail.com)で氏名、住所、年齢を伝える。

2022年11月7日

江北図書館 野間出版文化賞に輝く

思いを次世代へ 「歴史と再生」で特別賞を受賞

 木之本町木之本の江北図書館が4日、講談社の「第4回野間出版文化賞特別賞」を受賞。同社の創業者、野間清治氏の遺志により設けられた名誉ある賞で、地域住民の「長い歴史を持つ図書館を守ろう」という熱意などが評価された。

 「野間出版文化賞」は「野間文芸賞」「野間文芸新人賞」「野間児童文芸賞」に加え、2019年、出版にまつわる優れた表現活動をした個人・団体を顕彰する目的で創設された。過去、小説家の新海誠氏、東野圭吾氏、池井戸潤氏、伊集院静氏らが受賞している。

 特別賞は図書などに関連する施設などを対象に21年、新設され「角川武蔵野ミュージアム」(埼玉県所沢市)が受賞している。

 同図書館は旧余呉村出身の弁護士・杉野文彌氏が「郷土の青少年に読書に親しむ機会を」と1902年(明治35)、私財を投じて杉野文庫として設立したのが前身。

 時代とともに各地に公立図書館が次々と誕生する中、利用者が減少。支援を受けていた伊香郡町村会が市町合併を機に解散以降は資金難にも見舞われ、施設の老朽化が進んでいた。

 そんな苦境にあえぐ私立図書館を再生しようと地域住民有志が立ち上がり、昨年6月、理事を一新。新理事たちは施設の整備を進め、イベントなどを企画。賑わいと活気を取り戻しつつある。

 賞選考委員の林真理子さん(小説家)らは同図書館が県内で現存する最古の図書館で、個人が設立して100 年以上にわたり、地域住民が運営を続けてきたことに着目。

 公的支援が受けられない中、運営メンバーが「思いを次世代につなぎ、愛される図書館にしたい」と、再生に向けて積極的に取り組んでいる点を評価した。

 久保寺容子館長は「今まで守って、支えてくださった人たちの思いをつなげてゆきたい。いただいた賞を糧に次の段階へステップアップしたい」と話している。

 なお、贈呈式は12月16日、東京の帝国ホテルで。記念の賞牌(しょうはい)と副賞の100万円が贈られる。

2022年11月4日

長浜でオリーブ栽培

無農薬で、吉田農園がプロジェクト

 湖北地域で初となる「オリーブ農園」を作るプロジェクトが三川町の吉田農園(三川町)で進められている。最大の特徴は「無農薬栽培」。たい肥には琵琶湖で増殖している水草を利用する。

 同農園では無農薬栽培の稲作に長年、取り組んでおり、米以外の作物を模索する中、オリーブに着目した。オリーブは実はポリフェノールを豊富に含み、食用油の原料や食用(ピクルス)になるほか、葉は茶にもなる。

 オリーブは小豆島をはじめ、香川、岡山など温暖な地域でしか育たないと思っていたが、ある農業フェアで、寒冷地でも栽培できることを知った。チャレンジしようと、2年前、地元の圃場に試験的に90本の苗を植え、育てたところ、マイナス5℃、50㌢の積雪にも耐えられることが立証できた。

 農園では「地域貢献」「安全と安さ」を両立したオリーブ作りを目指し、漁業などに悪影響を及ぼし県が除去している水草を購入。微生物で分解し、もみ殻、米ぬかとブレンドすることにより、自然由来の土壌改良剤、有機肥料となった。

 また、2・5㍍以上伸ばさず、枝葉を横に広げ、脚立なしで収穫できる独自の栽培を考案。この2年間で、枯れた木は1本もなく、栽培のメドがたったことから、今年4月、約40㌃の畑に150本を植樹した。

 3年後をメドに1000本まで増やす計画で大量に搾油するための機械も購入しなくてはならず、現在、クラウドファンディング(https://bit.ly/3ULTVqF)で資金調達をしている。目標額は100万円で、12月29日まで募集している。

 農園を確立することで、資源の有効活用ができ、雇用が生まれる。担当の吉田久之さん(62)は「皆さんの家庭でも苗木を育ててもらい、長浜から『びわ湖オリーブ』を発信し、ネットワークを構築したい。そのためにも協賛を」と話している。

 なお、6日午後1時から3時まで、三川町の農園で説明見学会を開く。問い合わせは同農園℡(73)2746。

 

2022年11月2日

煙の少ない高級薪が好評

来シーズンに向け、生産ヒートアップ

 米原市上板並の市民グループ「里山を守り生かす会」(伊賀並正信代表)の作る高級薪「プレミアムホワイト」が好評で、次年度用の薪づくりが佳境を迎えている。

 山林、林業を活用し、地域おこしをしている同会では10年前、薪ストーブの流行に伴い、山林の間伐材や家屋の解体で出た廃材を利用して、薪作りを始めた。安価で高品質と評判で、年々ニーズが高まり、3年前からは地元の木材業者から原木を仕入れ、年間約30㌧を生産、販売するまでになった。

 伊賀並さんは自宅で薪ストーブを使用する中で「メンテナンスの多さ」と「清潔感」がウィークポイントと考え、煙の少ない薪「プレミアムホワイト」を考案した。

 原木は筋目が通り木肌が美しく節目の少ないナラだけを選りすぐり。虫が好んで棲みつく表皮を剥いて乾燥させている。ひと手間加えたプレミアムホワイトはすすや灰が少なくなり、煙突やストーブ内が汚れにくく、虫が出ない、というメリットが生まれた。

 ネット販売やふるさと納税の返礼品としても扱われており、少し高い価格設定にしても飛ぶように売れており、発注先は高給住宅地の田園調布(東京)や芦屋(兵庫)に住む人が目立つ。

 薪は原木を37㌢にカットして、薪割り機で割り、1年かけ、乾燥。1束ごとや箱入りで販売している。現在、加工している薪は来シーズン向け。市の助成金を受け、作業所の「いぶき弥三郎ベース」に保管専用の棚と作業台を新設し、生産効率をアップさせた。

 伊賀並さんは「今年分はすでに完売。これから配達の繁忙期に入り、あと10㌧は配達しなくてはならない。原木とニーズがある限り、冬の間も作業を続ける」と話している。

2022年11月1日

定時制体験発表会 林実生さん、全国大会へ

長浜北星高から2年連続の県代表

 長浜北星高校定時制4年の林実生(あづき)さん(20)は、全国高校定時制通信制生徒生活体験発表会県予選で1位となり、11月20日、東京で開かれる全国大会に県代表として出場する。同校からは2年連続の選出。

 県予選には6人が参加し、7分以内で日常や学校生活での体験、思いを語った。林さんは「歩み〜私にとっての4年間」と題して、高校生生活を振り返り、自分に関わってもらった人への感謝の気持ちを綴った。

 5人きょうだいの林さんは中学3年の時に、母を亡くし、全日制の高校に進学するも不登校となった。スクールカウンセラーのアドバイスで定時制高校に入学したが、父だけの収入では家計を支え切れず、自宅を離れることに。家族が離れ離れになる中、父の膵臓がんが発覚。「何で私だけ、こんな目に遭うのか」と思うようになった。

 林さんは昼間、飲食店でアルバイトをしながら、高校に通学しているが、周りに支えられ、笑顔も増え、生徒会長にも選ばれた。

 論文では「定時制を選択していなかったら、こんなにも豊かな未来は待っていなかったかも」と振り返り、林さんは教えをもたらしてくれた先生やアルバイト先のオーナー、客たちへの感謝の気持ちを文章化している。

 また、「卒業して大人になってゆけば、もっと孤独に思う瞬間があるかもしれない。しかし、この定時制でまだ自分の手に残っている『大事なもの』に気づくことができた。これこそが4年間の歩み」だとし「卒業した後も、あの時、隣にいた仲間が今もどこかで頑張っていると思うことができれば、自分も上を向いて歩いていくことが出来るのではないか」と問いかけ、「気づく機会を与えてくれたのはこの高校。私にとって単なる通過点ではなく、学校以上の場所になりそう」などとまとめている。

 林さんは全国大会を前に「こういう機会をいただき、ありがたく感謝したい。おごることなく実感を伝えられたら」と話している。