煙の少ない高級薪が好評

来シーズンに向け、生産ヒートアップ

 米原市上板並の市民グループ「里山を守り生かす会」(伊賀並正信代表)の作る高級薪「プレミアムホワイト」が好評で、次年度用の薪づくりが佳境を迎えている。

 山林、林業を活用し、地域おこしをしている同会では10年前、薪ストーブの流行に伴い、山林の間伐材や家屋の解体で出た廃材を利用して、薪作りを始めた。安価で高品質と評判で、年々ニーズが高まり、3年前からは地元の木材業者から原木を仕入れ、年間約30㌧を生産、販売するまでになった。

 伊賀並さんは自宅で薪ストーブを使用する中で「メンテナンスの多さ」と「清潔感」がウィークポイントと考え、煙の少ない薪「プレミアムホワイト」を考案した。

 原木は筋目が通り木肌が美しく節目の少ないナラだけを選りすぐり。虫が好んで棲みつく表皮を剥いて乾燥させている。ひと手間加えたプレミアムホワイトはすすや灰が少なくなり、煙突やストーブ内が汚れにくく、虫が出ない、というメリットが生まれた。

 ネット販売やふるさと納税の返礼品としても扱われており、少し高い価格設定にしても飛ぶように売れており、発注先は高給住宅地の田園調布(東京)や芦屋(兵庫)に住む人が目立つ。

 薪は原木を37㌢にカットして、薪割り機で割り、1年かけ、乾燥。1束ごとや箱入りで販売している。現在、加工している薪は来シーズン向け。市の助成金を受け、作業所の「いぶき弥三郎ベース」に保管専用の棚と作業台を新設し、生産効率をアップさせた。

 伊賀並さんは「今年分はすでに完売。これから配達の繁忙期に入り、あと10㌧は配達しなくてはならない。原木とニーズがある限り、冬の間も作業を続ける」と話している。

掲載日: 2022年11月02日