2023年11月29日

戦没者ら1677人を追悼、非戦誓う

米原市が「平和の礎」に刻銘板7基設置

 米原市が「天狗の丘」(同市池下)北側に整備を進めている戦没者追悼と平和学習の拠点「平和の礎」に、戦没者らの氏名を入れた刻銘板7基が設置された。23日に市や遺族会など関係者75人が出席して除幕式が行われ、平尾道雄市長は「戦争犠牲者の遺志を引き継ぎ、市民と一緒に追悼と非戦・平和の歩みを始めたい」と語った。

 市内では1894年(明治27)の日清戦争以降の戦争で亡くなった戦没者を慰霊する忠魂碑12基が遺族会や住民らの手によって受け継がれてきたが、石碑の老朽化や遺族の高齢化で維持管理が困難になっていた。

 そのため市は「市民とともにつくる非核・平和米原市民会議」を設立して意見を聞き、平和祈念の拠点整備と忠魂碑に代わる新たなモニュメントの設置を準備してきた。

 平和の礎は市有地約900平方㍍に整備中。刻銘板は黒御影石製で高さ1・3㍍、幅1・8㍍の石碑を組み合わせ、伊吹山を背景に設置した。市内外から刻銘希望者を募り、戦没者1656人と戦争犠牲者21人の名前を刻んでいる。米原市非核・平和都市宣言の宣言文を刻んだモニュメントや献花台も整備した。整備費用は5846万円。今後、芝生化などの追加整備を行い、一般開放は来年6月以降の予定。

 除幕式には平尾市長、市議、県議、市遺族会、市社協の関係者らが出席し、平尾市長は「戦争実感を持たない世代、戦争体験者との関わりがなくなる世代には、戦争は悲しみと憎しみしか生まないこと、核兵器は人類の存亡を脅かすものであることを、唯一の被爆国として伝えなければいけない」とあいさつした。

2023年11月28日

風船、飛んで埼玉へ

150周年の古保利小から300㌔

 古保利小学校(不破正和校長、児童81人)の創立150周年記念フェスタで飛ばしたメッセージ付きの風船が約300㌔離れた埼玉県比企郡川島町へと風で運ばれ、拾い主の女性から写真入りの手紙が学校に届いた。

 フェスタは11月11日の記念式典に続いて行われ、全校児童と幼児らが運動場から計100個の風船を飛ばした。そのうち、4年生の川崎大維さんが飛ばした風船が埼玉県へ届いた。

 川崎さんはメッセージカードに古保利小の好きなところや自身が英語の勉強を頑張っていることを記していた。

 22日、小学校に女性から手紙が届いた。手紙には12日の朝に自宅の庭に落ちているのを愛犬が見つけたことが記され、「はるばる滋賀県から飛んできたのですね。家族、友達にも知らせておおいに盛り上がりました。みんな、ほっこりした気持ちになりましたよ」と温もりある文章を綴っている。川崎さんには「英語がんばってね!」とメッセージを寄せた。庭でメッセージカードを拾った愛犬の写真も同封されていた。

 川崎さんは「埼玉県まで飛ぶなんてびっくりした。嬉しかった。お母さんと一緒に埼玉県の場所を調べた。きょうだいで返事を書いて、古保利小のことをもっと伝えたい」と話していた。

 手紙はカラーコピーして教室に張り出され、クラスメートも「すごい」「運がいい」とびっくり。

 奇しくも埼玉と滋賀をテーマにした映画「翔んで埼玉〜琵琶湖より愛を込めて」(23日公開)が封切られるタイミングでの、風船が結んだ縁。不破校長は「まさか埼玉まで飛ぶなんて。映画の公開に合わせたような、不思議なご縁を感じる。心優しい方に拾っていただき、児童たちも喜んでいます」と話していた。

2023年11月27日

江北図書館 国登録文化財に

木之本地域の近代化伝える

 木之本町木之本の江北図書館(旧伊香郡農会庁舎)が国の登録有形文化財(建造物)に登録されることになった。国の文化審議会が24日、文部科学大臣に答申した。

 建物は木造2階建て一部平屋で、西側に平屋の台所棟が附属している。1937年(昭和12)に伊香郡農会の庁舎として整備され、75年(昭和50)に江北図書館が移転してきた。

 外観は前面中央に千鳥破風が設けられ、2階部分にある4連の半円アーチの窓と5つのバットレス(主壁を補強する控え壁)が目をひく。内部は1階に閲覧室、書庫、和室など、2階に畳敷の大広間、和室などがある。大広間と和室の境には4枚の引き違い板戸が立ち、その周囲はパルメット文様(シュロの葉をモチーフにした装飾)の額縁で囲んでいる。

 審議会では「現用途、当初の用途のそれぞれをたどることができる建造物であり、木之本地域の近代化を語るうえで重要な存在」と評価している。

 長浜市内の国登録有形文化財(建造物)は1996年の黒壁ガラス館本館(旧第百三十銀行長浜支店)の登録に始まり、江北図書館で37棟目となる。

修繕工事に着手 今後、保存活用委員会設置へ

 同図書館を運営する公益財団法人江北図書館は現在、建物の修繕プロジェクトに取り組んでいる。11月下旬に閲覧室を併設したトイレ棟の建設に着手し、12月初旬からは本館の外壁モルタル修繕、腐食した柱の取り替え、壁面のひび割れ修繕工事を行う。修繕工事費はクラウドファンディングで寄せられた寄付2194万円(目標額1500万円)に自己資金を合わせた約2400万円。

 また、文化財登録を機に、外部の有識者や地域住民が参加する図書館保存活用委員会を立ち上げて保存活用計画をまとめ、本格的な耐震・補強工事、書庫整備に取り組みたい考え。

 岩根卓弘理事長は「歴史的価値が認められ、嬉しく思っている。今後、図書館にあり方について意見を広く聞く機会を設け、本館の地域における役割を確定し、修繕の方法を決定していきたい。複数年に及ぶ長い道のりとなるが、支援、協力を引き続きお願いしたい」とコメントしている。

2023年11月24日

重量挙げ世界大会で3位

高月中出身、早稲田大の堤さん

 高月中出身で早稲田大学2年の堤茉央さん(19)がメキシコで開かれたウエイトリフティング(重量挙げ)の世界ジュニア選手権で3位に入賞した。初めて挑戦した国際大会での入賞に自信を深め、「来年のパリは間に合わないが、2028年のロサンゼルス五輪出場を目指したい」と話している。

 小学生時代、バレーボールに打ち込んでいた堤さんは6年生の時、県の若手アスリート発掘・育成プロジェクト「滋賀レイキッズ」でウエイトリフティングを体験したのを機にこの競技に打ち込むように。高月中時代はウエイトリフティング部がある安曇川高校に通って練習を重ねた。中学2年時には全国3位、進学した安曇川高校では全国選抜3位、インターハイ4位などの成績を残した。

 早稲田大に進学後の1年生では全日本大学対抗ウエイトリフティング選手権大会に出場し、階級新記録を出してチーム優勝に貢献した。

 3月の大会で基準記録を突破し、大学1〜3年生で構成する日本代表選手団10人の一員に選ばれた。世界ジュニア選手権大会は15日から23日にかけメキシコ・グアダラハラ市で開かれ、各国の代表選手が出場した。

 55㌔級に出場した堤さんは、床に置いたバーベルを一気に頭上まで持ち上げる「スナッチ」が83㌔で2位、バーベルを肩まで引き上げてから全身の反動を使って頭上へ持ち上げる「クリーン&ジャーク」が103㌔で3位の記録となり、合計186㌔で3位に輝いた。

 「努力した分だけの重量を持ち上げられる」とウエイトリフティングの魅力を語る堤さん。初めての国際大会での入賞に「体重管理や食事管理があった中で、良い結果を残せた。自信が付き、この先につながる良い試合だった」と振り返り、「ロサンゼルス五輪を目指したい」と意気込んでいる。

2023年11月21日

長浜の曳山文化、身近に感じて!

博物館常設展示23年ぶり大幅リニューアル

 長浜曳山まつりの魅力を紹介・発信している曳山博物館(元浜町)は開館以来23年ぶりに常設展示を大幅にリニューアル。ショートムービーの上映やAR(拡張現実)を使った子ども歌舞伎役者との写真撮影などを通じて、身近に曳山文化を感じられる工夫が施された。

 展示替えのテーマは「曳山文化を身近に、分かりやすく」。映像制作費を含め約1100万円をかけ展示を見直し、20日にオープンした。

 展示室の大型画面(横3・8㍍、縦2・7㍍)ではショートムービー「ひーくんのお祭り」を上映。長浜開町450年を記念して曳山文化協会が制作したもので、15分の映像でまつりの臨場感を伝えている。地元の小学生の村崎蒼士さん、三ツ橋空音さんらが出演し、曳山まつりをテーマにした映画を制作している谷口未央さんが監督を務めた。囃子(しゃぎり)が大好きな男の子と曳山との絆を紡いだ物語で、ナレーションは滋賀出身の俳優・堀田真由さん。「囃子は曳山を囃し、人を囃し、町を囃す」などと優しい語り口調でまつりの魅力を紹介している。英語、中国語字幕の上映もある。

 正面入り口右側に設けたAR記念撮影コーナーではスマートフォンでQRコードを読み込んでからカメラを向けると今年の出番山・孔雀山の「神霊矢口渡 頓兵衛住家の場」に登場した頓兵衛がポーズをとって目前に出現し、一緒に撮影できる。

 このほか、曳山まつりの行事日程を分かりやすく紹介したパネル、長浜曳山祭囃子保存会の歩みを紹介する展示も新設した。

 曳山文化協会の北川賀寿男常務理事は「ショートムービーやARでまつりの良さ、魅力を感じてもらい、4月の曳山まつりに足を運んでもらうきっかけとなれば」と話している。

 開館は午前9時から午後5時まで。観覧料は大人600円、小人300円(長浜、米原市内の小中学生は無料)。

2023年11月16日

高月小 創立150周年

次の50年へ新たな一歩

 高月小創立150周年記念式典が11日、同校体育館で開かれ、児童や卒業生らが節目を祝った。同校を卒業したスポーツ選手もビデオメッセージを寄せた。

 同校は1873年(明治6)、「篤潤学校」の名称で開校し、明治、大正、昭和、平成、令和へと歴史を紡ぎ、卒業生は約7000人に上る。校内ではヤンマー創業者の山岡孫吉氏が子どもたちに寄贈した地球儀やグランドピアノが受け継がれている。

 式典で呉竹政彦校長は「今日の1日を心に刻み、新たな一歩を踏み出す高月小学校を皆さんでつくり、未来につなげてほしい」と語り、記念事業実行委員会の浅見勝也委員長も「ちょうど150周年を迎えたことを忘れず、しっかりと覚え、50年後の200周年を迎える時に思い出して、今日のように笑顔で一緒にお祝いしてください」と児童に話しかけていた。

 児童を代表して6年の山岡万紘さん、二宮瑠愛さんが「大人になってまたこの学校を訪れた時、学んでいるみんなの笑い声や明るく元気な声が校舎から聞こえてくる、そんな学校であってほしい」とあいさつしていた。

 サッカーJリーグ柏レイソルや浦和レッズで活躍した橋本和さん、プロ野球阪神タイガースの藤田健斗さんがビデオメッセージを寄せ、小学生時代の思い出を振り返った。藤田さんは「小学2年生から野球を始め、その時からプロになる夢があった」と語り、「好きこそものの上手なれ」との言葉を紹介して、「何事も楽しむことを大切に」と話しかけていた。

 また、児童が15年後の自身や家族に宛てた手紙を託す「メッセージ旅立ち式」があり、児童代表が手紙の入ったカプセルを宅配業者に手渡していた。

2023年11月15日

2年金賞は河井さん「竜宮の宴」

調理短大で展示会、学生の力作ずらり

 県調理短期大学校(分木町)で15日、学生が実習の成果を披露する料理展示会が開かれた。

 展示会は年1回開かれ、今年は1年生7人、2年生14人が出品し、指導員らが全体のバランスや盛り付け、季節感、配色などを審査した。

 2年生の部で金賞に輝いたのは河井真大さん(20)=長浜市垣籠町=の和食「竜宮の宴」。おとぎ話をテーマに竜宮城で振る舞われた料理を想像し、刺身の船盛り、寿司など7品を並べた。リュウグウノツカイをイメージして太刀魚を飾り付けたり、練り切りでカメを作ったり、ちらし寿司を玉手箱に詰めたりと細部にわたって工夫している。河井さんは「寿司は火を通したり、酢でしめたりして色鮮やかになるようにした。昨年は賞を獲れなかったので、今年は金賞を狙っていた。リベンジを達成できた」と話していた。

 1年生の部で金賞に輝いた三上遥さん(18)=栗東市=は「食欲の秋」のタイトルでフランス料理を出品。前菜の前に提供されるアミューズの一品に梨に見立てたライスボールを作ったほか、キノコ、サツマイモ、栗、リンゴなどの食材を使って季節感を出した。金賞受賞に「とても嬉しい。頑張っていて良かった」と笑顔を見せた。

 このほか、入賞者は次の皆さん。

 【1年】▽銀賞=笠松楽生▽銅賞=高橋嶺空【2年】▽銀賞=中川月▽銅賞=中山朝陽▽佳作=藤木萌愛、土屋心乃。

2023年11月15日

災害発生時は避難所に早変わり

南高田町にコンテナホテル 12月開業

 普段はビジネス客や観光客向けの宿泊施設、災害発生時には被災地に出動して避難所などになるコンテナホテル「HOTEL  R9  The  Yard 長浜」が12月13日、南高田町の県道沿いにオープンする。

 2720平方㍍の敷地にコンテナ39台がずらりと並ぶ。うち客室は34台。広さ13平方㍍で、ダブルルーム30室、ツインルーム4室。ベッド、ユニットバス、エアコン、冷蔵庫、電子レンジなどを備え付けている。ダブルルームの場合、料金は1人6200円から、2人8700円から。コインランドリー、自動販売機、フロントもそれぞれコンテナとなっている。

 コンテナは車輪付きで、有事の際にはけん引して被災地に移動させ、「レスキューホテル」として避難所などに使える。

 ホテルを運営するのはコンテナ建築業などを手掛ける「デベロップ」(千葉県市川市)。2011年の東日本大震災で、備蓄倉庫や復興従事者用の宿泊施設の建設などで震災後まもなく現地に入った際、被災者が避難所で不便な生活を強いられているのを目の当たりして、プライベート空間をすばやく提供できるコンテナ型の避難所の必要性を痛感。17年に宮城県石巻市で復興従事者用宿泊施設として利用されていたコンテナを栃木県佐野市に移設してホテルを開業したのを初期モデルに、翌18年からコンテナホテルを全国展開している。

 長浜での開業は東近江、甲賀に続き県内3店舗目、全国71店舗目となる。

 同社ではコンテナホテルを工業団地やインターチェンジ近くに展開し、ビジネス客を取り込んでいる。開業1年未満を除く稼働率は7〜8割という。長浜ではビジネス客をメインターゲットにしながら観光客の利用も見込んでいる。同社の担当者は「平時は出張や観光の際の宿泊施設として利用してもらい、有事の際には速やかに長浜市の防災拠点として活躍できるよう地域と連携しながらホテルを運営したい」と話している。

2023年11月13日

ドラマ終盤「散り際、見届けて!」

北川さん、吉原さんトークショー

 NHK大河ドラマ「どうする家康」でお市と茶々を演じている北川景子さんと、柴田勝家役の吉原光夫さんを招いたトークショーが11日、浅井文化ホールで開かれた。

 トークショーは長浜450年戦国フェスティバル実行委員会とNHK財団の主催で、会場を埋めた約450人のファンが撮影の裏話などを楽しんだ。

 大河ドラマは12日の放送で関ケ原合戦が描かれ、今後は松本潤さん演じる家康と、豊臣家再興を目指す茶々との対決が見どころとなる。

 北川さんはお市、茶々の2役のオファーを受けたことに「みんなが知っている歴史上の人物を独り占めするのはいいのか」と悩み「演じきれるのか」とプロデューサーに相談したことを明かした。また、お市だけでなく茶々も演じることは撮影中も伏せられ、秀吉役のムロツヨシさんにも秘密に。「キャスト発表が茶々だけなく、プレッシャーだった」と話した。

 関ケ原合戦が終わり、家康の前に立ちはだかる「ラスボス」としての存在感がいよいよ際立つ茶々。「これから勢いを増し、どんどん怖くなる」「私たちの散り際は必見。見届けてもらいたい」と話した。

 戦国時代の歴史遺産が豊富な長浜について吉原さんは「(賤ケ岳合戦で秀吉に)負けたり、憎き秀吉の場所であったりするので、来るのは嫌だった」と語って会場の笑いを誘った。

 お市との結婚に「愛はあったのか?」との質問には「織田の流れを継いでいる人とつながるのは、一度も裏切らなかった信頼ある武将として自然な流れだったのではないか。この人のためなら、織田家のためなら命を捧げよう思っていたのが柴田であり、そこには大きな愛があった」と話した。

2023年11月13日

地域とともに成長し100周年

長浜北星高で記念式典盛大に

 大正時代に長浜町立商業学校として開校した長浜北星高校・高等養護学校が今年で創立100周年を迎え、11日、同校体育館で記念式典が開かれた。

 同校は1924年(大正13)開校の長浜商業学校を起源とし、以来、課程の改編を繰り返しながら長浜南高校、長浜西高校、長浜商工高校、長浜北星高校と校名を変えてきた。卒業生は2万人を超える。

 記念式典には生徒、教員、卒業生らが出席し、100周年記念事業実行委員会の柴田正明委員長は「100年もの間、地域社会とともに成長し、進化してきたのは誇るべきもの」「100周年記念式典が未来への素晴らしいスタートになることを願う」とあいさつし、中澤成行校長は「歴史的な瞬間にいるという幸せと責任を自覚し、今日のこの日を大きな出発点として新たな歴史に向かってしっかり歩んでほしい」と生徒に呼びかけた。

 生徒会長の吉岡真さん(3年)は「今、あらためて『叡智創造』(校訓)の言葉をかみしめ、高校生活を送る中でその時代に応じた判断ができるように力を付け、地域社会に有為の人材となれるよう、努力を重ねる」と決意を語っていた。

 式典後には同校卒業生でプロラクロス選手の山田幸代さん(41)が「夢をかなえるために」をテーマに講演した。

 なお、記念事業実行委員会では100周年モニュメント「交響の樹」の設置、同校マスコットキャラクター「ポラリス」の着ぐるみ制作などのほか、今後、同窓会館「華甲会館」の改修を行う。

2023年11月9日

曳山まつり映画 クランクアップ

長浜市街地などで撮影、来秋以降公開

 長浜曳山まつりを題材にした劇場用長編映画「長浜(仮)」の撮影が6日、クランクアップを迎えた。山組関係者やエキストラを交えて裸参り、線香番、曳山舞台での子ども歌舞伎奉納シーンなどの撮影を終え、谷口未央監督(44)は「無事に撮影が終わり、ホッとしている。これから編集、仕上げに入り、協力していただいた皆さんになるべく早く披露できるようにしたい」と話している。

 谷口監督は長浜曳山まつりのユネスコ無形文化遺産登録を機に、2016年から曳山まつりの取材や記録撮影を始めた。映画は亡き父の故郷の長浜に初めて訪れた少年・伊吹と、成長と共に自身の性に異和を感じる少女・花との出会い、曳山まつりを通じた2人の成長などを描き、国際映画祭での上映を目指している。

 撮影は10月下旬から本格化し、11月上旬の3連休には、曳山博物館広場に出した鳳凰山の舞台で伊吹役の荘司亜虎さん(12)=スターダストプロモーション=が衣装と化粧を施して歌舞伎披露の撮影に臨んだ。また、鳳凰山の詰め所の祝町自治会館では曳山まつりの成功を祈願する裸参り、子ども歌舞伎の仕上がり具合を確認する線香番の撮影も行われ、各山組の若衆や長浜曳山祭總當番の役員らも出演した。

 このほか、市街地の飲食店や平方町の高架下、高月町西野の湖岸などでも撮影が行われた。

 今後、編集作業を進め、整音や画像処理などの仕上げの後、国際映画祭へのエントリーを目指す。早くても来年秋以降の公開になるという。谷口監督は「皆さんの協力がなければ撮れない映画。エキストラとして協力してくれた方、撮影の際に食事を用意してくれた方、撮影現場での人止めなど、たくさんの方に協力していただき、感謝している。これから、しっかりと見てもらえるような映画に仕上げるために、大変な作業が待っている。曳山まつりをテーマにする責任を感じながら作業を進めたい」と話している。

 なお、コルミオ・フィルムは映画制作にあたり、クラウドファンディング(CF)で撮影資金を募り、9日現在で100人から219万4000円の資金が集まっている。CFは10日まで。目標金額は370万円。返礼品は完成披露試写会招待、エンドロールへの個人名、企業名記載など。詳細はhttps://motion-gallery.net/projects/nagahama。

2023年11月6日

びわ南小150周年、式典盛大に

坂口さん講演やミュージカルで節目祝う

 今年で創立150周年を迎えたびわ南小学校で4日、記念式典が開かれ、児童、保護者、卒業生、地域住民ら約400人が節目を祝った。同校の卒業生で毎年ノーベル賞候補にあがっている大阪大学特任教授・坂口志文さんの講演や、地域一体となって作り上げたオリジナルミュージカルの上演などがあった。

 びわ南小は1873年(明治6)から76年(明治9)にかけ、7地区に「巴水」「維新」「博道」「曽根」「道明」「望湖」「川道」の各学校が開設したのが起源。その後の統廃合を経て93年(明治26)にびわ南小学校の前身となる大郷高等小学校が誕生した。

 記念式典で森悦夫校長は「この素晴らしい歴史のある学校で学べることに誇りと自信を持ってください。校訓の『進取創造』という言葉に込められた地域の方々の願いに応え、将来、社会に貢献できる人に成長してほしい」などと児童に語りかけた。

 児童代表の中川智揮さん(6年)は「この学校がさらに歴史を重ね、いつまでもこの場にあり続け、みんなの笑顔があふれ、明るい声が響く、素敵な学校であるように心から願います」などとあいさつしていた。

 「夢をもって」をテーマに記念講演を行った坂口さんは、ウイルスやワクチン、抗体などの仕組みについて分かりやすく解説した上、ワクチン接種の普及で天然痘などの伝染病を根絶できたことを紹介した。自身が発見した「制御性T細胞」についてはがん治療につなげる研究に取り組んでいることを解説していた。

 児童には「若い皆さんに期待するのは夢を持つこと。しかし、夢を実現するには時間がかかる。運動して体を鍛えること、辛抱して勉強することが大切。世の中には勉強すればできることがたくさんある」と語り、「体と頭を鍛え、、夢を持ち、将来活躍してほしい」と呼びかけていた。

 記念事業として創作ミュージカル「時とともに響け!〜奏とピアノ物語」の上演もあった。1923年(大正12)、地域住民の募金によって同校に寄贈され、児童に親しまれてきたドイツ・フォイリッヒ社製のグランドピアノにまつわる物語。児童や教員、住民らでつくる「劇団フォイリッヒ」が大正、昭和、平成と、ピアノと一緒にタイムトラベルして同校の歴史を体験する物語を、歌やダンスを交えて披露していた。

100年ピアノ保存へ クラウドファンディング

 びわ南小に伝わるドイツ・フォイリッヒ社製のグランドピアノを保存のため、有志で組織する実行委員会がクラウドファンディング(CF)で修理費用やコンサート費用を募っている。

 住民の募金によって学校に寄贈されたピアノは今年でちょうど100年。実行委では親しみを込めて「100年ピアノ」と呼び、来年11月にコンサート「フォイリッヒのつどい」を計画している。

 目標金額は100万円で、今後10年間分のピアノの調律・修繕費、つどい公演費などに充てる。CFは「キャンプファイヤー」(https://tinyurl.com/4h9382fx)で、来年1月19日まで実施している。