2023年11月16日

高月小 創立150周年

次の50年へ新たな一歩

 高月小創立150周年記念式典が11日、同校体育館で開かれ、児童や卒業生らが節目を祝った。同校を卒業したスポーツ選手もビデオメッセージを寄せた。

 同校は1873年(明治6)、「篤潤学校」の名称で開校し、明治、大正、昭和、平成、令和へと歴史を紡ぎ、卒業生は約7000人に上る。校内ではヤンマー創業者の山岡孫吉氏が子どもたちに寄贈した地球儀やグランドピアノが受け継がれている。

 式典で呉竹政彦校長は「今日の1日を心に刻み、新たな一歩を踏み出す高月小学校を皆さんでつくり、未来につなげてほしい」と語り、記念事業実行委員会の浅見勝也委員長も「ちょうど150周年を迎えたことを忘れず、しっかりと覚え、50年後の200周年を迎える時に思い出して、今日のように笑顔で一緒にお祝いしてください」と児童に話しかけていた。

 児童を代表して6年の山岡万紘さん、二宮瑠愛さんが「大人になってまたこの学校を訪れた時、学んでいるみんなの笑い声や明るく元気な声が校舎から聞こえてくる、そんな学校であってほしい」とあいさつしていた。

 サッカーJリーグ柏レイソルや浦和レッズで活躍した橋本和さん、プロ野球阪神タイガースの藤田健斗さんがビデオメッセージを寄せ、小学生時代の思い出を振り返った。藤田さんは「小学2年生から野球を始め、その時からプロになる夢があった」と語り、「好きこそものの上手なれ」との言葉を紹介して、「何事も楽しむことを大切に」と話しかけていた。

 また、児童が15年後の自身や家族に宛てた手紙を託す「メッセージ旅立ち式」があり、児童代表が手紙の入ったカプセルを宅配業者に手渡していた。

2023年11月15日

2年金賞は河井さん「竜宮の宴」

調理短大で展示会、学生の力作ずらり

 県調理短期大学校(分木町)で15日、学生が実習の成果を披露する料理展示会が開かれた。

 展示会は年1回開かれ、今年は1年生7人、2年生14人が出品し、指導員らが全体のバランスや盛り付け、季節感、配色などを審査した。

 2年生の部で金賞に輝いたのは河井真大さん(20)=長浜市垣籠町=の和食「竜宮の宴」。おとぎ話をテーマに竜宮城で振る舞われた料理を想像し、刺身の船盛り、寿司など7品を並べた。リュウグウノツカイをイメージして太刀魚を飾り付けたり、練り切りでカメを作ったり、ちらし寿司を玉手箱に詰めたりと細部にわたって工夫している。河井さんは「寿司は火を通したり、酢でしめたりして色鮮やかになるようにした。昨年は賞を獲れなかったので、今年は金賞を狙っていた。リベンジを達成できた」と話していた。

 1年生の部で金賞に輝いた三上遥さん(18)=栗東市=は「食欲の秋」のタイトルでフランス料理を出品。前菜の前に提供されるアミューズの一品に梨に見立てたライスボールを作ったほか、キノコ、サツマイモ、栗、リンゴなどの食材を使って季節感を出した。金賞受賞に「とても嬉しい。頑張っていて良かった」と笑顔を見せた。

 このほか、入賞者は次の皆さん。

 【1年】▽銀賞=笠松楽生▽銅賞=高橋嶺空【2年】▽銀賞=中川月▽銅賞=中山朝陽▽佳作=藤木萌愛、土屋心乃。

2023年11月13日

ドラマ終盤「散り際、見届けて!」

北川さん、吉原さんトークショー

 NHK大河ドラマ「どうする家康」でお市と茶々を演じている北川景子さんと、柴田勝家役の吉原光夫さんを招いたトークショーが11日、浅井文化ホールで開かれた。

 トークショーは長浜450年戦国フェスティバル実行委員会とNHK財団の主催で、会場を埋めた約450人のファンが撮影の裏話などを楽しんだ。

 大河ドラマは12日の放送で関ケ原合戦が描かれ、今後は松本潤さん演じる家康と、豊臣家再興を目指す茶々との対決が見どころとなる。

 北川さんはお市、茶々の2役のオファーを受けたことに「みんなが知っている歴史上の人物を独り占めするのはいいのか」と悩み「演じきれるのか」とプロデューサーに相談したことを明かした。また、お市だけでなく茶々も演じることは撮影中も伏せられ、秀吉役のムロツヨシさんにも秘密に。「キャスト発表が茶々だけなく、プレッシャーだった」と話した。

 関ケ原合戦が終わり、家康の前に立ちはだかる「ラスボス」としての存在感がいよいよ際立つ茶々。「これから勢いを増し、どんどん怖くなる」「私たちの散り際は必見。見届けてもらいたい」と話した。

 戦国時代の歴史遺産が豊富な長浜について吉原さんは「(賤ケ岳合戦で秀吉に)負けたり、憎き秀吉の場所であったりするので、来るのは嫌だった」と語って会場の笑いを誘った。

 お市との結婚に「愛はあったのか?」との質問には「織田の流れを継いでいる人とつながるのは、一度も裏切らなかった信頼ある武将として自然な流れだったのではないか。この人のためなら、織田家のためなら命を捧げよう思っていたのが柴田であり、そこには大きな愛があった」と話した。

2023年11月13日

地域とともに成長し100周年

長浜北星高で記念式典盛大に

 大正時代に長浜町立商業学校として開校した長浜北星高校・高等養護学校が今年で創立100周年を迎え、11日、同校体育館で記念式典が開かれた。

 同校は1924年(大正13)開校の長浜商業学校を起源とし、以来、課程の改編を繰り返しながら長浜南高校、長浜西高校、長浜商工高校、長浜北星高校と校名を変えてきた。卒業生は2万人を超える。

 記念式典には生徒、教員、卒業生らが出席し、100周年記念事業実行委員会の柴田正明委員長は「100年もの間、地域社会とともに成長し、進化してきたのは誇るべきもの」「100周年記念式典が未来への素晴らしいスタートになることを願う」とあいさつし、中澤成行校長は「歴史的な瞬間にいるという幸せと責任を自覚し、今日のこの日を大きな出発点として新たな歴史に向かってしっかり歩んでほしい」と生徒に呼びかけた。

 生徒会長の吉岡真さん(3年)は「今、あらためて『叡智創造』(校訓)の言葉をかみしめ、高校生活を送る中でその時代に応じた判断ができるように力を付け、地域社会に有為の人材となれるよう、努力を重ねる」と決意を語っていた。

 式典後には同校卒業生でプロラクロス選手の山田幸代さん(41)が「夢をかなえるために」をテーマに講演した。

 なお、記念事業実行委員会では100周年モニュメント「交響の樹」の設置、同校マスコットキャラクター「ポラリス」の着ぐるみ制作などのほか、今後、同窓会館「華甲会館」の改修を行う。

2023年11月9日

曳山まつり映画 クランクアップ

長浜市街地などで撮影、来秋以降公開

 長浜曳山まつりを題材にした劇場用長編映画「長浜(仮)」の撮影が6日、クランクアップを迎えた。山組関係者やエキストラを交えて裸参り、線香番、曳山舞台での子ども歌舞伎奉納シーンなどの撮影を終え、谷口未央監督(44)は「無事に撮影が終わり、ホッとしている。これから編集、仕上げに入り、協力していただいた皆さんになるべく早く披露できるようにしたい」と話している。

 谷口監督は長浜曳山まつりのユネスコ無形文化遺産登録を機に、2016年から曳山まつりの取材や記録撮影を始めた。映画は亡き父の故郷の長浜に初めて訪れた少年・伊吹と、成長と共に自身の性に異和を感じる少女・花との出会い、曳山まつりを通じた2人の成長などを描き、国際映画祭での上映を目指している。

 撮影は10月下旬から本格化し、11月上旬の3連休には、曳山博物館広場に出した鳳凰山の舞台で伊吹役の荘司亜虎さん(12)=スターダストプロモーション=が衣装と化粧を施して歌舞伎披露の撮影に臨んだ。また、鳳凰山の詰め所の祝町自治会館では曳山まつりの成功を祈願する裸参り、子ども歌舞伎の仕上がり具合を確認する線香番の撮影も行われ、各山組の若衆や長浜曳山祭總當番の役員らも出演した。

 このほか、市街地の飲食店や平方町の高架下、高月町西野の湖岸などでも撮影が行われた。

 今後、編集作業を進め、整音や画像処理などの仕上げの後、国際映画祭へのエントリーを目指す。早くても来年秋以降の公開になるという。谷口監督は「皆さんの協力がなければ撮れない映画。エキストラとして協力してくれた方、撮影の際に食事を用意してくれた方、撮影現場での人止めなど、たくさんの方に協力していただき、感謝している。これから、しっかりと見てもらえるような映画に仕上げるために、大変な作業が待っている。曳山まつりをテーマにする責任を感じながら作業を進めたい」と話している。

 なお、コルミオ・フィルムは映画制作にあたり、クラウドファンディング(CF)で撮影資金を募り、9日現在で100人から219万4000円の資金が集まっている。CFは10日まで。目標金額は370万円。返礼品は完成披露試写会招待、エンドロールへの個人名、企業名記載など。詳細はhttps://motion-gallery.net/projects/nagahama。

2023年11月6日

びわ南小150周年、式典盛大に

坂口さん講演やミュージカルで節目祝う

 今年で創立150周年を迎えたびわ南小学校で4日、記念式典が開かれ、児童、保護者、卒業生、地域住民ら約400人が節目を祝った。同校の卒業生で毎年ノーベル賞候補にあがっている大阪大学特任教授・坂口志文さんの講演や、地域一体となって作り上げたオリジナルミュージカルの上演などがあった。

 びわ南小は1873年(明治6)から76年(明治9)にかけ、7地区に「巴水」「維新」「博道」「曽根」「道明」「望湖」「川道」の各学校が開設したのが起源。その後の統廃合を経て93年(明治26)にびわ南小学校の前身となる大郷高等小学校が誕生した。

 記念式典で森悦夫校長は「この素晴らしい歴史のある学校で学べることに誇りと自信を持ってください。校訓の『進取創造』という言葉に込められた地域の方々の願いに応え、将来、社会に貢献できる人に成長してほしい」などと児童に語りかけた。

 児童代表の中川智揮さん(6年)は「この学校がさらに歴史を重ね、いつまでもこの場にあり続け、みんなの笑顔があふれ、明るい声が響く、素敵な学校であるように心から願います」などとあいさつしていた。

 「夢をもって」をテーマに記念講演を行った坂口さんは、ウイルスやワクチン、抗体などの仕組みについて分かりやすく解説した上、ワクチン接種の普及で天然痘などの伝染病を根絶できたことを紹介した。自身が発見した「制御性T細胞」についてはがん治療につなげる研究に取り組んでいることを解説していた。

 児童には「若い皆さんに期待するのは夢を持つこと。しかし、夢を実現するには時間がかかる。運動して体を鍛えること、辛抱して勉強することが大切。世の中には勉強すればできることがたくさんある」と語り、「体と頭を鍛え、、夢を持ち、将来活躍してほしい」と呼びかけていた。

 記念事業として創作ミュージカル「時とともに響け!〜奏とピアノ物語」の上演もあった。1923年(大正12)、地域住民の募金によって同校に寄贈され、児童に親しまれてきたドイツ・フォイリッヒ社製のグランドピアノにまつわる物語。児童や教員、住民らでつくる「劇団フォイリッヒ」が大正、昭和、平成と、ピアノと一緒にタイムトラベルして同校の歴史を体験する物語を、歌やダンスを交えて披露していた。

100年ピアノ保存へ クラウドファンディング

 びわ南小に伝わるドイツ・フォイリッヒ社製のグランドピアノを保存のため、有志で組織する実行委員会がクラウドファンディング(CF)で修理費用やコンサート費用を募っている。

 住民の募金によって学校に寄贈されたピアノは今年でちょうど100年。実行委では親しみを込めて「100年ピアノ」と呼び、来年11月にコンサート「フォイリッヒのつどい」を計画している。

 目標金額は100万円で、今後10年間分のピアノの調律・修繕費、つどい公演費などに充てる。CFは「キャンプファイヤー」(https://tinyurl.com/4h9382fx)で、来年1月19日まで実施している。