災害発生時は避難所に早変わり

南高田町にコンテナホテル 12月開業

 普段はビジネス客や観光客向けの宿泊施設、災害発生時には被災地に出動して避難所などになるコンテナホテル「HOTEL  R9  The  Yard 長浜」が12月13日、南高田町の県道沿いにオープンする。

 2720平方㍍の敷地にコンテナ39台がずらりと並ぶ。うち客室は34台。広さ13平方㍍で、ダブルルーム30室、ツインルーム4室。ベッド、ユニットバス、エアコン、冷蔵庫、電子レンジなどを備え付けている。ダブルルームの場合、料金は1人6200円から、2人8700円から。コインランドリー、自動販売機、フロントもそれぞれコンテナとなっている。

 コンテナは車輪付きで、有事の際にはけん引して被災地に移動させ、「レスキューホテル」として避難所などに使える。

 ホテルを運営するのはコンテナ建築業などを手掛ける「デベロップ」(千葉県市川市)。2011年の東日本大震災で、備蓄倉庫や復興従事者用の宿泊施設の建設などで震災後まもなく現地に入った際、被災者が避難所で不便な生活を強いられているのを目の当たりして、プライベート空間をすばやく提供できるコンテナ型の避難所の必要性を痛感。17年に宮城県石巻市で復興従事者用宿泊施設として利用されていたコンテナを栃木県佐野市に移設してホテルを開業したのを初期モデルに、翌18年からコンテナホテルを全国展開している。

 長浜での開業は東近江、甲賀に続き県内3店舗目、全国71店舗目となる。

 同社ではコンテナホテルを工業団地やインターチェンジ近くに展開し、ビジネス客を取り込んでいる。開業1年未満を除く稼働率は7〜8割という。長浜ではビジネス客をメインターゲットにしながら観光客の利用も見込んでいる。同社の担当者は「平時は出張や観光の際の宿泊施設として利用してもらい、有事の際には速やかに長浜市の防災拠点として活躍できるよう地域と連携しながらホテルを運営したい」と話している。

掲載日: 2023年11月15日