2023年12月28日

巫女さん奉仕 「大吉の一年に」

長浜八幡宮で 破魔矢に絵馬つける

 毎年多くの初詣客でにぎわう長浜八幡宮で、迎春準備が進んでいる。

 高校生や大学生を中心とする巫女たちが冬休みの期間、参拝者に授与する破魔矢約5000本に来年の干支「辰」の絵馬を結び付けたり、お守りを袋詰めしたりと奉仕している。

 15万人の初詣客を見込む八幡宮では正月三が日を巫女40人体制でもてなす。巫女でいずれも長浜北星高校1年の居藤百花さん(15)は「参拝者の皆さまにとって、よい一年になりますようにとの思いを込めて奉仕しています」と話し、廣田さくらさん(15)は「皆さまにとって来年が大吉の一年になりますように」と語っていた。

 長浜八幡宮の年末年始の行事は次のとおり。

 【31日】▽午後3時、大祓式▽7時、除夜祭▽10時半、どんどに点火▽11時、干支の氷大彫刻完成▽11時半、落語家・笑福亭仁昇さんとカウントダウン。

 【1日】午前0時、歳旦祭、新春縁起札入りちくわ撒き(0時、0時半の2回、計2000本)、生田流正派による琴の奉納演奏▽午前7時、神歌奉納▽午前9時、一心無双流居合道奉納、光粋流舞道による剣舞歌謡舞の奉納。

 【2日】午前9時、日供始祭。

 【3日】午前9時、元始祭。

神照寺、行事日程

 神照寺(岡本承典住職)の年末年始の行事は次のとおり。

 【31日】午後11時半、大かがり火天下▽11時45分、除夜の鐘。

 【1日】午前0時、修正会▽9時、家内安全、厄除けなどの新春祈祷、お守りなどの授与。

 【2日、3日】午前9時、家内安全、厄除けなどの新春祈祷、お守りなどの授与。

 【14日】午前10時〜午後3時、どんど焼き。

海津天神社、行事日程

 「学問の神様」として信仰される菅原道真を祀った海津天神社(高島市マキノ町海津)の年末年始の行事は次のとおり。

 【31日】午後9時、かがり火点火。

 【1日】午前0時、歳旦祭▽午前9時、入試合格、厄除け、家内安全などの祈祷。

2023年12月21日

嘱託警察犬「空」に感謝状

小谷山で山岳遭難の救助活動に貢献

 今月6、7日に小谷山で発生した山岳遭難で、愛知県豊田市の女性(88)の帽子を発見するなど救助活動に貢献したとして、長浜署は21日、嘱託警察犬「レインダンスJPクームス号」(名前・空(くう)=ゴールデンレトリバー雄8歳)と、指導員の高畑伊津香さん(57)、飼い主の松田泰三さん(66)=いずれも竜王町=に感謝状を贈った。

 小谷城址への観光のため小谷山を訪れた女性が一緒にいた息子とはぐれて行方不明となったのは6日夕方。警察、消防が捜索したが発見できず、翌7日午前7時半から捜索を開始した。

 高畑さんは捜索により山中で人のにおいが混ざることを懸念し、午前5時に空とともに竜王町を出発し、捜索開始前の午前6時半に小谷山に入った。空は山頂で高畑さんの「サーチ」の合図で女性の手袋のにおいをかいで捜索を開始。わずか10分で山頂付近の斜面に女性の帽子が落ちているのを発見した。その後、帽子から400㍍程の沢沿いで座り込んでいる女性が発見され、無事に救助された。帽子が発見された場所も女性が座り込んでいたところも登山道から離れていた。

 この日、井上和幸署長から感謝状を贈られ、松田さんは「空はスーパー犬。すごいなぁ」と体を撫でて褒め、長浜署はボール遊びが好きな空のためにボールをプレゼントしていた。

 生後6カ月から訓練を始めた空。当初は災害救助犬を目指したが、高畑さんによると足場の悪い場所を嫌う性格だったことから災害現場は不向きと判断し警察犬を目指すことになった。過去にも山岳遭難者や行方不明者の捜索で活躍し、2回表彰されている。

2023年12月14日

教室の断熱改修、生徒の手で

伊香高でワークショップ、大工ら手ほどき

 冬は暖かく、夏は涼しい教室にしようと、室内を断熱改修するワークショップが14日、伊香高校(大森文子校長、生徒247人)で行われ、2年生の自然環境コースを選択する生徒が地元の大工の手ほどきを受けながら断熱材を壁にはめこむ作業などに取り組んだ。

 入学定員割れが続く同校では昨年度から魅力化推進事業に取り組み、2025年度の新学科「森の探究科」(仮称)の設置に向けて地域と連携した学びの場の創出を模索している。

 学校の教室を生徒自ら断熱改修するワークショップは、気候変動対策や環境教育、学習環境の向上、キャリア教育などの視点から全国で徐々に広まっている。伊香高でのワークショップは県内初の取り組み。

 エネルギー関連の取り組みをコーディネートしている団体「エネシフ湖北」(清水広行代表)が企画、運営を担い、全国で同様のワークショップを開催している建築家・内山章さんを指導者として招いた。同窓会や地域の工務店、大工が協力した。

 この日は生徒25人が4班に分かれて作業に取り組んだ。電動ドライバーやガイド定規など大工道具の使い方を教わりながら、窓枠にはめ込むポリカーボネート製の二重窓を組み立てたり、断熱材を切断して壁にはめ込んだりした。藤高愛斗さん(2年)は「工具を使った作業は新鮮で楽しい。断熱改修で教室がどれくらい快適になるのか気になる」と話していた。作業は15日も行われる。

2023年12月12日

ソフトバンク入団の前田投手「夢に向けて逆算を」

 ドラフト会議で1位指名を受けてソフトバンクホークスに入団した高月町出身の前田悠伍投手(18)=大阪桐蔭高3年=が11日、浅見宣義市長を表敬訪問し、「200勝投手」という大きな目標を語った。

 前田投手は古保利小、高月中を経て大阪桐蔭高に進学。高月野球スポーツ少年団で野球を始め、中学時代には硬式チーム「湖北ボーイズ」に所属。大阪桐蔭高では1年秋からベンチ入りし、速球と変化球を武器に主力として活躍。2022年の選抜大会では決勝で近江を破って優勝した。今年のU18ベースボールワールドカップ(8月31日〜9月10日、台湾)では日本代表のエースとして活躍し初優勝に貢献した。

 ドラフト会議ではソフトバンク、日本ハム、楽天の3球団から指名を受けた。

 この日の表敬訪問ではプロ入りとワールドカップ優勝を浅見市長に報告。「周りの方々の支えで達成できた。これからは福岡で野球をやることになるが、周りの方々に感謝してこれからも活躍できるように頑張りたい」とあいさつした。

 前田投手は中学1年の時、大阪桐蔭高入学、甲子園出場、日本代表選出、プロ入りの4つの目標を掲げており、浅見市長から「全部を叶えてきて、すごいこと」と向けられると、「高い目標を設定したほうが頑張れるタイプ。口だけにはならないよう常に頑張ってきた」と振り返った。

 今後について「長年活躍できる息の長い選手になるのが目標。200勝投手という高い目標を持つことで頑張れる」と語り、地元の子どもたちに向けて「夢を持ち、夢に向けて逆算して努力することで、叶う確率が高くなる。自分はそれを一番大切にしていた」と話した。

 浅見市長は「地元の誉れであり誇り。子どもたちに良い影響を与え、大人にも勇気を与えてもらった。是非とも今後、活躍してほしい。故郷の11万4000人が活躍を期待している」と激励した。

2023年12月12日

加藤さん「書の甲子園」最高賞

伊吹高書道部 団体も全国準優勝

 「書の甲子園」として知られる第32回国際高校生選抜書展で、伊吹高校1年の加藤花季さんが創作の部で最高賞の文部科学大臣賞に選ばれた。ほかの部員も全員が入賞・入選を果たし、団体の部では同校が初の全国準優勝に輝いた。

 加藤さんは伊吹高に入学した際の部活体験で蝋(ろう)の香りに引き寄せられて書道部へ。「蝋書き」と呼ばれる技法を体験したのを機に、書に夢中になった。

 入賞作は甲骨文字を大きく配し、蝋書きで詩を添えた作品。「左利きなので普通の文字は書きにくい。昔の文字なら書き順にこだわらず、形も自由で書きやすい」と甲骨文字を選んだ。書を始めてわずか半年での最高賞受賞に「プレッシャーを感じるが、これからも自分が書きたいと思う作品を書き、その時の気持ちが伝わる作品を表現したい」と話している。

 部長の中川あかりさん(2年)が優秀賞、山本晴菜さん(3年)が秀作賞に輝き、ほかの部員8人も入選。全員が入賞・入選を果たし、団体の部では3回目の優勝となった宮城・仙台育英学園に次ぐ準優勝の栄冠をつかんだ。

 同部は蝋やボンドを使ったり墨の濃淡や色使いを自由にしたりと、一般的にイメージする「書」の枠にとらわれない表現力が強み。また、各地で行う機動展示(書道パフォーマンス)も部員の豊かな発想力の培う機会となっている。

 部員数11人の小さな部が全国の強豪と肩を並べたことに部員は自信を深め、中川さんは「できればさらに上を目指したいが、それ以上に自分らしく自由に書くことを大切にしたい」と語っている。

 国際高校生選抜書展は毎日新聞社と毎日書道会の主催で、今年は国内1万0395点、海外216点の応募があった。展覧会は来年1月31日から2月4日まで「原田の森ギャラリー」(神戸市灘区)であり、入賞作品209点を展示する。

2023年12月6日

「ブレーメンの音楽隊」も上演

合唱団輝らりキッズ、10日浅井文化ホールで演奏会

 長浜市少年少女合唱団「輝(き)らりキッズ」の第32回定期演奏会が10日午後2時から浅井文化ホールで開かれる。

 合唱団は1984年に設立され、現在小学1年から中学3年までの21人が活動している。長浜音楽祭などのイベントに出演し、日ごろの練習の成果を披露している。

 定期演奏会の第1部は「ほがらかに歌おう」と題して、「コンサートがはじまるよ!」「小さな世界」「気球にのってどこまでも」「見上げてごらん夜の星を」などを披露する。第2部では卒業を控えた中学3年5人が「アイノカタチ」「星に願いを」などそれぞれ独唱を行う。

 第3部は合唱ミュージカル「ブレーメンの音楽隊」。指導者の鳥塚貴絵さんは「合唱14曲を織り交ぜた楽しいミュージカルを小1から中3まで力を合わせて演じる。コミカルなお芝居も見どころです」とPRし、澤居空南(そな)さん(長浜北中3年)は「公演後に『見に来て良かった』と思ってもらえるような最高の作品を仲間と一致団結して完成させたい」と話している。

 入場料は全席自由で大人500円、中学生以下200円。当日券あり。

2023年12月4日

十里街道生活工芸館テオリア23日閉館

市民、作家の創作活動支え30年

 約30年にわたって陶芸やさをり織りなどの創作講座を開き、作家や市民の作品発表の場として親しまれてきた十里街道生活工芸館テオリア(神前町)が今月23日で閉館する。館長の前田寿美(すみ)さん(86)は「元気なうちにやめようと決断した。このテオリアで多くの方に巡り合え、温かい作品に囲まれ、とても幸せです」と話している。

 テオリアは1995年、大通寺の東側の十里街道沿いにオープンした。十里街道は中心市街地を南北に貫く北国街道の東側を並行して走り、古くから職人が店を構えた。このため、前田さんは職人技術などを紹介する「モノ作りの発信基地」との思いを込めて開館した。

 3階は創作講座の場となる工房、2階はギャラリー、1階はコーヒーや軽食を楽しめるカウンターを備えた喫茶スペース。講座は陶芸、ビーズ、さをり織り、草木染、フラワーアレンジメント、手話などがあり、多くの市民が趣味講座を楽しんでいる。

 ギャラリーでは国内外の作家や趣味を楽しむ市民の作品を展示。テオリアをふらっと訪ねてきた作家と意気投合して展示会につながったり、旅先で見初めた芸術品を紹介したりと前田さんのバイタリティと感性によって創造された芸術空間となっている。

 「テオリア」はギリシャ語で「観想」を意味する。永遠不変の真理や事物の本質を眺める理性的な認識活動を指す哲学用語。

 「ここでいろんな方に出会えました。その一期一会がエネルギーになり、今日まで励むことができた。これもきっと神様、仏様の思し召し」と前田さん。閉館を知った作家や市民が続々と訪れ、「多くの方が惜しんでくれて、幸せに思います。元気なうちは、1階はお茶飲み場にでもしようかしら。ケセラセラよ」と笑顔を見せている。

 なお、今月20日までギャラリーで「テオリアの想い展」と題して、陶芸、ビーズ、さをり織り、草木染、フラワーアレンジメントの作品を展示。一部販売も行っている。午前10時から午後4時まで。月・火曜休館。