加藤さん「書の甲子園」最高賞

伊吹高書道部 団体も全国準優勝

 「書の甲子園」として知られる第32回国際高校生選抜書展で、伊吹高校1年の加藤花季さんが創作の部で最高賞の文部科学大臣賞に選ばれた。ほかの部員も全員が入賞・入選を果たし、団体の部では同校が初の全国準優勝に輝いた。

 加藤さんは伊吹高に入学した際の部活体験で蝋(ろう)の香りに引き寄せられて書道部へ。「蝋書き」と呼ばれる技法を体験したのを機に、書に夢中になった。

 入賞作は甲骨文字を大きく配し、蝋書きで詩を添えた作品。「左利きなので普通の文字は書きにくい。昔の文字なら書き順にこだわらず、形も自由で書きやすい」と甲骨文字を選んだ。書を始めてわずか半年での最高賞受賞に「プレッシャーを感じるが、これからも自分が書きたいと思う作品を書き、その時の気持ちが伝わる作品を表現したい」と話している。

 部長の中川あかりさん(2年)が優秀賞、山本晴菜さん(3年)が秀作賞に輝き、ほかの部員8人も入選。全員が入賞・入選を果たし、団体の部では3回目の優勝となった宮城・仙台育英学園に次ぐ準優勝の栄冠をつかんだ。

 同部は蝋やボンドを使ったり墨の濃淡や色使いを自由にしたりと、一般的にイメージする「書」の枠にとらわれない表現力が強み。また、各地で行う機動展示(書道パフォーマンス)も部員の豊かな発想力の培う機会となっている。

 部員数11人の小さな部が全国の強豪と肩を並べたことに部員は自信を深め、中川さんは「できればさらに上を目指したいが、それ以上に自分らしく自由に書くことを大切にしたい」と語っている。

 国際高校生選抜書展は毎日新聞社と毎日書道会の主催で、今年は国内1万0395点、海外216点の応募があった。展覧会は来年1月31日から2月4日まで「原田の森ギャラリー」(神戸市灘区)であり、入賞作品209点を展示する。

掲載日: 2023年12月12日