戦没者ら1677人を追悼、非戦誓う

米原市が「平和の礎」に刻銘板7基設置

 米原市が「天狗の丘」(同市池下)北側に整備を進めている戦没者追悼と平和学習の拠点「平和の礎」に、戦没者らの氏名を入れた刻銘板7基が設置された。23日に市や遺族会など関係者75人が出席して除幕式が行われ、平尾道雄市長は「戦争犠牲者の遺志を引き継ぎ、市民と一緒に追悼と非戦・平和の歩みを始めたい」と語った。

 市内では1894年(明治27)の日清戦争以降の戦争で亡くなった戦没者を慰霊する忠魂碑12基が遺族会や住民らの手によって受け継がれてきたが、石碑の老朽化や遺族の高齢化で維持管理が困難になっていた。

 そのため市は「市民とともにつくる非核・平和米原市民会議」を設立して意見を聞き、平和祈念の拠点整備と忠魂碑に代わる新たなモニュメントの設置を準備してきた。

 平和の礎は市有地約900平方㍍に整備中。刻銘板は黒御影石製で高さ1・3㍍、幅1・8㍍の石碑を組み合わせ、伊吹山を背景に設置した。市内外から刻銘希望者を募り、戦没者1656人と戦争犠牲者21人の名前を刻んでいる。米原市非核・平和都市宣言の宣言文を刻んだモニュメントや献花台も整備した。整備費用は5846万円。今後、芝生化などの追加整備を行い、一般開放は来年6月以降の予定。

 除幕式には平尾市長、市議、県議、市遺族会、市社協の関係者らが出席し、平尾市長は「戦争実感を持たない世代、戦争体験者との関わりがなくなる世代には、戦争は悲しみと憎しみしか生まないこと、核兵器は人類の存亡を脅かすものであることを、唯一の被爆国として伝えなければいけない」とあいさつした。

掲載日: 2023年11月29日