びわ南小150周年、式典盛大に

坂口さん講演やミュージカルで節目祝う

 今年で創立150周年を迎えたびわ南小学校で4日、記念式典が開かれ、児童、保護者、卒業生、地域住民ら約400人が節目を祝った。同校の卒業生で毎年ノーベル賞候補にあがっている大阪大学特任教授・坂口志文さんの講演や、地域一体となって作り上げたオリジナルミュージカルの上演などがあった。

 びわ南小は1873年(明治6)から76年(明治9)にかけ、7地区に「巴水」「維新」「博道」「曽根」「道明」「望湖」「川道」の各学校が開設したのが起源。その後の統廃合を経て93年(明治26)にびわ南小学校の前身となる大郷高等小学校が誕生した。

 記念式典で森悦夫校長は「この素晴らしい歴史のある学校で学べることに誇りと自信を持ってください。校訓の『進取創造』という言葉に込められた地域の方々の願いに応え、将来、社会に貢献できる人に成長してほしい」などと児童に語りかけた。

 児童代表の中川智揮さん(6年)は「この学校がさらに歴史を重ね、いつまでもこの場にあり続け、みんなの笑顔があふれ、明るい声が響く、素敵な学校であるように心から願います」などとあいさつしていた。

 「夢をもって」をテーマに記念講演を行った坂口さんは、ウイルスやワクチン、抗体などの仕組みについて分かりやすく解説した上、ワクチン接種の普及で天然痘などの伝染病を根絶できたことを紹介した。自身が発見した「制御性T細胞」についてはがん治療につなげる研究に取り組んでいることを解説していた。

 児童には「若い皆さんに期待するのは夢を持つこと。しかし、夢を実現するには時間がかかる。運動して体を鍛えること、辛抱して勉強することが大切。世の中には勉強すればできることがたくさんある」と語り、「体と頭を鍛え、、夢を持ち、将来活躍してほしい」と呼びかけていた。

 記念事業として創作ミュージカル「時とともに響け!〜奏とピアノ物語」の上演もあった。1923年(大正12)、地域住民の募金によって同校に寄贈され、児童に親しまれてきたドイツ・フォイリッヒ社製のグランドピアノにまつわる物語。児童や教員、住民らでつくる「劇団フォイリッヒ」が大正、昭和、平成と、ピアノと一緒にタイムトラベルして同校の歴史を体験する物語を、歌やダンスを交えて披露していた。

100年ピアノ保存へ クラウドファンディング

 びわ南小に伝わるドイツ・フォイリッヒ社製のグランドピアノを保存のため、有志で組織する実行委員会がクラウドファンディング(CF)で修理費用やコンサート費用を募っている。

 住民の募金によって学校に寄贈されたピアノは今年でちょうど100年。実行委では親しみを込めて「100年ピアノ」と呼び、来年11月にコンサート「フォイリッヒのつどい」を計画している。

 目標金額は100万円で、今後10年間分のピアノの調律・修繕費、つどい公演費などに充てる。CFは「キャンプファイヤー」(https://tinyurl.com/4h9382fx)で、来年1月19日まで実施している。

掲載日: 2023年11月06日