江州音頭 寿賀廼家三代目に

米原市長沢の羽渕さん「後世に伝えたい」

 江州音頭・近江節の寿賀廼家(すがのや)三代目・桜川小寿賀富士に、米原市長沢の羽渕清信さん(63)が就任。このほど、グランパレー京岩(長浜市八幡中山町)で襲名披露が行われた。

 江州音頭は滋賀(江州)の音頭として江戸時代後期に誕生し、現在は県外各地でも親しまれている。いくつかの流派・系列に分かれており、派ごとに節に違いがあるという。正調の江州音頭の寿賀廼家は昭和40年(1965年)頃に羽渕さんの父親の博清さんが結成し、初代・桜川小寿賀富士に就いた。

 羽渕さんは1977年に寿賀廼家に入団。その後、初代と二代目の小川正一さん(78)=長浜市常喜町=の指導を受けて、腕前を磨いてきた。現在、寿賀廼家には湖北地域の30代から70代までの14人が所属。湖北地域の自治会のイベントや祭り、介護施設などで披露している。

 10月23日の襲名披露では二代目から三代目に名跡が譲られた。羽渕さんは「二代目にならって、一門をうまくまとめていきたい。(江州音頭は)一つの文化なので、後世に伝えていく務めも果たしたい」と述べた。

座敷音頭のCD作成

 江州音頭は屋外の「櫓」音頭と、節やお囃子がない屋内での「座敷」音頭があり、語りのみの舞台芸の座敷音頭はより上級者向けとされる。羽渕さんは「より難しい座敷音頭を残したい」との思いから、羽渕さんが座敷で語る「番場の忠太郎」などを収録したCDも作成した。問い合わせは羽渕さん℡090(8658)7252。

掲載日: 2022年11月16日