長浜でオリーブ栽培

無農薬で、吉田農園がプロジェクト

 湖北地域で初となる「オリーブ農園」を作るプロジェクトが三川町の吉田農園(三川町)で進められている。最大の特徴は「無農薬栽培」。たい肥には琵琶湖で増殖している水草を利用する。

 同農園では無農薬栽培の稲作に長年、取り組んでおり、米以外の作物を模索する中、オリーブに着目した。オリーブは実はポリフェノールを豊富に含み、食用油の原料や食用(ピクルス)になるほか、葉は茶にもなる。

 オリーブは小豆島をはじめ、香川、岡山など温暖な地域でしか育たないと思っていたが、ある農業フェアで、寒冷地でも栽培できることを知った。チャレンジしようと、2年前、地元の圃場に試験的に90本の苗を植え、育てたところ、マイナス5℃、50㌢の積雪にも耐えられることが立証できた。

 農園では「地域貢献」「安全と安さ」を両立したオリーブ作りを目指し、漁業などに悪影響を及ぼし県が除去している水草を購入。微生物で分解し、もみ殻、米ぬかとブレンドすることにより、自然由来の土壌改良剤、有機肥料となった。

 また、2・5㍍以上伸ばさず、枝葉を横に広げ、脚立なしで収穫できる独自の栽培を考案。この2年間で、枯れた木は1本もなく、栽培のメドがたったことから、今年4月、約40㌃の畑に150本を植樹した。

 3年後をメドに1000本まで増やす計画で大量に搾油するための機械も購入しなくてはならず、現在、クラウドファンディング(https://bit.ly/3ULTVqF)で資金調達をしている。目標額は100万円で、12月29日まで募集している。

 農園を確立することで、資源の有効活用ができ、雇用が生まれる。担当の吉田久之さん(62)は「皆さんの家庭でも苗木を育ててもらい、長浜から『びわ湖オリーブ』を発信し、ネットワークを構築したい。そのためにも協賛を」と話している。

 なお、6日午後1時から3時まで、三川町の農園で説明見学会を開く。問い合わせは同農園℡(73)2746。

 

掲載日: 2022年11月04日