2021年9月1日

長浜市美術展覧会 入賞作決まる

滋賀夕刊新聞社賞は古川さんの写真

 第73回長浜市美術展覧会(長浜市、長浜市民芸文化創造協議会主催)の審査が行われ、市展賞や特選など入賞・入選作品が決まった。滋賀夕刊新聞社賞(特選)には南高田町の古川博さん(61)の写真「迅雷」が選ばれた。

 日本画、写真、工芸、洋画、書、彫刻の6部門に計336点の応募があり、市展賞6点、県芸術文化祭奨励賞1点、特選29点などが選ばれた。

 入選以上274点を長浜文芸会館で展示する。展覧会は4日開幕の予定だったが、緊急事態宣言発令に伴って長浜文芸会館が臨時休館しているため、第1期(4〜11日)を延期(日程未定)。第2期(18〜23日)は一部内容を変更して開催を予定している。

 市展賞と特選に輝いたのは次の皆さん。

 【日本画】▽市展賞=藤居喜美子(八木浜)▽特選=中川安治(朝日)、吉井悟(川崎)、粟津槙優(列見)。

 【写真】▽市展賞=古川夏子(南高田)▽特選=小松弘子(勝)、廣部修次(三ツ矢元)、武藤繁一(高月町柳野中)、中川良次(彦根市)、武藤知得子(高月町柳野中)、中嶋ひろ子(公園)、櫻井廣治(大戌亥)、古川博(南高田)、田中惣八(布勢)。

 

 【工芸】▽市展賞=山崎美恵子(高月町東柳野)▽県芸術文化祭奨励賞=荒木徳治(曽根)▽特選=藤浜ゆき子(元浜)、中嶋由美子(湖北町石川)。

 【洋画】▽市展賞=野洲昭夫(高月町西野)▽特選=川嵜健次(元浜)、大澤浩子(余呉町中之郷)、田中葵(高月町雨森)、日比野千恵子(宮前)、原昌子(余呉町下余呉)、大塚愛理(元浜)、七里藤吾(高月町西阿閉)。

 【書】▽市展賞=音居玲子(米原市寺倉)▽特選=佐治真実子(宮司)、萬代和美(十里)、中谷佐江子(湖北町二俣)、中川峰子(曽根)、前川善太郎(木之本町西山)、澤田律子(高田)、北川依子(宮部)。

 【彫刻】▽市展賞=木下茂昭(石田)▽特選=柴田郁造(室)。

 

2021年8月31日

伊吹山の登山道を補修

鹿の食害、豪雨で裸地化 住民有志と県市職員が力合わせ

 ニホンジカの食害や集中豪雨で斜面の裸地化(らちか)、崩壊が進んでいる伊吹山で30日、登山道の補修が地元住民や県市職員により行われた。

 伊吹山ではここ5〜10年の間に、鹿が異常繁殖し、40〜50頭単位の群れが多数存在。自生する植物を食い荒らし、頂上の「お花畑」をはじめ、山の各地で深刻な食害が発生している。

 植物が無くなると、表土がむき出しとなり、裸地化。岩場などが崩れやすくなる。伊吹山ではお盆前後、10日間、降り続いた大雨により、大量の土砂が流出(洗掘)。そのため、麓から見ると、伊吹山の中腹あたりは「茶色い山」に見える。

 伊吹山は日本百名山に選ばれ、年間4〜5万人の登山客が訪れるが、5〜6合目にかけての登山道は川筋のようにえぐられ、周囲からの落石の危険もあることから住民有志でつくる「霊峰伊吹山の会」(高橋滝治郎代表)が市や県に協力を呼びかけ、被害の大きい箇所を修復することに。

 この日は県市職員や会のメンバーら44人が参加。補修に必要な長さ2㍍の木材30枚や鉄杭60本、土留め用の岩石などを背負って現場まで担いで運搬。木材や丸太を使って、階段状にし、洗掘された部分にはネットに石を詰めた蛇篭(じゃかご)を敷き詰め、排水溝を設けた。

 残暑厳しい中、参加者は汗を滝のように流しながら、重労働を黙々と続け、44人の「人海戦術」により、登山道は見違えるようになった。

 高橋代表は「傷んだ箇所は他にもたくさんあるが、できることを台風シーズン前にしておきたかった。今回の補修は県市の職員に現状を知ってもらえたことが何より。長浜、米原の人たちにもぜひ、伊吹山に足を運んでもらい、被害状況を知ってもらえれば」と話していた。

2021年8月30日

全国大会準優勝の快挙

長浜の中学生水球チーム 春に雪辱誓う

 エル・アテインスイミングスクール長浜(八幡東町)の中学生水球チームがJOCジュニアオリンピックカップ全国大会で準優勝した。初優勝は惜しくも逃したが、3年生は最後の大会となる来春大会での雪辱を誓っている。

 8月22日から26日まで京都市内で開かれた全国大会には地区予選を突破した24チームが出場。予選トーナメントを勝ち抜いた長浜は決勝トーナメントで山口水球クラブに6対5、群馬ジュニア水球に10対8で競り勝ち、決勝戦へと進んだ。悲願の初優勝の前に立ちはだかったのは強豪の京都踏水会水泳学園。チームを研究されていたこともあり、6対13で涙を呑んだが、チームとしては過去最高記録に並ぶ準優勝となった。また、山中智敦、桐畑全、世一翔大、上坂飛嘉の4選手が大会優秀選手(13人)に選ばれた。

 キャプテンの森川永遠君(14)は決勝トーナメントを振り返り「1回戦では勝てると思っていなかった強豪を相手に終始リードし、自分たちのプレーが全国の舞台で通じることが分かった。2回戦では自分のミスでリードを許したが、仲間で声を掛け合って逆転でき、決してあきらめないことの大切さを知った」と語っている。来年3月には中学最後の春季大会が予定されており、「今度は優勝を目指す」と意気込んでいる。

 出場選手は次の皆さん。

 山中智敦(長浜北3)、桐畑全(高月3)、上坂飛嘉(長浜北3)、山本悠馬(湖北3)、森川永遠(長浜北3)、越後沙貢(安土2)、中野友貴(双葉2)、世一翔大(同)、奥昇大(浅井1)、供田晄(高月1)。

小学生チームはベスト8

 エル・アテインスイミングスクール長浜の小学生水球チームも全国大会でベスト8に入賞した。小学生チームは予選を2戦2勝で突破し、計8チームによる決勝に進出したが、初戦で三重WPスターズに1対4で敗れた。キャプテンの鈴木蓮君(11)は「全国の舞台は他のチームも強かった。春の大会に向け、基礎練習からしっかり取り組みたい」と話していた。

 出場選手は次の皆さん。

 上坂昭嘉(神照6)、上田夢翔(北郷里6)、打木橙羽(長浜北6)、春日翔真(米原6)、五井龍征(高月6)、鈴木蓮(長浜北6)、花澤映紀(北郷里6)、荒木健汰(富永5)、島田蒼馬(神照5)、中野元稀(坂田5)、山本拓馬(速水5)、世一芽生(坂田5)、前田寛太(神照5)、三輪隆太(坂田4)、高藤渓登(長浜北4)。

2021年8月24日

高時の地域、環境に誇りを

児童クラブが種子島とオンライン交流

 高時地区地域づくり協議会(池田金夫会長)が運営する放課後児童クラブ「トキッズクラブ」は23日、鹿児島県の種子島の住民とのオンライン交流会を開き、児童たちがスクリーンを通して、島の自然や人の温かみを感じ取っていた。

 現在、種子島の小学校に勤務する大谷ともよさんは木之本町大見に3年間暮らし、地域おこし協力隊となった夫の義彦さんの後を追い、昨年12月、種子島に移住。同クラブの支援員からの「コロナ禍の中、思うように外出できない子どもたちのために、夏休みの思い出を作ってあげたい」との思いが、大谷さんの橋渡しにより実現した。

 交流会には児童20人が参加。種子島からは家族で島暮らしを楽しんでいるグラフィックデザイナーの小早太さんやサトウキビ精糖会社で働きながら鹿児島大学で研究している野間口智さんが、小学校をあげウミガメの卵を保護していること、サーフィンを楽しむ子どもたち、サトウキビから砂糖ができる工程など、現地の暮らしぶりや自然豊かな島の風景を映像で伝えた。

 2人は「自分たちが住んでいる地域の良さや環境に誇りを持つこと」「努力次第で誰でもヒーローになれる」と高時の子どもたちにエールを送った。

 子どもたちは「画面越しに話しができたことがびっくり」「種子島の海もきれいだけど、高時の川の水もきれい」などと話していた。

2021年8月23日

農舎改修し、多目的カフェ

ヨコタ農園  支援の恩返しで「みんなの居場所」作り

 被災やコロナ禍などの試練を仲間たちの支援によって乗り越えてきた高月町馬上のヨコタ農園。農舎を改装した多目的農園カフェで「みんなの居場所」作りを目指している。

 農園は横田圭弘さん、尚美さん、一仁さんの家族3人を中心に2000年から水稲や麦、大豆、イチゴやブロッコリーなどを栽培。ジャムや漬け物などの加工品を製造、販売している。

 イチゴの観光農園もしており、摘み取り体験や収穫感謝祭のほか、飲食マルシェやライブなどを開催していた。ところが2018年の台風21号でビニールハウス9棟が全半壊、農作業場の一部も壊れるなど大きな被害を受けた。

 横田さんらが途方に暮れていたところ、被害を知った人たちが復旧作業を手伝い、応援してくれた。昨夏には復旧し「さあ、これから」という時にコロナ禍。またも近所の人や知人らの支援により、助けられた。

 横田さんはこれまでの恩を返そうと、既存の木造の農作業場をリフォームし、多目的に使えるカフェの開設を考えた。農作業場は大工だった父・睦さん(83)が現役最後の仕事として建てたもの。合掌造りの軸組みを生かし、延べ98平方㍍に喫茶のほか、レンタルスペースを設け、音楽ライブや講座、展示などイベントができるようにする。プレオープンは11月、グランドオープンは12月を予定している。

 同農園ではカフェ開設にあたり、厨房、音響、プロジェクターの設備費と装飾・コロナ感染防止対策費をクラウドファンディングで募集する。

 横田さんは「みんなに多く来ていただき、喜んで帰ってもらえるような場にしたい」と話している。なお、返礼品はイチゴ詰め合わせ、米、加工品やイチゴ・ブロッコリー狩り体験、イベント招待券など。目標額は100万円。期限は10月22日。詳細はサイト「キャンプファイヤー(https://bit.ly/3DlvEjg)」参照。

2021年8月20日

人と人、公的支援をつなぐ

家事代行サービス「伴歩」スタッフ募集

 長浜の主婦2人が家事代行サービス「おうちサポート伴歩(ばんぽ)」を立ち上げた。必要に応じ利用できる公的機関を橋渡しする新形態のサービスで、現在、得意分野で働けるスタッフを募集している。

 「ちょっとの間、赤ちゃんを見てほしい」「老いて何もかも、しんどくなった」など、子育て中の母親や1人暮らしの高齢者ら、「社会的弱者」と呼ばれる人たちへの細やかなサービスが求められている。

 代表の村山さおりさん(49)は子ども食堂や生活困窮者のためのフードバンクなどを運営しているうち、共稼ぎや核家族化が進み、急な用事ができても、子どもを預けることができなかったり、育児に悩んでいる若い母親、体力的、精神的な理由から身の回りのことができなくなっている高齢者らを垣間見るようになった。

 長浜市では子育て支援のためにファミリーサポートセンターを設置しているが、利用は小学6年生までの保護者に限定している。伴歩では年齢枠など設けず、家事を通してふれあいを作り、必要な場合は専門機関(支援)につなぐことを目的としている。

 主なサービスとしては掃除、洗濯、料理、子守り、話し相手、草刈り、犬の散歩など。料理などはその家に置いてあるものを活用する。伴歩は依頼を受け付け、業務内容などに応じて登録スタッフをマッチング。業務管理などを行う。

 村山さんは「プロのような仕事はできないが、依頼者のニーズに応えられるようにしたい。必要とされる方から感謝されるようになれば嬉しい」と述べ、スタッフは雇用促進にもつながるとし「リタイア後の空き時間などを活用し、いろんな地域から集まってもらい、趣味や特技を生かしてもらえたら」と話している。

 スタッフは18歳以上で、非喫煙者。車、運転免許を所有し、スマホが使えることなどが要件。時給は1200円。交通費別途支給。問い合わせは伴歩℡090(4038)8899へ。

2021年8月18日

京極氏ゆかりの地に「うむ」

上平寺御城下、ゲストハウスオープン

 京極氏ゆかりの地、米原市上平寺に28日、空き家をリノベーションしたゲストハウス「上平寺御城下うむ」がオープンする。

 オーナーの川村千恵さん(50)は埼玉県深谷市出身。結婚後、夫の博さん(55)の故郷、長浜に移り住んだ。山城マニアで、約10年間、小谷城ガイドを務め、湖北各地を巡るうち、城のように石垣で集落内が区画整理されている上平寺を気に入った。

 いざない湖北定住センターに勤めていた川村さんは空き家バンクに登録されたまま、長年、買い手がつかなった集落内の空き家を2019年に購入。国の史跡、上平寺城跡や京極氏遺跡などが残る土地柄を生かし、「山城」と「戦国」をテーマに、宿泊施設や地域拠点にしようと考えた。

 1986年築、木造2階建て延べ198平方㍍の民家は10年前から空き家で下水が整備されていなかったため、水廻りを中心に家の東側半分を約1年かけ、リフォーム。趣が残る座敷や建具を生かし、テーブルや長持なども再利用した。

 仏教用語にちなんでネーミングした「うむ」には和室や機能的なキッチン、浴室やトイレを備え、2階には落ち着いた雰囲気の4部屋の客室、ベッドルームがある。川村さんは「城跡のすぐ下にあり、京極氏が治めていた面影が残っており、戦国ロマンに浸ることができる。田舎のおばあちゃん家に遊びに行く感覚で利用してもらえれば」と話している。

 1棟貸し切り、1泊3万円(2人〜、食事代別)。21、22の両日、午前10時から午後4時まで内覧会を開く。問い合わせはうむ℡(56)0220へ。

2021年8月18日

どうなる?お産 ⑱-⑲

⑱滋賀医科大付属病院が取り組む 産科オープンシステム「需要は無し」

 専門家の継続ケア「LMC制度」があるニュージーランド。妊婦の9割が自分を担当する専門家に助産師を選ぶが、その多くが出産場所として「オープンシステム」が利用できる病院を選ぶそうだ。地域の開業医や助産師に、病院が分娩室を開放する取り組みだ。

 このシステムを、県内では滋賀医科大付属病院が2005年に採用している。

 母子診療科の村上節教授によると、オープンシステムの開設には、次のような目的があった。

 地域の診療所と連携し、ハイリスク症例を大学病院へ振り分ける道筋を作る▽分娩をやめた開業医に分娩立ち合いの協力を求め、大学病院の産科医不足対策とする。

 ただ、実際にシステムを使ったのはこれまでに医師3人。過去15年間172分娩中、医師が立ち会ったのが97件。そのほかの分娩の多くはハイリスク症例で病院の医師が担当したという。今年度は医師15人、助産師4人がシステムに登録しているが、実際にいまも利用しているのは医師1人だけである。

 村上教授は「これまで分娩ができる診療所が地域に多く存在してきた。妊産婦にとって地域で健診を受けて、出産だけ遠方の病院へ行くというのは気が進まない。医療者も自分の施設に比べて自由度の低い病院は使いづらい。妊産婦にとっても医療者にとっても利用しづらい制度なのだろう」と分析する。

 現在では、診療所の医師もハイリスクは事前に基幹病院に振り分ける体制が定着した。2024年に働き方改革が実施されれば、集約化された病院には医師の数が集中し医師不足も解消される見通しだ。村上教授は「オープンシステムは当初の役目を終えている」として、近い将来このシステムを終了する予定という。

 それを聞いて、私はショックを受けた。オープンシステムは、妊娠初期から信頼関係を築いた開業助産師と一緒にお産に臨める安心感と、万が一のことがあればすぐに病院の医療的措置を受けることができる安心感の「二つの安心」を同時に得ることができる「良いとこどり」の仕組みだと思っていた。地域の診療所が次々とお産をやめていく中で、この仕組みは今後多くの妊産婦に求められていくのではないかと期待していた。村上教授は「助産師の利用はこれまでになく、妊産婦側からも需要はないと考えていた。貴方の話を聞いてそういう使い方もあるかも知れない」と私の意見を受け止めてくれた。

(8月11日掲載)

 

⑲自立した助産師が活躍する時代に

 滋賀医科大学付属病院が2005年から続けてきた、地域の開業医や開業助産師に分娩室を開放する「産科オープンシステム」。診療所が減り、病院の集約化が進む中で、妊産婦の身近な存在として開業助産師のお産を見直してきた私は、出産場所に病院も選べるなら、万が一の事態を不安に思う妊産婦の積極的な選択肢となるのではと期待した。しかし、これまでにこのシステムを利用した助産師はおらず、妊産婦にも需要がないとして近い将来終了する予定だという。

 私は、むしろ各地域の病院にも広がってほしいと思っていたと話すと、村上節教授は「それには医師も助産師も、妊産婦とその家族を含めた出産に関わるすべての人が『リスクを背負う』という意識改革が必要だ」と言う。滋賀医大では、緊急事態に24時間体制で対応できるマンパワーを備えた『最後の砦』の責務として、地域の助産師たちが開業するために必要な嘱託医・嘱託病院を引き受けてきた。だが、必ずしも他の病院がそうできる訳ではないという。

 助産師主導のお産が急変するときは、必然的に難しい症例が起きたときだ。「難しい症例を急に引き受けるのは怖い」と考える医師は多い。確かに産科医は訴訟リスクが高い。緊急時の対応を望むなら、リスクを引き受けてくれる医師たちをフォローする仕組みを明確に示すことが必要だ。

 村上教授は「本来、お産の7、8割弱は医師が積極的に手を下すことなく誕生する。健康な妊婦のお産を助産師が扱うことは法的に認められている」と理解を示す。「ただ、ローリスクと考えていた症例でも羊水塞栓症など様態が急変するケースがある。一旦起こればすぐに対応を始めないと落命してしまうような状況はいつ誰に起こるかわからない。妊婦さんは正しい情報を知識として得てリスクを判断し、自らの進む道を決めてほしい」と話す。

 その上で村上教授は、働き方改革が施行される2024年以降は「自立した助産師が活躍する時代」とし、「減っていく診療所の代わりに、開業助産師が地域で活躍すれば、妊産婦にとっては出産方法や出産場所の選択肢を残すことができる。開業助産師が妊産婦一人ひとりと面で向き合い、長い距離をしっかりとみるのはよいことに違いない。院内でも、不足する夜中の当直などで『医師がいなくても私たちだけでできる』と言ってくれる自立した助産師が増えてくれたら」と期待をかけた。

 早速知り合いの開業助産師にオープンシステムのことを報告した。彼女は「妊産婦の選択肢の一つとして是非残してほしい。予期せぬことで医療のバックアップを得たいと思っている人はいる。積極的に活用したい」と話した。

堀江昌史

(8月18日掲載)

 

2021年8月17日

心風流に大谷石のピザ窯

ソロプチミスト長浜が寄贈 遠赤効果で生地の食感引き出す

 余呉町菅並の飲食店「ココカフェ心風流(シンプル)」で「大谷(おおや)石」製の窯で焼いた特製ピザの販売が始まり、人気を集めている。

 ピザ窯は女性の社会奉仕団体「国際ソロプチミスト長浜」(北川庸子会長)が認証30周年を記念して寄贈したもの。大谷石は栃木県宇都宮市の大谷地区で生産される石で、蓄熱性があり、石窯に適しており、多くのイタリアンレストランで使われている。

 また、石窯はブロック状で積み上げる構造になっており、移動が可能。ピザを焼く調理室と薪を燃やす燃焼室が別でなどが食べ物に付着しないメリットがある。

 同店を運営するNPO法人「子ども自立の郷ウォームアップスクール ここから」(唐子恵子理事長)は不登校や引きこもり経験者の自立を支援するスクールを2006年に開設。飲食店は卒業生が自立に向けて調理、接客などを学ぶ場として、2年前にオープンし、現在、5人が働いている。

 スクール内の喫茶スペースでは3年前から固定式の土窯によるピザを提供しており、好評だった。「地域に出向いて、お年寄りにもこの味を楽しんでもらいたい」(唐子理事長)と移動式のピザ窯の購入を思案していたところ、この話をソロプチミストのメンバーが聞きつけ、寄付を申し出た。

 大谷石製のピザ窯は高さ160㌢、幅70㌢、奥行き80㌢で価格は30万円。焼いているピザはバジルとトマトが乗った「マルゲリータ」、ほくほくしたジャガイモがおいしい「ジャーマンポテト」、チーズとメーブルがたっぷりの「クアトロフォルマッジ」の3種。遠赤外線効果で薄めの生地を焼いており、クリスピー風のパリパリ感が楽しめる。

 北川会長は「釜で新しい分野を開拓し、卒業生の就労に繋がれば」と話し、唐子理事長は「ソロプチミストの皆さんには日頃から応援してもらっており、感謝している。コロナにより大きなダメージを受けたが、これを機に挽回したい。仕事を頑張れるきっかけとなれば」と話していた。

 なお、ピザは8月中、日曜の午後1時から販売。1ドリンク付きで700円。問い合わせは心風流℡080(2434)3458へ。

2021年8月10日

地の食材こだわり レストラン再開

ミシュラン一つ星シェフ押谷さん

 富山県内でレストランの立ち上げから運営までを担い、ミシュラン一つ星に輝いた長浜市出身のシェフ・押谷俊孝さん(38)が約2年ぶりに地元に戻り、八幡東町でイタリアンレストラン「PASSO」の営業を再開させた。

 2012年にPASSOを開店し、鹿肉などのジビエをはじめ、食材にこだわった料理を提供してきた押谷さん。「新しい食材や調理法を探求したい」と19年に店を休業し、国内の飲食店やイタリアのワイナリーを巡った。

 縁あって富山県立山町にある、美と健康をテーマにした複合施設「ヘルジアン・ウッド」でレストランの立ち上げに参加し、トップシェフとしてメニュー開発、食材調達、調理に腕を振るった。レストランはコロナ禍の中、昨年3月にオープン。富山の旬の食材や自家製ハーブを使った料理が評判を呼び、今年5月に発売された飲食店や宿泊施設の格付けガイド本「ミシュランガイド北陸2021特別版」で一つ星に選ばれた。「コロナ禍でどれが正解か分からない中で料理を続けてきた。信じられない思いと、報われた感があった」と振り返る。

 ミシュランの吉報から間もなく長浜市に戻り、7月にPASSOを再開させた。こだわりは地元でとれる湖魚や野菜、ジビエを食材とした料理。「地元の方も今は食べなくなったビワヒガイやカマツカなども扱います」と語る。伊吹の薬草を使った茶を提供するなど、立山町で知見を深めたハーブも料理に取り入れている。

 完全予約制。1日1組。予約はSNS(http://www.passo-os.com/)か℡(65)6255で。

2021年8月6日

太陽いっぱい浴び、好調

今荘観光ぶどう園、直売も始まる

 今荘町の今荘観光ぶどう園が5日、オープン。直売もこの日から始まり、好調な滑り出しを見せている。

 今荘ぶどう生産組合では約3㌶の畑で計15種を栽培している。長梅雨で生育が心配されたが、中盤の中休みや、ここ数日の日照りで糖度を一気に増しており、色艶がある大きな房もいっぱい実っているという。

 園には雨天でもブドウ狩りが楽しめる大型ビニールハウスを設置。暑さをしのぐ日陰を設け、「密」を避けた新型コロナウイルス対策やアルコール消毒などを徹底している。開園時間は午前9時から午後5時、入園料は中学生以上1300円、小学生1000円、3〜5歳700円。

◇        ◇

 園入口の販売所では同日から直売を開始。長蛇の列ができた。店頭にはしっかりした実のサマーブラックとベリーAが並び、甘さたっぷりのサニールージュやさわやかな風味が口いっぱい広がるアーリースチューベンなども順次、出始める。盆明けからは幻の高級種リザマートや大粒系の天山なども。1パック500円から。

 組合では「天候が良く、生育が例年と比べ早い。観光会社の間では『太陽ぶどう』の愛称で定着してきた。園、販売とも新型コロナの感染予防を徹底し、お客様を受け入れたい」と話している。

 9月下旬まで無休。問い合わせは今荘ぶどう生産組合℡(74)1322へ。

2021年8月4日

2団体36人 近畿大会へ

中体連 北中男子バレーは県優勝

 県中学校夏季総合体育大会がこのほど行われた。長浜北中男子バレーボール部が優勝するなど、長浜市内からは団体2チームと個人36人が上位入賞し、6日から兵庫県内で開かれる近畿大会への出場権を獲得した。

 4日、長浜市役所で近畿大会出場を激励する壮行会が行われ、藤井勇治市長が東京五輪で活躍する地元選手を紹介したうえで「スポーツは応援する人、見る人に希望や勇気を与える。日ごろの練習の成果を発揮し、長浜、滋賀の代表として近畿大会を全力で頑張って下さい」とあいさつ。板山英信教育長はアトランタ五輪女子マラソンで銅メダルに輝いた有森裕子選手の名言を紹介し、「近畿大会では、自分を誇りに思えるような、自分で自分を褒めたいと思えるような試合、レースを期待している」と語った。

 出場選手を代表して県大会で優勝した長浜北中男子バレーボール部のキャプテン・中上烈君(3年)は「仲間とともに苦しい練習を励まし合いながら乗り越えてきた」と振り返り「目標は全国大会ベスト16。近畿大会ではしっかりと勝ち進みたい。応援よろしくお願いします」と語っていた。壮行会後は互いの健闘を願って記念写真に収まっていた。

 陸上男子100㍍と400㍍リレーで準優勝した松居慶眞君(長浜西3)は「100㍍では自己ベストの11秒17を更新することが一番の目標」と語り、アンカーを務めるリレーでは「バトンミスをせずに、表彰台を目指して頑張りたい」と話していた。

 柔道競技で団体と個人の両方に出場する千田梨瑚さん(浅井3年)は「東京五輪の柔道選手はとても格好良かった。私たちも死ぬ気で頑張って、良い結果を出して帰ってきたい」と話していた。

 長浜市内の中学校から近畿大会に出場するチーム・個人と、県大会の結果は次のとおり。

 【長浜西】▽松居慶眞(3)陸上3年男子100㍍2位▽手崎真志(3)陸上男子走高跳2位▽本庄喬貴(3)陸上男子110㍍H3位▽古谷貫太郎(3)陸上男子4種競技3位▽松居・手崎・本庄・吉川大登(3)・宮川善貴(3)・川上昇大(3)陸上男子400㍍リレー2位▽葛西優希(2)・藤田瑛太郎(2)・馬場悠人(1)・北村澪音(1)・清水涼太郎(2)・西澤拓海(1)陸上男子低学年400㍍リレー3位▽川島海結(2)水泳女子200㍍背泳ぎ2位、同100㍍2位▽増谷颯人(1)相撲4位▽牧野光希(1)相撲5位▽尾田陽向(1)相撲6位。

 【長浜北】▽男子バレー1位▽宮本遥光(3)陸上男子3年100㍍3位▽戸高優稀(3)陸上男子共通200㍍3位▽北川裕基(3)陸上男子共通800㍍3位▽上坂飛嘉(3)水泳男子1500㍍自由形3位▽西島大晴(3)水泳男子100㍍背泳ぎ3位▽上坂・西島・羽渕真広(2)・竹原隆之佑(2)水泳男子400㍍リレー1位。

 【長浜東】▽本田柚希(2)柔道女子2位。

 【浅井】▽柔道女子団体2位▽大堀雄大(3)柔道男子90㌔超級2位▽岡みさと(2)柔道女子40㌔級2位▽吉村紅葉(2)柔道女子48㌔級1位▽南橋心晴(1)柔道女子52㌔級2位▽千田梨瑚(3)柔道女子63㌔級1位▽北村金太郎(2)相撲3位。

 【湖北】▽植田憐(3)陸上男子走高跳3位。

 【びわ】▽橋本環(2)水泳女子400㍍自由形2位、同200㍍3位。

 【虎姫学園】▽安田丈二(9)柔道男子90㌔超級1位。

 【木之本】岸本涼音(2)剣道女子ベスト8。

 【余呉小中】平野杏奈(8)水泳女子200㍍個人メドレー1位、50㍍自由形4位。

2021年8月3日

余呉町中河内 炭焼き、若者たちに継承

佐藤さん地域おこし協力隊へ託す

 余呉町中河内の佐藤登志彦さん(84)が長年していた炭焼きを地域おこし協力隊のメンバーが引き継ぐことになった。新体制による炭焼きの開始に合わせ、伊香高校の生徒たちが社会学習の一環で作業を体験している。

 昔、宿場町だった中河内では製炭が主幹産業で、「炭は硬くて火持ちがよい」と評判で敦賀や農協などに出荷していた。しかし、燃料革命により需要が減り、生産する人も減少。佐藤さんは20歳ごろから、炭作りをしていたが、35歳には廃業していた。

 町内で炭焼きを復活する動きがあり、佐藤さんは10年程前、田んぼを重機で掘り起こし、奥行き2・7㍍、幅1・9㍍のドーム型の1口窯を作った。コナラなど約4㌧を入れ、火入れ。窯の中を700℃以上にし、空気の量を調整しながら、5日から1週間ほど燃やし続けると400㌔程度の炭ができあがるという。

 しかし、炭焼きは重労働で危険。高齢の佐藤さんは昨年、引退を決め、後継者として同町上丹生で炭焼きをしている隊の子林葉さん(38)と堀田涼介さん(27)に中河内の炭窯を託した。

伊香高生が体験 地域の課題解決へ

 伊香高では地域を見つめ直し、地域課題を解決できるような生徒を養成するモデル事業に取り組んでいる。

 2日間の炭焼き体験には理系、地域文化コースの2、3年の延べ50人が参加。7月30日には佐藤さんや地元の若者らで作る「中河内の未来を考える会」のメンバーのアドバイスを受けながら、窯から約300㍍離れた山で伐採された広葉樹の枝を切って揃え、トラックに積載。汗だくになりながら、窯の近くまでの搬送を手伝った。佐藤さんは「若い人たちが手伝ってくれ、心強い。後継者ができ、これで安心。一人前になるよう指導してゆきたい」と話していた。

 4日に火入れする予定で、仕上がった炭は会や伊香高が販路を模索しながら、有効利用などを検討。地域のために活用してゆく。

 3年の浅田琉衣さんは「作業はしんどいが、したことがないことをするのが楽しい。昔の人たちはコンビニがなくても、自分達で何でも頑張り、生活をしていた」と話し、子林さんは「(生徒たちは)皆、集中して夢中になっており、希望が持てる。炭焼きは無理のない範囲で長く続けられるようにし、生業になれるような仕組みを作りたい」と語っていた。

2021年7月29日

山内さんの知恵、思い

寺田町出身の村山さん、自費出版

 寺田町出身のフリーライター・村山明子さん(東近江市)が新刊「山内さんの愛おしいもの・コト・昔語り」を自費出版。絶滅の危機に瀕していた伊吹大根を復活させた木之本町古橋の山内喜平さん(94)と妻・和子さん(93)の思い出話などをまとめている。

 村山さんは知人の紹介で2017年、山内夫妻と知り合い、2人から聞き取った地域の文化や風習などを18年1月から3年間、読売新聞に月1回、折り込みの情報紙「DADAジャーナル」に連載。1冊の本にまとめた。

 山内さんは県の農業普及員をしていた1977年、無くなりかけていた伊吹大根を唯一、育てていた米原市の女性を知り、種を分けてもらった。しかし、その種は交雑が進んでおり、苦労の末、約20年かけ、原種化した。

 村山さんは山内さん宅を訪問するうち、古橋の珍しい食文化や風習などを聞くようになり、メモを取った。地元には昔から栢(バイ)の実を食べる習慣があった。バイはピスタチオのようなアーモンド大の木の実。生のままでは食べられず、本ではバイの生態から収穫、処理の方法のほか、山から生活の糧を得ていた先人の暮らしぶりなどを紹介している。

 元教員の和子さんは地元の習わしに詳しく、野辺送りの際、女性が羽織った黒打掛などや葬儀の時の装束について解説。「(最近は)コロナ禍で家族葬も増え、弔いの形が急激に変わっている」と語っている。

 また、山内夫妻は伝統食にも精通しており、オコナイのメニューや山菜のゼンマイ、発酵食の小鮎のへしこや鮎寿司の成り立ち、レシピなどを紹介。先人の知恵や思いなどが温かみのある方言を通して、伝わってくる。

 村山さんは「山内夫妻はいろんなことに感謝し、昔のことを大事にしている。今の私達にはないことであり、自分が納得したことを伝えたかった」と話している。

 A5判、175ページ。あいたくて書房、己高庵、高月観音の里歴史民俗資料館、長浜みーな編集室、伊吹山文化資料館で販売。1650円。

2021年7月28日

どうなる?お産 ⑯-⑰

⑯世界共通の「ポジティブな出産」の定義とは?

 世界保健機関(WHO)は2018年、22年ぶりに正常出産ガイドラインを改定した。その翻訳版のタイトルは「WHO推奨 ポジティブな出産体験のための分娩期ケア」(医学書院)という。各紙の過去記事を検索してみたが、WHOがガイドラインを改訂したことを伝える報道は少なかった。そこで、今回はガイドラインをそのまま紹介してみたい。

 WHOが定義する「ポジティブな出産」とは、「女性がそれまで持っていた個人的・社会文化的信念や期待を満たしたり、あるいは超えたりするような体験。臨床的にも心理的にも安全な環境で、付き添い人と、思いやりがあって技術的に優れた臨床スタッフから、実際的で情緒的な支援を継続的に受けながら、健康な赤ちゃんを産むこと。これは、ほとんどの女性は生理的な出産を望んでおり、意思決定に参加して個人的な達成感やコントロール感を得たいものだ、という前提に基づく」。この定義は、20カ国における37件の研究を元に導き出されているという。

 ガイドラインの監訳を担った元WHO職員で国立国際医療研究センターの永井真理さんは「医療従事者が女性に正確な情報を十分に提供し、相談に乗り、それを基に女性自身が自らの価値観に基づいて判断する機会があり、その判断を医療従事者が尊重する。こうした一連の流れを通して、『できるだけ安全で、かつ、できるだけ喜ばしい』妊娠出産が実現される。妊娠・出産は長い人生からみると一瞬で過ぎてしまう通過点であるが、『色んな情報を基に、相談しながら、最後は自分が決める』ポジティブな体験は、女性にとっても非常に大切である。その経験は、『子どもをどう育てるか』『自分はどう生きるか』『産むか産まないか』など、パートナーや子どもや社会との関係性にも影響を与える。そして、その後の人生を精神的に自立して歩むことにつながるだろう」(6月7日、週刊医学界新聞)。

 私はこの取材を始めるまで、お産に「ポジティブ」や「ネガティブ」があると意識したことがなかった。だから、「ポジティブ」と言われてもピンとこなかった。研究では「女性は産婦を尊重したケアを求めている」ということが世界中で一貫していると分かったという。私の周産期はどうだったか。赤ちゃんが順調に成長しているか、何事もなく産めるかに夢中で、「自分が尊重されたケアがされているか」を考えたことがなかったかもしれない。

 

(7月19日掲載)

 

⑰望めば変わる 各地で継続ケア事業開始

 私はこれまで「お産は命がけだ。赤ちゃんが無事に生まれてくれるなら、私がどんな経験をするかは二の次だ」と思っていた。でも、取材を通して出会った女性たちに「それは違う」と諭された。「妊娠初期から産後を通して、お母さんが大切にしたいと思っていることを大切にされたと思えたら、お母さんは赤ちゃんを大切にできる」と言う。「自分が尊重された経験がなければ、人を尊重できない」と言われた言葉が胸に刺さった。

 話をしてくれたのは、すべての妊婦がポジティブな出産を経験することを目指す「出産ケア政策会議」の皆さん。共同代表を務める日隈ふみ子さん、古宇田千恵さん、ドーリング景子さんは、それぞれニュージーランドで同一の助産師による産前出産産後の継続ケア制度(LMC制度)について取材、調査研究した経験がある。3人は2016年、日本でもLMCの制度化に向けた検討を始めた。翌年には政策的な視点を持って具体的に活動する会員を全国に募り、助産師や母親ら計24人で同会議を発足した。会員は、今では約100人に増えた。 

 会議は、これまでに先行するモデル事業の発掘・紹介、一般向けウェブサイトやリーフレットの制作、国や地方議員、自治体首長へのロビイング、自民党若手議員の勉強会へ参加してきた。

 LMC制度を実現するためには、助産師のケアの質や経験値の底上げも課題の一つだ。日本で働く助産師の多くは病院や診療所に勤務し、継続ケアの経験が少ないという。会議では、助産師に継続ケアの経験を積む機会を提供したり、講座を実施するなど人材育成にも努めているが、構造的な改革の必要性を訴える。

 日本では教育においても、資格や働き方においても、看護師と助産師の役割の違いが明確になっていない。世界では助産師専門の教育機関を卒業し、「助産師」として働くのが一般的で、本来の業務に集中できる環境があるという。G7の中でそうでないのは日本だけだそうだ。同会議は「日本の助産師は看護も担当せねばならず、助産に集中できていない」と言う。

 現状では、妊産婦の99%が診療所か病院で出産し、残りの1%だけが開業助産師による継続ケアを受けている。会議が目指す変革はとても難しいことだ、と思う。でも、実際に彼女たちが働きかけた結果、兵庫県の2市町では一部の妊産婦を、大阪府寝屋川市では全妊産婦を対象にした、助産師による産前産後の部分的な継続ケア事業が始まった。自民党では「こども庁」創設案に参考とすべき仕組みの一つとして、LMC制度が示された。社会は少しずつ、変わり始めている。

 私もそうしたいと望み、動けば、社会を変えていけるのかもしれない。まずは地元の仲間たちとどんな産前出産産後ケアを受けたいと思うのか、自分事として語り合ってみたいと思う。

 

堀江昌史

(7月28日掲載)

 

2021年7月28日

アルプホルンを自作、演奏

内保町の笹尾さん、岐阜まで通い

 内保町の笹尾朗さん(57)はアルプホルンに魅了され、岐阜県美濃加茂市の愛好家団体に入り、楽器の自作、演奏を楽しんでいる。

 オーケストラなどでホルンを担当していた笹尾さんは動画投稿サイト・ユーチューブでアルプホルンの「素朴な音」に惚れ、楽器を自作している演奏団体があることを知り、2013年、「みのかもアルプホルンクラブ」(渡辺寿一会長)に入会した。

 伝統楽器のアルプホルンはスイスなどで牛や羊を呼ぶために使われた。長い円すい形で先端が牛の角のように曲がっており、長さは3・4㍍もある。

 同クラブでは森林保全のため、地元、東濃地区のヒノキの間伐材を活用し、楽器を製作している。笹尾さんは週末、岐阜の工房まで通い、専用工具や手作業により約3カ月半かけ、アルプホルンを完成させた。

 楽器にはマウスピースが取り付けてあるだけで、指で押さえるボタンや穴がなく、吹き方により音階を調整する。笹尾さんは仲間12人と岐阜県を中心に演奏活動をしていたが、コロナ禍で活動を休止。23日の「伊吹山ユウスゲまつり」で1年半ぶりに演奏を披露した。

 笹尾さんは「長浜も周囲が森林に囲まれている。楽器の製作や演奏できる環境が整い、仲間ができれば嬉しい」とアルプホルンの普及を呼びかけていた。