発見、通報、救助、消火…連携で火災拡大防止

湖北地域消防本部が米原市西山の4人に感謝状

 昨年11月に米原市西山で発生した民家火災で、住民が協力し合って初期消火や救助にあたり被害拡大を防いだとして、湖北地域消防本部は7日、米原市西山の住民4人に感謝状を贈った。

 表彰を受けたのは藤田淑子さん(83)、寺尾洋一さん(72)、小野兵衛さん(81)、梶田宗弘さん(82)。

 昨年11月9日午前10時20分ごろ、集落内を散歩中の藤田さんが男性(75)=当時=が一人暮らししている住宅から煙が出ているのに気づき、たまたま屋外にいた小野さんに伝えた。小野さんは現場を確認したうえ、区長の寺尾さんに連絡し、寺尾さんが119番通報した。寺尾さん、小野さん、梶田さんの3人は男性宅内に入り、火が上がり煙が充満していた居間から逃げようとしていた男性を屋外に誘導。また、男性宅にあった消火器を使ったり台所の水をバケツで汲んだりして初期消火にあたった。男性にけがはなかった。

 消防本部で開かれた感謝状贈呈式では4人の功績が読み上げられた後、清水正幸消防長が1人ずつ感謝状を手渡し、「地域住民による通報、避難誘導、消火活動による延焼拡大防止で被害を最小限に抑えた。こうした活動を多くの人に知ってもらい、地域に暮らすすべての人が助け合える社会になれば」と話した。

 4人は「当たり前のことをしただけで、まさか表彰されるとは思わなかった。日ごろから訓練し、いざという時にどれだけ協力し合って動けるかが大事」と話していた。

藤田消防士を表彰

 この日の表彰式では昨年8月の第50回全国消防救助技術大会に滋賀県代表として出場した長浜消防署の藤田亮輔消防士(20)に表彰状が贈られた。

 藤田消防士は大会競技のうちロープブリッジ渡過に出場した。高さ7㍍に張られた20㍍のロープを往復する競技で、往路はロープの上に体を乗せる「セーラー渡過」、復路はロープに両手両足でぶら下がる「モンキー渡過」でタイムを競う。6月の県大会で優勝し、滋賀代表として出場した全国大会では25秒0の記録で規定タイムをクリアし、入賞した。

掲載日: 2023年03月07日