人力車で日本一周途中の福浪さん

学びあいステーションに2カ月滞在

 兵庫県明石市の福浪弘和さん(35)が人力車を走らせて日本一周を目指す旅の途中、立ち寄った米原市近江学びあいステーションに2カ月近く滞在している。「いろんな出会いがあって毎日が楽しい」と話し、29日には米原市の道の駅伊吹の里・旬彩の森で人力車の乗車体験イベントを催す。

 福浪さんは地元で和食の料理人をしていたが、以前からの夢だった人力車で全国の県庁所在地を巡る旅に出るため退職。今年3月13日に明石市を出発し、24日に大津市に到着した。その模様を放映したテレビ番組を見た近江学びあいステーションの山田裕美館長(66)が、インスタグラムで福浪さんに「私の気持ちも一緒に旅に連れて行ってほしい」とのメッセージを送信。琵琶湖一周の途中だった福浪さんは山田館長と連絡を取り、3月27日に同ステーションに到着した。

 福浪さんによると当初は2日程度の滞在予定だったが、ステーションの利用者たちとの交流が楽しくそのまま滞在。4月22日に琵琶湖一周の旅に再出発したが、足の爪がはがれ、腫れもあった状況を知った山田館長や村田輝男理事長(69)の「戻って来たら」の言葉を受け、同ステーションを再訪問。現在まで滞在している。福浪さんは、げたを履いてのフルマラソンでギネス記録を持つほど普段からげたを愛用しているが、人力車での旅には足袋を使っているため、まだ足が慣れていないという。

 生活費は貯金を切り崩しているが1日1000円の出費と決めているため、同ステーションでの宿泊代は宿直を兼ねて無償。福浪さんは「皆さんには感謝している。露天風呂や焼いも作り体験などをさせてもらい、毎日が修学旅行みたいになっている。いい意味で進めなくなっている」と笑顔を見せていた。山田館長は「館内の整備や清掃もボランティアでしてもらっている。(福浪さんの)志をこれからも応援したい」と語っていた。

乗車体験イベント 旬彩の森で 29日

 29日の旬彩の森でのイベントは午前10時から午後3時まで。福浪さんはその後、再出発する予定だが「旅の目的は人との出会い。(乗車体験など)依頼があれば駆けつけ、多くの人に人力車に乗ってもらいたい」と話していた。今後は山科から奈良、和歌山を経て、太平洋沿いを進み、数年かけて日本を一周する予定。旅の様子は福浪さんのSNSで確認できる。

掲載日: 2022年05月24日