SDGs 持続可能な未来に向けて②

MLGs 2030年の琵琶湖と、琵琶湖に根ざす暮らしに向けた13のゴール

 滋賀県は今年7月、琵琶湖保全のために2030年までに達成すべき13の目標「マザーレイクゴールズ(MLGs)」を策定した。SDGsの琵琶湖版で、生物多様性や環境浄化などを掲げている。ただ、保全するのは自然環境としての琵琶湖だけではなく、山、川、里、湖、海のつながりと、そこにある人の営みまで含めた象徴としての琵琶湖「マザーレイク」。

 ①清らかさを感じる水に②豊かな魚介類を取り戻そう③多様な生き物を守ろう④水辺も湖底も美しく⑤恵み豊かな水源の森を守ろう⑥森川里湖海のつながりを健全に⑦びわ湖のためにも温室効果ガスの排出を減らそう⑧気候変動や自然災害に強い暮らしに⑨生業・産業に地域の資源を活かそう⑩地元も流域も学びの場に⑪びわ湖を楽しみ愛する人を増やそう⑫水とつながる祈りと暮らしを次世代に⑬つながりあって目標を達成しようの13のゴールを設定している。

 MLGsの取り組みはSDGsの達成にも貢献し、すでに複数の企業がMLGsに賛同を表明している。振り返ると琵琶湖の水質改善を目指して県内の主婦が率先した「石けん運動」以来、県内では40年にわたって琵琶湖をはじめとする自然環境保護に積極的に取り組んできた。これらのさまざまな活動が土台となってMLGsにつながっている。

 

滋賀県版ボードゲーム

 SDGs実現への道筋を手っ取り早く体感する手段に、カードゲームやボードゲームがある。座学でSDGsを学ぶだけではなく、ゲームを通してSDGsの実現を体感することで、なぜ今SDGsが必要なのか、SDGsがどんな変化や可能性を生み出すのか、大人も子どもも理解しやすい。

 県内でゲームを使ってSDGsの普及に取り組むのが神照町出身の島田利恵さん(栗東市)。SDGs普及に特化した「あもる」を設立し、企業や学校での研修などに取り組む。今年5月には、未来技術推進協会(東京都千代田区)が開発したSDGsボードゲームを改良し、琵琶湖のヨシの紙を使った県独自のボードゲームを製作。クラウドファンディングで寄付を募って量産を始め、県内の事例を楽しく学べるボードゲームとして注目されている。毎月20日、守山市役所に隣接のSDGs拠点「future lab」で体験会を実施している。出張研修も受け付ける。【問い合わせ】℡050・5866・4969、メール(rie@amoru-s.com)へ。

 

気候変動から考えるSDGs

 滋賀県地球温暖化防止活動推進センター(草津市)は「気候変動から考えるSDGs誰一人取り残さない未来のために」と題したプログラムを提供している。温暖化防止活動推進員やセンター職員による出前講座で、気候変動が直接的なものだけでなく、間接的にもさまざまなリスクを引き起こすことを学べる。気候変動対策はSDGsのベースでもあり、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」(目標7)、「つくる責任つかう責任」(目標12)について考える。【問い合わせ】℡077・569・5301。

掲載日: 2021年09月22日