2024年10月31日

愛称決定 湖北THGツインアリーナ & 長浜城テニスガーデン

 長浜市は伊香ツインアリーナ(木之本町西山)と市民庭球場(公園町)のネーミングライツ企業を決定し、30日、契約を交わした。

 伊香ツインアリーナは田中ホールディングス(木之本町木之本)が「湖北THGツインアリーナ」の愛称を付けた。THGは田中ホールディングスグループの頭文字に由来するほか、「Top Human Goals(人間の目標を達成する場)」との意味があり、施設利用者が目標に向かって挑戦してほしいとの思いも込めている。

 市民庭球場は長浜市内に事業所や寮がある兵神装備(神戸市)が「長浜城テニスガーデンsupported by HEISHIN」の愛称を付けた。県外からの来場者に容易に場所を連想してもらえるよう「長浜城」を付け、テニスコートが16面あることから「ガーデン」とした。

 ネーミングライツは公共施設などに愛称をつける権利を民間事業者に販売することで新たな歳入を確保するのが目的。ネーミングライツ料はツインアリーナが年額200万円、庭球場が年額150万円。両企業とも来年4月から5年間の契約を市と結んだ。ネーミングライツ料は施設の維持管理に活用する。

 市役所で行われた契約締結式で浅見宣義市長は「来年、国スポ・障スポの会場として多くの選手が来場し、この愛称が日本中に知れ渡り、知名度が上がることになる」などとあいさつした。

 田中ホールディングスの田中正孝社長は「国スポに限らず地元の子どもたちが施設を使い、どんどんスポーツに頑張ってもらうことを祈念する」と語り、個人的願望として将来、ツインアリーナでプロバスケットボールチーム「滋賀レイクスターズ」の試合を主催したいと語っていた。

 兵神装備は1968年に高月町出身の小野恒男氏が神戸で創業。地元に貢献したいとの思いから73年に高月町東物部に滋賀事業所を開設した。契約締結式で市田邦洋社長は社是に「所期報公」(事業を通じ、社会に貢献することを第一とする)を掲げていることを紹介し、「これからもさまざまな形で滋賀事業所を支えていただいている長浜市や周辺地域に貢献していきたい」と話した。

2024年10月29日

地域の拠点、神田まちセン完成

旧講堂の意匠引き継ぐホール、広場に続くテラス

 加田町で建て替え工事を進めていた神田まちづくりセンターが完成し、29日、内覧会が開かれた。神田山と麓に広がる広場に面した開放的なテラス、旧講堂の意匠を引き継いだ多目的ホールなど地域活動の拠点にふさわしい構造で、関係者はコミュニティの活性化に期待を寄せている。

 新しいセンターは鉄骨平屋建て746平方㍍で、会議室、調理実習室、和室、多目的ホールなどを設けている。このうち、多目的ホールには旧講堂に飾っていた腕木を取り付け、窓のデザインも引き継いだ。屋根にも旧講堂に取り付けられていた棟飾りを採用するなど、地域のシンボルだった旧講堂をイメージした造りになっている。

 神田連合自治会長で、神田地区まちづくり協議会長の伊藤義弘さん(70)は「立派なセンターが完成し感慨深い。多目的ホールは前の講堂をイメージして造っていただき、地元でも喜んでいる人が多い」と語り、「神田山や広場と一体となっているので、多くの人にテラスを利用してもらいたい。この環境を生かして、地域のつながり、コミュニティがさらに深まれば」と期待を込めていた。

 総事業は5億3464万円。建築は大塚工務店、設計・監理はヤスザワ設計、電気設備は川一電機、機械設備は岩崎工業所。

 なお、新しいまちづくりセンターは11月1日から使用開始。今後、旧センターの解体、外構工事などを経て、来年3月30日にグランドオープンを迎える。

 

2024年10月24日

塚田さん、淡海節大会で初優勝

挑戦続け20余年、悲願に「堂々と歌姫名乗れる」

 滋賀の民謡「淡海節(たんかいぶし)」の歌声を競う第34回びわ湖大津淡海節全国大会(9月28、29日、大津市北部地域文化センター)で長浜市の民謡歌手・塚田陵子さん(49)が初優勝した。これで県内の民謡3大会すべてで優勝を飾ったことになり、「びわ湖の歌姫」を名乗って活動する塚田さんは「これで堂々と歌姫を名乗れますね」と笑顔を見せている。

 淡海節は大正時代初期、大津市本堅田出身の喜劇役者、志賀廼家淡海(しがのやたんかい)が琵琶湖を懐かしんで作詞・作曲し、劇中で歌ったもの。当時、一世を風靡して全国に広まった。昭和39年に堅田地区の住民らによって保存会が結成され、大会が開かれるようになった。

 塚田さんは20代の頃から大会に出場し、優勝は悲願だった。淡海節の歌い方は出場者によってやや異なるといい、塚田さんは一切のアレンジを廃し、保存会が伝える歌い方を忠実に守って大会に臨んできた。優勝を受け「やっとかー、というのが正直な気持ちで、諦めずにいて良かった。今後、責任を持って淡海節を伝えていきたい」と話している。

 大会では「寿年の部」と「スーパーシニアの部」で塚田さんの師匠である磯田久子さん(93)=大津市=も優勝。師弟揃っての優勝に喜びもひとしおだという。

 塚田さんは昨年6月の第32回鈴鹿馬子唄全国大会(甲賀市)、11月の第11回津軽三味線津軽民謡全国大会inびわ湖(大津市)の津軽五大民謡部門でも優勝。淡海節全国大会を含め、滋賀の3大会を制覇した。

 現在、淡海節、鈴鹿馬子唄、琵琶湖舟唄を収録したCDのリリースを計画しており、「大会での優勝が自信につながった。民謡を通して滋賀・長浜の風景を伝え続けたい」と話している。

2024年10月22日

ガラスの魅力、パンケーキと一緒に

黒壁直営「96カフェ」 25日新装オープン

 黒壁直営の「96カフェ」(元浜町)が25日、新装オープンする。「ガラス×花×パンケーキ」をコンセプトに、黒壁ガラスで華やかに装飾された店内で、こだわりのパンケーキを楽しめる。

 カフェは黒壁ガラス館から北国街道を挟んで西側にあり、8月から改修工事を行っていた。黒壁のリニューアルプロジェクトの第4弾。

 ガラス細工や花で彩られたテーブル、吹きガラスで制作したランプ、しずく型のオーナメント、そして板ガラスを何層にも重ねて作り上げた壁面装飾—。黒壁の工芸技術を凝らして作り上げた店内は、ガラスの可愛らしさを存分に伝える装飾であふれている。

 そのガラスと花の空間で提供されるのは、素材と焼き上げにこだわったパンケーキ。ヤマハタ鶏卵(米原市柏原)の新鮮な卵、伊吹牛乳、伊吹ヨーグルト、百匠屋(長浜市三田町)の米粉などを使用している。注文を受けてから卵白を泡立ててメレンゲを作るなど生地にこだわり、低温でじっくり焼き上げる。提供までに30分ほどかかるが、広報担当の佐藤泉さんは「30分待つだけの価値がある美味しさ。是非、一度食べてください」と胸を張る。

 パンケーキは看板商品の「花降る抹茶パンケーキ」(1800円)をはじめイチゴ、ショコラ、モンブランクリームなどスイーツ系6種、「近江牛自家製ローストビーフパンケーキ」(2500円)などミール系3種類を展開する。

 営業時間は午前11時から午後5時半まで。ランチ、カフェタイムで提供メニューが変わる。水曜・木曜定休。

 

 

2024年10月16日

長浜きものアワード デザイン、着こなし斬新に

学生が大通寺門前で披露

 長浜きもの大園遊会に代わる新イベント「長浜きものアワード」が12日、市街地で開かれ、学生によるファッションショーが開かれた。着物や帯を斬新に加工したモード感あふれる衣装が次々とランウェイで披露され、参加した学生は審査員やカメラの前でポーズを決めるなどしてPRしていた。

 大学や専門学校から9校17チームがエントリー。学生が着物や帯を取り入れた装いで大通寺門前のレッドカーペット上を歩き、モデル・女優の川津明日香さんや声優の山口勝平さんら5人が審査した。

 和の素材を取り入れながら、モード感や細部の美しさなどにこだわった衣装が続々と登場し、グランプリには愛知学泉短期大学生活デザイン総合学科2年の仲野あかりさん(20)の作品が選ばれた。「和魂漢才」をテーマにスカートと振り袖を組み合わせ、スカートは浜縮緬とレースを幾重にも重ねて作り上げ、振り袖の部分は透ける素材で「ステンドグラス」風にデザインしている。自身がモデルを務め、「グランプリに輝き、とても嬉しい。360度どこからでも美しく見えるように制作した。今後もデザインに浜縮緬を取り入れたい」と話した。

 審査員特別賞に輝いた成安造形大学のグループ「ブラッキュ」はピンク色に染めた浜縮緬を用い、「美しさと醜さの共存」をコンセプトにした作品を披露。グループのリーダーで空間デザイン領域コスチュームデザインコース3年生の宮下樹さん(21)は「コスチュームデザインコースは異素材を使った加工法が特徴で、造形的な表現が主。それを着物という伝統的なものに当てはめて表現できたのは良い機会だった」と振り返り、浜縮緬について「ゴツくて存在感がある生地。それをうまく使いこなせるかがデザイナーの技量だと思う。魅力的な生地なので使いたいが、難しさが伴う」と話した。

 長浜きものアワードは、秋の風物詩だった園遊会の中止に伴って、新しく誕生した実行委員会が新趣向の和装イベントを模索する中で誕生した。急ピッチの準備だったため学生の参加は17チームにとどめたが、これ以外にも参加を希望する学校が多くあったという。新イベントは成功裡に終わり、実行委員長の和田洋典さんは閉会式で「今後も若者に着物文化にどんどん触れてほしい。アワードを若者の制作発表の場、着物を着る機会とし、着物のまち長浜、学生の集まるまち長浜を目指したい」と語った。

 成安造形大学3年生の松尾栞さん(21)は「学外でのファッションショーも、コンペも初めてで、今までにない経験となった。他の大学の作品を見たり、会話したりして刺激を受けた。来年以降も開かれるなら是非、参加したい」と話していた。

2024年10月9日

「金継ぎ」、バルセロナ大学で披露

杉中さんが実演、日本の漆文化を発信

 仏壇仏具店「宗永堂」(国友町)の店主で塗師の杉中伸安さん(60)がスペインの公立バルセロナ大学の招きを受けて、欠けた器を漆で接着して金で装飾する日本の伝統技術「金継ぎ」の講義を行った。

 金継ぎは、壊れたものを直して大切にする精神性とそのデザイン性が海外で注目を集めている。

 バルセロナ大学は1450年設立のヨーロッパ最古の大学の一つで、学生約6万3000人が在籍するスペイン屈指の高等教育機関。昨年、同大学で文化財修復を専攻するマリーナ・デュアルテさんが杉中さんの元で2週間の修業に励んだのが縁で、同大学の文化財修復科の講義に招かれた。

 杉中さんは9月13日から18日までスペインに滞在し、うち1日、講義を行った。講義は一般公開され学生や市民約100人が訪れた。漆の歴史、日本とスペインの関わりなどを紹介した後、割れた皿を使って金継ぎを実演。漆を塗布して割れた部分を接着したり、金粉で装飾したりする工程がスクリーンに映し出され、出席者はスマートフォンで撮影するなど身を乗り出して杉中さんの技を観察していた。

 学生や市民が想定を超えて詰めかけたため直前になって急きょ講義室を変更。ヨーロッパで「KINTSUGI」として注目を集める日本の伝統技術の人気の高さをうかがわせた。

 杉中さんは「学生は文化財の修復を学んでいるが、ヨーロッパでは漆を使う文化がなく、興味を持って熱心なようすだった。ブームの金継ぎを通じて日本の漆文化を知ってもらうきっかけとなり、嬉しい」と話した。

 バルセロナにはサグラダファミリア大聖堂やグエル公園など天才建築家アントニオ・ガウディが設計した建築物が数多く残る。大聖堂などを視察した杉中さんは「デザイン、配色、発想に刺激を受けた。今後、私の作品にその影響は必ず出てくるでしょう」と話していた。

2024年10月7日

秋の週末を満喫 アート・イン・ナガハマ

市街地は芸術一色に、人出4万5000人

 長浜市街地で5、6日、芸術イベント「アート・イン・ナガハマ」が開かれ、商店街の通りに芸術家の作品が並んだ。好天に恵まれたこともあり多くの観光客や市民が市街地に繰り出し、芸術一色の秋の週末を満喫していた。

 イベントは市民による手作り芸術祭として1987年に豊公園で始まった。その後、会場を市街地商店街に移し、約200組の作家がブース出展や実演などを行っている。

 38回目を迎えた今年は全国から133組の作家が集った。通りには陶芸、革細工、アクセサリーなど多彩なアート作品が並び、観光客や市民が作家とおしゃべりを楽しみながら、品定めをしていた。

 曳山博物館広場ではゴリラ特化作家「A・Flocon」が幅11㍍の巨大キャンバスにゴリラの絵を描いた。来場者の飛び入り参加を歓迎し、子どもたちも一緒に思い思いに絵を描いていた。

 曳山博物館北側のきいなパークでは来場者の夢をイラストで描くコーナーが登場し、イラストレーター中尾仁士さん、グラフィッククリエイター春仲萌絵さんが幅8㍍のキャンバスに、来場者から聞き取った多彩な夢を柔らかなタッチのイラストで表現していた。

 このほか、さまざまな創作体験に挑戦する「AINカーニバル」、コロコロコミック連載作家・古本ゆうやさんの原画展・サイン会、大道芸人・鈴木和人さんのパフォーマンス、人形劇まつりなどがあり、実行委員会によると2日間の人出は約4万5000人。

 

 

2024年10月1日

アサギマダラ 今年も優雅に飛来

「旅する蝶」 西浅井のペンションに

 西浅井町大浦のログハウスペンション「Rudder」に、「旅する蝶」として知られるアサギマダラが今年も飛来。秋の七草の一つのフジバカマを求めて優雅に飛ぶ姿が見られる。 アサギマダラは春から夏にかけて北へ移動し、越冬のため秋になると南に戻る。長距離を飛ぶ蝶として知られ、南への通過途中の毎年この時期に滋賀を訪れる。 同ペンションは蝶が飛び交う「バタフライガーデン」を目指し、2020年春からフジバカマやキバナコスモス、ヒャクニチソウ、蝶の幼虫のエサとなる草花など15種類ほどを植えたところ、アサギマダラなどが飛来するようになった。

 代表の田中伸征さん(55)によると、今年は9月26日からアサギマダラの姿が見られ、29日には16匹が花の蜜を吸いにとまっている様子を確認したという。今年はウラナミシジミなどを含め計8種類の蝶が訪れている。 田中さんは「朝になるとひらひらと舞い降り、夕方に優雅に帰るアサギマダラの姿がとても美しい。今年も来てくれてホッとしています」と話していた。見ごろは今月下旬まで。 アサギマダラを観察できるバタフライガーデンはオープンカフェの敷地内にある。カフェでは地産地消のオムライスや自家製パンのフレンチトースト、コーヒーなどが楽しめる。営業時間は午前10時から午後2時まで。