旧校舎活用の若者自立支援NPO「ここから」
余呉町上丹生の旧小学校校舎を使って不登校や引きこもりの若者の自立支援に取り組むNPO法人「子ども自立の郷ウォームアップスクールここから」(唐子恵子理事長)が資金難で苦境に立たされている。「人も雇えず、施設の修繕もままならない」と窮状を訴え、15日から人件費や施設修繕費などの寄付を呼びかけるクラウドファンディング(CF)を始めた。
スクールは長浜市内で幼稚園教諭などをしていた唐子さんが旧丹生小学校の校舎を借りて2006年に始めた。不登校の子どもや引きこもり状態が長引いたことであらゆる支援のネットワークから外れた若者たちを対象に、木曜から月曜の4泊5日の寄宿をメインに自立する力を養うサポートに取り組んでいる。
掃除や洗濯、毎日の食事作りといった「日常の生活」、陶芸、木工、山登り、カヤック、サイクリングなどの「体験活動」、地域イベントへの参加などの「地域との交流」を3本柱に、若者がさまざまな活動に挑戦している。
スクールは四季折々の美しい景色が広がる山間にあり、1949年築の木造校舎は小学校だったころの面影を色濃く残し、その懐かしさと温もりがスクールに通う若者の疲れた心と身体を自然と落ち着かせてくれるという。これまでに100人以上がスクールを巣立った。
ただ、数年前から資金難で厳しい経営を余儀なくされる中、コロナ禍を経て利用者が減少。経営が一層深刻になり、現在は唐子さんとスタッフを含め4人が無給で勤務しているという。校舎の老朽化も著しく、雨漏りの水を受けるバケツがあちこちに置かれ、校舎裏の壁には大きな穴が開いたまま。
CFでは運営資金と校舎の修繕費用など500万円を目標に寄付を募っている。指導員を雇って生徒を受け入れられる環境を整え、校舎の応急修繕を行いたい考え。
唐子さんは「この地域で、この校舎で、『ここから』を必要とする人々と一緒に、この先もずっと『ここから』を運営していきたい」と語り、広く協力を呼びかけている。
CFは「キャンプファイヤー」のサイト(https://camp-fire.jp/projects/827385/view)から。6月30日まで受け付ける。