2025年6月30日

総選挙、武将ら50人が立候補

長浜城歴博が天下分け目の人気投票

 長浜城歴史博物館は戦国期に活躍した武将ら50人の中から人気投票で選ばれた10人を紹介する企画展「長浜戦国総選挙!」を計画し、7月10日まで投票を受け付ける。

 長浜は戦国期に北近江を支配した浅井長政と織田信長が戦いを繰り広げ、のちの天下人となる羽柴秀吉が初めて城持ち大名となった地。また、浅井・朝倉軍と織田・徳川軍が戦った姉川の戦い、秀吉と柴田勝家が織田家の後継者の地位を巡って争った賤ケ岳合戦など有名な合戦が行われ、多くの武将が活躍した。

 長浜城歴史博物館では開館以来、長浜ゆかりの武将や戦国関係の資料を収集しており、今回の企画展では人気投票で決めた上位10人の人物に関する資料を展示する。

 同博物館が候補に挙げた50人は「豊臣家」「浅井家」「徳川家」「織田家」など9つの「家」に分類した。投票は専用フォーム(https://logoform.jp/form/BJcW/987520)か博物館設置の投票用紙で。1人1回のみの投票。7月24日開票結果を発表する。

 また、投票者の中から抽選で20人に記念品をプレゼント。「1日城主体験」ができる秀吉賞、長浜北びわこ花火大会S席ペアチケットがもらえる長政賞などがある。

 長浜城歴史博物館の学芸員・坂口泰章さんは「来年の北近江豊臣博覧会を前に、長浜ゆかりの武将がこれほどたくさんいて長浜市がそれらの資料を数多く持っていることを全国にPRできれば」と語り、「学芸員が展示資料を選ぶのではなく人気投票にすることで多くの人に博物館を身近に感じてもらいたい」と話している。

 立候補予定者は次のとおり。

 【浅井家】浅井亮政、浅井久政、浅井長政、赤尾清綱、磯野員昌、遠藤直経、中島直頼、樋口直房。

 【朝倉家】朝倉義景。

 【尼子家】尼子晴久。

 【京極家】京極高慶、京極高広(高延)。

 【織田家】織田信長、織田信孝、織田秀信(三法師)、柴田勝家・勝豊。

 【豊臣家】豊臣秀吉、豊臣秀長、羽柴秀勝(於次)、淀殿、豊臣秀頼、浅野長吉、石田正継、石田正澄、石田三成、片桐且元、片桐貞隆、加藤清正、小堀正次、小堀政一(遠州)、杉原家次、田中吉政、藤堂高虎、中川清秀、長束正家、福島正則、前田玄以、増田長盛、山内一豊。

 【徳川家】徳川家康、徳川秀忠、安藤直次、大久保長安、本田正純、内藤信成、内藤信正。

 【本願寺】教如。

 【六角家】六角定頼、六角義賢(承禎)。

 【その他武将】稲富祐直(一夢)。

2025年6月26日

トレモロの音色、楽しんで

長浜ギター・マンドリンアンサンブルが定期演奏会

 長浜ギター・マンドリンアンサンブルは29日午後2時から浅井文化ホールで定期演奏会を開く。代表の清水定兵衛さん(72)=飯山町=は「マンドリンの奏でるトレモロの音色と生演奏でしか味わえない迫力を楽しんでいただければ」と来場を呼びかけている。

 アンサンブルは企業内同好会のメンバーが広く市民に参加を呼びかけて1976年に発足。マンドリン、クラシックギター、コントラバスなどで構成し、現在のメンバーは40〜70代の21人。月3回、養蚕の館(相撲町)で練習している。

 定期演奏会は32回目で、団員20人と賛助出演8人で合奏する。プログラムは「夏の思い出」「サウンド・オブ・ミュージック」「アイネクライネナハトムジーク」「リュートのための古代舞曲とアリア」「交響曲第9番新世界」など10曲。

 演奏会を1週間後に控えた22日には養蚕の館にメンバーが集まり、指揮者の益子正子さん、益子進也さんの下、演奏会で披露する楽曲を繰り返して練習していた。

 マンドリンの音色の特徴は指先で弦を高速でかき鳴らす「トレモロ」にあり、清水さんは「指先で弾いて出るこの生音に惚れて長年、演奏を続けている。マンドリンやギターなどをこよなく愛する仲間が年1回の定期演奏会に向けて練習しているので、その成果を1人でも多くの方に聴いてほしい」と来場を呼びかけている。入場無料。

 

2025年6月23日

「湯っ田り散策マップ」で魅力発見・発信

浅井湯田地域づくり協議会が5000部発行

 福良の森、雲雀山(ひばりやま)古墳、実宰院、大依山射撃場、浅井文化スポーツ公園など、旧浅井町の湯田地域の魅力を満載した「湯っ田り散策マップ」を浅井湯田地域づくり協議会が制作した。5000部を発行し、地元の湯田小の児童にプレゼントしたほか、湯田まちづくりセンターなどで希望者に配布している。

 マップは湯田地域の自然、歴史、観光名所などを再発見し、その魅力を発信するのを目的に制作した。

 同協議会のマスコットキャラクター「ゆたりん」がまち歩きするようなデザインで、表面にはまちづくりセンターを起点にしたウォーキングコースを地図上で紹介。「散策」(5・6㌔)、「歴史」(6㌔)、「満喫」(14㌔)の3コースを設定している。

 裏面では「歴史」「お寺神社」「遊び憩い」の3つにジャンル分けして25カ所を写真入りで紹介している。

 湯田地域には草野川の河畔林として形成された福良の森、日本武尊が飛び交うヒバリを見たと伝わる雲雀山古墳、小谷城落城で浅井三姉妹とお市をかくまったと伝わる実宰院、湖北十カ寺のリーダーとして織田信長に対抗し一向一揆を主導した誓願寺、「幽霊図」で有名な画家・清水節堂の出生地、戦時中に地元の学生も訓練を行った大依山射撃場、家族が憩う浅井文化スポーツ公園など歴史や文化、自然を感じられるスポットが豊富にある。また、長浜あざいお市マラソン、長浜あざいあっぱれ祭りなどのイベントも盛んに行われている。

 地図制作を主導した同協議会教育文化部会の金森正幸部会長は「湯田のそれぞれの地域の魅力を一つずつ掘り下げてマップにしたら、ひと目で湯田の良さを発信できるのでは、という思いでマップ作りに取り組んだ」と語り、地域活力プランナーの岡美矢子さんは「浅井弁を使った昔の暮らしの話も見どころ。単なる散策マップではなく、湯田のことを知ってもらえる、読むだけでも楽しいマップ」とPRしている。デザインは中居真理さんが手掛けた。

 A2判。折りたたむことでポケットに入る。事業費は32万円で、うち30万円を協賛企業・者からの寄付金でまかなった。

2025年6月20日

「スイミー」の世界、新聞紙で

私立園児ら手作り、さざなみタウンで展示

 レオ・レオニの人気絵本「スイミー」の世界を新聞紙やチラシで表現したアート展が18日、さざなみタウンで始まった。長浜市内の民間保育園など13園の園児が手分けして魚を手作りしたもので、25日まで展示している。

 21日に同所で「スイミー子育てフェスタ〜音と絵本とオサカナと」(スイミープロジェクト実行委員会主催)が開かれるのに先駆けてアート展示を行った。新聞紙アート作家・なんめんよしこさんの協力で長浜市民間保育協議会(代表=門池称吾・速水こども園長)の園の子ども達が新聞紙やチラシで魚を作った。

 マグロから身を守るために、真っ黒な小魚「スイミー」の発案で赤い小魚たちが集合し大きな魚のふりをしている絵本の一場面を表現している。

 このほか、なんめんさんの作品をさざなみタウンのあちこちに展示。スイミーに登場するウツボやクラゲのほか、バショウカジキ、ライオン、チーター、クジャク、シロクマなどに出会える。

 なお、21日のフェスタではなんめんさんによる新聞紙アート体験、長浜バイオ大による両生類とメダカのミニ水族館、滋賀文教短大の学生による絵本の読み聞かせなどがある。午前10時から午後3時まで。

2025年6月16日

松井さん、浅井で円墳を新発見

ネット公開の地形図きっかけに、4〜5世紀の首長墓か

 浅井東診療所所長の松井善典さん(44)=野瀬町=が浅井地域の小室町、西村町、太田町にまたがる山の上部に円墳があるのを発見した。専門家によると4〜5世紀に造られた豪族の墓とみられ、歴史資料や郷土史にも掲載が確認できない新発見。松井さんは「新しい歴史の1ページを見つけられ、とてもうれしい」と話している。

 松井さんは古墳や城跡、社寺跡など史跡の探訪を趣味とし、日ごろから行き先を地図で予習・復習しているという。4月17日、インターネットで公開されている地形図を調べていたところ、標高385㍍の山頂に円形の起伏を発見。中央部分がくぼんでいたことから「円墳を盗掘した痕跡に間違いない」と感じた。

 これまで存在が知られていなかった円墳を見つけた喜びの半面、「すでに発見されている円墳と見間違えたのかもしれない」との不安もあり、地域の郷土史などをつぶさに確認。どこにも記載がないことからあらためて新発見を確信した。

 29日、地形図に詳しい父の善和さん(74)とともに現地調査を行ったところ、山頂が直径約40㍍にわたって丸く盛り上がっていた。盗掘跡とみられる直径3〜5㍍のくぼみも確認した。また、加工されたとみられる直径20㌢ほどの白い石も見つかった。古墳の表面を覆うとみられる。

 松井さんから連絡を受けた県立琵琶湖博物館名誉学芸員で元神戸学院大人文学部教授の用田政晴さん(69)=考古学=も5月3日に現地調査を実施。円形の盛り土▽墳頂の平坦面▽墳裾の犬走り状地形▽付設されたような隣接する小型古墳の存在—などから「自然地形ではありえない典型的な古墳時代前半期の古墳」と断定した。円墳は一般的に直径10㍍以下のものから50㍍を超えるものがあるといい、今回発見された規模は首長墓で「少なくとも今でいう市町村長クラス」と分析している。

 松井さんの発見について、用田さんは「地域の歴史に興味を持った方が、現地に行かずとも新しい地図データを使って遺跡を新しく発見し、現地でも立派な古墳と確認できた。それが地域の古墳時代の歴史を語る上で重要な遺跡だった」と評価している。

 なお、周辺では過去に大学や研究家が古墳の調査を行っているが、今回発見された円墳は未確認だった。松井さんは「地図から古墳を見つけられることに時代を感じる。今ではAIが地図データから古墳を探し出しており、今後も見つかるかも」と話している。

 長浜市文化観光課歴史まちづくり室は「非常に貴重で大きな発見。松井さんからさらに詳しい情報を聞き、今後の手続きについて県と協議をしていきたい」としている。

◇   ◇

 松井さんの古墳発見のきっかけとなったのはインターネット上で公開されている「全国Q地図」。国土地理院などの地形データを使い勝手が良いようにアレンジしたもので、誰でも自由に利用できる。

 今年3月に公開された新しい地図や写真データから現地に行かずとも古墳を見つけやすくなった。この地形図は樹木を透過して地面の起伏を表示することから、木々に覆われた山でも人工的な盛り土や土塁などを確認できる。

 湖北地域の地形図を拡大すると山の尾根筋にいくつもの円墳が連なるように築かれていることが分かる。中には大和朝廷の影響力が及んでいたことを裏付ける前方後円墳も確認でき、古代の湖北地域には河川流域にいくつもの豪族が存在していたことがうかがえる。

 松井さんは今回新たに発見した円墳以外にも、この地形図から古墳と見られる遺構を見つけている。全国Q地図を利用した新しい古墳の発見例は県外でもあり、今後も各地で新発見が続くとみられる。

2025年6月13日

優れた病院!2年連続のランクイン

市立長浜病院循環器内科、アジア・太平洋で

 アメリカの国際ニュース週刊誌「ニューズウィーク」が発表するアジア・太平洋地域の優れた病院ランキングで、市立長浜病院の循環器内科が2年連続でランクインした。同病院は医師や看護師などスタッフの人数が限られる中で、大学病院や都市部の大病院に比べ遜色のない最先端の循環器診療を届けている。

 同誌は毎年、世界の病院ランキングを発表。心臓外科や心臓病学、脳神経外科など9つの分野で、医療専門家の推薦、患者満足度、病院機能評価などの項目で審査し、優良な病院を選出している。

 市立長浜病院循環器内科は2024年度ランキング(心臓病学部門)で91位、国内で21位、国内自治体病院で4位だった。また、25年度は97位、国内で20位、自治体病院で2位だった。大学病院や国立病院、循環器センターなど規模も専門性も地方病院を大きく上回る病院が並ぶ中、2年連続でランクインする快挙となった。

 市立長浜病院循環器内科では狭心症、心筋梗塞、心不全などの治療にあたり、高齢化率が高い湖北地域には欠かせない存在。ここ数年のカテーテル手術の実績は県内トップクラスで、近畿圏でも上位に入っている。同病院では従来のカテーテル室に加え、昨年、最新鋭の撮影装置などを備えた心臓専用カテーテル室を新しく整備し、診療環境を充実させている。医師は7人体制で、長浜市出身の國友健生医師や米原市出身の児玉健二医師らも活躍している。

 2年連続となるランクインに循環器内科責任部長の高島弘行副院長は「周囲は何十人もの医師スタッフを擁する世界各国の有名大学病院、循環器センターばかり。わずか数人のスタッフしかいない湖北の一自治体病院の存在は際立っている」とした上で、「スタッフが少なくてもそれを言い訳にせず、この湖北でも都会の大病院と温度差の無い循環器診療を届けようと必死に足掻いている。こんな状況をニューズウィークから評価してもらえたのは望外の喜び」とコメント。病院再編や赤字問題などを念頭に「険しい道のりは続くが、さらにギアを上げて立ち向かう」と決意を新たにしている。

2025年6月12日

葉っぱで届いた!お礼のはがき

下坂氏館跡の入館者から、タラヨウに切手貼り

 下坂中町の国指定史跡「下坂氏館跡」を見学に訪れた福井県内の女性から、敷地内に生えるタラヨウの葉に切手を貼ったお礼のはがきが届いた。タラヨウは別名「ハガキノキ」と呼ばれるように、その葉に文字を書けることが知られているが、「本当のはがきのように届くとは」と、館跡を世話する住民を驚かせている。

 届いた葉っぱのはがきは縦15㌢、横7㌢で、「先日はありがとうございました!!たのしかったです」と記されていた。

 来館者を案内している「下坂氏館跡を守る会」の梅本修会長(70)によると4月下旬に女性が友人と一緒に見学に訪れた際、主屋の北側にひと際高く伸びるタラヨウに案内し、葉に字が書けることを紹介。何枚かをお土産に持って帰ってもらったという。10日ほど経ってその葉にお礼を書いたはがきが届いた。

 「来館者にはタラヨウの葉に文字を書けることや郵便で届くことを説明しているが、実際に送ったことはなく確信はなかった。本当に届いて驚き、実際に送ってみようと思った女性には大変ありがたい気持ちです」と梅本会長。

 守る会の副会長の梅本悟さん(68)は「スマートフォンで何でも届く世の中になっているのに、葉っぱで届くのもアナログで面白い」と笑顔を見せる。

 タラヨウは高さ20㍍にもなる常緑高木。その葉の表面に傷を付けると黒く変色することから、爪楊枝や竹串などで文字を書ける。長浜郵便局によるとタラヨウの葉に切手を貼れば定形外郵便で送ることができるが、定形外でも最小サイズが定められているため注意が必要という。

 なお、女性は「X」で、葉っぱを郵便ポストに投函して無事に届いたことをレポートし、26万件の「いいね」がつく反響を呼んでいる。また、守る会のガイドについて「歴史に詳しいのはもちろん、植物から朝ドラまで実に豊かな引き出しをお持ち」と紹介していた。

 下坂氏館跡は戦国大名・浅井氏の家臣で中世の地侍の館跡。主屋や門、菩提寺の不断光院の本堂、庫裡など11棟の建物がある。地元住民でつくる守る会が土日・祝日に公開しており、地域と連携した文化財活用の事例としても注目されている。入館料は高校生以上350円、小中学生150円(長浜・米原は無料)。

 梅本会長は「タラヨウの葉は希望者にはプレゼントするので、大人も子どもも来館してほしい。その際には屋敷の魅力も伝えたい」と話している。

2025年6月10日

ロックの熱気、長浜バイオ大に

けいおんLIVE 高校・大学生ら17組が出演

 県内8高校と長浜バイオ大学の軽音楽部などが集う「けいおんストリートLIVEin長浜」が8日、バイオ大で開かれた。計17組のバンドが参加し、熱のこもった演奏を繰り広げた。

 けいおんストリートLIVEはJR大津駅前のにぎわいを高校生バンドの演奏で盛り上げようと2012年に始まり、長浜バイオ大での開催は初めて。愛知、長浜農業、彦根工業、大津清陵、彦根翔西館、近江の6高校とバイオ大の軽音楽部のほか、軽音楽部がない虎姫、長浜北高の生徒や、軽音楽部出身の大人バンドが出演した。比較的1年生の出演が多く、「栞」(クリープハイプ)、「ボーイフレンド」(aiko)、「小さな恋の歌」(MONGOL800)、「残酷な天使のテーゼ」(高橋洋子)などのほかオリジナル曲を披露していた。

 出演者や関係者、観客を合わせ約500人が会場を訪れ、体でリズムをとるなどして熱いロックの演奏を楽しんでいた。

 長浜農高3年で軽音楽部部長の松本愛海さん(17)=は「バイオ大でいろいろな高校と共演することができうれしい。軽音部のない北高や虎高もこうやってライブができた。1年生のやる気もとても伝わってきた。今後も続けてほしい」と話した。

 ライブ終了後には近江高2年の山口百音さん(17)があいさつに立ち「私たち高校軽音楽部は軽音の力でまちの活性化に取り組んでいく。今後も支援をよろしくお願いします」と来場者に呼びかけていた。

2025年6月9日

ピュアブラス定期演奏会

15日浅井文化ホール

 湖北地域で活動する吹奏楽団「ピュアブラス」の第11回定期演奏会が15日午後2時から浅井文化ホールで開かれる。

 楽団は1999年に発足し、現在は長浜、米原、彦根の団員42人が所属。世代は大学生から70代まで幅広い。毎週土曜午後5時半から浅井文化ホールや長浜市内のまちづくりセンターで合奏を楽しみ、毎年6月に定期演奏会を開いている。また、地域イベントへの出演、子育て支援センターや介護施設、小学校などへの出張演奏に取り組んでいる。

 定期演奏会のテーマは「温故知新」。「今まで積み重ねてきた歴史にさらに磨きをかけ、新たな演奏活動に果敢にチャレンジする」との思いを込めている。

 演奏曲目は「マーチ・ブルースカイ」「風の谷のナウシカ・ハイライト」「ハリウッド・マイルストーンズ」、ミュージカル「レ・ミゼラブル」など。

 団長の伊藤誠一さん(59)は「湖北地域を音楽で活性化させたいという思いで活動し、26年目に入った。定期演奏会も11回を迎え、以前には思いもしなかった難易度の高い曲に果敢に挑戦する」と話している。

 入場料は500円。高校生以下は無料(入場整理券が必要)。チケットは浅井文化ホール、アルプラザ長浜で発売中。当日券あり。

◇     ◇

 ピュアブラスは随時、団員を募集している。対象は中学生以上。団費は月額1500円(中高生は500円)。詳細は楽団のホームページ(https://purebrass.sakura.ne.jp/)で。

2025年6月6日

県内詐欺被害、総額12億円

4月末時点、SNS型ロマンスが猛威

 SNSを悪用した投資詐欺やロマンス詐欺、特殊詐欺の被害が相次いでいる。県警の4月末時点の集計では今年に入ってからの被害額は12億円を突破している。5月以降も被害が相次ぎ、湖北地域だけでも9件の被害が明るみになっている。

 県警のまとめによると、4月末時点のSNS型投資詐欺は34件で被害額は3億7528万円、さらにSNS型ロマンス詐欺は58件で被害額5億3071万円に上る。特にロマンス詐欺の被害額は前年同期(2億6723万円)の倍となっている。

 SNS型の被害者は男性73人、女性19人で、年齢層は50代31人、60代18人、40代16人、30代11人、20代以下7人の順に多い。幅広い年代で被害を受けている。

 一方、特殊詐欺の発生件数は108件、被害額2億9691万円で、件数、被害額ともに前年同期を上回っている。警察官などを語る「オレオレ詐欺」のほか、ウイルスに感染したパソコンの修理名目やインターネットのサイト料金未納を名目に電子マネーなどをだまし取る「架空料金請求」が目立っている。

 被害者は男性61人、女性47人で、年齢層は65歳以降の高齢者が41人、20代以下と30代がそれぞれ19人、40代14人などとなっている。

 特にSNSを悪用した詐欺は多くのケースがLINEに誘導し、メッセージのやり取りだけで被害者をだます手口。中でもロマンス詐欺は巧みなメッセージのやり取りで被害者に好意を抱かせ、架空投資に誘い込む。ただ、ネット上の表示が「女性」だったとしても、メッセージの向こう側は男性の可能性もある。

 これらの詐欺被害は最近、年齢を問わずに発生しており、主に高齢者を対象に被害防止の啓発活動に取り組んできた警察も、現在は全世代を対象にした啓発に切り替えている。「見知らぬ人物からのメッセージは常に疑い、おいしい話はころがっていない」と警戒が必要。

2025年6月3日

ロックで盛り上がれ!けいおんLIVE

高大9校出演、8日長浜バイオ大

 県内8高校と長浜バイオ大学の軽音楽部などが集う「けいおんストリートLIVEin長浜」が8日、バイオ大命江館広場で開かれる。約100人が出演し、長浜をロックで盛り上げる。

 JR大津駅前の賑わいを高校生バンドの演奏で盛り上げようと2012年に始まった「けいおんストリートLIVE」。同実行委員会が湖北・湖東地域の高校生らの熱意に応えて、長浜開催を企画した。

 参加するのは近江、長浜農業、彦根翔西館、愛知、彦根工業、大津清陵の6高校とバイオ大学の軽音楽部。また、軽音楽部がなく演奏披露の機会が少ない虎姫高、長浜北高生によるバンドも参加する。現在、各校でエントリーを受け付けており、3〜5人組のバンドが25組ほどが出場する見込み。

 ホスト校を務める近江高と、企画に全面協力しているバイオ大の軽音楽部の部員6人が5月27日、長浜商工会議所で記者会見し、ライブに向けて思いを語った。

 バイオ大2年の鈴木哲朗さん(21)は「滋賀大や県立大と合同ライブをすることはあるが、高校とは初めて。いろんなジャンルの演奏を聴けるのが楽しみ。貴重な経験で刺激になる」とライブに期待し、近江高2年の濱地花音さん(16)は「今、曲を作っているので完成させて披露したい。ライブでは楽しんで演奏しているところをお客さんにも楽しんでもらい、もっと軽音人口がを増やしたい」と話している。

 けいおんLIVEは午後1時から同5時まで。雨天時は体育館で実施する。入場無料。キッチンカーも来る。ライブのスケジュールなどは、けいおんストリートLIVEの公式「X」で。

2025年6月2日

戦時中の生活用具、保存を

戦後80年で、出雲さん「歴史伝えて」

 陶製の地雷、ガラス製の水筒、焼夷弾の破片で作った包丁など、戦時中の物資不足で作られた兵器や生活用具。フリージャーナリストで戦時資料収集家の出雲一郎さん(70)=鍛冶屋町=は戦中・戦後の生活ぶりを今に伝えるため、これらを捨てずに保存するよう広く協力を呼びかけている。

 これまで収集した資料は、不足する鉄に代わって陶器で作られた地雷や手りゅう弾、釜、砂を詰めた消火器具「投砂弾」、B29から投下された焼夷弾の破片から作った包丁など約300点。地雷や手りゅう弾は信楽で生産され、統制番号や工場印も確認できる。沖縄戦などで使用されたという。

 瀬戸焼と見られる水筒やキセル、ガラス片を再生した水筒などは、金属が無い中、割れやすい陶器やガラスで用具を作るしかなかった不便な生活ぶりをうかがわせる。

 戦争資料に関心を持ったきっかけは1972年。当時、大学生だった出雲さんが沖縄旅行中の船の中で元日本兵に偶然出会い、かつての激戦地のガマで一緒に遺骨収集をしたのが始まり。「沖縄では子ども達が進駐軍のキャンプに忍び込んでごみ箱をあさって使えそうなものを盗み出し、加工して使っていたと聞いた」と振り返った。その後、戦時中の生活用品などが滋賀で多く残っていることを知り、コレクションを始めた。

 2003年には浅井歴史民俗資料館で開かれた「第1回終戦記念展」の企画に協力するなどして戦時資料の保存の重要性を呼びかけてきた。

 集めた戦時資料の多くは大和ミュージアム(広島県呉市)や浅井歴史民俗資料館に寄託。また、5月21日には陶製手りゅう弾など14点を県平和祈念館(東近江市)に寄贈した。

 出雲さんは戦後、各家庭で残されていた生活用具が所有者の死去に伴って廃棄されていることを憂い、「歴史遺産が豊富な湖北地域では80年前の戦争は『歴史』ではないかもしれないが、戦時中の生活用具を捨てずに保管することで、子や孫に戦争の歴史を伝えてもらいたい」と訴えている。