2024年11月28日
創業3年、チーズコンテスト入賞
2年に一度開催されている国内最大級の国産チーズコンテストで、元浜町の商業文化施設「湖(うみ)のスコーレ」のチーズが2部門で入賞した。2021年12月から製造を始めて初挑戦したコンテストでの入賞に、同社取締役でチーズ製造責任者の高本絢子さん(39)は「出品するからには入賞を狙っていたので、評価されて嬉しい。さらに品質を高めていきたい」と話している。
コンテストは10月に東京ドームで開かれた日本チーズプロフェッショナル協会主催の「ジャパン・チーズ・アワード2024」。全国120工房から372点の出品があり、同社の「竹炭フロマージュ」がソフト/酸凝固(山羊乳以外)部門で銀賞、「マスカルポーネ・ピスタチオ」がフレッシュ/バラエティ部門で銅賞に輝いた。
竹炭フロマージュは伊吹山をモチーフにピラミッド状に成型したチーズ。表面に竹炭をまぶし、熟成が進むことで酵母の働きで冠雪したように見える。クリーミーで濃厚な味わいと香りが楽しめるという。
マスカルポーネ・ピスタチオは濃厚で口どけの良いクリーム状のチーズに自家製のピスタチペーストを合わせた商品。ピスタチオの薄皮を剥いでローストしミキサーにかけるなど手間を惜しまず作り上げた。
湖のスコーレでチーズ作りが始まったのは3年前。当初は「古株牧場」(竜王町)のアドバイスと監修を受けて、高本さんらが一からチャレンジしてきた。
ミルクファーム伊吹から仕入れた生乳を低温殺菌後、乳酸菌やレンネット(凝乳酵素)の働きで豆腐のように固める。固まり始めた生乳をカットして撹拌するタイミングがチーズ作りの要で、知識や経験、感覚、感性が必要という。高本さんは「届けられる生乳の状態は乳牛の体調や気温によって異なり、その時々の状態に合わせてカットや撹拌をすることが欠かせない。生き物ですね」と説明する。
初出品での入賞に「国産チーズは年々レベルが上がり海外産に引けを取らない。コンテストには刺激になるようなチーズがたくさん出ていたので、もっと品質を上げていきたい」と話した。
一方で、「自分が思うベストにはたどり着いておらず、ブラッシュアップする余地はある。セミハード系のチーズ作りにも挑戦したい」と前を見据えた。
なお、コンテストで入賞したチーズは湖のスコーレで販売している。