2025年10月31日

地元企業の連携と発信の場に

長浜ものづくりTECH開幕、28社出展

 湖北地域の製造業・ものづくり企業による製品や技術、サービスの展示会「長浜ものづくりTECH」が31日、さざなみタウンで開幕した。28の企業・研究機関が出展し、初日から多くの来場者でにぎわった。

 同展示会は、新型コロナウイルス禍による国際輸送の混乱や原油・資材高騰の影響でサプライチェーンの見直しが迫られる中、地元企業同士の連携を促そうと長浜商工会議所が2022年に初開催。今年で4回目を迎える。企業間のネットワーク強化による販路開拓・取引拡大に加え、高校生など若い世代を含む地域住民に地元企業の魅力を発信する場としても位置づけている。

 オープニングセレモニーでは、大塚敬一郎会頭が「コロナ禍で疲弊した産業界に喝を入れる思いで始めた。年々参加事業所が増えており、今年は高校生も授業の一環として見学に訪れる」とあいさつ。テープカットで開幕を祝った。長浜梅香保育園の園児によるダンスも披露され、会場を和ませた。

 各ブースでは、出展企業が独自の製品や技術をPR。扶桑工業は、世界のパワーショベルの約7割に同社製パーツが採用されていることを紹介し、模型をコントローラーで操作できる体験コーナーを設置して高校生らの注目を集めた。湖北工業は世界トップシェアを誇るリード端子などを展示。富士フイルムBI福井長浜営業所は古文書の複写技術を、ワボウ電子は地元企業の製品を組み合わせた災害用トイレを紹介するなど、多彩な企業の技術力が一堂に会した。

 展示会は11月1日も開催され、両日ともキッチンカーやマルシェの出店がある。時間は午前10時から午後5時まで(1日は午後4時まで)。

 

2025年10月31日

浅井西スポ少 鳴門・里崎杯へ出場

少年野球4年生チーム、県大会準優勝で

 湯田小グラウンドで活動する少年軟式野球チーム、浅井西スポーツ少年団が、県内73チームが出場したHPL杯滋賀県四年生大会で準優勝を果たした。11月1、2日に徳島県鳴門市で開かれる第5回里崎智也杯に、滋賀代表として出場する。

 県大会では2回戦から出場。能登川ベースボールクラブや金城スポーツ少年団などを次々に下した。準決勝では城南スポーツ少年団に8対2で勝利し、決勝に進出。決勝では強豪の多賀少年野球クラブに0対7と完敗したが、県内上位の実力を示した。

 今回出場するのは、元千葉ロッテマリーンズ捕手で鳴門市出身の里崎智也氏の名前を冠する大会で、近畿・中国・四国地方の代表16チームがトーナメント方式で対戦する。浅井西は初戦で大阪代表の美原グリーンジャガーズと対戦予定。

 主将の若林也壱さんは「みんなの力を合わせて県大会で準優勝できた。次は優勝できるように日々の練習を頑張る」、エースの上松暖さんは「里崎杯ではたくさん三振をとってチームの勝利に貢献できるよう全力でピッチングする」と意気込みを語っている。若林一也コーチは「滋賀県四年生大会では選手の成長を感じた。徳島で更なる選手達のレベルアップになれば」と話している。

 出場選手は次のみなさん(いずれも4年生)。

 若林也壱(湯田)、上松暖(七郷)、有本慧己(長浜北)、杉山晴哉(湯田)、大西悠斗(同)、澤村奏汰(浅井)、木下多央(南郷里)、佐久間琉空(同)、中野俐翔(浅井)、藤森碧士(湯田)、林晴太(湯田)、辻壮真(同)、土田颯祐(虎姫学園)、平田琳久(湯田)。

◇   ◇

 浅井西スポーツ少年団には小学1年から6年までの44人が所属し、野球の技術だけでなく、礼儀や仲間を思いやる心を重んじて指導している。練習は土日・祝日の午前9時から午後4時まで湯田小グラウンドで実施。

 チームでは現在、新入団員を募集している。問い合わせは事務局・清水さん℡090(5151)9369へ。

2025年10月30日

笑顔で挑む初の大舞台

浅井長浜LV 県2大会制し全国へ

 少年野球チーム「浅井長浜LV」が、県内で行われた2つの大会で初優勝を果たし、11月に開かれる全国大会に出場する。

 出場するのは「年中夢球杯全国大会」(11月1〜3日、埼玉県)と「オールジャパンベースボールリーグ」(11月22〜24日、愛知県)。

 技巧派ピッチャーの山岡瑛翔さん(11)は県大会10試合中5試合に登板し、防御率1・06と安定感抜群。打撃でも24打数11安打、打率4割5分8厘、8打点の活躍を見せた。「優勝は、野手陣、投手陣、打撃陣がみんな頑張った成果。全国大会でも全力プレーで期待に応えたい」と意気込む。

 今年3月の全国大会出場をかけた試合では、あと一本が出ずに惜敗。その悔しさをバネに、「試合終了まであきらめずに全力を出す」ことを徹底して練習を重ねてきた。伊藤嘉彦監督(51)は「全国大会を逃したあの試合があったからこそ、今回の優勝がある」と振り返り、「全国大会では結果よりも、選手たちが自分のプレーを思いきり発揮してほしい。全国の舞台を体感し、その経験を中学でも生かしてほしい」と期待を寄せる。

 チームは、少子化や野球人口の減少でスポーツ少年団の活動継続が難しくなる中、2019年に浅井レイカーズと長浜ビクトリーが合併して誕生。旧七尾小と長浜小のグラウンドで練習している。

 各地から集まる子どもたちを支えるのが保護者たち。旧七尾小学校グラウンドには、保護者の手づくりによる外野フェンスやカウントボードが設置されている。愛情のこもった環境で、選手たちは日々練習に励んでいる。

 「とても練習しやすい環境があり、幸せです」と話すのはキャプテンの小林楓芽さん(12)。「全国大会では、いつも通り笑顔で元気に、楽しくプレーしたい」と笑顔を見せた。

 メンバーは次の皆さん。

 小林楓芽(小谷6)、脇坂昊征(同)、伊吹海渡(浅井6)、小林星輝(同)、宮元海成(同)、山岡瑛翔(長浜6)、横田紹真(同)、北川大晴(同)、北村咲太郎(同)、髙宮悠右(同)、藤井雅翔(青柳6)、西川皓(びわ南6)、西村旺志朗(坂田6)、伊吹文翔(浅井5)、宮元暖仁(同)、髙宮圭悟(長浜5)。

◇   ◇

 浅井長浜LVは、11月16日午前10時から長浜小学校グラウンドで野球体験会を開く。対象は小学1〜5年生で、初心者も歓迎。グローブやバットがなくても参加でき、服装も自由。詳細はチームのインスタグラム(https://www.instagram.com/azai_nagahama_lv/)で案内している。

2025年10月24日

滋賀選手団、意気高く出発式

「わたSHIGA輝く障スポ」25日開幕

 第24回全国障害者スポーツ大会「わたSHIGA輝く障スポ」(25〜27日)の開幕を前に、滋賀県選手団の出発式が23日、県民共済ドーム長浜で行われた。式には原陽一団長(滋賀県障害者スポーツ協会会長)をはじめ、役員・選手ら185人が出席。大会に向けて決意を新たにした。

 全国障害者スポーツ大会は、国民スポーツ大会終了直後に同じ都道府県で開かれる障害者スポーツの全国大会で、障害のある選手が競技を通じてスポーツの楽しさを体験するとともに、障害への理解促進や社会参加の推進を目的としている。

 主催は日本パラスポーツ協会、文部科学省、開催地自治体など。1965年に始まった全国身体障害者スポーツ大会と、1992年からの全国知的障害者スポーツ大会が統合され、2001年から現在の形で続く。

 今大会では、陸上や水泳、卓球、ボウリング、ボッチャなど計14種目の正式競技のほか、卓球バレーやゴールボールなどのオープン競技も4種目が行われる。

 長浜市内では、県民共済ドーム長浜を会場にフットソフトボール競技が実施される。知的障害のある選手が9人1チームで出場し、ピッチャーが転がしたサッカーボールをキッカーが蹴ってプレーする。

 滋賀県選手団は、監督・コーチら役員147人、選手288人の総勢435人と過去最大規模で臨む。

 出発式で中村守・県文化スポーツ部長は「国スポで滋賀県選手団が総合優勝を果たした。次は皆さんの出番。日ごろの練習の成果を発揮し、私たちも負けないように応援する」と手話を交えて激励した。

 続いて原団長が「国スポでは天皇杯・皇后杯を獲得する優秀な成績を収めた。この良い流れを私たちも受け継ぎ、全国から集う仲間と交流を深めながら、県民の皆さんに応援してもらえるように全力で戦う」と力強く述べた。

 式の締めくくりでは、原団長の「滋賀県選手団、頑張るぞ!」のかけ声に合わせ、参加者全員が「おー」とこぶしを突き上げ、心を一つにした。

 出場する長浜市、米原市の選手は次の皆さん。

 【長浜】服部周恩(陸上競技)、川端透(同)、松島克広(フライングディスク)、尾岡直城(同)、住友滉城(同)、田中遼(同)、服部優弥(ボウリング)、清水千浪(車いすバスケットボール)、田中宏明(グランドソフトボール)、肥満孝史(同)、大住周平(バレーボール身体障害の部)、石川佳寿美(同)、中西美空(同)、脇坂侑希子(同)、林陽己(フットソフトボール)。

 【米原】大野勇(陸上競技)、北村心音(同)、澤麻衣子(同)、小倉智博(卓球)、井尻大貴(ボッチャ)、岡本英樹(バレーボール身体障害の部)、藤原拓真(サッカー)、横田奏心(同)、下村治輝(フットソフトボール)。

2025年10月24日

近江高の藤田選手 FC岐阜へ

米原出身のDF「プロ夢だった」

 近江高校3年の藤田准也選手(18)=米原市夫馬=が20日、サッカーJ3リーグのFC岐阜と仮契約を結び、「プロになるのが夢だったのでうれしい」と喜びの表情を見せた。

 藤田選手は大原小1年の時に大原JFCでサッカーを始め、大東中ではFostaFCに所属。近江高校では、身長184㌢、体重73㌔の恵まれた体格を生かしてセンターバックを務め、2年生からインターハイなどの全国大会で活躍した。今年6月にFC岐阜での練習に参加した後、入団のオファーを受けた。当初は大学進学も考えていたが、「子どもの時からプロになるのが夢だった」ことから快諾した。

 仮契約を終えた藤田選手は「まさかという思いで、実感がないけれど、とてもうれしい」と笑顔を見せながら「今の体の強さではプロで通じないと思うので、筋トレをして体作りに努めたい」と意気込みを語った。

 自身の持ち味については「1対1の守備では負けない自信がある。攻撃では1本のロングパスで試合の流れを変えられるよう、精度を高めたい」とし、将来の目標としては「FC岐阜がJ2、J1へ昇格していけるよう、チームと共に成長したい」と力を込めた。

 近江高校サッカー部は強化指定校となって10年目を迎えるが、卒業後すぐにプロ入りするのは藤田選手が初めて。

2025年10月14日

伝統と革新、ランウェイに

長浜きものアワード YOSHIKIさん「芸術に正解はない」

 学生による創作着物のコンテスト「長浜きものアワード」が13日、豊公園で開かれた。ロックバンド「X JAPAN」のYOSHIKIさんがゲスト審査員を務め、会場にはファンが着物姿でかけつけ「ヨシキー」と黄色い声援を送っていた。

 きものアワードは、オリジナルの着物や帯を取り入れた和装コーディネートを学生たちが提案するコンテストで、長浜きもの大園遊会に代わる和装イベントとして昨年始まった。アート部門、浜ちりめん部門に全国8校の26チームが出場し、ドレスやカジュアルなパンツルックなど着物の生地や帯を斬新に加工したモード感あふれる衣装をランウェイで披露していた。最優秀のグランプリには「熱帯美」をコンセプトにした成安造形大学のチームが輝いた。

 YOSHIKIさんは実家が呉服店を営み、自身もオリジナル着物ブランドをプロデュースしている。着物について「アメリカに住んで30年経つが、海外にいるからこそわかる日本の素敵な文化を、大切に、誇りに思う」と語り、学生には「芸術に正解はない。皆さんのパッションを注ぎ込むことが大切」とアドバイスした。

 きものアワードについて「日本の文化をただ守るだけでなく、革新的に攻めていくスタイルに感銘を受けた」「素敵な日本の文化を守りつつ、若い世代が素晴らしい革新的なデザインで伝統を守ってもらえれば」と話した。

 会場では着物姿の女性ファンがスマートフォンのカメラを向けながらYOSHIKIさんに「ヨシキー」「よっちゃん」などと歓声を送り、YOSHIKIさんも笑顔で「Xポーズ」で応えていた。

 

 

2025年10月10日

びわ出身、坂口さんノーベル賞

生理学・医学賞  「制御性T細胞」発見

 今年のノーベル生理学・医学賞が6日発表され、長浜市出身で大阪大特任教授の坂口志文氏(74)が受賞者に選ばれた。細胞の過剰な免疫反応を抑制する「制御性T細胞」の発見と、その役割の解明が高く評価された。

 人間の免疫は、体外から侵入する病原体を排除する一方、自身の組織を誤って攻撃する危険も抱える。坂口氏は、過剰な免疫反応を防ぐ「ブレーキ役」を探り続け、長年、その存在が疑問視されてきた細胞を突き止めた。これが制御性T細胞だ。研究により、制御性T細胞は自己免疫病(アレルギーやリウマチなど)の発症に深く関わることが明らかとなった。また、がんでは逆に制御性T細胞が働きすぎて免疫応答を弱め、腫瘍が免疫から逃れて増殖することも判明した。

 制御性T細胞をコントロールできれば、免疫反応を状況に応じて強化・抑制できる医療につながる。その研究成果は自己免疫疾患やアレルギー、がんといったさまざまな病気の治療開発に道を開いている。

 坂口氏は長浜市曽根町出身。びわ南小、びわ中、長浜北高を経て、京大医学部卒。大学院を中退して愛知県がんセンターの研究生になり自己免疫疾患の研究を始めた。83年に医学博士号を取得。約10年間、米国で研究を重ね、帰国後は京大再生医科学研究所教授などを経て、大阪大名誉教授・特任教授、京大名誉教授を務める。2019年には文化勲章を受章している。

家族や同級生、吉報に笑顔 受賞候補に挙がって10年

 制御性T細胞の発見で2015年にノーベル賞の登竜門と呼ばれる「ガードナー国際賞」を受賞したのを機に、アメリカの調査会社トムソン・ロイターがノーベル賞の有力候補に取り上げた。以来、母校の長浜北高に取材依頼が殺到し、このため、その年からノーベル賞発表日に同級生や関係者らが長浜北高に集ってメディアのカメラの前で吉報を待つ行事が恒例化していた。

 2020年からは会場を市役所に移し、市職員らも吉報を待つように。今年も坂口氏の兄の偉作さんや同級生ら約20人が集ってメディア関係者の前でインターネット中継を、かたずをのんで見守った。坂口氏の名前が発表されると、「オー」という歓声と拍手が沸き起こり、手を握り合ったりして喜びを爆発させた。万歳三唱やクラッカーを鳴らして快挙を祝った。

 ノーベル賞が期待されて10年。偉作さんは「ようやく取れた」と笑顔を見せ、昨年104歳で亡くなった母親が受賞を一番待ち焦がれていたと振り返った。「すぐに墓前に報告したい」などと語った。

 長浜北高の大森文子校長は「長浜北高と長浜高校が統合して10周年の節目に、このような嬉しいお知らせをいただき、本当に喜ばしいこと」と語った。

 同級生の木全正顕さんは「坂口君、ノーベル賞受賞おめでとう。君が候補者として名前が挙がって10年たった。この間、私たち同級生は毎年集まって君の受賞を待った。やっとおめでとうと言える」と声を弾ませた。

2025年10月9日

国スポ熱戦に幕、滋賀総合優勝

佳子さまご臨席のもと閉会式、障スポへ炬火引き継ぎ

 第79回国民スポーツ大会「わたSHIGA輝く国スポ」の総合閉会式が8日、平和堂HATOスタジアム(彦根市)で行われ、会期前(9月6日〜15日、21日〜25日)と本会期(9月28日〜10月8日)合わせて26日間にわたる祭典に幕を下ろした。

 閉会式には秋篠宮家の次女・佳子さまがご臨席。ブルーインパルスの編隊飛行が花を添え、表彰状の授与が行われた。今月25日から3日間行われる障害者スポーツ大会への炬火の引き継ぎなどがあった。

 開催県の滋賀県選手団は、男女総合成績1位の天皇杯と女子総合成績1位の皇后杯をそろって獲得し、佳子さまから授与された。

 県選手団は総合得点2488・0点を挙げ、前年の佐賀大会(1439・0点、8位)を大きく上回った。女子成績も1244・5点(前年747・0点、11位)と飛躍。入賞は210種目にのぼり、前年の127種目から大幅に増加した。地元開催県の優勝は、第75回茨城国体以来6年ぶり。

 競技別ではテニス、レスリング、馬術、柔道、バドミントン、剣道、カヌー、アーチェリーの8競技が天皇杯1位、レスリング、馬術、柔道、ソフトボール、剣道の5競技が皇后杯1位となった。

 県競技力向上対策本部は「選手育成のノウハウや選手・指導者層の充実といった成果を、競技団体とともにレガシーとして次世代につなげたい」とコメントしている。

 

2025年10月8日

国スポ・ホッケーで滋賀3位

少年女子と成年男女の3部門

 米原市内で行われたホッケー競技では、滋賀代表チームが成年男子、成年女子、少年女子が3位、少年男子が5位の成績を残した。ホッケー競技はOSPホッケースタジアムと伊吹第1グラウンドを会場に、成年男女と少年男女の各部の滋賀代表と全国各地の地方代表の計10チームずつがトーナメント方式で戦った。

 成年男子は3位決定戦で福井代表を2対1で、少年女子は岩手代表を1対0で破って銅メダルを獲得。成年女子は奈良代表と1対1で両チームが3位となった。少年男子(伊吹高)は準々決勝で福井代表に0対4で敗れた。

 少年女子の堀江雅主将(伊吹高3年)は「優勝できず、悔しい。同じ伊吹高の少年男子が準々決勝で負けたので、余計に勝ちたかった。でも地元開催だったので、メダルを何とかとれてチームとしてはよかった」と安どの表情を見せた。また、得点を決めた山本鈴菜選手(伊吹高2年)は「自分の1点で勝利できてよかった。3年の先輩方はたのもしく、本当にいいチーム」と笑顔で語った。

柔道、成年・少年男子準V

 湖北THGツインアリーナで5日から7日まで行われた柔道競技では滋賀代表の女子が1試合も落とすことなく無失点で2年ぶりの優勝を果たしたのに続き、成年男子と少年男子も順調にトーナメントを勝ち進んだ。いずれも決勝戦で敗れ準優勝となった。特に少年男子の決勝は5人による対戦の結果、2対2の同点だったため代表選にもつれ込んでの惜敗だった。

 また、6日には寛仁親王妃信子さまがアリーナを訪れ、熱気に包まれた成年男子の試合を観覧された。

瀬古選手、走高跳3位

 県スポーツ協会所属で、長浜市を拠点に活動する陸上スクール「FAAS T&F」の特別コーチを務める瀬古優斗選手は陸上・男子走高跳で2㍍26を跳び3位に入賞した。

 瀬古選手は8月、日本歴代2位タイとなる2㍍33を跳び、9月には東京世界陸上に出場するなど今年、大きく飛躍した。「地元の方々の温かい応援を肌で感じることができた」と国スポを振り返り、「東京世界陸上では10位という結果に終わったが、2年後の北京世界陸上でメダルを獲るために、今回の国スポで予選・決勝の2日間を経験できたのは大きな収穫」と話した。

2025年10月6日

柔道競技、ツインアリーナで開幕

滋賀女子が無失点で、2年ぶり団体優勝

 国民スポーツ大会の柔道競技が5日、湖北THGツインアリーナで開幕した。アリーナはびわこ国体の柔道会場となった伊香体育館を増改築して整備されており、44年ぶりに各都道府県の意地をかけた熱戦が展開されている。

 初日の5日と6日午前には女子の部があり、5人による団体でトーナメント戦を争った。2023年の鹿児島大会で優勝、24年の佐賀大会で準優勝している滋賀代表は無失点で順調に勝ち進み、佐賀との決勝戦では1勝3分けで大将戦までもつれこむ接戦となった。大将戦も互いに譲らず引き分けとなり、1対0で2年ぶりの優勝を果たした。

 滋賀代表は比叡山高の生徒3人とOG2人の計5人で構成。比叡山は今夏のインターハイ団体で初優勝を果たすなど全国屈指の実力を持つ。

浅井小出身 井上選手、徳島代表で出場

 浅井小出身で徳島県の生光学園高校3年の井上愛翔(あいか)選手が同県代表で出場した。

 井上選手は浅井柔道スポーツ少年団で技を磨き、浅井小卒業後に強豪として知られる生光学園中学・高校に進学した。17歳以下の48㌔級で日本代表に選ばれるなど活躍が目覚ましい。

 故郷での試合に観客席から大きな声援が送られ、「普段は画面越しでしか応援がないが、直接、応援の声を聞けた。このチームで戦うのも最後。故郷なので試合を楽しみたい」と話した。試合には先鋒として出場した。なお、徳島は3回戦で長崎に敗れ、16強止まりだった。

2025年10月2日

国民スポーツ大会、各地で熱戦

ドームで相撲、長浜の高校生奮闘

 国民スポーツ大会(9月28日〜10月8日)が開幕し、県内各地で熱戦が繰り広げられている。長浜市内では相撲が29日〜10月1日までの3日間、県民共済ドーム長浜で開かれ、少年男子と成年男子の部で各都道府県の代表チームが戦った。

 少年男子の部は長浜市内の高校生3人を含む5人が出場。団体戦は予選を突破できなかったものの、長浜北星高校2年の三橋昇也選手が個人成績で3戦全勝し、決勝トーナメントに進出し、開催県の意地を見せた。決勝トーナメントでは初戦を突き落としで勝利。2回戦は3位入賞した鹿児島代表の選手に押し出しで敗れ、入賞はならなかった。三橋選手は「インターハイではボロ負けした。その悔しさをぶつけてやろうという気持ちで大会に臨んだ。団体戦の結果は悔しいが、個人で決勝に出られて良かった」と話した。

 会場には地元の小学生らも応援に駆け付けバルーンスティックを打ち鳴らして選手に声援を送った。長浜北高1年の川上大知選手は「平日にも関わらず多くの方に応援にきていただき、その声援に背中を押された」と語った。試合結果については「1回も勝てず自分の良いところを出せないまま終わってしまった」と悔しさをにじませ、「これをばねに日々の練習にもっと取り組みたい。また、国スポに出られるよう頑張る」と決意を新たにしていた。

 

長浜の下司兄弟、あと一歩 弓道近的、「競射」の末、予選敗退

 弓道は9月29日、彦根市のプロシードアリーナHIKONEであり、長浜勢2人が出場した成年男子近的は決勝枠の上位8チームにあと一歩及ばない9位となり予選敗退となった。

 競技はチーム3人で28㍍先にある直径36㌢の的を狙い、的中させた本数を競う。長浜市からは下司惇太選手(長浜信用金庫)、下司皓太選手(ワボウ電子)の兄弟が出場。

 滋賀チームは計24本のうち20本を的中させた。滋賀を含む4県が同じ本数で並び、決勝トーナメントに進める残り2枠をめぐってサドンデス形式の「競射」を行ったが、及ばなかった。

 

2025年10月1日

国スポ開幕 両陛下もご臨席

滋賀の文化と伝統で全国の選手を歓迎

 第79回国民スポーツ大会(国スポ)が9月28日に開幕し、11日間の熱戦に幕が上がった。彦根市の平和堂HATOスタジアムで行われた総合開会式には天皇皇后両陛下がご臨席。甲賀忍者ショーや江州音頭など滋賀らしい演出が披露され、全国から集まった選手や観客を魅了した。大会は10月8日まで県内各地(一部県外)で37競技が行われる。

 開会式には選手・監督2601人、観覧者6007人を含む計1万7750人が来場。タレント宮川大輔さんらが司会を務めた。式典前のウェルカムフェスタでは、よさこい演舞や「うみのこリレー」、大会イメージソング「シャイン!!」の手話歌唱など多彩な催しで会場を盛り上げた。

 オープニングでは伊吹高書道部が巨大紙に「わたSHIGA」などを書き上げ、東近江大凧保存会の大凧とコラボ。江州音頭や忍者演舞とともに滋賀の文化をアピールした。選手入場の最後に地元滋賀の選手団720人が登場すると、観客席から大きな歓声が起こった。

 三日月大造知事が開会を宣言し、滋賀出身歌手・西川貴教さんが国歌を独唱。天皇陛下は「日本一の琵琶湖が交通の要所として、人と人とが結びつき、歴史と文化が根付いたこの滋賀の地で、選手の皆さんが練習や努力の成果を発揮されることや、互いの友情を育み、滋賀の皆さまとの交流を深められることを願っています」とお言葉を述べられた。炬火は桐生祥秀選手や大橋悠依選手らが点火し、滋賀代表の藤井達哉選手(レスリング)、山田聡子選手(ライフル射撃)が選手宣誓を行った。

 両陛下ご退席後には西川さんのミニコンサートが行われ、来場者をさらに沸かせた。西川さんは「世界レベルの選手たちの競技が県内各所で観覧できる機会にもなる」と県内各会場への来場を呼びかけた。