湖北の消防士3人 全国入賞

機器改良・開発と意見発表で

 湖北地域消防本部の職員3人が消防機器の改良・開発や意見発表の大会で全国入賞し、17日、消防本部で表彰式が行われた。

 表彰を受けたのは全国消防協会主催の消防機器改良・開発論文で会長賞(優賞)を受けた東浅井分署の浦島智彦さん(40)と山瀬樹さん(26)、全国消防長会主催の意見発表会で入賞した長浜消防署の出路夏穂さん(26)。いずれも県予選、東近畿予選を通過して全国大会に出場した。

 浦島さんらは消防現場で使用頻度の高い「三連はしご」の安定性を高める器具を開発。三連はしごを使用する際には支え役がはしごの基底部に足をかけ固定するが、ぐらつくことがある。開発した金属製のプレートを基底部に取り付けたうえで踏むことで「確保力」が4割程度向上した。表彰を受け、浦島さんは「受賞は光栄で、良い経験となった。これからも日ごろ気付いた課題を改善する気持ちを持って活動していきたい」、山瀬さんは「表彰は消防人生における大きなポイントになる。一生懸命取り組んだことが評価され嬉しい。今後も開発を進めたい」と話している。

 出路さんは意見発表会で、女性消防職員の悩みや不安を共有・解消するSNSアカウントの作成を提案した。

 湖北地域消防本部初の女性消防職員として採用され、男性主体の職場の中で「気を遣われている」などとストレスを抱えた自身の経験を伝えたうえ、全国で同年代の女性が同じ悩みを抱えているとして、SNS活用で「都道府県や本部の垣根を越えて支え合うことで多くの女性消防職員の心を救うことができる」と発表した。

 発表後は湖北地域消防本部に「境遇が同じ」などと悩み相談の連絡も入っており、出路さんは「女性が1人しかいない消防署もある。私が発表会に出たことで、同じ悩みを持っている女性職員が多くいることを知ってもらうきっかけとなった」と話している。

掲載日: 2021年09月17日