2024年12月27日

長浜八幡宮で迎春準備進む

巫女さん「笑顔あふれる1年に」

 毎年多くの初詣客でにぎわう長浜八幡宮で、迎春準備がピークを迎えている。

 15万人の初詣客を見込む八幡宮では正月三が日を高校、大学生を中心とする巫女40人体制でもてなす。今月21日から社務所で準備作業が本格化し、参拝者に授与する破魔矢に来年の干支「巳年」の絵馬を結び付けたり、お守りを袋詰めしたりしている。

 「一度、巫女さんをやってみたかった」と話す森田小百合さん(15)は白衣・緋袴に身を包み「すこし緊張感が出ます」と背筋を伸ばす。昨年に続いて巫女を務める服部結羽さん(17)は「参拝客の1年が笑顔であふれるようにとの思いを込めてご奉仕したい」、村口雅弥さん(16)は「良いことがたくさんある1年になることを願って笑顔で対応したい」と話している。

 長浜八幡宮の年末年始の行事は次のとおり。

 【31日】午後3時、大祓式▽7時、除夜祭▽10時半、どんどに点火▽11時半、落語家・笑福亭仁昇さんとカウントダウン。

 【1日】午前0時、歳旦祭、新春縁起札入りちくわ撒き(0時、0時半の2回、計2000本)、生田流正派による新春初琴の奉納演奏▽7時、神歌奉納▽9時、一心無双流居合道奉納、光粋流舞道による剣舞歌謡舞の奉納。

 【2日】午前9時、日供始祭。

 【3日】午前9時、元始祭。

2024年12月20日

どうしたら客室乗務員になれますか?

長浜出身の中川さん「あこがれのスチ子さん」出版

 海外航空会社の客室乗務員(CA)を9年間務めた曽根町出身の中川知香さん(42)がCAになるためのノウハウやステップを収録した「あこがれのスチ子さん 一人の少女が夢を叶えるCA誕生物語」(日本橋出版)を出版した。

 「どうしたら客室乗務員になれますか?」—物語は中川さんがCA時代に幾度となく受けた質問から始まる。女子大生のハナちゃんがヨーロッパへの機中で出会ったのはCAのスチ子さん。「客室乗務員の仕事って大変って聞いたんですが…」「自分にはまったく自信がないんです」といった相談にスチ子さんが親身に乗り、CAになる夢を自己実現させるための方法を、具体例を挙げながら分かりやすく解説している。また、「相手に自分の魅力を知ってもらうためには、まずは、自分が自分のことを知ることが大切」などと夢を実現するための心の持ちようもアドバイスしている。

 「客室乗務員になるために大切なこと」「応募への道のり」「挫折を乗り越えて夢をつかむ」など7章構成で、「航空業界の10個の豆知識」と題したコラムも掲載している。

 中川さんは虎姫高を経て名古屋市内の大学を卒業後、大手IT企業に就職したが、心の奥に秘めていた海外で働きたいとの思いに気付き、タイ国際航空で4年間、ドイツのルフトハンザ航空で5年間、CAを務めた。現在はタイに古くから伝わるハーブの民間療法を日本に伝えるため、タイと北海道を行き来しながらハーブテントサウナ店「lenlen」をネット上で運営している。

 CAの仕事について「広い世界に出ると、自分の人生の選択肢となりうるいろんな生き方に出会える」とその魅力を紹介する中川さん。「海外に憧れ、広い世界を見たいと思っている方に読んでもらいたいのはもちろん、なりたいものがある人にも読んでもらいたい」と語り、「若い頃にときめいたり心躍ったりした感覚にフタをしないで、可能性を自分でつぶさないでほしい」と呼びかけている。

 B6判170ページ。巻末には中川さんのメッセージを聴けるQRコードが付記されている。1650円。全国の書店(取り寄せ)、インターネットで購入できる。

2024年12月12日

「発酵オカン」来秋書籍化へ

木之本の食文化と暮らし、全国に発信

 地元で育まれてきた発酵食文化を全国に発信しようと、木之本町の女性グループ「発酵オカン」をテーマにした書籍の出版プロジェクトが進んでいる。地元のまちおこしグループ「ツボのソコ」ではクラウドファンディング(CF)を通じて書籍化の情報を広く発信するとともに、PR資金を募っている。

 酒蔵や醤油蔵が並ぶ木之本では、かつてはどの家庭でも季節の漬け物を作ったり、味噌を仕込んだりすることは当たり前の光景で、それら郷土の発酵食が食卓に並んだ。時代の移り変わりで地域の発酵文化が途絶えつつある中、その継承に取り組もうと2019年にツボのソコが発足。発酵オカンが作る郷土食の数々を全国に届ける「オカンの発酵便」を発売してきた。

 昨年「オカン」がテレビ出演したのをきっかけに、関東・関西で書店45店舗を展開する有隣堂(横浜市)から書籍化の声がかかった。同社は「『なれずし』『漬物』など、滋賀県北部に代々レシピとともに受け継がれた発酵文化。日々の暮らしのなかで仕込み、食べ、笑顔で語らい、『オカンの発酵便』として通信販売するオカンたちのパワー。その四季の暮らしと味、レシピを全国に発信したい」としている。

 取材・執筆・イラストを担当するのはツボのソコのメンバーで、イラストレーター、ルポライターの松浦すみれさん。「日本酒ガール」として自著を出版した際に木之本を訪れ、その後、縁あって移住した。これまで制作してきた冊子や「発酵新聞」をもとに、四季のオカンたちの手仕事や湖北の食卓を描きながら、オカンたちとの交流を通じて感じた暮らしぶりや生き方の魅力をつづる。来秋の出版予定。

 CFは300万円を目標に来年1月12日まで実施。出版の販促費(展示会出展費用、イベント開催運営費用など)に充てる。返礼品は書籍や漬物など。詳細はCFサイト(https://camp-fire.jp/projects/797184/view?list=project_instant_search_results)から。

2024年12月11日

伊吹高 書の甲子園で初の全国優勝

11人が入賞・入選

 「書の甲子園」として知られる第33回国際高校生選抜書展で、伊吹高校が団体の部で初の全国優勝を達成した。さらに、創作の部で加藤花季さん(2年)が2年連続で最高賞の文部科学大臣賞に輝いた。 団体の部は、個人の部の入賞・入選に応じた配点の合計点で競われる。伊吹高書道部の部員15人のうち、加藤さんが文部科学大臣賞、部長の中川あかりさん(3年)が優秀賞、大谷咲楽さん(1年)が秀作賞に輝くなど11人が入賞・入選を果たし、全国優勝を成しとげた。昨年には初めて準優勝となり、全国から注目を集めていた。 全国優勝に中川さんは「優勝できればいいなと心の中に秘めていたが、いつも通りに書いた。今でも実感が沸かないが、最終学年で優勝でき嬉しい」と笑顔を見せ、「私たちだけで獲れた賞とは思っていない。家族や先生などまわりの方に感謝しないと」と語る。副部長の大間千代さん(3年)は「昨年はあと一歩だったので少し悔しかった。来年こそはと思っていて、優勝できてよかった」と話す。 同部は蝋やボンドを使うなど多彩な表現を大切にし、イベントなどで披露している機動展示(書道パフォーマンス)も創作意欲を刺激している。顧問の押谷達彦教諭(59)は「好きなように書いて、賞をもらった。すごいな、えらいこっちゃ、というのが正直な思い」と語り、今は来年2月9日に大阪市内で開かれる表彰式で披露するパフォーマンスのことで頭がいっぱいという。「全国の強豪校が集まるし、普段よりもう少し上手に書かなあかんな」と部員に声をかける。 国際高校生選抜書展は毎日新聞社と毎日書道会の主催で、応募総数1万0635点(国内1万0494点、海外141点)から入賞206点、入選1821点が選ばれた。 入賞作品展は来年2月5日から9日まで神戸市の兵庫県立美術館王子分館「原田の森ギャラリー」で、表彰式は2月9日、毎日新聞大阪本社オーバルホールで。加藤さん 史上初の2年連続最高賞 2年連続で文部科学大臣賞に輝いた加藤さんの作品は室生犀星の詩「山上の星」からインスピレーションを得て、甲骨文字で「望星」と書き、蝋書きで詩を添えた。作品のテーマを探しているとき、祖母が病気になっていることを知らされ、いつも見上げる夜空の星に病気が治って欲しいとの希望を託した。 1カ月半をかけて何度も書に向き合い、字のバランス、墨の量、かすれ具合など思い通りに仕上がった作品で書の甲子園に挑んだ。 加藤さんは伊吹高に入学した際の部活動体験で蝋の香りに引き寄せられて書道部へ。蝋書きを体験したのを機に、書に夢中になった。昨年、書を始めてわずか半年で最高賞を受賞。そして今年も最高賞に輝き、史上初の2年連続の快挙となった。 「2年連続の受賞に信じられない思い。もう1回、最高賞を獲れるとは思っていなかったのでプレッシャーはなかった。今後も詩を選ぶ自分の感覚を大切にし、納得のいく作品づくりを続けたい」と話している。

 

2024年12月9日

ちびっこ力士、白熱の取組

西黒田まちセンで相撲大会

 長浜市長杯・長浜市相撲連盟会長杯相撲大会が8日、西黒田まちづくりセンターで開かれ、幼児から小学6年生までが白熱の取組を繰り広げた。

 今年で7回目を迎える大会で、同センターのホール内に特設した土俵上で43人が熱戦を展開。リーグ戦やトーナメント戦で学年別に争った。子どもたちは「はっけよい」の合図で体をぶつけ、土俵際での白熱の攻防には友達や保護者から「頑張れー」などと声援が飛んでいた。

 各部門の上位入賞者は次のみなさん(所属無記名は長浜相撲クラブ)。

 【年中児】①片山莉子(長浜南認定こども園)【年長】①高橋朔②廣田湊一(長浜南認定こども園)③藤田羽泰(同)④片山陸(同)【1年】①大澤琉偉②浅見達成(浅井柔道)③横田迅④上橋正典【2年】①橋本淑年②清水重宗(浅井柔道)③宇津野太一④押谷蒼生【3年】①瀬一心②丹羽煌雅(浅井柔道)③上橋正宙④横田凰介【4年】①橋本奈々②山中雄琉③清水重徳(浅井柔道)④西木禅(同)【5年】①内田奏那②浅見昴(浅井柔道)③平津未来④籔内魁塁【3・4年女子】①橋本奈々②押谷花楓③宇津野来幸【5・6年女子】①安達空②内田奏那③平津未来。

2024年12月2日

丹部シェフ、グランプリ

イタリア料理コンテスト

 大井町出身で名古屋市のイタリア料理店でシェフを務める丹部優(ゆう)さん(35)が11月26日、東京で開かれた「第5回イタリア料理コンテスト」(日本イタリア料理協会、カゴメ主催)でグランプリに輝いた。

 今大会は「豆の可能性」をテーマにカゴメの冷凍豆・穀類を使ったオリジナル作品を公募。新進気鋭の料理人などから160作の応募があり、丹部さんら6人が決勝に進出。会場では観衆の目前で調理し、イタリアンの巨匠・片岡護さんら4人が試食した。

 丹部さんはイタリア中部の郷土料理を独自にアレンジした「カッチュッコ ディレグーミ ペル イル フトゥーロ(未来のための新しい豆料理)」で勝負。魚のブイヤベースを豆にしみ込ませたメニューで、自分が得意とする味(酸味)をアクセントにし、すべての食材の食感を大切にしながら、飽きのこない「ヘテロ感」を演出した。審査員からは「イタリアの味を見事に再現している」「豆が主役となり、無限の可能性を引き出している」などと評価された。

 「前回は準グランプリで、今回にかける思いはひとしおだった。ソムリエの資格取得と並行しての挑戦で、とてもハードだったが、支えてくださった皆さんの声に応えたい一心で頑張った。副賞のイタリア旅行を利用して、かつての修業先に凱旋したい」と話している。

 丹部さんは京都調理師専門学校を卒業後、京都で就職したが、小麦粉アレルギーを発症。地元の長浜に戻って体調を整えながら、和食、中華などの料理を学び、2013年、イタリア料理の道へ。名古屋のレストランで修業を重ねた後、19年、渡伊。ルッカの1つ星「リストランテ・インブート」で郷土料理などを学んだ。

 帰国後は名古屋市内の新規店舗の立ち上げなどに関わるほか、長浜、米原で料理教室を開催。現在、イタリア料理店「セルジョ」のシェフをしながら、姉妹店のメニュー開発にも携わっている。

2024年12月2日

多彩な授業、過去最多1000人受講

さざなみタウンで6回目の「コミュカレ」

 市民が「先生」となって趣味や特技、知識を生かした授業を行う「ながはまコミュニティカレッジ学園祭」(通称・コミュカレ)が11月30日、さざなみタウンで開かれ、過去最多となる延べ約1000人が受講した。

 コミュカレは2019年のさざなみタウンのオープンに合わせて始まり、今回で6回目。市民有志で組織する実行委員会が主催し、年々規模を拡大している。

 この日は1時間目から6時間目まで計50コマの授業があり、会議室や多目的ホール、音楽演劇活動室などを会場に多彩な授業が繰り広げられた。

 「猫でもわかる!ヘヴィメタの世界」では長浜ヘヴィメタル芸術研究会の上野賢治さんがヘヴィメタルの歴史や音楽性などを解説した。ヘヴィメタルの起源としてビートルズの「ヘルタースケルター」を挙げ(諸説あり)、現在は60種類以上のサブジャンルに細分化されていることを紹介。「同じ趣味のメタラーが出会うことは奇跡に近い」と指摘し、その特性として「サブジャンルが違うとまったく話が合わず、むしろ敵対することもある」と語り、受講者をうなずかせていた。

 このほか、「甘酒を日常生活に取り入れよう!」「探そう!やる気スイッチ」と題した授業や、オリジナルブレンドコーヒー作り、ボードゲーム体験などのワークショップもあり、家族で楽しむ姿が目立った。