2025年3月24日

赤田家住宅、有形文化財に

長浜市太田町、国の審議会が答申

 国の文化審議会は21日、江戸時代に庄屋を務めた旧家「赤田家住宅」(太田町)を国の登録有形文化財にするよう文部科学大臣に答申した。官報告示などの手続きを経て登録されれば、市内の登録有形文化財(建造物)は43件となる。

 答申されたのは、赤田家住宅主屋(1910年築)、離れ座敷(1916年築)、土蔵(1917年築)、物置(1967年頃築)、正門(江戸時代後期築)の5件。

 家伝によると赤田家は嵯峨源氏の流れをくみ、戦国時代には六角氏や浅井氏に仕えた。浅井氏滅亡後は当主の弟が現在地に移って帰農し、江戸時代には代々庄屋を務めた。大垣藩士の家に生まれ入り婿した10代目は地元の学校で教師を務め俳人としても活躍。屋敷では句会が催され、煎茶がふるまわれていたという。11代目は実業家で名古屋市議会議員も務め、茶人としても活躍した。

 主屋は江戸時代の建物が1909年の姉川地震で倒壊したため翌年に倒壊建物の部材の一部を利用して再建され、木造2階建ての桟瓦葺(さんがわらぶき)、片入母屋造(かたいりもやづくり)。「地域の庄屋の屋敷構えを伝える大規模農家建築であるとともに、県指定名勝の赤田氏庭園への眺望が優れた上質な建物として貴重」と評価している。

 離れ座敷は木造2階建て、桟瓦葺、切妻造(きりづまつくり)。円窓からの景色が座敷を彩り、「煎茶文化に精通した文人好みの離れ座敷」としている。

 正門は江戸時代後期に建てられ、建造物の中で最も古いと考えられる。現在では珍しい茅葺屋根で、赤田家の屋敷景観を構成する重要な建物となっている。

2025年3月13日

金賞は風間さん撮影「仲間と一緒に」

湖北野鳥センターの写真コンテスト

 湖北野鳥センターは13日、今年度の湖北野鳥写真コンテストの入賞者を発表した。金賞はゴイサギの成鳥と幼鳥をとらえた「仲間と一緒に」(地福寺町、風間一範さん)が選ばれた。

 コンテストは長浜、米原市内で撮影した野鳥写真を募り、153点の応募があった。審査で金、銀、銅賞各1点、道の駅湖北みずどりステーション賞5点などを選んだ。

 金賞に輝いた風間さんの作品は昨年9月に早崎町で撮影したもので、「アカメヤナギの芽の赤と葉の緑、飛翔しているゴイサギの幼鳥と成鳥の色合いの美しさが際立ち、野鳥と周辺の自然環境の一瞬が写されている。シャッターチャンス、構図、トリミングの仕方、色合い、総合的に素晴らしい作品」と評価された。

 入賞作をはじめ応募作品を紹介する写真展は15日から4月20日まで湖北野鳥センター、5月19日から30日まで市役所1階ロビーで開かれる。

 ほかの入賞者は次の皆さん。

 ▽銀賞=滝波友美(愛知県東郷町)▽銅賞=金巻愛翔(名古屋市)▽道の駅湖北みずどりステーション賞=大石正史(京都市)、加木屋千歳(三重県桑名市)、北嶋敏和(岐阜県垂井町)、白波瀬博己(大津市)、中川芽美(新庄中町)▽OMSYSTEM賞=村﨑新祐(新庄寺町)▽審査員特別賞=赤井秀樹(大阪府岸和田市)、伊藤直美(敦賀市)、松田滉平(京都市)、丸山富久(三田町)、山﨑愛生(湖北町山本)。

 

金賞 風間一範さんの「仲間と一緒に」

 

銀賞 滝波友美さんの「まるで妖精」

 

銅賞 金巻愛翔さんの「オオワシじゃんけん対決」

2025年3月12日

大正期の曳山祭礼図、初公開

町衆の家から見つかる、 「夕渡り」「籤取り式」など描く

 大正時代の長浜曳山まつりの祭礼行事を描いた「長浜曳山祭礼図」が市内で見つかり、15日から長浜城歴史博物館で初公開される。曳山のみを描いた屏風や版画はあるが「太刀渡り」「籤取り式」などの行事全体を描いた作品は初めての発見で、同博物館は「当時の祭礼のようすを知ることができ、重要な資料」としている。

 祭礼図は41枚で、いずれも画絹(がけん)に描かれている。サイズは縦が約54㌢、幅が42・5~162・5㌢。 子ども歌舞伎の稽古、かつら制作、山組集会、曳山巡行、夕渡り、長刀組の太刀渡り、桟敷席、お旅所に集合した曳山など多彩な行事や長浜町のようすが描かれている。同博物館は「全体を通して筆致は穏やかであるが、描かれた人々の表情は生き生きとしており、まつりで活気づく町のようすがよく表現されている」と評価している。 制作は大正4~6年ごろと推定している。大正4年以降に長浜町で設置が始まった電柱が描かれている一方で、大正6年まで実施していた春の曳山全基出場のようすがうかがえることから、この頃の曳山まつりを描いたとみられる。 祭礼図の存在は昨年春、市内の古美術商から知らされ、元々は市内の町衆の家にあったという。以来、博物館が描かれた絵を分析してきた。落款印章(らっかんいんしょう)はなく、作者は不明。それぞれの描写が詳細でまつりを記録しようとする意図が強く感じられることから、町衆の依頼受けた作者が実際の祭礼を見て制作したものと推測している。 曳山まつりを題材にした絵画作品は、曳山のみを描いた屏風や版画はあるが、祭礼行事全体を描いた作品はこれまでに確認されておらず、文化財級の発見という。また、祭礼行事だけでなく、当時の長浜の町中の景観も描かれている点も注目される。 博物館では新発見の「長浜曳山祭礼図」のうち10点を4月20日まで公開する。入館料は大人410円(4月1日以降は500円)、小中学生200円(長浜、米原は無料)。月曜休館。

2025年3月10日

長浜キヤノンの8人に感謝状

湖北地域消防本部、連携プレーで人命救助

 湖北地域消防本部は7日の「消防の日」に合わせ今年度の消防表彰式を行い、人命救助活動に貢献した長浜キヤノン(国友町)の従業員8人に感謝状、全国消防救助技術大会に出場した消防職員1人、消防機器を開発した消防職員4人に表彰状を贈った。

 感謝状が贈られたのは片桐聡さん(46)、大矢将之さん(38)、辻功さん(50)、川崎信一さん(53)、山中昌子さん(53)、北川直樹さん(39)、西川達哉さん(45)、中川郁男さん(59)。いずれも長浜キヤノンに勤務している。

 昨年10月3日朝、始業前の工場休憩室で男性(61)が突然倒れ、心肺が停止。最初に気付いた片桐さんが男性の意識や脈を調べ、119番通報を行うとともに、救急隊が到着するまでの間、AEDを使用したり、心臓マッサージを行ったりした。他の従業員も交代で心臓マッサージを施し、AEDや担架の準備、救急隊員の誘導などに協力した。また、看護師の資格を持つ山中さんは救急車に同乗し、男性の病歴などを救急隊員に伝えた。

 男性は救急搬送中に呼吸を再開し、病院到着時には会話ができるまでに回復。無事に社会復帰を果たした。湖北地域消防本部は「一つ一つの行動により、救命活動が絶え間なく継続され、男性の社会復帰につながった」として8人を称えた。

 感謝状贈呈式では清水正幸消防長が1人ずつに感謝状を手渡し、「誰もが躊躇する場面で、とっさに行動を起こされた皆さんの勇気が尊い命を救った。こうした活動を多くの人に知ってもらい、地域の人が助け合える社会になれば」と話した。

 最初に男性に駆け寄った片桐さんは長浜市消防団浅井北分団で約8年間、消防団活動に従事している。「消防団員のスキルを生かせて良かった。初めてのことだったが、体が勝手に動いた」と振り返っていた。

 

長浜消防署の5人を表彰 救助大会や機器開発論文で入賞

 消防職員への表彰状は、全国消防救助技術大会ロープブリッジ渡過の部で入賞した古川幸平さん(30)、全国消防協会主催の「消防機器の改良及び開発」に関する論文で東近畿支部代表として推薦され、入賞した浦島智彦さん(43)、薮田唯人さん(22)、西村公利さん(46)、奥出晴貴さん(32)の5人(いずれも長浜消防署勤務)に贈られた。清水消防長は「功績は日ごろの職務におけるたゆまぬ研鑽と努力の成果。今後も日々努力を続けてほしい」と声をかけていた。

2025年3月5日

ほおずき作業所 「駄菓子屋号」リニューアル

双葉中生がタペストリーをデザイン

 米原市社会福祉協議会の「ほおずき作業所」(同市新庄)が地域のイベントなどで出店している移動販売車「駄菓子屋号」の車両がリニューアルされた。日ごろから交流のある近くの双葉中生徒が駄菓子屋をPRするタペストリーのデザインを手がけ、新しい門出に花を添えた。

 作業所は軽バンを使用して約15年前から駄菓子屋を出店し、地域サロンやイベントなどで駄菓子約150種類を販売している。作業所で働く障害者が店を切り盛りし、売上は賃金に反映されている。

 初代の車両が老朽化したことから、2代目を手配。車両は日ごろ別の業務に使っていることからラッピングを施すことができず、一目で駄菓子屋とは分からない。このため、出店時に駄菓子屋と分かるようなタペストリーを制作することになり、双葉中にデザインを依頼した。

 同校は職場体験や「ほおずき市」でのブラスバンド演奏、運営のボランティアなどとして日ごろから作業所に協力しており、今回は創作部の部員がタペストリーのデザインを担当した。

 タペストリーは縦1・9㍍、横1・2㍍で、「駄菓子屋」「リサイクルショップほおずき」の文字とともに、飴やチョコ、サイダー、イカ珍味などを賑やかに描いている。主にデザインを手がけた副部長の須戸菜乃華(なのは)さん(2年)は「こんな駄菓子があればいいなとデザインした。タペストリーの絵を見ていただいて、駄菓子を手に取ってもらえれば」と話し、部長の上田空峯(そらね)さん(2年)は「ほおずきの駄菓子屋を皆さんに利用してもらいたい」と話している。

 作業所の野瀬育美さん(29)は「タペストリーはすごく可愛らしいデザイン。みんなに覚えてもらえると思う」、古池恒さん(30)は「お客さんにたくさんお菓子を買ってもらえれば。新しい駄菓子屋号では企業などでも販売してみたい」と話した。

 駄菓子屋号の出店の依頼はほおずき作業所℡(52)4659へ。

2025年3月4日

清水達さん、ジュニア五輪へ

浅井小6年、スキー大回転で県優勝

 浅井小6年の清水達(ひろ)さんが1日にびわ湖バレイで開かれた県ユーススキー大会(第2戦)の大回転競技(小学5、6年生の部)で優勝。22日に長野県で開かれるJOCジュニアオリンピックカップ全国大会に滋賀代表として出場することになった。

 4歳からスキーに親しんでいる清水さんは小学2年から本格的に競技を始めた。夏場は浅井陸上クラブで脚力を鍛え、冬場は滋賀や岐阜のスキー場で練習に打ち込んでいる。

 1月19日に箱館山で開かれた大会(第1戦)では惜しくも準優勝となり、雪辱を誓っての第2戦で見事初優勝。翌2日に開かれた読売杯争奪箱館山ジュニアスキー選手権大会でも優勝した。

 全国大会は長野県上田市の菅平高原パインビークスキー場で開かれ、清水さんは「滋賀県代表として、自分の力をすべて発揮し、上位に入りたい」と決意を語っている。

 なお、弟の逞(たくま)さん(浅井小4年)も1日の県ユーススキー大会(第2戦)、2日の箱館山ジュニアスキー選手権で優勝し、妹の心咲(みさき)さん(浅井小1年)は両大会で準優勝(いずれも大回転)。きょうだい3人そろって入賞を果たしている。