2024年7月10日

長浜曳山まつりフォトコンテスト 入賞者決まる

金賞は小八木さんの「桜吹雪」

 今春の長浜曳山まつりをテーマにしたフォトコンテストの入賞者が決まった。

 実行委員会(漣泰寿会長)がインターネット上に設けた「長浜曳山まつりフォトサイト」で写真とコメントを募り339点の投稿があった。審査で金賞1点、銀賞4点、特別賞7点、銅賞5点を選んだ。

 最優秀の金賞には西主計町の小八木淳司さんの「桜吹雪」が選ばれた。本日(ほんび)を翌日に控えた4月14日、大通寺の山門前で行われた諫皷山の「自町狂言」の最後に、まだ咲き残っていた桜を背景に紙吹雪と三番叟役者の眼差しが重なったシーンをとらえた作品で、小八木さんは「曳山の前に集まる多くの人や、法被を着た町衆の方々を見て、活気と伝統が息づくのを感じながら、楽しく鑑賞し撮影させていただきました」とコメントを寄せている。

 特別賞の滋賀夕刊新聞社賞には彦根市日夏町の平尚治さんの「心乱れて」が選ばれた。月宮殿の演目「苅萱桑門筑紫いえづと 加藤館守宮酒の場 玉取」の一場面で、媚薬入りの酒を飲まされた巫女の夕秀が一目ぼれした美男の女之助に体を寄せるシーンを写し、「夕秀の心乱れる心情がよく表現されていた」と投稿した。

 入賞作品は11日から長浜曳山まつりフォトサイトで紹介する。このほか、入賞者は次の皆さん。

 ▽銀賞・市長賞=佐橋功(竜王町)▽同・曳山文化協会理事長賞=浦城一男(名古屋市)▽同・長浜観光協会長賞=片部豊(大阪府枚方市)▽同・長浜商工会議所会頭賞=数藤守治(同池田市)▽特別賞=森篤志(米原市米原)、高貝心之祐(元浜)、掛川与志人(小堀)、遠藤秀隆(尊野)、土田里恵子(元浜)、寺澤智恵(名古屋市)▽銅賞=高貝祐司(元浜)、箕田恵美子(野洲市)、中立喜広(京都府亀岡市)、古川博(南高田)、松本和子(大阪市)。

 

 

金賞 小八木淳司さんの「桜吹雪」

 

銀賞・市長賞 佐橋功さんの「悔しいぃ〜〜〜!」

 

銀賞・曳山文化協会理事長賞 浦城一男さんの「夜光の明珠」

 

銀賞・長浜観光協会長賞 片部豊さんの「御旅所前でひとやすみ」

 

銀賞・長浜商工会議所会頭賞 数藤守治さんの「妖艶」

 

滋賀夕刊新聞社賞 平尚治さんの「心乱れて」

2024年7月9日

ノベルジェン社 微細藻類でカキ短期肥育へ

農水省助成12億円受け、市内に研究施設設置

 長浜バイオ大学発のスタートアップ企業「ノベルジェン」(田村町)が微細藻類の培養技術を活用してカキを短期間で肥育し、海外向けに販路拡大する実証事業に取り組んでいる。農林水産省が助成金12億4700万円(限度額=2028年3月まで)の交付を決めて事業を後押ししており、事業が順調に進めば長浜発の技術で育ったカキが海外の食卓に並ぶ日も近そうだ。

 同社は同大学アニマルバイオサイエンス学科の小倉淳教授が社長を務める。小倉教授は微細藻類の持つ特性などについて長年研究を重ねている。微細藻類は光合成で大気中の二酸化炭素を吸収する▽水中の窒素、リン、カリウム、ミネラルを吸収し水を浄化する▽分泌する粘質物や糸状群体構造でマイクロプラスチックを吸着する—といった効果があり、小倉教授は赤潮の発生メカニズムに着想を得て微細藻類を人工的に急速に繁殖させる「ALGAL  BLOOM  CAPTURE(ABC)技術」を開発している。

 今回、農水省の事業採択を受けた研究開発テーマは「日本産冷凍生食用カキの品質向上と輸出量増大を目的とした、カキの短期肥育システムと流通DXプラットフォームの開発と実証」で、ABC技術をカキの肥育に応用する。

 国内のカキ養殖場では近海の清浄化などに伴ってカキの身が小ぶりになっていることが課題。このため同社がABC技術を用いてカキの餌料に特化した微細藻類を培養し、広島県産などの出荷前のカキに与えて短期間で肥育させる。

 現在は長浜バイオインキュベーションセンター(田村町)内の研究水槽で実験しているが、これからの実証事業では長浜市内に施設を設置して微細藻類の培養、カキの肥育を行い、社会実装を研究する。

 また、東南アジアやヨーロッパ、北米などの海外で日本産生カキの人気が高いことから生産から流通までをDX技術でコントロールする仕組みを作り上げ、海外の需要に対して供給が即座に応じられるようにし、輸出増加を目指す。

 小倉教授は将来的には琵琶湖の水を利用した肥育にも取り組みたい考えで、実現すれば琵琶湖の水の浄化にも寄与することとなる。

 なお、同社のABC技術は微細藻類の増殖に活用できるだけでなく、二酸化炭素の吸収・固定、水質浄化、マイクロプラスチック除去にも適用できるなど多くの可能性を秘めており、関西万博への出展も決まっている。

2024年7月2日

「豊臣兄弟!」で博覧会実行委設立

38団体が結集、官民挙げて観光振興へ

 秀吉の天下統一を弟の秀長の目線で描く2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の放送に向け、長浜市内の観光振興団体やまちづくり組織の代表らが1日、「(仮称)豊臣兄弟博覧会実行委員会」を設立した。

 市、商工会議所、商工会、観光協会、商店街連盟、黒壁、曳山文化協会、出世まつり実行委員会など38団体で構成し、設立総会で会長に浅見宣義市長、副会長に商議所の大塚敬一郎会頭、商工会の押谷小助会長、観光協会の前川和彦会長の3人を選任した。

 実行委員会は博覧会などのイベントを通じて市の魅力を全国に発信するとともに、地域内外からの誘客を図り観光振興による地域活性化を目指す。

 長浜城、賤ケ岳、小谷城、姉川合戦などのゆかりの地や、豊臣兄弟、浅井三姉妹、石田兄弟など「きょうだい」をテーマに市の魅力を発信する事業に取り組み、関連自治体と連携して誘客宣伝活動を行う。また、市全体を長浜城下町、小谷城下町、賤ケ岳合戦などにエリア分けし、それぞれの地域が持つ歴史的特性を生かした受け入れ体制の整備を検討する。

 今年度は428万円を予算化し、講演会やトークショーの開催、機運醸成のためののぼり旗、PR看板、横断幕の設置などに取り組む。

 実行委員会の下で各種事業の企画立案・実施を担う運営委員会も立ち上げ、運営委員長に前川会長、副委員長に黒壁の田中猛士社長、長浜観光協会の中村浩敏理事が就任した。

 設立総会で会長の浅見市長は「テーマは兄弟であり、きずな。地域のきずなを深め、豊臣兄弟を契機として長浜の発展に生かしたい。官民挙げて尽力したい」と語り、副会長の前川氏は「若い方がいきいきと活躍できる実行委員会にしていきたい」と話した。

2024年6月24日

びわSSS、県大会準優勝

堅守で、9月の関西大会出場へ

 びわサッカースポーツ少年団(びわSSS)がSFA第56回U12サッカー選手権大会(県サッカー協会主催)で準優勝し、関西大会への出場を決めた。

 選手権大会は今月2日に始まり16日に決勝戦が行われた。各地区の予選を突破した県内32チームが出場し、トーナメント戦で頂点を競った。びわSSSは地区予選からトーナメント準決勝まで無失点の堅守で勝ち上がった。決勝はアミティエ・スポーツクラブ草津と対戦し、0対3で敗れ、2年連続の準優勝となった。

 関西大会は9月7、8日、堺市で開かれる。びわSSSは1位トーナメント進出を目標とし、田中星伍さん(びわ南6)は「県大会では前半で点がいっぱい取れたけど、後半であまり得点できなかった。最後までみんなが諦めずにサッカーができたので良かった。関西大会は強いチームがあるが、練習をたくさんして優勝を目指す」と語り、守備の要としてチームを後方からコントロールした吉川煌さん(びわ北6)は「県大会の決勝戦ではチャンスを逃してしまったところがあったので、関西大会ではチャンスを決めきって優勝したい」と意気込んでいる。

 選手は次の皆さん。

 田中星伍(びわ南6)、上阪大惺(虎姫5)、山内美羽音(虎姫6)、東野響己(びわ南6)、宮澤悠人(長浜北5)、北川悠斗(虎姫5)、中原幸瞭(長浜北5)、森亮太(びわ南6)、堤春翔(長浜北5)、木村和福(びわ南6)、吉川煌(びわ北6)、小谷優士朗(長浜5)。

2024年6月19日

「湯っ田り散策マップ」に協賛を

浅井湯田地域づくり協議会 地元の応援企業を募集

 浅井湯田地域づくり協議会(清水峯生会長)は地元の魅力を紹介する「湯っ田り(ゆったり)散策マップ」の協賛企業を募集している。

 来夏、発行予定のマップは湯田地域の自然や歴史、観光名所や名産などを再発見でき、その魅力を広く発信するもの。協議会のマスコットキャラクター「ゆたりん」がまち歩きしているようなデザインで、表は地図上に「姉川古戦場」「浅井歴史民俗資料館」などの名所、観光スポットを落とし込み、裏面は「実宰院」「福良の森」など28カ所の写真と解説文が載っている。

 A2サイズで折りたたんでポケットに入れることができる。2000部を印刷し、地域内の学校や公共施設、市内の観光施設などに配布する予定。

 現在、教育文化部会のメンバーらが、資料収集などをしているが、「地元企業や住民の方にも(マップに)愛着を持ってもらい、応援してもらえれば」と協賛金を募ることに。総事業費は約28万円。うち自己資金のほか、湯田連合自治会からの支援があり、残る15万円を集めたい考え。

 金森正幸部会長は「若者が誇れる地域。地元に定住し、帰ってきてもらい、さらに地域を盛りあげられる素晴らしいマップにしたい」と話している。

 協賛額は企業1口1万円(個人3000円)から。地域外からの応募可。申し込みはhttps://qr.paps.jp/hKOl。問い合わせは浅井湯田地域づくり協議会℡(56)1029(火〜金曜、午前9時〜正午)へ。

2024年6月19日

無病息災願い茅の輪くぐり

長浜八幡宮に夏の風物詩 アジサイ花手水も

 長浜八幡宮は30日の「夏越の大祓式(なごしのおおはらえしき)」を前に鳥居に茅(ち)の輪を設置。参拝者が無病息災などを願って、「茅の輪くぐり」を行っている。

 大祓式は罪や過ちを祓い除くために半年ごとに執行される神事で、無病息災や疫病退散などを祈念するもの。長浜八幡宮では夏の大祓式に合わせて、毎年、茅の輪を設置しており、今年は15日にお目見え。

 茅の輪は直径約2・5㍍で、左回り、右回り、左回りと8の字を書くように3度くぐって祈願すると災難を免れ、健康に夏を過ごせるという。

 八幡宮では「無病息災を願って茅の輪をくぐっていただければ」と話している。茅の輪は7月2日ごろまで設置している。

◇   ◇

 手水舎にアジサイの花を浮かべた「花手水」も長浜八幡宮にお目見えした。

 参拝者に花を愛で心を清めて華やかな気持ちになってもらおうと4年前からこの時期に実施している。境内に植えられている約2000株のアジサイの中から色鮮やかに咲いた花を摘み取り、手水舎に浮かべている。見た目も涼しげで、八幡宮は「きれいな花を愛で、心を癒してもらえれば」と話している。7月上旬まで。

2024年6月14日

目標はメダル「一緒に戦って!」

長浜出身の清水・土田選手  車いすバスケでパリ・パラ出場

 車いすバスケットボール競技で今夏のパリ・パラリンピックに出場する長浜市出身の清水千浪選手(41)と土田真由美選手(47)の激励会が13日、さざなみタウンで開かれた。

 激励会は長浜市社会福祉協議会が企画し、女声アカペラサークル「エミュ・シンガーズ」の歌声に歓迎されて清水選手が会場に入場した。社協の平井和子会長が「みんなで応援している。この思いを持ってパリに行ってほしい」とエールを贈り、花束を手渡した。

 清水選手は3年前の東京パラリンピックに日本代表として出場し6位入賞を果たしたが、「メダルを目指していたので6位はすごく悔しかったし、コロナで無観客だった」と振り返り、「パリは時差が7時間あるが、画面を通して一緒に戦っていただけると嬉しい。メダルを持って帰って、また皆さんとお会いできれば」と語った。

 会場に来られなかった土田選手はビデオメッセージを寄せ「長浜市の皆さん、いつも応援ありがとう。パリで結果を出せるよう精いっぱいがんばりますので、これからも応援よろしくお願いします」とあいさつした。

 長浜愛児園の5歳児組の27人が「あめふり」「かたつむり」「たなばたさま」など8曲をメドレーで歌うと、「すごい上手でした。金メダルをあげたい。私もパリでメダルを取れるように頑張ります」と歌のプレゼントに応えていた。

2024年6月12日

中高生、プロ演奏家に学ぶ

シエナ・ウインド・オーケストラが指導、文産会館で

 吹奏楽団シエナ・ウインド・オーケストラ(SWO)のメンバーによる指導「楽器クリニック」が9日、米原市の県立文産会館であり、中高生34人がプロ奏者から演奏のコツや練習のポイントなどを直接教わった。県南部に比べ演奏会などの機会が少ない湖北地域の子ども達にプロ奏者と交流する機会を設けようと同会館がSWOに協力を求めて実現した。

 SWOは佐渡裕さんが首席指揮者を務める、日本を代表する楽団。2020年、コロナ禍の中、文産会館でSWOのコンサートを開いたのを機に双方の絆が深まり、昨年12月、連携・協力協定を締結。青少年の育成に力を入れることを確認していた。SWOは東京を拠点に活動しているが、新幹線駅に近い同会館での活動は日帰りでも可能で、地元の吹奏楽部への指導を手軽に行うことができるという。

 楽器クリニックは協定締結後の第1弾の取り組みで、SWOの精鋭メンバー7人がこの日のために「シエナ☆セブン」を結成。コンサートを前に公募で集まった中高生を指導した。

 クラリネット、トランペット、チューバなどのパートに分かれて指導があり、トランペットのパートでは砂川隆丈さんが「ブレスの時はゆっくりと吸ってゆっくりと吐く。できるだけリラックスして」と語りかけ、管楽器演奏に欠かせない舌による奏法「タンギング」の上達のため、日ごろから早口言葉を練習するようアドバイスしていた。

 プロからの直接指導に最初はやや緊張気味の参加者もいたが、熱のこもった丁寧な指導に、真剣な表情で演奏に打ち込んでいた。長浜市内から参加した女子中学生は「練習方法やコツなどさまざまなことを学べ、ちょっと上達した気がした。部活でも生かしていきたい」と話していた。

 楽器クリニックの後に開かれたシエナ☆セブンによるコンサートでは合奏やソロなど吹奏楽の魅力を伝える多彩な演奏があり、アンコールの「星条旗よ永遠なれ」では楽器を持参した来場者も舞台に登って7人と一緒に演奏していた。

 同館の竹村憲男館長は「子どもたちはプロの演奏家からじかに指導を受け、他校の生徒と切磋琢磨する機会ともなった。引き続きこういう取り組みを続け、湖北の中高生たちに劇場に足を運んでもらう機会を作り、湖北の音楽文化を盛り上げていきたい」と話した。

 

2024年6月10日

日本一目指し、伊香で熱戦

記念写真に応じるトークショー参加者

(左から穴井隆将さん、斉藤立選手、村尾三四郎選手、ウルフアロン選手、橋本壮市選手)

実業柔道大会、国スポPRイベントも

 来年、長浜市を会場に開かれる国民スポーツ大会柔道競技のリハーサル大会として、伊香ツインアリーナで8、9日、第74回全日本実業柔道団体対抗大会(全日本実業柔道連盟主催)が開かれた。

 実業団の柔道日本一を決める日本トップレベルの団体戦で、113チームが出場。男子1部では旭化成Aが3年連続20回目の優勝を遂げた。2位はパーク24A、3位は日本中央競馬会と日本製鉄だった。4チーム総当たりの女子1部はJR東日本が全勝で2年連続2度目の優勝を果たした。

 屋外では地元のわたSHIGA輝く国スポ・障スポ長浜市実行委員会が国スポをPRするため「めちゃ×2イカしてるッ!」と題したイベントを同時開催。穴井隆将・天理大学柔道部監督とパリ五輪内定選手によるトークショーやニュースポーツ体験などがあり、多くの市民でにぎわった。力自慢を募ったベンチプレス選手権では145㌔と155㌔を挙げた男性2人が同時優勝していた(体重差考慮で10㌔ハンデ有り)。

 

 

2024年6月10日

長浜と大和郡山、大河ドラマに向け交流・連携へ

近世城下町ふるさとまつり

秀吉・秀長が築いた城下町、小堀正次も活躍

 

 イベントや対談を通じて「現存最古の近世城下町」である長浜市の価値を再考する「近世城下町ふるさとまつり」(同運営委員会主催)が8日、市街地一帯で開かれた。2026年放映のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」にちなみ、秀吉の弟・秀長ゆかりの奈良県大和郡山市から関係者を招いた対談では両市の深い縁が紹介され、大河ドラマを機にした交流への機運を高めていた。

 曳山博物館伝承スタジオで行われたトークイベントでは冒頭、上田清・大和郡山市長があいさつ。地元で「秀長さん」「大和大納言さん」と呼んで秀長を誇りにしていることや、長浜市小堀町出身の茶人大名・小堀遠州の父・正次や、須賀谷町出身の武将・片桐且元らも秀長の下、郡山で活躍したことなどを紹介。また、江戸期に郡山を治めた柳沢藩では年貢の3分の1ほどを近江が支えていたとし、記録に残る地名として、今荘、法楽寺、佐野、宮部、唐国、小観音寺、香花寺、弓削、野寺、川道、大浜、下八木、川崎、勝、国友などを挙げ、「年貢を近江に助けていただいたご縁を大事にし、大河ドラマをきっかけに仲良くしたい」と語った。

 大和郡山市の文化財保存活用係・十文字健氏、淡海歴史文化研究所所長・太田浩司氏による対談では、2022年に国史跡に指定された郡山城跡について、秀吉が築いた大坂城や聚楽第と同じ型で作った瓦が出土したことなどが紹介された。

 秀長は1585年に郡山に入り、郡山城の大改修とともに城下町を整備した。城下町の整備にあたり活躍したのが長浜から移住した小堀正次で、「箱本(はこもと)制度」(地租が免除される代わりに治安維持、防火、訴訟の取り扱いなどを町ごとに交代で請け負う制度)や検地など、秀長の城下町づくりに深く関わったとされる。十文字氏は「掘り下げれば掘り下げるほど、長浜との意外なつながりがわかるのが面白い」と両市の縁の深さにあらためて驚いていた。

 太田氏は秀吉・秀長それぞれが実施した町人の地租免除制度が幕末まで続き城下町の発展を支えた共通点に触れたほか、小堀正次が箱本制度を裏付ける文書を出すなど秀長の筆頭家老として活躍したことを強調し、「再来年は、(大河ドラマに正次を)出してもらわないと困る。出なかったらみんなで文句を言おう」と会場の笑いを誘っていた。

 十文字氏は「大河ドラマは城下町などの歴史遺産を市内外に発信する良いチャンス。こうやって長浜とのつながりを再認識する機会ともなった」と語ると、太田氏は「あと2年ある。さらに交流したい」と呼びかけていた。

 トークイベントの後には両市の若手経営者らによる「下剋上サクセスストーリー『豊臣兄弟!』の可能性」をテーマにした近世城下町サミットも行われ、大河ドラマに向けた両市の連携について意見を交わしていた。

◇     ◇

 近世城下町ふるさとまつりでは武将パレードや演舞、声優の山口勝平さんを招いたアテレコライブ、楽市楽座をイメージした屋台の出店などがあり、終日、多くの観光客でにぎわっていた。

2024年6月3日

買い物かご手に、弾む会話

平和堂、木之本で移動スーパー運行開始

 食料品の移動販売を通じて過疎地域の高齢者の買い物支援とコミュニティの活性化につなげようと、平和堂は6月から木之本地域で「移動スーパー」の運行を開始。1日、平和堂木之本店で出発式を行い、関係者が運行スタートを祝った。

 同社は2021年から甲賀市で「移動スーパー」を運行しており、そのノウハウを生かして今年4月、びわ地域28カ所で運行を開始していた。木之本地域では杉野、高時、伊香具地区の広場や集会所駐車場など21カ所を訪れる。

 移動スーパーはアル・プラザ長浜で食料品約500点を搬入し、月曜から土曜まで毎日運行。計49カ所の停留所に週1回訪れ、約15分間、販売する。

 平和堂木之本店での出発式にはアル・プラザ長浜の小田島孝支配人をはじめ、3地区の地域づくり協議会会長、平和堂と地域を橋渡しした長浜市社会福祉協議会の関係者が出席。テープカットで運行開始を祝った。

 小田島支配人は「商品の販売だけでなく、コミュニティの場となる。地域のお客さんに喜んでいただき、商品を通じて旬の季節感を味わっていただければ」、伊香具地区地域づくり協議会の藤田俊博会長は「地域住民の買い物の利便性向上だけでなく、地域住民の交流の場、高齢者の見守りの一助となることを祈念する」とあいさつしていた。

 出発式の後、移動スーパーが最初に訪れた川合会館前では、さっそく地域の高齢者や家族連れが買い物を楽しみ、かごを手に会話を弾ませる住民の姿も見られた。

2024年5月31日

奥びわ湖観光ボランティアガイド協会 10年間の歩み振り返る

記念誌発行、会員ら46人寄稿

 奥びわ湖観光ボランティアガイド協会の創立10周年記念式典が28日、木之本まちづくりセンターで開かれ、会員や元会員、来賓ら約50人が節目を祝った。

 同協会は2013年に奥びわ湖観光連盟、湖北町観光、余呉はごろも、小谷城語り部、賤ケ岳語り部の5つのガイド協会が合併して誕生。賤ケ岳山頂や小谷城跡での観光客のもてなし、巡回バスやイベント会場でのガイドなどを通じ、湖北地域の歴史、文化、自然を広く紹介している。

 昨年度は1029件のガイド依頼があり、計2万4008人をもてなした。会員は60〜80代の47人。

 記念式典では記念事業実行委員長の富永洋司さん(82)=木之本町千田=が「奥びわ湖エリアは小谷城跡や賤ケ岳、観音の里、街道など歴史的、文化的な史跡が数多くある。協会の役割は重大であり、10年の節目を機にさらに力量を高め、湖北を訪ねるお客様に最高のおもてなしができるよう目指す」などと式辞を述べた。来賓のあいさつの後、長浜城歴史博物館の福井智英館長の講演などがあった。

 協会は式典にあわせ10周年記念誌「つなぐ」を発行。第1部では会員と元会員の46人が観光ガイドの体験を寄稿し、写真を添えた。協会合併前にNHK大河ドラマ「江 姫たちの戦国」の放映にあわせて開かれた江・浅井三姉妹博覧会の思い出、ガイド活動を通じて知った湖北地域の魅力、ガイドした観光客からもらった手紙など思い思いに協会での活動を振り返っている。

 第2部では「奥びわ湖10話」と題し、「賤ケ岳の合戦」「『七本槍』と『三姉妹』のその後」「鉄道遺産・海を越えた鉄道」などをテーマに、ガイド活動を行う上での基礎知識をまとめている。

 山内昌達会長(70)=木之本町川合=は「『つなぐ』は協会のメンバーが後世へと連綿とつながり、ガイドと客、地域とのつながりを広げていきたいとの思いを込めた」と話している。100部を発行。同協会の事務局がある戦国ガイドステーション(湖北町伊部)で閲覧できる。

 なお、同協会は随時、ガイドを募集している。問い合わせは同協会℡090(3279)6563へ。

2024年5月30日

あらゆる世代の発達相談 役割高まる心理判定員

人材不足の長浜市、正規職員3人募集

 「子どもが言葉を覚えるのが遅い」「なぜ、この子はこんな行動をするのか?」「学校に行きづらい」「仕事を始めたけど難しい」—など、発達に関するあらゆる相談に乗り、その支援を行っている長浜市の発達支援室。その業務の中核を担う「心理判定員」の役割が高まっていることを受け、市は新たに正規雇用3人(うち1人は社会人経験枠)を募集している。

 心理判定員は相談者の心理状態や発達状況を面談や検査で評価し、支援する専門職。市では2020年度に発達支援室を設置し、乳幼児から高齢者まで全年齢を対象にした相談・支援を受け付けている。現在は正規職員8人、会計年度任用職員(非常勤職員)3人の計11人の心理判定員がその業務に当たっている。

 一般的に発達相談は子どもを対象にしているとのイメージが強いが、近年は10〜30代の若年層から「生きづらさ」についての相談が増加しているという。その背景には発達障害だけでなく、家庭、地域、社会のストレスによる心身の不調など、さまざまな要因が関与している。

 発達支援室が受け付けた相談件数は設置初年の20年度は1336件だったが、年々増加し、23年度は2492件にのぼっている。

 相談の増加を受け心理判定員の役割がますます高まっているが、人材確保に苦戦しているのが実情だ。22、23年度は2年連続で新規採用が叶わず、現場では発達障害ケアマネージャーの資格を持つ市職員の応援を受けて、相談・支援業務に当たっている状態。このため、会計年度任用職員として心理判定員3人を常時募集しているが、今のところ応募がない。

 都市部では募集定員を大幅に上回る応募がある自治体もある。市はPR不足が一因とみて、発達支援室で働く心理判定員の声を紹介する動画を制作し、公式サイトで公開を始めた(https://www.youtube.com/watch?v=leypKD0YASA)。幅広い年齢の市民の相談に乗り、支援を行いながら一緒に成長してゆくことに「やりがいを感じる」との意見など、その業務の魅力と職員の生の声を6分40秒の動画で紹介している。

 発達支援室は「心理職同士が意見を出し合ったり、行政職員や保健師、社会福祉士、さらには地域の皆さんと協力して市の課題に取り組んだりすることができる。あなたの経験や知識を生かし多様な挑戦をしてみませんか」と応募を呼びかけている。

 なお、来年4月採用の心理判定員の募集要項は市のホームページに掲載している。応募は6月21日まで。

2024年5月29日

子ども歌舞伎名演に「おひねり」飛ぶ

成田市で春日山「釣女」上演、10万人来場

 長浜曳山まつりの春日山が25、26日に千葉県成田市で開かれた「成田伝統芸能まつり春の陣」(同実行委員会主催)に招待され、子ども歌舞伎を披露。その名演に「おひねり」が投げ込まれるなど、出張公演は成功裡に終わった。

 成田伝統芸能まつり春の陣は初代市川團十郎が信仰した成田山で、地芝居や地歌舞伎を通じて地域を盛り上げるイベント。今年は千葉県誕生150周年、成田市制70周年を記念して大々的に開かれ、2日間で約10万人の来場があった。

 春日山は4月の曳山まつりで奉納した「釣女」を再演。分かりやすい演目ということもあり、立ち見も出た会場から大きな笑いと拍手が起き、曳山まつりでは例がないおひねりが投げ込まれた。

 実行委員会事務局の成田市観光プロモーション課は「市制70周年を記念し、念願の長浜の子ども歌舞伎を招けた。成田でも祇園祭があり山車(だし)が出るが、舞台で歌舞伎を披露する長浜曳山まつりを知らない人は多く、皆さん笑い声をあげて楽しんでいた。長浜のPRにもなったと思います」と話している。

 春日山は役者や若衆ら総勢40人が成田入り。曳山まつりの流れを体感してもらおうと子ども歌舞伎だけでなく、しゃぎり(囃子)演奏も行った。曳山を動かす時に演奏する「御遣(おひや)り」、開演を告げる「出笛」、公演終了後の「神楽」、曳山が自町に戻る際の「戻り山」などを奏で、子ども歌舞伎と曳山が一体であることを伝えていた。

 春日山の伊藤寿彦負担人は「子ども役者は長浜曳山まつり子ども歌舞伎のPRの一翼を担えたこと、成田市や関東の方々に曳山まつりを体感していただけたことに達成感を感じている。公演を引き受けて良かった」と振り返っていた。