甘さたっぷり 9月中旬まで
空梅雨の後に雨が続き、そのうえ猛暑—。農家を悩ませる今夏の天候にめげず、今年も今荘観光ぶどう園がオープンし、甘さたっぷりのブドウが食べごろを迎えている。
今荘ぶどう生産組合では約3㌶の農園で15品種を栽培し、毎年、8、9月に農園を開放してブドウ狩りを催している。
佐野勝組合長(71)によると、今年は空梅雨や猛暑の影響で早生(わせ)品種の成長が阻害され、葉が枯れたり、実が落ちたりと大きな被害を受けたという。このため、早生品種のブドウ狩りをあきらめ、例年より1週間、開園を遅らせた。
食べごろを迎えているのは主力のマスカットベリーA。酸っぱさと甘さのバランスが絶妙で、佐野組合長は「あとに残らないさっぱりとした口当たりが魅力」と太鼓判を押す。
組合では若者が栽培をけん引する。小林弘生さん(25)は子どもの頃から組合長を務めていた祖父のブドウ栽培を手伝ってきた。「ブドウは生き物。目が離せない」と語り、中でも苦労するのは房形を整え、実を大きくさせる「摘粒」。5月中旬から約1カ月、園内のブドウを一房ずつ丁寧にチェックして、粒をハサミで切り落とす作業だ。「寝ても覚めても同じ作業でとても大変だが、立派なブドウができ、お客さんからありがとう、おいしかった、と言われると励みになる」と話している。
ブドウ狩りの入園料は中学生以上1300円、小人1000円、3〜5歳700円。収穫したブドウは園内で好きなだけ食べることができる。時間無制限。午前9時から午後5時、9月中旬まで。問い合わせは今荘ぶどう生産組合℡(74)1322へ。