大手門通りに豆乳アイス店

余呉で製造、地域ブランドを観光客に発信

 長浜大手門通り商店街に、豆乳アイスの専門店「moon cafe」がオープンした。余呉町で東野雄史さんが約9年にわたって手がけてきた豆乳アイス事業を、田中シビルテック(木之本町木之本)がM&Aで承継。観光客の往来が多い中心市街地に店舗を構え、地域発の食の魅力を発信している。

 同店で提供するアイスは、牛乳や卵を使わない植物性が特徴。アレルギーを持つ人でも安心して楽しめる商品として支持を集めている。甘味にはきび砂糖を用い、ココナッツオイルでなめらかな口当たりを実現。独自の製法で搾った高濃度の豆乳を使い、濃厚ながら後味はすっきりとした仕上がりとなっている。

 店頭には常時6種類のフレーバーが並び、季節限定商品も展開する。人気は純粋豆乳(プレーン)、イチゴ、チョコ。店長の中川瑞季さん(34)のおすすめは「しょうゆ味」。みたらしのような甘じょっぱい味わいが楽しめる。

 期間限定の商品では、発酵食品の開発・製造・販売を手掛ける「ハッピー太郎醸造所」(元浜町)と連携した豆乳アイス「糀甘酒」も話題を集めた。

 乳製品や卵のアレルギーを持つ人にとって、アイスクリームは選択肢が限られる食品の一つ。来店者からは「こんなに種類が選べるのはうれしい」「どれにするか迷う」といった声が聞かれ、幅広い層に喜ばれている。

 田中シビルテックは、2024年の創立100周年を機に農業分野へ参入。余呉地域の遊休農地約5㌶を活用し、米などの生産に取り組んできた。東野さんが豆乳アイス事業の承継先を探していたことを知り、「農作物の生産から加工、販売までを地域内で完結させることで、農業と地域経済の活性化につなげたい」と手を挙げた。

 昨年は、豆乳アイスの原料としている滋賀の在来品種「みずくぐり」の栽培に農地3カ所で挑戦したが、実をつけず収穫には至らなかった。作物を育てる難しさを実感する一方、地域農業の活性化に向けこれからも挑戦を続けてゆく。

 アイス市場は拡大傾向にあり、健康志向の高まりを背景に植物性やオーガニック商品の需要も伸びている。同社では新たな事業の柱として期待を寄せ、社内の活性化にもつながっているという。田中和孝社長(35)は「豆乳アイスを滋賀を代表する商品へ育てると同時に、市北部の農業を活性化させ、地域の魅力発信につなげたい」と意欲を見せる。

 今後は地元特産品とのコラボ商品も展開し、アイスを通じた地域ブランドの確立を目指したい考え。

 豆乳アイスはカップ520円(ダブル650円)、コーン620円(同750円)。営業時間は午前11時から午後4時まで(土日祝は同5時まで)。火曜定休。

掲載日: 2026年04月13日