「なかや」高齢者の買い物不便を解消
スーパーや食料品店がない加田町で、地元の豆腐店「なかや」が毎月、第1木曜日に開いている惣菜市が地元のお年寄りに喜ばれている。
同店は47年前に創業。米原の契約農家で栽培された大豆を使い、豆腐やゆばなどを製造し、2018年の全国「みどりの愛護のつどい」では皇太子ご夫妻(当時)らが同店の田楽を食されている。
昨今のコロナ禍でホテルや旅館、仕出し屋などからの注文が途絶え、「冬の時代」に。ところが足元に目を向けると、地元には食料品店やスーパーなどが無く、皆、食料品の買出しなどは米原や市街地に出向き、交通手段がない人は地元の地域づくり協議会の「お買い物ツアー」で賄っている。
同店では豆腐店ならではの利点を生かし、地元の人たちに惣菜を提供することを思いつき、ヘルシーな豆腐やおからを使ったおかずを手作りすることにした。
提供しているのは一番人気のおからや白和え、できたての揚げだし豆腐や豆腐コロッケ、豆腐入りの甘酢肉団子やロールキャベツなど13種類。価格は250円からとリーズナブル。昨年10月に開始したが、毎回、午前中にはほぼ無くなるほどの人気ぶり。
惣菜市は地域の人たちの憩いの場にもなっており、近所の女性は「おいしいし、近くにあるので便利。人の顔が見られるだけで嬉しい」と話す。店主の中谷信幸さんは「喜んでもらって何より。ここだけなく、買い物に困っている地域にも出かけてゆきたい」と語っている。
なお、次回は3月4日午前10時から午後2時まで。問い合わせは「なかや」℡(62)5341へ。