湖上水運の歴史伝える「丸子船の館」

実物を展示、子ども歓迎「自由研究にいかが?」

 昭和中期まで琵琶湖の水運を担った「丸子船」。現存する2隻のうち1隻を保管・展示している西浅井町大浦の北淡海・丸子船の館では7月31日からオリジナルの缶バッジをプレゼントする「夏休みキャンペーン」を開始。「自由研究のテーマにもぴったり」と子どもたちの来館を呼びかけている。

 丸子船は二つ割りにした丸太を胴の両側に取り付けた琵琶湖独特の船。古来、琵琶湖は水運が盛んで、京の都と各地を結ぶ物流の動脈として機能し、そこで活躍したのが丸子船だった。最盛期の江戸時代には1400隻が湖上を往来した。北陸と京を結ぶ拠点となった塩津浜は港町として繁栄し、100隻を超える船が停泊。北陸の米、四十物(あいもの、魚の干物など)、昆布などが塩津浜を通って各地へ送られた。

 同館で展示しているのは昭和30年代後半まで運航していた「神與丸」(昭和6年建造)。全長17㍍で、米俵250俵を積載できた。このほか、船体備品や航海・荷造作業備品、生活用具など往時の湖上交通の姿を伝える資料の数々を並べている。塩津港のにぎわいを伝えるジオラマもある。

 キャンペーンでは丸子船の塗り絵をオリジナル缶バッジにしてプレゼント。また、湖上水運を再現できる簡易な工作キットも希望者に配っている。

 琵琶湖水運の歴史、丸子船の造船技術、琵琶湖最大の港町として栄えた塩津浜の姿など、地域の歴史に触れる夏休みの自由研究のテーマとしても最適で、管理人の近持眞奈美さんは「丸子船は他では見られない地域の宝物。後世に大切に残してゆくためにも、まずは子どもたちに丸子船がどういうものかを知ってもらいたい」と話している。

 キャンペーンは8月31日まで。入館料は大人300円、小中学生150円(長浜、米原は無料)。開館は午前9時から午後5時まで。火曜休館。同館℡(89)1130。

掲載日: 2024年08月01日