塚田さん、淡海節大会で初優勝

挑戦続け20余年、悲願に「堂々と歌姫名乗れる」

 滋賀の民謡「淡海節(たんかいぶし)」の歌声を競う第34回びわ湖大津淡海節全国大会(9月28、29日、大津市北部地域文化センター)で長浜市の民謡歌手・塚田陵子さん(49)が初優勝した。これで県内の民謡3大会すべてで優勝を飾ったことになり、「びわ湖の歌姫」を名乗って活動する塚田さんは「これで堂々と歌姫を名乗れますね」と笑顔を見せている。

 淡海節は大正時代初期、大津市本堅田出身の喜劇役者、志賀廼家淡海(しがのやたんかい)が琵琶湖を懐かしんで作詞・作曲し、劇中で歌ったもの。当時、一世を風靡して全国に広まった。昭和39年に堅田地区の住民らによって保存会が結成され、大会が開かれるようになった。

 塚田さんは20代の頃から大会に出場し、優勝は悲願だった。淡海節の歌い方は出場者によってやや異なるといい、塚田さんは一切のアレンジを廃し、保存会が伝える歌い方を忠実に守って大会に臨んできた。優勝を受け「やっとかー、というのが正直な気持ちで、諦めずにいて良かった。今後、責任を持って淡海節を伝えていきたい」と話している。

 大会では「寿年の部」と「スーパーシニアの部」で塚田さんの師匠である磯田久子さん(93)=大津市=も優勝。師弟揃っての優勝に喜びもひとしおだという。

 塚田さんは昨年6月の第32回鈴鹿馬子唄全国大会(甲賀市)、11月の第11回津軽三味線津軽民謡全国大会inびわ湖(大津市)の津軽五大民謡部門でも優勝。淡海節全国大会を含め、滋賀の3大会を制覇した。

 現在、淡海節、鈴鹿馬子唄、琵琶湖舟唄を収録したCDのリリースを計画しており、「大会での優勝が自信につながった。民謡を通して滋賀・長浜の風景を伝え続けたい」と話している。

掲載日: 2024年10月24日