丹部シェフ、グランプリ

イタリア料理コンテスト

 大井町出身で名古屋市のイタリア料理店でシェフを務める丹部優(ゆう)さん(35)が11月26日、東京で開かれた「第5回イタリア料理コンテスト」(日本イタリア料理協会、カゴメ主催)でグランプリに輝いた。

 今大会は「豆の可能性」をテーマにカゴメの冷凍豆・穀類を使ったオリジナル作品を公募。新進気鋭の料理人などから160作の応募があり、丹部さんら6人が決勝に進出。会場では観衆の目前で調理し、イタリアンの巨匠・片岡護さんら4人が試食した。

 丹部さんはイタリア中部の郷土料理を独自にアレンジした「カッチュッコ ディレグーミ ペル イル フトゥーロ(未来のための新しい豆料理)」で勝負。魚のブイヤベースを豆にしみ込ませたメニューで、自分が得意とする味(酸味)をアクセントにし、すべての食材の食感を大切にしながら、飽きのこない「ヘテロ感」を演出した。審査員からは「イタリアの味を見事に再現している」「豆が主役となり、無限の可能性を引き出している」などと評価された。

 「前回は準グランプリで、今回にかける思いはひとしおだった。ソムリエの資格取得と並行しての挑戦で、とてもハードだったが、支えてくださった皆さんの声に応えたい一心で頑張った。副賞のイタリア旅行を利用して、かつての修業先に凱旋したい」と話している。

 丹部さんは京都調理師専門学校を卒業後、京都で就職したが、小麦粉アレルギーを発症。地元の長浜に戻って体調を整えながら、和食、中華などの料理を学び、2013年、イタリア料理の道へ。名古屋のレストランで修業を重ねた後、19年、渡伊。ルッカの1つ星「リストランテ・インブート」で郷土料理などを学んだ。

 帰国後は名古屋市内の新規店舗の立ち上げなどに関わるほか、長浜、米原で料理教室を開催。現在、イタリア料理店「セルジョ」のシェフをしながら、姉妹店のメニュー開発にも携わっている。

掲載日: 2024年12月02日