2026年1月28日

長浜市長選へ2氏論戦

STUDIOこほく、配信中

 長浜市長選(2月1日告示、8日投開票)を前に、インターネット放送局「STUDIOこほく」(板山きよ美代表)主催の公開討論会が25日、高月まちづくりセンターで開かれ、現職の浅見宣義氏と、新人で元市議の松本長治氏が論戦を交わした。公開討論会のようすはSTUDIOこほくのホームページ(https://www.youtube.com/watch?v=dMR0p0YM12E)で市長選告示前の1月31日まで公開している。

 

■政治姿勢

 松本氏は「無駄な税金は使わない」「医療崩壊は絶対にさせない」「隠し事のない開かれた市政を行う」の3点を強調した上で、「子ども、子育てを何より大切にできる地域でありたい」などと述べた。

 浅見氏は「誠実、公正、責任、正義、信頼を政治の場でも大事にしたい」「市民の声を大切にし、対話を通じてできるだけ応えていく対話力」と語り、「歴史、自然、産業、教育、文化と多くの資源を持つ地域として、人口減少に負けず、何としてでも明るい未来につなげたい」と述べた。

 

■人口減少対策

 人口減少を巡って浅見氏は、「これは長浜だけの問題ではない。しかし、だからこそ仕方がないで終わらせず、長浜大改革の大きな内容にしている」と強調。「住まい、教育、仕事、医療、安心といった土台を整え、一生住み続けたいと思ってもらえるまちにすることが大事」と述べ、婚活イベントの広域開催や住宅新築支援金の大幅増額、県内初となる学びの多様化学校の新設、中高一貫校誘致などを挙げた。

 これに対し松本氏は、「人口減少は施策の結果でもある」と指摘。「住宅補助や子育て補助は、それだけを見ると『お金をばらまいている』ということだけになってしまう」とし、「生まれてから成長していく過程をしっかり支える伴奏型の支援が重要」と述べた。

 議論の中で浅見氏は、人口減少が著しい木之本町杉野に住む松本氏に地域の取り組みを質問。松本氏は住民と一緒に花を植えた経験が今でも心に残っているとし、「杉野のような山の中であっても、住んでいることを誇りに思えるようなまちをつくりたい」と語った。

 

■地域医療再編

 討論で最も激しい応酬となったのが、市立病院の再編と経営改善問題。市は市立2病院の運営を日本赤十字社に委ねる指定管理者制度を導入することで診療科を再編する方針を示してきたが、市立病院の赤字計上を受けて経営再建へと舵を切っている。

 松本氏は、「この4年間ずっと見てきたが、働く方々や大学病院、県、地域の皆さんの考えを聞き、対話して進められたのかというところに問題があった」と指摘。「私の強みは人とコミュニケーションを取ることだ。そのコミュニケーションを通して将来像を見極めながら、再編と再建について早期に方向性を示す」と語った。

 これに対し浅見氏は、「地域医療の要である市立病院をしっかり守る。そのことを約束する」と前置きした上で、「市立2病院は、約20億円の赤字が2年続いている。人口減少の下で患者数が減り、過去の投資に見合う収入が得られなくなっている」と現状を説明。「市立病院が直面している現実に向き合う必要がある」と述べ、さらなる経営改善の必要性を訴えた。

 さらに、指定管理者制度導入を巡り、「2年前に方針を示した際、松本さんを中心とした対案なき反対があり、民間の知恵を早期に導入するチャンスを逃した」と指摘。湖北病院については「老朽化が進んでおり、整備は必ず実施する」と明言した。

 経営改善について松本氏は、「さらなる経営改善は必要だと思うが、血のにじむような努力をされている。市がしっかり支えなければならない」と語った上で、浅見氏に対し「足を引っ張ることが多かったと思う」「看護師募集で長浜病院は40人中20人、湖北病院は10人中1人しか集まらなかった。原因は医療機関に対する不安をあおったからだ」と批判。「患者に向き合う職員に赤字の責任をなすりつけようとされたことが一番の問題」と指摘した。

 浅見氏は「赤字は過去の経営者の問題であり、職員に責任をなすりつけたことは一切ない。心外であり、発言は撤回してほしい」と即座に反論。討論は一時、言葉を強め合う場面もあった。

 

■小谷城ミュージアム

 小谷城戦国ミュージアムを巡っても意見は分かれた。

 浅見氏は「歴史文化基本構想に基づき、地元要望も踏まえて長年議論してきた計画で、財政状況を踏まえ規模を工夫してきた。それが最終段階で反対されるのは理解しがたい」と述べた。松本氏は関ケ原や一乗谷と並ぶ歴史資源として県立での整備を訴えて規模や内容の充実を主張した。

 

■企業誘致・公共施設再編

 討論終盤では、市民から寄せられたテーマをもとに、それぞれが思いを語った。

 浅見氏は企業誘致の成果を前面に出し、「地域活性化、若者の就職先の確保、税収確保のために企業誘致は不可欠」と述べた。電池関連の新工場誘致など市外から6社が進出予定であることを明かし、「来年度は企業誘致立地室を設け、専門職員を配置し人員増も考えている」と誘致体制の強化を約束した。

 松本氏は公共施設の再編を軸に、子ども達の遊び場整備を訴えたほか、「老朽化が進む長浜文芸会館と市民体育館を一体化した多用途アリーナを、市の新たなシンボルとして整備する夢のような話をしていきたい」と提案。学校プールを集約し、市民も通年利用できる温水プールの整備も提案していた。

2026年1月28日

病院問題めぐり論戦

長浜市長選を前に浅見、松本両氏

 長浜市長選(2月1日告示、8日投開票)への立候補を表明している現職の浅見宣義氏と、新人で元市議の松本長治氏を招いた公開討論会が10日、湖北文化ホールで開かれた。市民団体「湖北の地域医療を考える会」が主催し、両氏が市立湖北病院改築や市立病院の経営改善について意見を戦わせた。

 湖北病院の改築を巡っては、約30億円の財源不足が生じていることが最大の争点となった。浅見氏は「改築は絶対に必要だ」と前置きした上で、「総事業費117億円のうち約30億円が不足している。計画策定後に経営危機の問題が生じた。資金繰りを立てて市民に説明し、納得を得た上で責任を持って実行したい」と慎重姿勢を強調した。

 一方、松本氏は「令和7年度末には完了予定だった計画だ。すでに基本設計に1億円、実施設計に2億円、計3億円を投じている。今から再検討すれば、委員会や議会、国との調整、設計、工事で、5年はかかる」と指摘。「30億円を理由に先送りすれば何もできない。市民の命と健康を守るのは市の責任で、国や県と協議し、やり切るべきだ」と早期着工を求めた。

 これに対し浅見氏は「やり切ることは否定しない」とし、「急ぐことは大事だが、無責任なことはできない。30億円の手当てと病院経営危機への対応を同時に考えなければならない」と応じたが、松本氏は「ここに浅見市政の形が出ている。全く結果が出ていない。改築を絶対すると言ったのに、条件を付けてできていない」と批判した。

 病院経営への対応を巡っても応酬が続いた。来年度から診療報酬が3・09%改定されることで一定の経営改善効果が見込まれるが、浅見氏は「3・09%の診療報酬改定で危機的状況が改善されるわけではない。投資に見合う収入が得られていないことが問題点。病院事業自体が頑張らなければならない」と述べ、さらなる経営改善を病院側に求めた。

 松本氏は「市長の医療従事者への心無い発言で看護師が集まらなくなった。市長就任前は募集人員が確保できていた」とし、「地域医療を守るため、市長自身が立て直しに協力すべきだ」と主張。診療報酬改定で6〜7億円の改善が見込まれるとも述べた。

 浅見氏が「きちんとした経営状況をつくらないと病院や市の財政が倒れる。国、県の支援も必要だが、病院自体も今の改善計画以上の改革をしていただかないと」と語ると、松本氏は「であれば、ネガティブな情報ばかりを発信して看護師が集まらず、診療科を縮小しなければならないような病院経営をさせるべきではない」と指摘。浅見氏は「市民が知らなければならない情報で、ネガティブという評価は当たらない」と返した。

 湖北病院改築を「急ぐべき事業」とする点では一致したものの、病院経営改善への対応を巡る姿勢の違いが浮き彫りとなった討論会となった。地域医療と財政をどう守るのか、市長選の最大の争点となりそうだ。

2026年1月28日

衆院選公示、2区は自民・維新・中道の三つ巴

 衆院選が27日公示され、2月8日投開票の冬の選挙戦が幕を開けた。自民党と日本維新の会による連立与党に対し、立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」など野党勢力が対峙する構図で、各党は経済政策や社会保障、消費減税、外交・安全保障を主な争点に激しい論戦を展開する見通し。

 滋賀2区(長浜市、米原市、彦根市、近江八幡市、東近江市など)では、自民党前職で厚生労働大臣の上野賢一郎氏(60)に対し、日本維新の会の新人で元新聞記者の岡屋京佑氏(33)と、中道改革連合の新人で前米原市長の平尾道雄氏(75)が挑む三つ巴の戦いとなっている。

 2024年の前回選挙は、与党候補1人に野党候補2人が挑む構図だったが、今回は与党候補2人、野党候補1人へと勢力図が一変。これまで自民党を支援してきた公明党の支持票が、中道改革連合にどこまで集約されるかも、選挙戦の行方を左右する大きな焦点となりそうだ。

 

 

風穴をあけ前へ進める

維新新人 岡屋京佑候補(33)

 

 岡屋候補は近江八幡市で第一声。昨年夏の参院選に出馬した際に訴えた内容を振り返りながら「皆さんの厳しい生活は好転していない。現役世代の皆さんが報われる社会になっていない。特に給与から減らされている社会保険料の負担が本当に大きく、その負担を引き下げていかなければならない。人口が減少する中で、社会保険料の払い手がどんどん減少していき、皆さんの暮らしを守る社会保障の根幹が揺らいでいる。だからこそ、子どもたちのためにも社会保障制度改革が必要だ」と訴えた。

 日本維新の会が自民党と連立政権を組んだことについては「野党から与党に変わり、驚きや混乱があったが、維新の会が加わったことで、古い体質で進まなかった改革が一歩ずつ進んでいる」と強調。「例えば、社会保障制度の改革についても社会保険料を下げるために政府の総合経済対策に盛り込むことができた。医療や年金制度を続けるには、どのような抜本改革が必要かについて話し合う国民会議の設置が決まった」と述べた。

 物価高対策ついては「維新の会が何年も前から訴えてきたガソリンの暫定税率が廃止され、電気代やガス代への補助の拡充についても維新の会の提案で実現できた」と説明。「企業や団体の献金を受け取っていない、しがらみがない維新の会だからこそ、政治も変わってきた。風穴をあけていける若武者の集団が前に進めていくのか、それとも前の古い体質に時計の針を戻すのか、自民党と維新の会との連立政権の信を問うのが今回の選挙だ」と述べた。

 最後に「この改革を一緒に前へ進めましょう。皆さんの暮らしが厳しい中で、物価高対策や社会保障制度の改革を進めていく。そして子どもたちの未来を守っていくために、動いていく政治に変えていく。挑戦者の気持ちで、全力で頑張っていく」と締めくくった。

 

 

 

国でも地元でも結果出す

自民前職 上野賢一郎候補(60)

 

 上野候補は長浜市で第一声を上げ、「国でも地元でも結果を出す政治を貫く」と訴えた。

 厚労相としての実績を振り返り、「最も力を入れてきたのは医療・介護現場の改善だ」と強調。物価高の影響で経営が厳しさを増す医療機関や介護施設の現状に触れ、昨年の補正予算で約1・4兆円の支援策を講じ、年度内の支援実行を目指したと説明した。

 また、令和8年度の診療報酬改定については、30年ぶりとなるプラス3・09%を確保できたと報告。介護報酬も単年度で過去最高水準となり、「この予算を使っていただき、経営改善と賃上げにつなげていく」と述べ、介護職員の月額2万円程度の賃上げにつながるとの見通しを示した。

 経済政策では、「これまでの緊縮型から、責任ある積極財政へ大きく転換する」と高市政権の姿勢を紹介。AIや半導体、創薬、先端医療分野など、日本が世界と戦える分野への大胆な投資の必要性を訴えた。国内の研究・創薬機能の低下により、欧米で使える薬が日本では使えない「ドラッグロス」の問題にも言及し、iPS細胞など日本の技術力を生かして、「経済成長と国民の命を守る好循環をつくりたい」と語った。

 地元政策では、コメ政策をはじめとする農業支援、国道8号彦根バイパスや神田スマートインターチェンジの整備、姉川・高時川の河川改修などインフラ事業の加速を約束。また、彦根城の世界遺産登録に向けては「勝負の一年になる」と述べた。

 上野氏は「大変厳しい激戦が予想される。ふるさとの皆さんのお力を上野と高市内閣に与えてほしい。全身全霊で頑張る」と支援を呼び掛けた。

 国会議員や県議、地元市長らも順番にマイクを握って激励し、川島隆二県議は「大臣として恥ずかしくない立派な成績で押し上げていきましょう」と呼びかけた。

 

 

中道が日本の未来つくる

中道新人 平尾道雄候補(75)

 

 平尾候補は米原市で第一声を上げ、「人を大事にする人間中心の政治を実現したい」「中道が日本の未来をつくり、国民に明るい希望を与えたい」と訴え、支持を呼び掛けた。

 現代社会について「人に冷たい社会になっているのではないかという実感がある」と問題提起。「困っている人に寄り添い、『大丈夫』『お互い様だよ』と声を掛け合える、もっと優しく温かい日本、地域社会をつくろう」と語った。

 昨年末の補正予算で与野党が暮らしや平和を重視して共同修正した点を評価する一方、年明け早々の衆院解散には疑問を呈した。その上で、公明党や立憲民主党の議員が結集した中道改革連合の理念に共感したと説明し、「日本をもっと良い国にする。その思いで政権奪取を目指す」と訴えた。

 「中道とは、何かに偏らず、対立せず、寛容に多様な人々の思いをまとめる政治だ。その結果、人を幸せにし、平和な国と温かい地域社会をつくりあげる」と強調した。

 具体策では、食品の消費税ゼロを掲げ、「生活者ファースト、家計ファーストの政治を進める」と主張。現在の政治について「生活困窮者に理不尽に自己責任を押し付け、正当な扶助を与えていない。冷たい政府だ」と批判し、「国民の支持を得て変えていきたい」と述べた。

 4期16年近く市長を務めた経験を踏まえ、「政治と行政の課題は常に暮らしの中にある」と語り、「命をかける覚悟で、日本と地域を、人を大事にする国へ変えていきたい」と支持を求めた。

 応援演説では、立憲民主党県連代表の今江政彦県議は「平尾さんを国政に送り込めば、中道の精神で暮らしと平和、人間第一の国政を進めてくれる」と期待を寄せ、公明党県本部代表の清水ひとみ県議は「中道は生活者ファーストの人間主義で結集した。最後まで勝利を目指して走り抜こう」と呼びかけた。

2026年1月23日

一杯のコーヒーで琵琶湖を想う

環境保全に寄付「琵琶湖いきもの珈琲」発売

 高月町高月の自家焙煎店「匠の珈琲 Rainydaycoffee(レイニーデイコーヒー)」が、売上の一部を琵琶湖の環境保全活動に寄付する新商品「琵琶湖いきもの珈琲」を発売した。

 同店は「雨の降る日や心に少し影が差すような日にも、一杯のコーヒーで晴れやかな気持ちを届けたい」をコンセプトに、2020年から営業を続けてきた。近年は物価高の影響や商圏外への情報発信の難しさもあり、店として新たな価値の提示を模索していた。

 発想の原点となったのは、代表の中川匠さん(32)が愛犬とともに琵琶湖畔を歩いた際の体験だった。湖岸に目立つ漂着ごみを前に、かつて裸足で歩けた砂浜の記憶が重なり、「コーヒーを通して琵琶湖の環境や生き物たちのために何かできないか」と考えるようになったという。

 「琵琶湖いきもの珈琲」は、琵琶湖の深さや水の流れ、生き物たちの命の循環を、焙煎の深さとコーヒーの個性に重ねて表現した商品。中浅煎りの「ハリヨ」、中深煎りの「ビワヒガイ」、深煎りの「イワトコナマズ」の3種類をセットにし、飲み比べができる構成とした。

 豆は、透明感のある甘みを持つミャンマー産を中浅煎りに、華やかな香りとマイルドな苦味が特徴のグァテマラ産を中深煎りに、重厚なコクのあるブラジル産を深煎りに仕上げ、それぞれ琵琶湖の水の表情になぞらえている。

 セットには、ドリップバッグ3種のほか、琵琶湖に生きる生き物を描いたカード3枚とリーフレット1冊を同封。カードのイラストは大津市の高校生・黒川琉伊さんが手がけ、湖と生き物の世界観をやさしい筆致で表現している。

 売上の一部は琵琶湖の環境保全活動に寄付される。中川さんは「一杯のコーヒーが、琵琶湖を身近に感じ、自然を思うきっかけになれば」と話している。価格は3種類セットが950円、単品は380円。店舗、オンラインショップ、えきまちテラス長浜、琵琶湖博物館などで販売している。問い合わせは同店℡090(3621)3406へ。

2026年1月23日

学びの成果、仲間とともに

長浜農高・農産物利用分野3年生が最後の実習

 長浜農業高校食品科3年生が20日、高校生活最後となる実習に臨んだ。古代小麦を使ったうどんをこね、自家製味噌を使ったラーメンを調理するなど、これまで培ってきた加工技術とチームワークを確かめ合いながら、自分たちの料理を囲んで笑顔のひとときを過ごした。

 最後の実習に参加したのは、同科で農産物利用分野を学んできた3年生14人。ジャムや味噌など農産物の加工・貯蔵技術を中心に、新たな食品産業につながる知識と実践力を身につけてきた。

 3年生は課題研究の一環として、高月町の特産品「たかつきメロン」の規格外品を活用したジャムづくりに取り組んだ。たかつきメロンは厳しい出荷基準により、収穫量の約2割が規格外になるとされる。生徒たちはメロン特有のウリ臭を抑える工程に苦心しながらも試作を重ね、商品化にこぎつけた。

 また、古代小麦の一種で、小麦アレルギーを発症しにくいとされる「スペルト小麦」を使ったうどんづくりにも挑戦した。小麦粉の配合や塩分量、ゆで加減などを何度も検証し、完成させたうどんは、昨年11月の販売会で「もちもちした食感とのど越しが良い」と好評を得た。彦根市内で異業種から農業に参入した女性農家との実習をきっかけに、スペルト小麦の魅力を広く知ってもらおうと挑戦が始まったという。

 このほか、味噌、コチュジャン、ぶどうジュース、トマトソースなど、地域食材を生かした幅広い加工技術を学んできた。中でも、たかつきメロンジャムの商品化は高く評価され、昨年12月に名古屋市で開かれた高校生未来創造コンテスト(学校法人神野学園主催)で、全国112チームの中から3位チームに与えられる審査員特別賞を受賞した。同じく12月に開かれた、県内高校が集う「滋賀まなびの祭典」(県教委主催)でも、スペルト小麦のうどんづくりや今荘ブドウ園のブドウを使ったジュース製造などの取り組みが評価され、優秀賞に輝いた。

 指導に当たってきた小森恒夫教諭は「3年間で学んだ成果を存分に発揮してくれた」と生徒たちの成長をたたえた。

 20日の最後の実習では、調理室に湯気と香りが立ち込めた。生徒たちは自分たちで仕込んだ味噌を溶かしたスープでラーメンを完成させ、スペルト小麦のうどんを丁寧にゆで上げた。出来上がった料理を前に自然と笑顔がこぼれ、「味噌の香りがいい」などと感想を言い合って3年間の試行錯誤と努力を味わった。

 実習後、山口芽咲さん(18)と小林瑞希さん(17)は「他の学校では学べないことを学べ、良い経験になった。農家や地域の人など、さまざまな人と関わることができた。また、仲間と協力して一つのものを作り上げられた」と農高生活を振り返る。「たかつきメロンジャムやスペルト小麦うどんのレシピは後輩に託したい」と話す。

 卒業後は農業や食品製造業の道に進む予定の2人は「農高での経験を生かしていきたい」と笑顔を見せた。

2026年1月22日

郷土の味「えびまめ」が紙芝居に

中居さん制作「しがどうわ」  県内全図書館に配布

 滋賀の郷土をやさしい物語で描いてきた「しがどうわ」が、紙芝居になった。作品名は「しがどうわ えびまめ」。高畑町のイラストレーター・中居真理さん(44)が手がけ、県内の県立・市町立・私立図書館全52館に計100部が配布された。

 中居さんは2018年9月から23年6月まで、滋賀夕刊に「しがどうわ」を連載。滋賀の郷土料理や方言、地名を題材に、親しみやすい童話として描いてきた。連載は全80話に及び、「さばそうめん」「びわます」「いぶきだいこん」「こほくのしぐれ」「いぶきやま」「いかい」など、湖北地域の暮らしや風土が物語の中に息づいている。

 今回の紙芝居は「しがどうわ」の世界をもとに、中居さんが新たにイメージを膨らませた作品。テーマは滋賀の郷土料理「えびまめ」だ。えびちゃんとおまめさんたちが主人公となり、えびちゃんが、かにちゃんへのプレゼントを届けに向かう途中、おまめさんたちの行列に出会う—という心温まる物語が、12画面で展開される。

 18日には市立長浜図書館で開かれた「おはなし会」で紙芝居が上演され、親子連れらが耳を傾けた。会場後方でその様子を見守った中居さんは、子どもたちの反応に目を細めていた。

 中居さんは、「絵本と違って、紙芝居は演じられることが前提。初めての紙芝居でしたが、いい具合に仕上がったと思います」と手応えを感じつつも、「掛け合いなど、もっと工夫できる余地もある。次はアップデートしたい」と、次回作への意欲もうかがわせている。

 紙芝居の制作は、県の「読書のまちづくり推進事業」(県読書のまちづくり推進協議会)の一環。県内の図書館や書店が連携し、子どもたちが本に親しむ機会づくりを進めている。同協議会は「紙芝居ならではの良さを生かし、子どもたちの読書への入り口となることを期待している」と話している。

2026年1月22日

文化財を火災から守る

高月・赤後寺で防火訓練

 「文化財防火デー」(1月26日)を前に、火災防御訓練が18日、高月町唐川の赤後寺で行われた。唐川自治会、長浜市消防団高月方面隊七郷分団、湖北地域消防本部伊香消防署などから約20人が参加し、文化財を火災から守るための連携手順を確認した。

 文化財防火デーは1949年1月26日に奈良・法隆寺金堂で発生した火災をきっかけに制定された。貴重な文化財が火災で失われたことを教訓に、文化財の防火・防災意識を高める日として、毎年この時期に全国で訓練や啓発活動が行われている。

 訓練は、赤後寺裏山で火災が発生したとの想定で実施された。119番通報を行った後、自治会員が文化財の搬出、消火器による初期消火を実施。その後、境内に設置された放水銃を総代の今井克美さんが操作して放水した。消防団と伊香消防署も加わって一斉放水を行った。参加者は真剣な表情できびきびと動き、万一の際の役割分担や連携の流れを確認した。

 訓練後、森岡賢哉・長浜市文化観光課歴史まちづくり室室長は「市内には文化財が487件ある。文化財の多くは木や紙などの可燃物で作られており、火災になると大きな被害を受ける」と述べ、消防や文化財所有者だけでなく、地域全体で防火・防災意識を高める必要性を強調した。山口和博・伊香消防署長は「このような訓練を繰り返し積み重ねることによって有事に生かせられる」「自分たちの地域から火災を出さないよう、防火・防災に尽力してほしい」と話した。

 なお、湖北地域消防本部では24日に蓮華寺(米原市番場)、25日に神照寺(新庄寺町)、五村別院(五村)でも文化財防災訓練を実施する。

2026年1月22日

富田町の川崎さんグランプリ

獺祭の山田錦コンテスト 賞金4000万円

 日本を代表する日本酒「獺祭(だっさい)」を醸造する獺祭(旧・旭日酒造、山口県岩国市)が主催する酒米・山田錦の品質を競うコンテスト「最高を超える山田錦プロジェクト2025」で、長浜市富田町の農家、川崎太門さん(69)がグランプリに輝いた。20日、東京で表彰式があり、川崎さんに賞金4000万円が贈られた。

 コンテストは2019年に始まり、今回で7回目。山田錦栽培農家に夢と目標を持ってもらい、最高品質の酒米づくりに挑戦してもらおうと企画された。グランプリに選ばれると、出品単位となる80俵を、旭酒造が市場価格の約20倍にあたる4000万円で買い取る。

 最高級の獺祭は、米の周囲を極限まで削る精米工程を経て造られる。このため、米粒の中心部にある「心白(しんぱく)」が大きすぎず、中央に寄っていることなど、精米にどれだけ適しているかが審査基準となる。今回は全国から142件の応募があり、審査の結果、川崎さんの山田錦が頂点に立った。

 川崎さんは妻の由利子さん(64)ら家族で酒米づくりに取り組んできた。2015年に山田錦の栽培を始め、酷暑や水不足など厳しさを増す自然環境の中で試行錯誤を重ねてきた。「ただひたすら『良い酒米を作りたい』という一心で続けてきた。グランプリは驚きとともに、この上ない喜び」と語り、「自然豊かな湖北地方で最高の山田錦が育つことを、より多くの農家に知ってもらえるよう、これからも歩みを続けたい」と今後への思いを明かした。

 長浜市内では、米穀肥料商「落庄商店」(落合町)の呼びかけをきっかけに、2015年から獺祭向けの山田錦栽培が広がってきた。同社が栽培指導や獺祭への出荷を担い、川崎さんもそのサポートを受けてきた。

 湖北の地で育った山田錦が、日本酒の最高峰を支える存在として評価された今回の受賞は、地域農業の可能性を示す快挙となった。

2026年1月20日

はまかるエンゲキヴ7期成果公演

「アルファにまつわるエトセトラ」 24、25日長浜文芸会館で

 長浜文化芸術ユース会議が運営する若手育成事業「はまかるエンゲキヴ」第7期の成果発表公演「アルファにまつわるエトセトラ」が、24日午後7時、25日午後1時、同5時の3回、長浜文芸会館で上演される。

 「はまかるエンゲキヴ」は、18〜40歳の若者が約10カ月にわたり演技力や表現力を磨く人材育成プログラム。今年度は湖北地域を中心に集まった6人が4月から稽古を重ね、完全オリジナル作品に挑む。9月の試演会を経て内容を練り上げ、今回は集大成の舞台となる。

 物語の主人公は、ピザ屋で働くウダツの上がらない青年・紀之。遅刻魔の先輩や騒がしい常連客、不審な電話に振り回される日々の中、ある男の来訪をきっかけに運命が大きく動き出す。若者ならではの視点で描く。

 25日午後1時の回は「ええほん公演」として実施。上演中に声が出てしまっても構わず、小さな子どもも一緒に観劇できる。客席の照明を少し明るくし、暗闇が不安な人も安心して楽しめる。

 出演は大谷佑真さん、岸田志緒理さん、青木雅浩さん、北村明子さん、宮本有利さん、本庄紫朱希さんの6人に、磯﨑真一さん、北澤あさこさんがゲスト参加。地域で活躍する先輩俳優と共に学び合いながら成長してきた姿にも注目される。

 チケットは一般2500円、大学生以下1500円、未就学児無料(ええほん公演のみ入場可)。当日券は500円増。配信チケット(1000円)も用意され、31日から2月28日までアーカイブ視聴できる。長浜文芸会館、浅井文化ホール、木之本スティックホール、teket、ローソン、チケットぴあで発売中。

2026年1月19日

新コンセプトハウス「リッケ」

長住建設、平方町で24日から公開

 長住建設(大戌亥町、松居慶浩社長)は、平方町にフィアスホーム彦根店の新コンセプトハウス「Lykke(リッケ)」を建設し、24日から公開する。分譲地内で初となるモデル住宅で、同日午前9時からオープニングセレモニーを行う。

 「リッケ」は、北欧の言葉で「しあわせ」を意味する。少ないエネルギー消費でも快適な暮らしを実現する高気密・高断熱住宅で、自然の光や風を取り入れるパッシブデザインを採用。南側の深い庇や窓配置により、夏は日射を抑え、冬は日差しを取り込む設計とした。

 室内は大きな吹き抜けのある開放的なLDKが特徴で、家族が自然と集まる心地よい空間を演出している。主寝室や水回りを1階に配置し、平屋のように暮らせる間取りとした点も特徴。女性設計士の視点を生かした家事動線や収納計画により、暮らしやすさを追求した。

 フィアスホーム独自の高性能断熱パネル「eパネル」とトリプルガラス窓を採用し、外皮平均熱貫流率(UA値)は0・39W/㎡K、相当隙間面積(C値)は0・26㎠/㎡と、北海道基準を上回る水準を確保している。大きな吹き抜けを設けながらも、冷暖房負荷を抑えられる点が特徴だ。

 構造面では、耐震等級3に制震機能を組み合わせ、独自構造「粘震」を採用。地震時の揺れに繰り返し耐える設計とし、壁倍率を高めることで、吹き抜けや大開口といった開放的な空間設計を可能にしている。

 敷地面積185平方㍍、延べ床面積102平方㍍。公開初日の24日と25日にはキッチンカーが出店し、ミニマルシェも同時開催される。

 営業時間は午前10時から午後5時まで。場所は長浜北高校西側の分譲地。問い合わせは長住建設℡(63)1611へ。

2026年1月16日

未来のブカツ、陸上教室で幕開け

トップ選手が直接指導 市外からも参加

 子どもたちに新しい学びと出会いを届ける「KOHOKU未来のブカツプロジェクト」が1月からスタートした。10日は長浜北高グラウンドで、湖北地域を拠点にする陸上競技専門クラブ「FAAST&F」が企画した陸上教室が開かれた。

 「足が速くなりたい小・中学生集まれ!」を合言葉に行われ、小学5年から中学2年までの約20人が参加し、長浜北高陸上部の部員も加わった。

 講師は2024年日本陸上選手権100㍍女子4位の山中日菜美さん。トップレベルで活躍する選手の来場とあって、市外から参加した子どももいた。

 山中さんは、速く走るための正しい姿勢や足の上げ方などを丁寧に指導。「正しい姿勢でスムーズに走ることが大切」などと繰り返し声をかけ、子どもたちは真剣な表情でトレーニングに取り組んでいた。

 参加した山東小6年の筑摩侑衣伽さんは「山中さんに教えてもらえるのを楽しみにしていた。姿勢など基礎の大切さを改めて知った」と話していた。

 同プロジェクトは、湖北市民会議が中心となり、地域のクラブ、企業、高校、文化団体などが連携して実施する体験型講座。1〜3月にかけて「カメラ撮影」「フラワーアレンジメント」「フラッグフットボール」「しゃぎり」「パン作り」「軽音バンド」など、スポーツ・文化分野を中心に全15講座を長浜市内各地で展開する。

 少子化や教員の働き方改革を背景に、学校部活動のあり方が問われる中、地域が担う「新しいブカツ」のモデルづくりとして期待が高まっている。

2026年1月16日

早春彩る長浜盆梅展 開幕

樹齢4百年の古木など、カフェ・バーも

 新春の風物詩「長浜盆梅展」が10日、港町の慶雲館で開幕した。1952年に始まり今回で75回目を迎える伝統行事で、会場には樹齢400年と伝わる古木を含む約90鉢の盆梅が並び、早春の香りに包まれている。

 本館では明治建築の純和室に盆梅がずらりと展示され、金屏風前では水盤に映り込む盆梅を楽しめる特別展示も復活。来場者は写真を撮ったり、間近で枝ぶりや花の表情を観賞したりと、思い思いに新春のひとときを楽しんでいる。

 新館「梅の館」では、期間限定カフェ「盆梅喫茶 木の花 konohana」を営業。わらび餅などの定番メニューのほか、慶雲館オリジナルメニューやミニ盆梅をイメージした数量限定スイーツを提供し、梅の花を眺めながら安らぎの時間を楽しめる。

 会期中の1月31日から3月1日までの土日・祝日は夜間ライトアップを実施。これに合わせてバー「盆梅酒庵 旅人 tabito」もオープンし、梅酒などのアルコールドリンクを提供する。

 また、長浜盆梅展で管理する梅の実を日本酒で漬け込んだ「長浜盆梅」(佐藤酒造)の販売も始まった。長浜産山田錦で醸造した芳醇な純米吟醸酒に、完熟梅を3カ月漬け込んだもので、梅の清々しい香味と日本酒の旨みが調和した味わいが特徴。会場内の特産品販売コーナーで購入できる。

2026年1月15日

「職務に全霊を」決意新た

消防出初式で行進や一斉放水

 長浜市の消防出初式が10日、市役所浅井支所駐車場と浅井文化ホールで開かれた。消防団員ら約450人が参加し、消防車両11台が出動。新年にあたり、災害への備えと地域の安全を守る決意を新たにした。

 式では各分団による分列行進のほか、訓示や一斉放水が行われた。

 訓示で瀧上哲男団長は、人口減少や高齢化の影響で消防団員数が減少する一方、気候変動に伴う災害の激甚化・複雑化によって、団員にはより高度な知識と技術、柔軟な対応力が求められていると指摘。①確かな知識と技術の習得、②地域連携と防災啓発の強化、③消防団員の確保—の3点を重点課題に掲げ、「長浜市の安心と安全は私たちが守るという強い決意と使命を胸に、規律厳正、士気旺盛をもってこの1年の職務に全身全霊を傾けてほしい」と団員に呼びかけた。

 このほか、永年勤続者をたたえる表彰式も行われ、表彰状や感謝状が贈られた。長年にわたり消防団活動に従事し、顕著な功績を挙げた団員に贈られる県消防協会長表彰の功績章、勤功章の受賞者は次の皆さん。

 【功績章】中村惠二(長浜)、中村恵人(同)、古山和宏(同)、髙山俊彦(浅井)、中川悟志(びわ)、白髭滋昭(木之本)、前田泰宏(余呉)。

 【勤功章】片桐秀樹(長浜)、中島淳(同)、奥原伸五(同)、中川尊弘(同)、辻甚衛(同)、西村有弘(浅井)、千田金典(同)、森川学(びわ)、前田健二(虎姫)、清水卓也(湖北)、山岡健一(高月)、木下洋平(木之本)、髙橋元樹(同)、二宮伸夫(同)、河合友和(余呉)、松井俊広(西浅井)。