デイサービス「ほほえみ」で嗅覚トレーニング
社会福祉法人近江幸楽会が運営するデイサービスセンター「ほほえみ」(下坂中町)で、嗅覚を刺激する「オルファクトリートレーニング(嗅覚トレーニング)」の取り組みが行われている。加齢に伴う心身の衰え「フレイル」の予防につなげようと、利用者が香りを嗅ぎ、嗅覚を意識する機会を設けている。
きっかけは、同センター管理者の林直子さんがフレイル予防の事例として嗅覚トレーニングを新聞で知ったこと。昨年7月に京都で開かれた学会を聴講し、センターの利用者にも応用できるのではないかと考え、翌8月から導入した。
トレーニングでは透明の小瓶に入れた香りを利用者に嗅いでもらい、「匂いがするか」「何の匂いか」を感じ取ってもらう。中身が見えないよう手拭いで目隠しをした状態で行い、1日2回実施。入浴剤や線香、カレー粉、柑橘系アロマ、ラベンダーオイルなど、利用者にとって身近な香りを用いている。差し出した小瓶すべてに「匂いがする」と答える利用者もいるため、現在は反応を確かめるために空の小瓶も用意している。
利用者の反応は「何の匂いもしない」「匂いはするが種類が分からない」「匂いが分かる」などさまざまで、日によって変わることも多く、成果は一進一退という。ただ、これまでに2人の利用者が匂いをかぎ分けられるようになった。
林さんが驚いたのは、刺激の強いカレー粉の香りについても「匂わない」と話す利用者がいたことだ。「これではガス漏れや傷んだ食べ物、排せつ漏れにも気付かないのでは」と、嗅覚低下の危険性を感じたという。
嗅覚は、視力の眼鏡や聴力の補聴器のように機能を補う身近な道具がないことから、機能低下の予防が欠かせない。
このトレーニングが嗅覚や認知の機能向上につながっているかは現時点で確証はないが、林さんは「継続することで嗅覚や認知機能を維持し、低下を防げれば」と話している。





