米川にビワマス戻る兆し

2年ぶり稚魚確認、「100年前の姿」期待

 長浜市の中心市街地を流れる米川で8日、琵琶湖固有種ビワマスの稚魚2匹が確認された。長浜地域づくり連合会と近江淡水生物研究所が実施した水生生物調査で捕獲されたもので、米川で稚魚が確認されるのは2年ぶり。市街地の川にビワマスが戻りつつある兆しとして、関係者から喜びの声が上がっている。

 ビワマスは琵琶湖のみに生息するサケ科の魚で、秋に河川上流へ遡上して産卵し、春から初夏にかけて稚魚が琵琶湖へ下る。米川沿いでは「子どものころ、窓から手を伸ばしてビワマスをつかんだ」という古老の証言も残る。100年ほど前は豊富に生息していたとされる。

 その後は水質の悪化などで米川では長らくビワマスの姿が確認されていなかったが、2021年に長浜赤十字病院付近で遡上する成魚の動画が撮影された。さらに24年にはJR長浜駅付近でも琵琶湖へ下る稚魚が確認され、市街地の川にビワマスが戻りつつある可能性が指摘されていた。

 これを受け、長浜まちなか地域づくり連合会などは「米川ビワマスプロジェクト」を開始。昨年10月にはビワマスが産卵しやすいよう、クワで川底を耕し、砂礫を柔らかくするなど産卵環境の改善に取り組んできた。

 この日の調査には連合会と研究所のほか、虎姫高校新聞部の生徒を含め計25人が参加。長浜幼稚園西側付近の米川で、たも網を使って魚類や水生生物を調べたところ、琵琶湖へ下る途中とみられる体長5㌢と3・5㌢ほどの稚魚を捕獲した。

 参加者からは「昨秋、米川を遡上したビワマスが産卵していた証拠」との声が上がった。ビワマスのほか、ヨシノボリ、オイカワ、ウキゴリ、ヤツメウナギ、ウツセミカジカなども確認された。

 連合会の地域活力プランナーで米川ビワマスプロジェクトを進める田中省吾さん(72)は、自らたも網で稚魚を捕獲。「本当にうれしい。100年前の米川の姿が垣間見えたようだ。環境が良くなっているということに尽きる。ビワマスが遡上する川になっている」と期待と希望を膨らませている。

 今月21日には、曳山博物館横を流れる米川でビワマス稚魚の放流が予定されている。今回の発見は、米川がビワマスの生息環境として適している可能性を示すものとして関係者の期待を高めている。

 放流は午前10時から。現在、放流に参加する小学生と保護者20組を募集しており、申し込みは18日までhttps://logoform.jp/form/BJcW/1394981で受け付けている。

掲載日: 2026年03月10日