2025年9月26日

松永料理長「非日常、味わえる店に」

高月町出身、彦根でイタリアンレストラン

 彦根市本町のイタリアンレストラン「ピッツェリア・アズーリ」が、ディナー営業を開始。料理長を務める高月町出身の松永亮太さん(37)は「滋賀の食文化に新たな風を吹かせたい」と意気込みを語っている。

 同店は練り上げた生地を石窯で焼いて仕上げるナポリ風のピザがメイン。王道のマルゲリータ、「森のピッツァ」と呼ばれるボスカイオーラ、生ハムと半熟卵を使ったビスマルクなどをそろえる。このほかパスタや魚介、肉料理など豊富なラインナップ。

 松永さんは長浜高校卒業後、調理師専門学校のエコール辻大阪でフランス・イタリア料理を学び、東京のフレンチレストランで修業。26歳からフランスの星付きレストランなどで研鑽を積み、帰国後もフレンチやイタリアン、スパニッシュ、和食の店で料理を提供してきた。

 さまざまなジャンルの料理を経験し、すべてを融合させた料理スタイルを確立したが、「繊細過ぎる性格のため、力の抜き方がわからず、仕事がきつ過ぎて挫折することもあった」と振り返りながら「自身の料理で喜んでくれるお客さんの笑顔が乗り越えられる力になった」という。

 自由かつ、個人の特性を尊重するフランスでの経験から、社員やパート、アルバイトの意見を取り入れる「スタッフ一丸」での店舗作りを心がける。また松永さん自身が出勤途中に彦根市内の直売所で野菜やフルーツを購入し、地元産の食材を使った料理の提供にもこだわりを見せる。

 来店客を見ながら、その雰囲気に合わせて料理の盛り付けや皿を変えていくといい、松永さんは「一皿一皿に手間をかけ、来店客がこれまでに食べたことがないような料理を提供したい。若者からお年寄りまでの誰もが非日常を感じながら、気軽に楽しめる店にしたい」と力強く語った。

 10月以降、近江牛や小鮎、鴨などを使った料理などメニューを充実させていく。

 同店は宿泊施設「THE BANK HATAGO HIKОNE」内にある。営業時間は午後5時半から同9時半。ランチやカフェタイムも営業している。水曜定休。60席。問い合わせは同店℡0749(47)6938。

(滋賀彦根新聞)

2025年9月26日

「旅する蝶」例年より早く飛来

西浅井のペンションにアサギマダラ

 西浅井町大浦のログハウスペンションのRudder(ラダー)に、「旅する蝶」として知られるアサギマダラが今年も飛来した。暑さの影響か、例年より早い訪れに代表の田中伸征さん(56)は「こんなに早く見られたのは初めて」と驚いていた。

 アサギマダラは春から夏にかけて北へ移動し、越冬のため秋になると南に戻る。長距離を飛ぶ蝶として知られ、南への通過途中の毎年この時期に西浅井町などを訪れる。

 同ペンションは蝶が飛び交う「バタフライガーデン」を目指し、2020年春からフジバカマやキバナコスモス、ヒャクニチソウ、蝶の幼虫のエサとなる草花など15種類ほどを植えたところ、フジバカマを求めて優雅に飛ぶアサギマダラの姿が毎年この時期に見られるようになった。

 田中さんによると、今年は昨年(9月26日)より1週間ほど早い19日にアサギマダラ1匹の姿を確認。ほかにナガサキアゲハなどの蝶も見られる。

 田中さんは「今年は猛暑の影響か、昨年より開花が早いため、飛来の時期も早くなったのでは。朝になるとひらひらと舞い降り、夕方に優雅に帰るアサギマダラの姿がとても美しい。飛来数もこれから増えてくると思う」と話していた。見ごろは10月中旬まで。

 アサギマダラを観察できるバタフライガーデンはオープンカフェの敷地内にある。カフェでは地産地消のオムライスや自家製パンのフレンチトースト、コーヒーなどが楽しめる。営業時間は午前11時から午後4時まで。不定休。

2025年9月18日

「平和への祈り」込め奉納揮毫

近江高書芸部員が県護国神社で

 国際平和デーの9月21日に合わせて、世界平和への祈りを込めて全国各地の護国神社で奉納が行われている。彦根市尾末町の滋賀県護国神社では15日、近江高校書芸部の部員たちが「祈」などの文字を書いた。

 聖徳太子の十七条憲法を世界遺産に登録するため、和の精神を広く伝えていこうと、同憲法に登場する「以和為貴」に賛同する全国の書家ら有志が「和プロジェクトTAISHI」を企画。2017年から国際平和デーに合わせて全国各地の護国神社で奉納揮毫を実施している。

 滋賀県護国神社では2021年から行われており、5回目となった今年は近江高書芸部の1年から3年までの部員5人が参加。拝殿で山本大司宮司から部員一人ずつが祈とうを受け、プロジェクトの宮本辰彦代表が「戦没者の遺族が孫やひ孫世代になり、護国神社をまもる者が少なくなってきた。先人の方々の礎に今の平和があることを忘れず、護国神社を皆さんの手で支えてほしい」とあいさつ。

 その後、桜模様入りの縦94㌢、横300㌢の障子紙の真ん中に朱墨で「祈」を書き、部員一人ずつが「恒久平和」「以和為貴」「千里同風」「安穏無事」「四海波静」文字を墨で書いた。

 部員たちはこの日に向けて約1カ月間、書の練習を重ね、本番では15分ほどで完成させた。部長の杉浦さん(18)は「お年寄りも若者も私たちが発信するスマイルメッセージで、彦根から日本や世界中が平和で笑顔で過ごせる世になることを祈っている」と話した。完成した作品はアルプラザ彦根に展示される予定。

2025年9月12日

国民スポーツ大会、会期前競技始まる

 第79回国民スポーツ大会の会期前競技が6日、長浜市など県内各地で始まり、各都道府県の代表選手が熱戦を繰り広げている。豊公園自由広場では9日にかけてバレーボール競技のビーチバレーボールが行われ、少年男子と少年女子の部に高校生ペアが出場。炎天下の砂コートで熱戦を展開していた。

 滋賀勢は7日に下元琉煌(比叡山高3年)・吉見元気(同2年)ペアと、脇坂湖晴(八幡高3年)・奥野優凪(草津東高2年)ペアが出場。ペアの連携が勝敗を左右する競技だけに、声をかけ合いながらボールをつなぐ姿が印象的だった。

 両ペアとも2回戦で敗退したが、観客席からの「いけいけ滋賀」の声援に押されて白熱の攻防を繰り広げ、スパイクを決めるたびに大きな拍手と歓声が沸いた。

 

 

 県民共済ドーム長浜では、公開競技のゲートボールが6、7日行われ、女子チームが3位入賞を果たした。

 ゲートボールは5人1組のチーム戦で、スティックでボールを打ち、3つのゲートを通過させゴールポールに当てることで得点を競う。戦略性と技術が勝敗を分ける。高齢者を中心に親しまれているが、世代を問わず楽しめる。

 国スポには地区予選を勝ち抜いた男女31チームから16~90歳の選手が出場。6日にリーグ戦、7日に決勝トーナメントを行った。

 女子の部の滋賀県勢は田中光子(81)、伊藤淑子(80)、宿谷孝子(77)、坂東暁美(74)、須田ちづ子(69)の5選手が出場し、リーグ戦を2勝1敗で突破。決勝トーナメントでは準決勝で今大会優勝の埼玉に敗れたものの、気持ちを切り替えて臨んだ3位決定戦で序盤から優勢に試合を進め3位入賞を果たした。

 昨年佐賀県で開かれた国スポで準優勝した滋賀男子チームはリーグ戦で敗退した。

 

 

 水泳競技・オープンウォータースイミング(OWS)は10日、南浜町の琵琶湖特設会場で開催された。

 OWSは海や湖、川など自然の中に設けたコースを泳ぐ競技。男子の部に35人、女子の部に30人が出場し、琵琶湖沖に浮かべた4つのブイを時計回りに泳ぐ5㌔のコースで順位を競った。

 男子の部に滋賀代表として出場した本山空選手(22)=草津市、県スポーツ協会所属=は途中で先頭に躍り出てレースのスピードをコントロール。ライバル選手のスタミナを奪う作戦で、ゴール直前までトップ争いを演じ、56分59秒1でフィニッシュ。1位選手と2・8秒差、3位選手とわずか0・1秒差で4位となった。

 今回で5回目の国スポ(国体含む)出場となった本山選手。一時は引退を決め半年間ほど練習から遠ざかっていたという。「僕の可能性を信じて協会の方々らが応援してくださったおかげで、全国の舞台に帰って来られた」と周囲のサポートに感謝の気持ちを述べていた。南浜でのレースについて「淡水は浮かないので泳ぎ方に工夫が必要だが、きょうは風も波もなく、プールと変わらない環境だった」と話していた。

 男子の部は南出大伸選手(和歌山県)が56分56秒3で、女子の部は梶本一花選手(大阪府)が1時間1分49秒1で優勝した。滋賀代表の山花咲選手(16)=守山市、草津東高1年)は24位だった。

 会場には地元のびわ南小の全校児童164人が応援に駆け付け、スティックバルーンを叩いて選手に声援を送っていた。

 レースは開始時刻を予定より約2~5時間前倒しして、男子が午前8時、女子がその5分後にスタートした。厳しい残暑で日中の水温が高く、大会中止の規定となる31・0℃に迫る日が続いていたことから、前日の9日に開始時刻の前倒しを決定した。この日のレース前の水温は29・1℃だった。

2025年9月10日

虎神殿に阪神優勝を報告

JR虎姫駅前にファン集う「日本一を」

 阪神タイガースが7日、甲子園球場での広島東洋カープ戦に2対0で勝ち2年ぶり7回目のセ・リーグ優勝を決めたことを受け、JR虎姫駅前に建立されている「虎神殿」で8日、地元の虎ファンらが優勝報告を行った。

 虎神殿はタイガースがリーグ優勝した2003年に地元商店街の有志が整備し、張り子の虎を祀っている。この日は、虎神殿の世話を続けている大寺町の多賀冨美男さん(72)ら11人が集って阪神優勝を報告。あわせてクライマックスシリーズ突破と日本シリーズの制覇を祈願した。遠くは神戸市や日野町から訪れたファンもいた。

 また、虎神殿に訪れた人や虎姫駅の乗降客に藤川球児監督が口にする「ノンシュガー 果実のど飴」と、岡田彰布前監督の好物の「パインアメ」を配り、喜びを分かち合っていた。

 NPB最速記録となる9月7日での優勝に「こんな強い阪神は見たことがない。たとえ序盤で負けていても逆転の期待感が常にある」と多賀さん。神殿の横に優勝へのマジックナンバーを掲示して毎日更新し、優勝へのカウントダウンを楽しんできた。

 今年の阪神は藤川監督の人気に押されファンのチケット争奪戦が過熱。多賀さんもチケットが取れず甲子園で応援できたのはわずか2回だった。「必ず日本一になる。これからもテレビで一生懸命応援したい」と話した。

2025年9月8日

瀬古選手、東京・世界陸上の代表選出

男子走高跳、日本歴代2位タイの記録で突破

 県スポーツ協会所属で、長浜市を拠点に活動する陸上スクール「FAAS T&F」の特別コーチも務める瀬古優斗選手(27)=男子走高跳=が13日開幕の東京世界陸上の日本代表選手に選ばれた。日本陸連が2日発表した。

 瀬古選手は8月15日に行われた「ANG福井」で日本歴代2位タイとなる2㍍33を跳び、世界陸上の参加標準記録を突破した。これまでの自己記録を6㌢も超える大きな跳躍で、日本代表選出を大きく手繰り寄せた。

 瀬古選手は大津市出身で、草津東高、中京大学を経て、現在は同協会所属。国内外の大会で上位入賞を重ねてきた。昨年はパリ五輪出場を射程圏内に収め、FAAS主宰で陸上仲間の森善哉さん(27)=細江町=がクラウドファンディングを企画するなどして応援していたが、昨年の日本選手権の成績が7位と伸びず、出場を勝ち取ることができなかった。

 その後は世界陸上を目指して練習に励んでいた。そこで迎えた日本グランプリシリーズのANG福井。2021年に跳んだ自己記録を3㌢更新する2㍍30を3回目にクリア。世界陸上の標準記録となる2㍍33に挑戦し、ノータッチでバーを越えるとガッツポーズを見せた。日本記録となる2㍍36にも挑戦したが、これは失敗した。

 「2023年ブダペスト世界選手権、2024年パリ五輪と2年連続で代表の座を逃した」とこれまでの悔しさを振り返る瀬古選手。「今シーズンは三度目の正直で代表の座を勝ち取れた。これからの自信にしたい」と語る。

 高校時代までは全国大会への出場経験もなく、日本代表の肩書きは23、24年のアジア室内陸上のみ。このため世界の舞台を目指して、東京五輪の走高跳の強化スタッフを務めるなど多くのトップアスリートを育成してきた福間博樹さんに指導を仰いだ。世界陸上の代表選出に「これまで応援してくれたすべての方への感謝とともに世界陸上を楽しみたい」と語る。

 FAASで瀬古選手と一緒に中高生を指導し、選手活動をサポートしてきた森さんは「昨年の日本選手権は7位、今年は5位と追い込まれていた。ANG福井ではスパイクが壊れるトラブルもあったが、冷静に対処できた。めったに見せないガッツポーズが彼の喜びぶりを示していた」と振り返り、「彼にとってはこれからが本当の勝負。世界陸上を皆さんと一緒に見守りたい」と話している。

 なお、瀬古選手は国民スポーツ大会への出場も決まっている。

2025年9月5日

豊栄建設、働きやすさ三つ星

女性活躍推進で県が認証、長浜初

 女性の活躍を促進する県の女性活躍推進企業認証制度に基づき、細江町の豊栄建設が最高位の「三つ星企業」として認証を受けた。

 認証制度は2015年に始まり8月28日時点で342社が認証されているが、最高位の三ツ星は同社を含め11社のみ。長浜市内では同社が初めての認証。

 三つ星認証には32項目ある取り組み基準のうち26項目以上を達成することに加え、課長相当職以上の女性比率が30%以上であることが要件。

 同社は子育て世代を支援する国認定制度「くるみん」を3度取得するなど社員の働きやすい環境づくりに力を注いできた。残業削減やワーク・ライフ・バランスの推進、女性技術者の育成にも積極的に取り組んでいる。

 県庁で行われた認証書授与式には同社の森善和社長と女性活躍推進係の伊藤洋子さんが出席。岸本織江副知事から認証書を受け取り、意見交換を行った。森社長らは「男性も子どもの出産や運動会などで気楽に休んでもよいという雰囲気を昔からつくってきた」「従業員の家族や地域の子どもが会社に遊びに来られたりする。雪の時は、会社が地域の雪かきなどをしている。普段から地域とのつながりを大切にしている」「女性も資格取得のために勉強をしており、会社が支援している」などと日ごろからの社内外での取り組みを説明。「普段から当たり前にやっていることを認めていただいた。これからも継続していきたい」などと話していた。

 岸本副知事は「10年前から始まった認証制度の中で三ツ星企業は11社目。長浜の地から他の企業をリードしてもらいたい」と声をかけていた。

2025年9月1日

長浜舞台のSFコメディ映画「ジモトループ」制作

堤監督 CFで支援呼びかけ

 長浜市を舞台にしたSFコメディ映画「ジモトループ」の制作が進んでいる。物語は「地元から出ようとするとその日の朝に時間が戻ってしまう」という謎のタイムループに囚われた女性が、地元脱出を目指して奮闘する姿を描く。

 主演はNHK連続テレビ小説「あさが来た」「べっぴんさん」に出演した畦田ひとみさん。本作が映画単独初主演となる。同級生役を映画「ブラックホールに願いを!」の岡崎森馬さんが務めるほか、滋賀県出身の元AKB48の濵咲友菜さんや長浜市を拠点に活動するタレント・もえりーぬさんら、滋賀・関西出身者を中心にしたキャストが集結した。

 監督・脚本は長浜市神照町出身の堤真矢さん(39)。堤さんは中学生の頃に見た「スター・ウォーズ エピソード1」に魅了され、映画を撮るようになったという。長浜北中時代には1時間40分のSF長編映画を自主制作して文化祭で上映。虎姫高では演劇部に所属して脚本や演出を学んだ。進学先の九州大芸術工学部画像設計学科や武蔵野美術大大学院造形研究科デザイン専攻映像コースでは映画づくりに没頭した。

 現在は東京を拠点にフリーランスで映像制作を行う傍ら「Tick Tack Movie」名義で映画を制作している。コロナ禍の東京をポップに描いた「もうひとつのことば」(2021年)は国内外の映画祭で評価を受けている。

 音楽は同じく長浜市出身で滋賀県高校野球ハイライトのテーマ曲などを手掛ける服部良夢さんが担当。映像と音楽の両面で長浜ゆかりの創作陣が集う。

 撮影は今年5月に全体の6割ほどを終えており、10月に後半撮影を経て来春の完成を目指す。

 撮影費用などを募るクラウドファンディング(CF)を10月31日まで実施し、目標金額は200万円。支援金は後半撮影費やポストプロダクション費、映画祭出品・劇場公開活動の資金に充てる。返礼品はオリジナルTシャツやエンドロールへの名前掲載など。

 「長浜で過ごした中学時代に初めて映画制作を経験し、いつか故郷を舞台にまた長編映画を作りたいと思い続けてきた」と語る堤監督。今作では「『人生の半径は自分で決める』というテーマのもと、地元を出たい、出られない、という葛藤をSF的な仕掛けで描く。ご当地映画の枠に留まらず、あらゆる人が生き方を広げる勇気を持てるような、普遍的なエンターテインメント作品を目指す。ぜひ応援いただき、この作品を一緒に完成させてください」と協力を呼びかけている。CFはhttps://motion-gallery.net/projects/jimotoloopから。