農繁期前に農作業安全講習会
田植えの春を前に、農作業中の事故や熱中症を防ぐための農作業安全講習会が7日、米原市長岡の農機販売会社「マルモト」の整備センターで開かれた。米原市や長浜市の農業従事者62人が参加し、実例に基づいた安全対策に耳を傾けた。
講習では、ヤンマーアグリジャパン(守山市)の技術社員・早﨑徹さん(31)が登壇。2023年の農水省などの統計をもとに農業における死亡事故の深刻さを指摘した。就業10万人あたりの死亡者数は全産業平均が1・3人であるのに対し、農業は11・6人と約9倍に上るという。特に公道での大型農機による単独転倒・転落が死亡事故の約8割を占めるとして、安全走行の徹底を呼びかけた。
マルモトの丸本眞佐雄社長は、農作業中の熱中症対策について解説。農水省の統計をもとに、昨年6月の熱中症による救急搬送者が前年比で倍増し、392人に上ったことを紹介した。湿度や輻射熱を加味した「暑さ指数(WBGT)」計測器の活用や、午後1時から4時の作業中止、空調服の利用などを推奨。また、厚労省が労働安全衛生規則を改正し、昨年6月から事業主に労働者への熱中症対策を義務化していることにも触れた。
万一の事態に備え、氏名や緊急連絡先、持病、常用薬などを記したカードを首から下げておく「名刺ホルダー」の活用も紹介。「『自分は臆病だ』という慎重さこそが事故を防ぐ」と呼びかけた。
このほか同社社員から、米原市内で昨年実際に起きた農機事故の事例も説明された。初めて参加した米原市の上平寺営農組合の丸本克弥さん(57)は「農作業での熱中症対策や安全講習を受ける機会がないのでありがたい。安全への意識を高めることは農業の近代化の一環だと感じた」と話していた。





