空き店舗、分割利用で創業後押し

大通寺表参道にオムライス店とゲストハウス

 大通寺門前の表参道(元浜町)の一角に5日、オムライス専門店「洋食堂おむひこ」と、交流型宿泊施設「ゲストハウスミカタ」が同時オープンする。長浜商工会議所などが主導する中心市街地の空き店舗を活用した新たな創業支援の取り組みが実を結んだ形で、1物件を2事業者で分割利用する形での開業は、市内では珍しい試みという。

 中心市街地は、新型コロナウイルス禍からの回復や観光客の増加を背景に来街者数が持ち直しつつある。2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」放送もあり、観光需要の高まりが期待される。一方で、人口減少や商店主の高齢化に伴う空き店舗増加が課題となっている。

 こうした中、第3セクターの長浜まちづくり、長浜商工会議所、市が連携し、不動産会社の協力を得て「空き店舗活用スタートアップ支援」を実施。面積の広い物件を2者で分割して借りることで、初期投資や家賃負担を抑え、創業しやすい環境を整えた。固定家賃を相場より低く設定し、売上高に応じた歩合家賃を組み合わせる仕組みで、軌道に乗るまで伴走支援する。

 物件は元居酒屋で、コロナ禍での撤退後、空き店舗となっていた。市街地を流れる米川に面し、川面を望む風情ある立地。

 1階に店を構えた「洋食堂おむひこ」は、高山保さんが移動販売で展開してきたオムライス専門店。2018年までの9年間、駅前通りで営業していたが閉店。23年から各地で移動販売車による出店を重ね、再起を模索してきた。観光客が多く訪れる通りでの再出発に「街歩き客の回遊促進と地域活性化につなげたい」と意気込む。

 一方、2階に客室を設けた「ゲストハウスミカタ」は、長浜市出身の早川康輝さんが開業する。学生時代に東南アジアなど11カ国を巡った経験から宿業を志し、東京都内のゲストハウスで運営全般を学んだ。ゲストハウスは素泊まり中心の手頃な宿泊拠点として整備し、「街と旅人、宿の三者がまた会いたくなる場の創出を目指したい」と話す。

 空き店舗対策と創業支援を兼ねた今回の取り組み。大通寺では北近江豊臣博覧会が開かれ、表参道は例年以上の人出でにぎわう。通りに新たな灯がともったことで、回遊性向上とさらなるにぎわい創出への期待が高まりそう。

掲載日: 2026年03月04日