富田町の川崎さんグランプリ

獺祭の山田錦コンテスト 賞金4000万円

 日本を代表する日本酒「獺祭(だっさい)」を醸造する獺祭(旧・旭日酒造、山口県岩国市)が主催する酒米・山田錦の品質を競うコンテスト「最高を超える山田錦プロジェクト2025」で、長浜市富田町の農家、川崎太門さん(69)がグランプリに輝いた。20日、東京で表彰式があり、川崎さんに賞金4000万円が贈られた。

 コンテストは2019年に始まり、今回で7回目。山田錦栽培農家に夢と目標を持ってもらい、最高品質の酒米づくりに挑戦してもらおうと企画された。グランプリに選ばれると、出品単位となる80俵を、旭酒造が市場価格の約20倍にあたる4000万円で買い取る。

 最高級の獺祭は、米の周囲を極限まで削る精米工程を経て造られる。このため、米粒の中心部にある「心白(しんぱく)」が大きすぎず、中央に寄っていることなど、精米にどれだけ適しているかが審査基準となる。今回は全国から142件の応募があり、審査の結果、川崎さんの山田錦が頂点に立った。

 川崎さんは妻の由利子さん(64)ら家族で酒米づくりに取り組んできた。2015年に山田錦の栽培を始め、酷暑や水不足など厳しさを増す自然環境の中で試行錯誤を重ねてきた。「ただひたすら『良い酒米を作りたい』という一心で続けてきた。グランプリは驚きとともに、この上ない喜び」と語り、「自然豊かな湖北地方で最高の山田錦が育つことを、より多くの農家に知ってもらえるよう、これからも歩みを続けたい」と今後への思いを明かした。

 長浜市内では、米穀肥料商「落庄商店」(落合町)の呼びかけをきっかけに、2015年から獺祭向けの山田錦栽培が広がってきた。同社が栽培指導や獺祭への出荷を担い、川崎さんもそのサポートを受けてきた。

 湖北の地で育った山田錦が、日本酒の最高峰を支える存在として評価された今回の受賞は、地域農業の可能性を示す快挙となった。

掲載日: 2026年01月22日