元浜町のこめかで、玉置さんの作品展
着物染めの型紙として1000年以上の歴史を持つとされる「伊勢型紙」の技法を使い、絵画的表現を楽しんでいる大垣市の玉置廣さん(76)の作品展が元浜町の「コーヒー&ピザこめか」で開かれている。細やかな彫りが生み出す繊細な美の世界がさっそく来店者の目を引いている。
伊勢型紙は、柿渋を塗った美濃和紙3枚を貼り合わせ、燻製と乾燥を繰り返して強度を高めた「渋紙」を使う。そこに細かい文様を彫り抜き、布地を染める際の型紙として用いてきた。紀伊半島を中心に職人技が伝承されてきたが、現在は染色にとどまらず、美術工芸作品としても注目を集めている。
玉置さんが伊勢型紙に出会ったのは7年前。新聞に載ったカルチャー講座の紹介記事がきっかけだった。現役時代は印刷会社で製版を担当し、文字の切り貼りを手作業で行っていた経験もあり、細かい作業に抵抗はなかったという。それでも、線を一つひとつカッターで彫り抜く作業は気が遠くなるような緻密さを求められ、制作できる作品は年間10点ほどに限られる。
こめかには、喜多川歌麿の美人画「ポッピンを吹く娘」や、アール・ヌーボーを代表する画家アルフォンス・ミュシャの「月桂樹」などを題材にした作品のほか、着物の古典模様をデザイン化したものなど計10点が並ぶ。
「多色刷りの原画を一色で表現する難しさが張り合い。完成した時の美しさは、歌麿には悪いが原画よりこちらの方がいいと感じることもある」と玉置さんは笑う。
さらに「伊勢型紙を知る人はほとんどいない。今回の展示を通して、1000年を超える歴史を持つこの技法の魅力を知ってもらえれば」と語る。展示は9月23日まで。






