坂口志文氏に名誉市民称号

リュートプラザで授与式と記念講演

 長浜市は、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大阪大学特別栄誉教授の坂口志文氏(75)に名誉市民の称号を贈った。授与式は1月31日、リュートプラザで開かれ、市民ら約350人が出席し、古里が生んだ世界的科学者の功績をたたえた。

 坂口氏は浅見宣義市長から名誉市民証を受け取り、「長浜の自然の中で育ったことが、自分の研究にも良い影響を与えたと思っている。ここで生まれ育ったことに感謝している。このような形で称号をいただき、うれしい」と喜びを語った。

 続いて開かれた記念講演会で、坂口氏は「科学研究者としての50年を振り返って」と題して講演。自宅で浪人生活を送った「宅浪」時代に、自分で考える習慣が身に付いたと振り返ったほか、免疫反応の仕組みや、免疫反応を抑制する制御性T細胞の発見に至るまでの苦労、その研究成果の活用の展望などを紹介した。

 講演の終盤では若者へのメッセージとして「何事も時間がかかる」と強調。運動をして身体を鍛えるように、頭を鍛える▽自分を納得させるために研究(勉強)をする▽問題に慣れ、知識を消化するには時間がかかる▽自分の頭の中に自分独自の(情報をキャッチする)網を作る▽物事に疑問を持つには力がいる。疑問を問題に練り上げるにはもっと力がいる▽どんな時にも楽天的であることが大切—などと説いた。

 会場の中学生からの質問にも丁寧に答えた。「中学生時代の勉強方法を教えてほしい」との問いには、「あまり勉強せず親に怒られていた。3年生の夏休みに一念発起して勉強したが、9月の模擬試験がまあまあの成績で勉強をまたやめた」と笑いを交えながら、「勉強すべき時に勉強し、それ以外の時はいろいろなことを楽しめばよい」と助言した。

 「研究者になっていなかったらどんな職業に就いていたか」との質問には、「芸術家になりたかった。趣味で面白いことをするために、まずは田舎の医者になっていたかもしれない」と語った。

掲載日: 2026年02月03日