2026年2月3日

個人演説会、熱こもる訴え

長浜市長選、浅見、松本両候補

 長浜市長選は、現職の浅見宣義候補(66)と新人の松本長治候補(58)が、市内各地で個人演説会を重ね、支持を訴えている。会場では、市政の行方を左右する病院問題や地域振興策などを巡り、両候補がそれぞれの立場から熱のこもった訴えを展開。市政の「継続」か「刷新」かが問われる選挙戦は、中盤に差し掛かり、論戦の熱を増している。

 

 

長浜を前に進める戦い 浅見宣義候補

 

 浅見候補は「この選挙は、長浜を前に進めるのか、それとも後戻りするのかの戦い」と述べ、「長浜大改革の第2幕として、市を前に進めなければならない」と強調した。

 市政課題として、市立病院の経営悪化を挙げ、「売上が落ち、赤字が増えている病院は再建・再編しなければならない」と指摘したほか、「黒壁を再建して中心市街地を活性化させなければならない」「人口減少が著しい北部地域をどう振興するのかも大きな課題だ」と述べた。その上で、「私はこれらすべてに手を付けてきた」と語り、「古い体質を超えてまちを大改革しなければ、長浜は前に進まない」と力を込めた。

 一方で、「そのことに反対し、気に食わない人たちがさんざん反対してきた」と述べ、「前の選挙のしこりが明らかに残っている」と指摘。「なんと情けないことか。元に戻したいのか」と強い言葉で批判した。

 その上で、「長浜の人はそんなに愚かではない。私の言ったことを理解している良識ある人はこちらに来ている。ところがそれが分からない人たちは、残念ながらまた同じ選挙をしようとしている」と述べた。

 市が係争中の約14億円の損害賠償請求訴訟を巡り、副議長がインターネット番組「びわモニ」で市を誹謗中傷するような発言をしたと言及し、「内容は大嘘だった」と断じた。「抗議書をびわモニ、副議長、議長に送った結果、9日後に全面撤回と謝罪があった」と説明し、「こんな言動を副議長がして14億円訴訟でごちゃごちゃと市を批判するのは、明らかに利敵行為。市に対する名誉毀損で、市の訴訟活動に反するもの」と厳しく批判した。その上で、「市と議会が信頼関係を持って相手に対抗することが何より大切」と述べた。

 「今回の選挙は、前の流れに戻すのか、それとも難しい問題を乗り越えて明るい未来を目指すのかを問う戦いだ」と強調。「未来像がなく、既得権益にこだわり、現状を変えたくない。そういう人たちに長浜を任せるわけにはいかない」と訴えた。

(1日、高月コミュニティセンター)

 

 

病院職員へ、ねぎらいの心を 松本長治候補

 

 冒頭、家族連れの参加者に目を向け、「きょうはうれしいことがある。これまで130回を超える対話の会や講演会を開いてきたが、きょうは生後4カ月の子どもが来てくれた。最年少です」と語り、会場を和ませた。

 市立病院を巡っては、「私たちの命と健康を守っていただいている病院に対し、この4年間はひどかった」と述べ、病院再編議論や経営改善の過程で現場の職員が翻弄されている現状を指摘。「一生懸命、患者さんに向き合い、コロナ禍でも命を張って働いていただいた方々には、しっかりとしたねぎらいの言葉と心が必要だ」と強調した。

 病院再編の進め方については、「急激な変化はみんなを不幸にし、市民を巻き添えにする」とし、「病院同士が互いに助け合いながらやっていくしかない。病院のことは私が解決するので安心してほしい」と述べた。

 湖北病院の改築を巡っては、「設計が終わっているのに建設が始まっていない。設計で既に約3億円を使っている。入札をかければすぐに建設が始まるのに、何も進んでいない」と現状を批判し、早期の改築に取り組む考えを示した。

 また、市職員のモチベーションや組織運営にも言及し、事務ミスが相次いでいることを挙げて、「ミスだけでなく、金銭的にも大きな損失が出ている。問題は、リーダーが責任を取るという覚悟を持っていないことだ」と訴えた。

 さらに、市民の思いや願いを書き留めたという「青いノート」を手に、「少しずつ分かってきたことがある」と前置きし、伊香、東浅井地域について「市民協働が弱くなっている」と分析。「地域の課題や文化、歴史を地域で支える市民協働の担い手が、北部へ行くほど少なくなっている。自治会長をしながら地域協働も担っており、これでは疲弊してしまう」と述べた。

 その上で、「市民協働センターを伊香と東浅井地域につくり、市民協働や市民活動を支えていきたい」とし、地域力の底上げに取り組む姿勢を示した。

(2日、JA北びわこ浅井支店)

2026年2月3日

坂口志文氏に名誉市民称号

リュートプラザで授与式と記念講演

 長浜市は、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大阪大学特別栄誉教授の坂口志文氏(75)に名誉市民の称号を贈った。授与式は1月31日、リュートプラザで開かれ、市民ら約350人が出席し、古里が生んだ世界的科学者の功績をたたえた。

 坂口氏は浅見宣義市長から名誉市民証を受け取り、「長浜の自然の中で育ったことが、自分の研究にも良い影響を与えたと思っている。ここで生まれ育ったことに感謝している。このような形で称号をいただき、うれしい」と喜びを語った。

 続いて開かれた記念講演会で、坂口氏は「科学研究者としての50年を振り返って」と題して講演。自宅で浪人生活を送った「宅浪」時代に、自分で考える習慣が身に付いたと振り返ったほか、免疫反応の仕組みや、免疫反応を抑制する制御性T細胞の発見に至るまでの苦労、その研究成果の活用の展望などを紹介した。

 講演の終盤では若者へのメッセージとして「何事も時間がかかる」と強調。運動をして身体を鍛えるように、頭を鍛える▽自分を納得させるために研究(勉強)をする▽問題に慣れ、知識を消化するには時間がかかる▽自分の頭の中に自分独自の(情報をキャッチする)網を作る▽物事に疑問を持つには力がいる。疑問を問題に練り上げるにはもっと力がいる▽どんな時にも楽天的であることが大切—などと説いた。

 会場の中学生からの質問にも丁寧に答えた。「中学生時代の勉強方法を教えてほしい」との問いには、「あまり勉強せず親に怒られていた。3年生の夏休みに一念発起して勉強したが、9月の模擬試験がまあまあの成績で勉強をまたやめた」と笑いを交えながら、「勉強すべき時に勉強し、それ以外の時はいろいろなことを楽しめばよい」と助言した。

 「研究者になっていなかったらどんな職業に就いていたか」との質問には、「芸術家になりたかった。趣味で面白いことをするために、まずは田舎の医者になっていたかもしれない」と語った。

2026年2月2日

市長選告示 継続か刷新か

現職・浅見、新人・松本の一騎打ち

 任期満了に伴う長浜市長選は1日告示され、2期目を目指す現職の浅見宣義氏(66)=自民推薦=と、新人で元市議の松本長治氏(58)の2人が立候補した。

 市政の「継続」「刷新」を問う選挙で、市立病院の経営再建や湖北病院の改築、病院・診療科の再編など、人口減少が進む中で地域医療をどう守るかが最大の争点となる。

 浅見陣営は推薦を受ける自民党組織を生かした選挙戦を展開。連日4会場で個人演説会を設定するなど、現職の知名度と組織力を前面に出した戦いを進める。市議会会派「新しい風」の7人も支援する。

 松本陣営は「市民党」を掲げる。強固な支持組織はなく草の根的な手づくり選挙で、ゆるやかな支持の広がりに期待する。市議会会派「恵風会」「つなぐ長浜」の7人が支え、自民党市議3人も含まれる。

 衆院選と同日の8日に投開票される。1月31日現在の選挙人名簿登録者数は9万1427人。

 

長浜大改革の第2幕を 浅見宣義候補

 

 浅見宣義候補は宮司町の選挙事務所前で第一声。4年間の市政運営を振り返りながら「長浜大改革第2幕」を掲げ、続投への支持を呼びかけた。

 浅見候補は、雪の降る中で集まった支持者に感謝を述べ、「4年前の市長選も雪が降りしきる中、市内を走った。この雪は幸運の雪。雪に負けず長浜を駆け抜けたい」と決意を表明。4年前に故郷・長浜に戻り、「人口減少に負けず町を再生させたい」との思いで市長選に挑んだ経緯を振り返った。

 1期目の4年間について「働いて、働いて、働いてきた」と語り、「教育改革やお祭りの改革、産業分野での新たな取り組みなど、いろんな改革に取り組んできた」と実績を強調。一方で、「改革は抵抗を受けるもの」と述べ、市政運営の中でいろんな抵抗を受けたとしながらも、「人を憎まず、人を愛し、いろんな人と話し合いながら政策を立て、実行してきた」と語った。

 その上で、「まだ種をまいた段階の政策も多く、2期目で刈り取らせてほしい」と訴え、長浜大改革の継続に理解を求めた。元市職員から「市政を後戻りさせてはいけない」と助言を受けたエピソードも紹介し、「自分の進めてきた改革は間違っていないと確信した」と述べた。

 また、国政との連携にも言及し、高市内閣が掲げる積極的な財政運営の下で市政を進めたいと強調。病院改革に必要な財源確保に触れ、上野賢一郎厚労大臣と一緒に病院改革をさらに進めると語った。

 最後は、「これから7日間の選挙戦を戦っていく。長浜大改革第2幕をよろしくお願いします」と締めくくり、支持を呼び掛けた。

 出発式冒頭でマイクを握った川島隆二県議は「浅見さんの長浜大改革の第2幕を開ける市長選。1期4年で全部ができるわけではない。いろいろと種をまいてきた。その種を咲かすのが2期目。この2期目をどうやっていくのか、そこに浅見さんの真価が問われる。皆さんの手でもう一度上げていただき、長浜大改革を進める原動力を与えてもらいたい」と支持を呼びかけた。

 

隠し事のない市政を 松本長治候補

 

 松本長治候補は豊国神社の境内で第一声。市政運営に向けた三つの柱として「医療の維持」「税金の適正な使い方」「クリーンで開かれた市政」の実現を掲げた。

 このうち医療を巡っては、3病院の再編問題で市内が「二分した」と指摘し、「病院はあって当たり前だが、そこで働く医療従事者は命を懸けて市民を支えてきた」と強調。新型コロナウイルス禍で尽力した医師や医療関係者への敬意を示し、「長浜病院も日赤もセフィロト病院も湖北病院も、しっかりと長浜市が支え、市民、県民の命と健康を守る」と訴えた。

 二つ目の柱には財政運営を挙げ、「大変無駄なお金が使われてきた。使われたのは全て市民の税金だ」と批判。また、小谷城戦国体験ミュージアムの整備計画については「確かにいいものだが、今の計画のまま建てたら本当の意味で無駄になる」として、計画の見直しに言及した。

 三つ目には、市政の透明性確保を掲げ、病院再編問題や約14億円の損害賠償請求訴訟を挙げながら、「多くのことが後から知らされた」と指摘。「1円の税金を使う場合でも、市民に説明するのが筋だ」と語り、「私は嘘をつかず、隠し事をせず、皆さんに理解、納得をしていただいて市政を前に進める」と強調した。

 また、これまで100回を超える対話集会を重ね、市民の声を書き留めてきた「青いノート」を手に、「ここには市民の思いや悔しさ、悲しみ、そして長浜に必要なことが全て詰まっている」と述べ、「一歩ずつ長浜の未来へ向かって進みたい。どうかお力とお知恵を貸していただきたい」と支持を呼びかけた。

 後援会長の吉田一郎氏は「浅見市政に審判を下す選挙」と訴えた。浅見候補について「市民目線がない、聞く耳がない、相手がどう反応しているか読み取る能力がない。長浜のまちをどうするかというビジョンがない」「『改革』と叫ぶだけで、市職員の士気は鈍る一方」と批判し、「松本候補は党派にこだわらず『市民党』で戦う。みんなの手で市政を盛り上げたい」と話した。