衆院選が27日公示され、2月8日投開票の冬の選挙戦が幕を開けた。自民党と日本維新の会による連立与党に対し、立憲民主党と公明党が結成した新党「中道改革連合」など野党勢力が対峙する構図で、各党は経済政策や社会保障、消費減税、外交・安全保障を主な争点に激しい論戦を展開する見通し。
滋賀2区(長浜市、米原市、彦根市、近江八幡市、東近江市など)では、自民党前職で厚生労働大臣の上野賢一郎氏(60)に対し、日本維新の会の新人で元新聞記者の岡屋京佑氏(33)と、中道改革連合の新人で前米原市長の平尾道雄氏(75)が挑む三つ巴の戦いとなっている。
2024年の前回選挙は、与党候補1人に野党候補2人が挑む構図だったが、今回は与党候補2人、野党候補1人へと勢力図が一変。これまで自民党を支援してきた公明党の支持票が、中道改革連合にどこまで集約されるかも、選挙戦の行方を左右する大きな焦点となりそうだ。

風穴をあけ前へ進める
維新新人 岡屋京佑候補(33)
岡屋候補は近江八幡市で第一声。昨年夏の参院選に出馬した際に訴えた内容を振り返りながら「皆さんの厳しい生活は好転していない。現役世代の皆さんが報われる社会になっていない。特に給与から減らされている社会保険料の負担が本当に大きく、その負担を引き下げていかなければならない。人口が減少する中で、社会保険料の払い手がどんどん減少していき、皆さんの暮らしを守る社会保障の根幹が揺らいでいる。だからこそ、子どもたちのためにも社会保障制度改革が必要だ」と訴えた。
日本維新の会が自民党と連立政権を組んだことについては「野党から与党に変わり、驚きや混乱があったが、維新の会が加わったことで、古い体質で進まなかった改革が一歩ずつ進んでいる」と強調。「例えば、社会保障制度の改革についても社会保険料を下げるために政府の総合経済対策に盛り込むことができた。医療や年金制度を続けるには、どのような抜本改革が必要かについて話し合う国民会議の設置が決まった」と述べた。
物価高対策ついては「維新の会が何年も前から訴えてきたガソリンの暫定税率が廃止され、電気代やガス代への補助の拡充についても維新の会の提案で実現できた」と説明。「企業や団体の献金を受け取っていない、しがらみがない維新の会だからこそ、政治も変わってきた。風穴をあけていける若武者の集団が前に進めていくのか、それとも前の古い体質に時計の針を戻すのか、自民党と維新の会との連立政権の信を問うのが今回の選挙だ」と述べた。
最後に「この改革を一緒に前へ進めましょう。皆さんの暮らしが厳しい中で、物価高対策や社会保障制度の改革を進めていく。そして子どもたちの未来を守っていくために、動いていく政治に変えていく。挑戦者の気持ちで、全力で頑張っていく」と締めくくった。

国でも地元でも結果出す
自民前職 上野賢一郎候補(60)
上野候補は長浜市で第一声を上げ、「国でも地元でも結果を出す政治を貫く」と訴えた。
厚労相としての実績を振り返り、「最も力を入れてきたのは医療・介護現場の改善だ」と強調。物価高の影響で経営が厳しさを増す医療機関や介護施設の現状に触れ、昨年の補正予算で約1・4兆円の支援策を講じ、年度内の支援実行を目指したと説明した。
また、令和8年度の診療報酬改定については、30年ぶりとなるプラス3・09%を確保できたと報告。介護報酬も単年度で過去最高水準となり、「この予算を使っていただき、経営改善と賃上げにつなげていく」と述べ、介護職員の月額2万円程度の賃上げにつながるとの見通しを示した。
経済政策では、「これまでの緊縮型から、責任ある積極財政へ大きく転換する」と高市政権の姿勢を紹介。AIや半導体、創薬、先端医療分野など、日本が世界と戦える分野への大胆な投資の必要性を訴えた。国内の研究・創薬機能の低下により、欧米で使える薬が日本では使えない「ドラッグロス」の問題にも言及し、iPS細胞など日本の技術力を生かして、「経済成長と国民の命を守る好循環をつくりたい」と語った。
地元政策では、コメ政策をはじめとする農業支援、国道8号彦根バイパスや神田スマートインターチェンジの整備、姉川・高時川の河川改修などインフラ事業の加速を約束。また、彦根城の世界遺産登録に向けては「勝負の一年になる」と述べた。
上野氏は「大変厳しい激戦が予想される。ふるさとの皆さんのお力を上野と高市内閣に与えてほしい。全身全霊で頑張る」と支援を呼び掛けた。
国会議員や県議、地元市長らも順番にマイクを握って激励し、川島隆二県議は「大臣として恥ずかしくない立派な成績で押し上げていきましょう」と呼びかけた。

中道が日本の未来つくる
中道新人 平尾道雄候補(75)
平尾候補は米原市で第一声を上げ、「人を大事にする人間中心の政治を実現したい」「中道が日本の未来をつくり、国民に明るい希望を与えたい」と訴え、支持を呼び掛けた。
現代社会について「人に冷たい社会になっているのではないかという実感がある」と問題提起。「困っている人に寄り添い、『大丈夫』『お互い様だよ』と声を掛け合える、もっと優しく温かい日本、地域社会をつくろう」と語った。
昨年末の補正予算で与野党が暮らしや平和を重視して共同修正した点を評価する一方、年明け早々の衆院解散には疑問を呈した。その上で、公明党や立憲民主党の議員が結集した中道改革連合の理念に共感したと説明し、「日本をもっと良い国にする。その思いで政権奪取を目指す」と訴えた。
「中道とは、何かに偏らず、対立せず、寛容に多様な人々の思いをまとめる政治だ。その結果、人を幸せにし、平和な国と温かい地域社会をつくりあげる」と強調した。
具体策では、食品の消費税ゼロを掲げ、「生活者ファースト、家計ファーストの政治を進める」と主張。現在の政治について「生活困窮者に理不尽に自己責任を押し付け、正当な扶助を与えていない。冷たい政府だ」と批判し、「国民の支持を得て変えていきたい」と述べた。
4期16年近く市長を務めた経験を踏まえ、「政治と行政の課題は常に暮らしの中にある」と語り、「命をかける覚悟で、日本と地域を、人を大事にする国へ変えていきたい」と支持を求めた。
応援演説では、立憲民主党県連代表の今江政彦県議は「平尾さんを国政に送り込めば、中道の精神で暮らしと平和、人間第一の国政を進めてくれる」と期待を寄せ、公明党県本部代表の清水ひとみ県議は「中道は生活者ファーストの人間主義で結集した。最後まで勝利を目指して走り抜こう」と呼びかけた。




