絵看板で彩るナガハマ映画祭

絵師3人、イメージ膨らませ制作没頭

 来年1月に木之本町で開かれる「第2回ナガハマ映画祭」に向け、かつて映画館に飾られた絵看板の制作が進んでいる。映画祭を主催するコルミオ・フィルム(谷口未央代表)が長浜在住の新進気鋭の絵師3人に依頼し、上映作品を題材にそれぞれ1点ずつ手がけている。

 絵看板は、昭和の映画全盛期に映画館の顔として掲げられた巨大な手描き看板で、「1週間の芸術」とも呼ばれた。ポスターとは異なる大胆な構図や誇張表現で観客を惹きつけ、街の風景の一部として親しまれてきた。

 絵師の一人、ひらりんさん(46)は木之本町出身の映画監督・上田慎一郎さん作品「アングリー・スクワッド 公務員と7人の詐欺師」の看板を手掛けている。「映画看板を作るのは初めて。僕らの世代が、手描き看板を実際に見た最後の世代ではないかと思う。当時の雰囲気を大切にしながら描いている」と話す。

 人物表現については「似ているようで、似ていないようで、でも確かにその人だと分かるデザイン」を意識しているという。

 制作にあたり、あえて映画本編はまだ鑑賞していない。「昔の看板絵師も、映画を見ずにポスター原画やチラシをもとに主観で描いていたはず」と語り、今回はポスターを参考に上映作品のイメージとともに、上田監督の顔も描き込んだ。絵看板は幅約100㌢、縦約72㌢で、アクリル絵の具を使って制作した。

 絵看板の制作にはほかに、よおのなみほさん、今年の角川漫画新人大賞で入選し漫画家デビューした酒井晩さんが参加している。

 映画祭は1月17日開催。会場は昭和40年ごろまで映画館として使用されていた日吉座(木之本町木之本)。「湖の女たち」「Flow」「アングリー・スクワッド 公務員と7人の詐欺師」のほか、特別企画「長浜製フィルムメイカー」として、上田監督や堤真矢監督、奥村理玖監督の作品上映とトークも行われる。

 谷口さんは「新進気鋭の絵師3人が感性の赴くままに絵看板を制作してくれた。映画館『日吉座』の一日限りの復活を3人の絵看板が彩る。多くの観客と共にお祝いできれば」と話している。

 鑑賞チケットは1作品1500円。弁当付きの1日通し券は5000円。高校生以下は無料(当日受付のみ)。全席自由席。前売券が定員に達した場合は当日券の販売はない。チケットは曳山博物館、長浜文芸会館、木之本まちづくりセンター、浅井文化ホールで発売中。

掲載日: 2025年12月23日