学びの成果、仲間とともに

長浜農高・農産物利用分野3年生が最後の実習

 長浜農業高校食品科3年生が20日、高校生活最後となる実習に臨んだ。古代小麦を使ったうどんをこね、自家製味噌を使ったラーメンを調理するなど、これまで培ってきた加工技術とチームワークを確かめ合いながら、自分たちの料理を囲んで笑顔のひとときを過ごした。

 最後の実習に参加したのは、同科で農産物利用分野を学んできた3年生14人。ジャムや味噌など農産物の加工・貯蔵技術を中心に、新たな食品産業につながる知識と実践力を身につけてきた。

 3年生は課題研究の一環として、高月町の特産品「たかつきメロン」の規格外品を活用したジャムづくりに取り組んだ。たかつきメロンは厳しい出荷基準により、収穫量の約2割が規格外になるとされる。生徒たちはメロン特有のウリ臭を抑える工程に苦心しながらも試作を重ね、商品化にこぎつけた。

 また、古代小麦の一種で、小麦アレルギーを発症しにくいとされる「スペルト小麦」を使ったうどんづくりにも挑戦した。小麦粉の配合や塩分量、ゆで加減などを何度も検証し、完成させたうどんは、昨年11月の販売会で「もちもちした食感とのど越しが良い」と好評を得た。彦根市内で異業種から農業に参入した女性農家との実習をきっかけに、スペルト小麦の魅力を広く知ってもらおうと挑戦が始まったという。

 このほか、味噌、コチュジャン、ぶどうジュース、トマトソースなど、地域食材を生かした幅広い加工技術を学んできた。中でも、たかつきメロンジャムの商品化は高く評価され、昨年12月に名古屋市で開かれた高校生未来創造コンテスト(学校法人神野学園主催)で、全国112チームの中から3位チームに与えられる審査員特別賞を受賞した。同じく12月に開かれた、県内高校が集う「滋賀まなびの祭典」(県教委主催)でも、スペルト小麦のうどんづくりや今荘ブドウ園のブドウを使ったジュース製造などの取り組みが評価され、優秀賞に輝いた。

 指導に当たってきた小森恒夫教諭は「3年間で学んだ成果を存分に発揮してくれた」と生徒たちの成長をたたえた。

 20日の最後の実習では、調理室に湯気と香りが立ち込めた。生徒たちは自分たちで仕込んだ味噌を溶かしたスープでラーメンを完成させ、スペルト小麦のうどんを丁寧にゆで上げた。出来上がった料理を前に自然と笑顔がこぼれ、「味噌の香りがいい」などと感想を言い合って3年間の試行錯誤と努力を味わった。

 実習後、山口芽咲さん(18)と小林瑞希さん(17)は「他の学校では学べないことを学べ、良い経験になった。農家や地域の人など、さまざまな人と関わることができた。また、仲間と協力して一つのものを作り上げられた」と農高生活を振り返る。「たかつきメロンジャムやスペルト小麦うどんのレシピは後輩に託したい」と話す。

 卒業後は農業や食品製造業の道に進む予定の2人は「農高での経験を生かしていきたい」と笑顔を見せた。

掲載日: 2026年01月23日