2020年12月28日

「来年は笑顔の年に」心込めて準備

長浜八幡宮で巫女ら 感染対策に留意

 毎年多くの初詣客でにぎわう長浜八幡宮で巫女奉仕者が破魔矢や絵馬などの縁起物、お札、お守りを用意するなど迎春準備が進んでいる。

 27日には口分田町の専門学校生・野内音花さん(18)、常喜町の大学生・奥田稜さん(19)らが巫女の装束に身を包んで破魔矢などの準備にあたった。野内さんは「今年は大変な年だったので、来年は笑顔が増える年になれば。参拝客に明るく接したい」、奥田さんは「感染対策を第一に、参拝客に少しでも明るい気持ちになってもらえるよう接待したい」と話していた。3が日は巫女35人体制で参拝客をもてなす。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で分散参拝や境内での「3密」回避が求められる中、長浜八幡宮では例年実施している「新春ちくわ撒き」を取り止め、先着順の手渡しとするなどコロナ対策に留意して初詣客を迎える。

 本殿前の参拝スペースを広く取って「速やかなお参り」を呼びかけ、感染対策のため不特定多数が触れるおみくじ筒に抗菌処理を施している。また、本殿内の参拝客のために地元企業が開発した超音波噴霧器「ミストセイバー」を導入し、除菌効果のある水溶液を噴霧する。このほか、感染拡大防止のためひしゃくを撤去している手水舎を、花で彩る「花手水」とする。

 混雑が予想される3が日を回避して年内に参拝する「先参り」も呼びかけていることから、週末の26、27日も参拝客でにぎわっていた。

 長浜八幡宮の年末年始の行事は次のとおり。

 【31日】▽午後3時、大祓式▽7時、除夜祭▽10時半、どんどに点火▽11時、干支の氷大彫刻完成▽11時半、落語家・笑福亭仁昇さんとカウントダウン。

 【1日】午前0時、歳旦祭、新春ちくわ配布(計1000本)、生田流正派による琴の奉納演奏▽7時、神歌奉納▽9時、一心無双流居合道奉納、光粋流舞道による剣舞歌謡舞の奉納【2日】午前9時、日供始祭【3日】午前9時、元始祭。

2020年12月25日

寝具や睡眠環境 プロが提案

北国街道に快眠カウンセリング専門店「夢匠庵」

 元浜町の北国街道沿いに25日、快眠カウンセリング専門店「」がオープンした。地元で寝具店「眠りのプロショップSawada」を経営する沢田昌宏さん(62)が「これまでの取り組みの集大成」と胸を張る店舗で、寝具販売よりも、快眠に関する相談や提案に重点を置いている。

 店舗は築100年の町家を改修し、広さは約150平方㍍。県産ヒノキ製のベッド6台を並べているほか、マットレスや布団、枕などの寝具を扱っている。一般的な寝具店と異なり、「夜、眠れない」「眠りが浅い」「腰が痛い」などの相談を受けたうえで、症状やそれぞれの個性に合わせて寝具を提案する。

 「ねむりはかせ」を自称する沢田さんは「日本人は睡眠時間が短くなる一方でスマホなどの睡眠を阻害するストレスは増えるばかり」と指摘し、健康な睡眠のためには体にストレスをかけない寝具や睡眠環境を整えることが重要とアドバイスしている。

 また、店舗奧では蔵を改装した「快眠ゲストルーム」も整備中で、来年2月以降、沢田さんがこだわりぬいたマットレスや布団を使用し「極上の眠り」を宿泊体験できる。先日オープンしたイタリアンレストラン「ビワコラージュ」とも提携する。

 沢田さんの寝具店は1890年に「綿屋」として創業し、今年で130周年の節目を迎えた。これまで扱ってきた寝具という「モノ」に加え、「コト」である快眠を提案することで、「健康をキーワードに良質な睡眠をお届けできれば」と話している。

 夢匠庵はカウンセリングに重点を置くため利用は1日2組限定の予約制となっている。ただ、25日から28日、1月8日から14日までは内覧会のため予約なしで入店できる。問い合わせは沢田商店℡(62)0057へ。

2020年12月23日

コロナ鎮静化願い茅の輪くぐり

大路町の老人会が湯次神社に設置

 新型コロナウイルス感染症の鎮静化や年末年始の無病息災、家内安全などを願って、大路町の老人会「大路老和会」(清水武彦会長、会員150人)が23日、地元の湯次神社に「の輪」を設けた。25日午後2時からの「大祓い祭」からくぐり抜けを解禁し、市民に参拝を呼びかけている。

 茅の輪くぐりは「夏越の大祓い」がある6月に行われるのが一般的だが、12月にも「大祓い」があることから、冬に実施することもあるという。

 老人会では新型コロナの影響で数々のイベントが中止となる中、「密」にならない行事として茅の輪の設置を計画し、9月に近くの五百川の土手でを刈り取って保管していた。今月13日、役員10人がインターネットの動画を参考に約3時間かけて茅の輪を作り上げた。大きさは西暦にちなんで直径2020㍉とした。23日朝、老人会が毎月実施している境内の清掃に合わせて、参道に設置した。

 湯次神社で茅の輪くぐりが行われるのは初めてで、清水会長は「花火も神輿も忘年会も新年会もない。コロナ禍の中で何かできないかと発案した。コロナの鎮静化や家内安全、厄除けなどを願って参拝してもらえれば」と話している。

 茅の輪のくぐり方は「祓え給え、清め給え、守り給え、へ給え」と唱えながら、左・右・左の順に「8」の字に3度輪をくぐり、神前に向かう。茅の輪は来年1月15日に撤去する。

2020年12月21日

看板メニューは即席麺!?

元浜町にセルフ「さばそうめん食堂@まんぷく丸」

 湖北地域の郷土料理「鯖そうめん」のインスタント商品を看板メニューにした「さばそうめん食堂@まんぷく丸」が21日、元浜町にオープンした。

 長浜萬商(旧・セイキン商事)が今年2月から売り出している自社製品をその場で食べてもらおうと、町家を改修して食堂にした。

 インスタント商品はフリーズドライのそうめんを使用。カップに熱湯を注いで3分待ち、湯切りをした後、出汁を加え、真空パックしている鯖を添えるだけ。同社の清水大介社長(53)によると発売以来1万5000食が売れ、「観光客だけでなく地域の皆さんにも楽しんでもらっている商品」とPRしている。

 食堂で扱うのは、鯖が90㌘入ったボリューム満点の「お茶々」(980円・税別)や、手軽なサイズの「お江」(680円・同)など4種類。ポットの湯を使って客自身に作ってもらい、3分計れる砂時計も置いている。

 約20坪の店内はカウンター席とテーブル席の計13席。清水社長は「どこの観光地に行っても、自分でインスタントを作る店なんてない。長浜の郷土料理をインスタントという亜流の形で楽しんでもらえれば」と話している。

 なお、コーヒーや洋菓子も販売し、清水さんは「地元の人の憩いの場ともしたい」と話している。

 営業時間は午前10時から午後5時まで。不定休。問い合わせは食堂℡(65)1138へ。

2020年12月18日

伝統の技で四天王を再現

米原市の仏師・中川さん親子が製作中

 米原市西山の仏師・中川大幹さん(69)・大煌さん(34)親子が伝統的な技法で巨大な「四天王」像の彫刻に挑んでいる。

 中川さんは23歳の時、京都の大仏師・松久朋琳氏に弟子入りし、独立後は神戸市、海泉寺の十一面観音を皮切りに、京都壬生寺の圓覚十萬上人座像や光覚寺(長浜市榎木町)の阿弥陀如来像、東広島の龍玄精舎の仁王像など150体を製作。息子の大煌さんは美術大学で彫刻を学んだ後、大幹さんに弟子入りした。

 今回、神奈川県平塚市の長楽寺から楼門の建立にあたり、中に収める四天王の製作依頼があった。四天王は「持国天」「増長天」「広目天」「多聞天」の四神からなり、帝釈天の配下で仏教世界を護る。依頼の像はいずれも身の丈6尺(1・8㍍)、台座も含めると3㍍の大きさ。

 製作は図面の作成から始まり、「立体設計図」ともいえる原寸の3分の1の粘土像を作った上、これをベースに木製ひな形(原形)を作る。

 実像はひな形を3倍に拡大。木曽ヒノキの天然木5寸(15㌢)の角材を圧着した「寄せ木」に大胆かつ繊細にノミを入れてゆく。部位の比率、飾りの約束事を忠実に守りながら、血管の1本1本まで再現。仕上げには一切、サンドペーパーを使っていない。ノミの跡が浮かんでおり、艶やかな木肌を醸す。

 中川さんは「私たちは彫刻家でも芸術家でもないから、鎌倉時代の伝統技法を受け継ぎながら、依頼主の意向をくみ、忠実に再現している」と話している。

 現在、多聞天と持国天を彫っており、3年後には4体すべてが完成する予定。製作はグリーンパーク山東内の伊吹の見える美術館。見学可能。問い合わせは中川さん℡(55)2187へ。

2020年12月14日

ブルースティックス滋賀が1部に昇格

ホッケー日本リーグ参入1年目の快挙

 ホッケー日本リーグH2(2部)のブルースティックス滋賀(BS滋賀)は13日、東京都品川区の大井ホッケー競技場で、H1(1部)昇格を決める最終決戦で勝利した。H2参入から、わずか1シーズンでの昇格は日本リーグ初の快挙。

 BS滋賀はこの日まで3勝1敗2分で最終戦の小矢部レッドオックス(富山)に勝つと2位が確定し、自力でH1に昇格することができた。

 最終戦ではBS滋賀が序盤からプレッシャーをかけていたが、相手チームに先取点を奪われた。中盤に追いつき、第4クオーターにはスピードある攻撃で相手陣に攻め込み、逆転ゴールを決め、2対1で勝利を収めた。

 山堀貴彦監督は「目標としていた新規参入でH1昇格を果たすことができたのはサポート企業やファンの力と感謝している。来シーズンは更なる高みを目指すべくチーム一丸となって精進したい」と述べ、福居陸希主将は「コロナ禍の1年で昇格を決めることが出来て良かった。来年は今年以上にレベルの高い戦いになるので、いい準備をチーム全体でし、臨みたい」と語っていた。

 なお、来シーズン、H1はH2から昇格した山梨学院(1位)、BS滋賀(2位)が加わり、8チームとなる。

2020年12月8日

放置自転車を無料撤去

元競輪選手の会社がエコ、社会貢献

 米原市梅ケ原のリサイクル業「紙eco」はグループ会社3社と、社会問題となっている放置自転車の無料撤去を開始。環境美化と資源の有効活用に一役買っている。

 同社は2011年、元競輪選手の土田仁志さん(40)が立ち上げた。古紙回収を専門にしていたが、2年前から海外需要が減少、主要輸出先の中国の受け入れ制限も始まり、苦境に立たされた。この状況はリサイクル関連の企業も同じだった。

 ちょうど、その頃、公共施設や集合住宅に放置されたままの自転車が社会問題となっていた。国土交通省によると、2018年、全国の主な自治体の駅などで放置されていた自転車は6万台以上。撤去、保管に関する費用は税金で賄われ、年間150億円以上とされ、アパートやマンション、商業施設の放置自転車はその数十倍に膨れ上がっていた。その主な理由は廃棄処分料の高騰とみられる。

 また、新型コロナウイルスにより、公共交通を避けた通勤や在宅ワーク、体力の維持や健康増進のため、自転車を利用する人が増加。また、安価で購入できることもあり、パンクなど簡単な修理で乗れる自転車を安易に乗り捨てる人が増えている。

 同社はこの問題を解消しようと、県内のスクラップ業、リサイクルショップ、貿易輸出業の会社と総合サービス業「放置自転車撤去ドットコム」を発足。本格始動して間もないが、集合住宅のオーナーや管理会社からの問い合わせが絶えない状況となっている。

 回収できる自転車は持ち主が所有権を放棄し、盗難品でないこと。同社は県全域をエリアとしており、古紙回収の「道すがら」行っているため、少数の場合は要相談。集めた自転車は再販、シェアサイクル、輸出、部品取り、鉄くずとしてリサイクル・リユースし、資源の有効活用に貢献している。土田さんは「元競輪選手として、またリサイクル業者として不要な自転車をいろんな形で使える事になる事は嬉しい。これからも自転車と関わって、『売り手よし、買い手よし、世間よし、地球環境によし』という、みんなに良いことをこれからもやっていきたい」と話している。

 問い合わせは放置自転車撤去ドットコム℡0749(47)3187へ。

2020年12月3日

さざなみタウン1周年

市民活動の拠点 月間3万人超が利用

 図書館やまちづくりセンター、市民協働センター、商工会議所などの機能を持つ産業文化交流拠点施設「さざなみタウン」(高田町)が12月で開設1周年を迎えた。新型コロナウイルスの影響で臨時休館するなど逆風にさらされてのスタートとなったが、最近は当初目標としていた月間3万人の入館者を達成し、市民活動の拠点としての存在感を示している。

 さざなみタウンは旧市役所跡地9187平方㍍に約30億7000万円をかけて整備され、昨年12月1日にオープンした。

 月平均3万人、年間36万人の利用を目指し、開館当初の昨年12月と今年1、2月は3万人を超える入館者があったが、新型コロナの感染拡大に伴う施設の利用制限やイベントの中止、約1カ月の臨時休館により4月は約9000人に落ち込んだ。

 市民の間で「3密」回避やマスク着用、手指消毒などの対策が浸透し、サークルなども徐々に活動を再開したことで人出が戻り、10月には3万人を超える入館者があった。図書館の利用者が多く、学生には学習室が人気となっている。

 なお、昨年12月から今年10月までの施設利用者の内訳は、図書館の貸出人数7万7430人、貸出冊数34万8987冊、まちづくりセンター3万3275人、学習室1万4522人、地域福祉センター9365人となっている。

5日から記念祭 催し多彩に

 開設1周年を迎えたさざなみタウンで5日から26日まで1周年記念祭が催される。施設を利用する50団体以上が参加し、新型コロナ対策を施しながら元気を発信する多彩な催しを企画している。

 記念祭は5日午後1時半から、「リーファ」のボーカル・北川陽大さんの歌とトークで開幕する。期間中は長浜まちづくりセンターで活動するサークルやボランティア団体によるステージ発表(6、12、13、20日)をはじめ、商店街の庭園や市街地の史跡を巡る「まちなかツアー」(5、19日)、故障したおもちゃを修理する「おもちゃ病院」(12日)、市民が講師となる「ながはまコミュニティカレッジ」(12日)などがある。

 なお、館内では1周年を祝うリースを飾り、記念イベントを紹介したパンフレットを配布。担当者は「コロナ禍の中でも対策を行いながら、いきいきと活動している団体がある。イベントを通じてその元気に触れてもらえれば」と話している。イベントの詳細はさざなみタウンのホームページ(http://www.sazanami-town.com/wp/)から確認できる。

2020年12月1日

奥琵琶湖の自然、自転車で満喫

初企画の「オータムライド」に県内外300人が参加

 自転車に乗って奥琵琶湖の自然を満喫するイベント「奥琵琶湖オータムライド」が11月の3連休に行われ、県外を中心に約300人が参加。余呉湖やマキノのメタセコイア並木を訪れたり、木之本宿でスイーツを楽しんだりと、近年注目の「ビワイチ」にはない、奥琵琶湖の魅力に浸っていた。

 企画したのは地元企業やサイクルショップの関係者らで組織する実行委員会(田中富三代表)。奥琵琶湖の自然を楽しんでもらおうと、環境省の国立・国定公園の誘客推進事業の補助金を活用して初めて実施した。

 北近江リゾート(高月町唐川)を発着点に、マキノのメタセコイア並木を目指す90㌔コース、メタセコイア並木に加え余呉湖から丹生川上流を目指す110㌔コース、木之本宿を訪れて古い街並みとスイーツを楽しむ25㌔の北国街道スイーツライドの計3コースを3日間(11月21〜23日)実施した。

 インターネットの公募サイトでエントリーを受け付けたところ1週間で定員オーバーとなる人気ぶり。参加者の約8割が県外からの参加で、コロナ禍でアウトドアへの関心が高まっていることをうかがわせていた。

 参加者は秋色に染まる山道や湖岸沿いの風景を満喫。「余呉湖の素晴らしい景色を堪能して気持ち良く走れた」などと感想を話していた。サイクリング後は北近江リゾートの温泉施設が無料で開放され、「ゴールしてから温泉に入れるのはありがたい。疲れも癒された」と好評だった。

 また、コースの途中では余呉町菅並のカフェ「心風流」のゆずプリン、道の駅「塩津海道あぢかまの里」の名物のジャンボニンニクを使った炊き込みおにぎりが振る舞われたり、「グルテンフリーの洋菓子・フォレット」(高月町唐川)の協力でアイシングクッキー作りに挑戦したりと、地元の飲食店もイベントに協力。奥琵琶湖の自然に加え、味覚でも地元の魅力を参加者に発信していた。

 実行委員会では「地域の魅力を伝えることを一番のポイントにした。今後もサイクリングを通じて奥琵琶湖の魅力を発信する取り組みを続けたい」と話している。

 近年、自転車で琵琶湖を1周する「ビワイチ」が人気だが、琵琶湖沿いから離れて内陸部へも足を伸ばし、自然や街並み、歴史・文化などを楽しむ「ビワイチ・プラス」もサイクリストの間で注目を集めている。今回の「奥琵琶湖オータムライド」は新しいサイクリングコースの提案と奥琵琶湖の観光資源を披露するきっかけとなった。

2020年11月27日

「おためしワークステイ」で人材確保

「売り手市場」の地域おこし協力隊

 売り手市場となっている「地域おこし協力隊」の隊員を確保しようと、長浜市は今年度から一定期間、現地に滞在しながら、地域活動を体験する「おためしワークステイ」を開始。県内初の試みに注目が集まっている。

 地域おこし協力隊は国が設けた制度で、都市から過疎地に移住し、まちおこしを図りながら、移住・定住を促す取り組み。市では2015年度からこの制度を導入し、これまで3期、計22人の隊員が着任。中でも市北部の振興を目的に着任した人たちはほぼ、長浜に定住している。

 市では次年度、一部隊員が任期を終えることから、成り手確保と移住促進を兼ね、新規隊員の募集を計画。ところが応募者数は全国的にみて、ほぼ横ばいの一方で募集する市町村の数は右肩上がり。中には「応募ゼロ」の自治体もあり、危機感を抱いた長浜市では受け入れ地域や住民、協力活動の内容を知ってもらおうと「おためしワークステイ」を企画した。

 プログラムに関する費用は市が負担。期間中の飲食費や交通費、フリー時間の経費は自己負担という内容で今夏、募集をかけたところ、大阪の女性2人と名古屋の男性1人の応募があり、女性2人は10月に体験を終了。名古屋市の会社員・竹田展基さん(35)が今月21日から1週間の日程で、市内各地で体験をしている。

 竹田さんは市が用意した空き家に宿泊しながら、「余呉秋の収穫祭」のスタッフとして参加したり、森林伐採、赤カブ収穫の手伝い、移動販売車カエル号の体験などをしている。

 木之本町金居原生まれの竹田さんは高校卒業後、名古屋に移住。登山が好きでながはま森林マッチングセンターのトレッキングツアーに参加したことがきっかけで、地域おこし協力隊に興味を持った。「おためし」は有休を活用して参加しており「故郷だが、知らないところが多く魅力的。体験してみて1人でできないことも多くあり、地域を巻き込みながらしなくてはならないことも実感できた。募集があれば、応募してみたい」と話していた。

2020年11月19日

能登こだわりの冬の味

えきまちテラスに期間限定のカキ小屋

 えきまちテラス長浜1階に20日、能登産のカキなどを提供する「カキ小屋だるま長浜駅前店」がオープンする。

 カキ小屋は炭火を囲んでカキなどの新鮮な食材を網の上で焼いて食べるスタイルの店。カキの産地では冬の風物詩となっているが、長浜市では初めての出店となる。

 カキ小屋だるまを運営するのは「J・SOUL」(疋田匡社長、名古屋市)。新型コロナウイルス感染拡大に伴う飲食店の低迷やイベントの中止で、カキが売れずに困っている能登半島の養殖業者を支援するため、能登産の新鮮なカキを提供し、あわせて観光PRも行う。三陸カキとの食べ比べもある。

 「カキ三昧、カキ食べ比べコース」(2840円〜)、「カキ鍋コース」(2人前3480円)などがある。また、土日祝限定の焼きカキ食べ放題は60分3300円(いずれも税込み)。営業時間は月〜木曜が午後5時〜深夜0時、金曜が正午〜深夜0時、土曜が午前11時〜深夜0時、日曜が午前11時〜午後10時。

 疋田社長は「生産者こだわりのカキを楽しんで欲しい」と来店を呼びかけている。3カ月限定の出店。問い合わせはカキ小屋だるま℡070(6425)6001へ。

2020年11月17日

火災にめげず居酒屋再開

「家庭料理こころ」 八幡東町の新店舗で

 8月の放火事件により休業を余儀なくされていた八幡中山町の居酒屋「家族料理こころ」が常連客や友人の支援を受けて、今月、八幡東町に移転オープン。さっそく馴染み客が足を運び、営業再開を歓迎している。

 店を切り盛りするのは押谷さおりさん(50)。子どもの頃から飲食店の経営を夢見て、開店資金を貯めてオープンしたのは2016年5月。カウンター10席ほどの家庭的な店で、人気は「かしわ鍋」や「ポテトベーコンチーズ」。押谷さんの人柄もあり、連日、多くの客でにぎわっていた。

 4階建てのマンションの1階で営業していたが、8月4日、プロパンガスが爆発する火災が発生。後にマンションの元住民の男が放火犯として逮捕された。マンションの壁面や駐車中の車両が燃えた。店内に大きな被害はなかったものの水道や電気、ガスが復旧せず、休業を余儀なくされた。

 当初は数日で営業再開できると見込んでいたが、復旧の見通しが立たないことから、移転を決意。常連客や友人らが物件を探したり、引っ越しを手伝ったりと、移転を後押しした。

 火災から3カ月での営業再開に常連客の大谷弘光さん(48)は「復活してもらえて嬉しくてしょうがない。火災からわずか3カ月での開店はすごいこと」と話す。

 「1人ではできませんでした。皆さんの助けがあったから」と語る押谷さん。「これからも皆さんが心温かく過ごせるような店にしたい」と心をあらたにしていた。

 場所は大津地方法務局長浜支局南側。営業時間は午後5時〜10時。水曜定休。

2020年11月16日

曳山まつりの伝統に触れ

長浜西中生 裸参り、くじ取り体験

 長浜西中の1年生156人が14日、市内2カ所で長浜曳山まつりの裸参りとくじ取り式を体験した。

 同校では地元の伝統文化を学ぶ「曳山文化教室」を通して曳山まつりに親しんでいる。この日の体験教室は長浜曳山まつり伝承委員会と若衆会の協力で実施。曳山博物館広場(元浜町)では曳山まつりの成功や子ども歌舞伎の役者の健康などを祈願して若衆が長浜八幡宮などに参拝する裸参りを体験した。生徒は弓張り提灯を掲げて曳山博物館広場から商店街を練り歩き、各山組から参加した若衆と一緒に「ヨイサー、ヨイサー」の勇ましい掛け声を響かせた。

 武徳殿(朝日町)では子ども歌舞伎の奉納順を決めるくじ取り式を体験。赤鉢巻きを締めた「くじ取り人」がくじを置いた三宝を選んで、合図に合わせて一斉に開いていた。

 望月あずみさん(12)は「裸参りを見たことがなかった。短い時間だったが曳山まつりのことを学べて楽しかった。深く関われた気がする」と話していた。

 伝承委員会の家森裕雄委員長は「行事の一つ一つがユネスコ無形文化遺産に登録されている。きょうの貴重な体験を通して曳山まつりに興味を持ってもらい、将来、まつりを支えてもらえれば」と生徒に話しかけていた。

2020年11月12日

マスク補助具で気分爽快

原馬化成が呼吸しやすく、化粧がつかない新商品を開発。

 新型コロナウイルス感染症対策のため、マスクの着用が日常化し、口元に空間を作って呼吸を楽にする「マスク補助具」が注目を集める中、西上坂町のプラスチック成形加工業「原馬化成」(原馬淳一社長)は「気分爽快マスククリップ」を開発した。

 Uの字型のクリップをマスク上部に引っ掛けるように装着することで口元に空間ができる。呼吸しやすいだけでなく会話も明瞭になり、女性からは「ファンデーションやリップがマスクにつきにくい」と好評。

 開発を主導したのは同社の原馬良典会長(69)。介護の職場に勤める女性から「1日中付けているとマスクがよれて口に張り付き、息苦しくなる」との声を聞いたのがきっかけ。持ち前のプラスチック成形技術を生かして、手軽に装着できる補助具の開発と改良、試用を重ね、約3カ月で製品化にこぎつけた。

 長時間のマスク着用が避けられない医療・介護業界から注目され、すでに大口の受注も入っている。原馬会長は「コロナは2、3年続き、マスクは手放せない。快適にマスクを装着できるように、その一助となれば」と話している。

 クリップは5個入りで580円(税別)、10個入りで980円(税別)。「はんがい」の長浜、浅井両店などのほか、ホームページ(https://kibunsoukaimasku.com/)からも購入できる。問い合わせは同社℡(63)8989へ。