奥琵琶湖の自然、自転車で満喫

初企画の「オータムライド」に県内外300人が参加

 自転車に乗って奥琵琶湖の自然を満喫するイベント「奥琵琶湖オータムライド」が11月の3連休に行われ、県外を中心に約300人が参加。余呉湖やマキノのメタセコイア並木を訪れたり、木之本宿でスイーツを楽しんだりと、近年注目の「ビワイチ」にはない、奥琵琶湖の魅力に浸っていた。

 企画したのは地元企業やサイクルショップの関係者らで組織する実行委員会(田中富三代表)。奥琵琶湖の自然を楽しんでもらおうと、環境省の国立・国定公園の誘客推進事業の補助金を活用して初めて実施した。

 北近江リゾート(高月町唐川)を発着点に、マキノのメタセコイア並木を目指す90㌔コース、メタセコイア並木に加え余呉湖から丹生川上流を目指す110㌔コース、木之本宿を訪れて古い街並みとスイーツを楽しむ25㌔の北国街道スイーツライドの計3コースを3日間(11月21〜23日)実施した。

 インターネットの公募サイトでエントリーを受け付けたところ1週間で定員オーバーとなる人気ぶり。参加者の約8割が県外からの参加で、コロナ禍でアウトドアへの関心が高まっていることをうかがわせていた。

 参加者は秋色に染まる山道や湖岸沿いの風景を満喫。「余呉湖の素晴らしい景色を堪能して気持ち良く走れた」などと感想を話していた。サイクリング後は北近江リゾートの温泉施設が無料で開放され、「ゴールしてから温泉に入れるのはありがたい。疲れも癒された」と好評だった。

 また、コースの途中では余呉町菅並のカフェ「心風流」のゆずプリン、道の駅「塩津海道あぢかまの里」の名物のジャンボニンニクを使った炊き込みおにぎりが振る舞われたり、「グルテンフリーの洋菓子・フォレット」(高月町唐川)の協力でアイシングクッキー作りに挑戦したりと、地元の飲食店もイベントに協力。奥琵琶湖の自然に加え、味覚でも地元の魅力を参加者に発信していた。

 実行委員会では「地域の魅力を伝えることを一番のポイントにした。今後もサイクリングを通じて奥琵琶湖の魅力を発信する取り組みを続けたい」と話している。

 近年、自転車で琵琶湖を1周する「ビワイチ」が人気だが、琵琶湖沿いから離れて内陸部へも足を伸ばし、自然や街並み、歴史・文化などを楽しむ「ビワイチ・プラス」もサイクリストの間で注目を集めている。今回の「奥琵琶湖オータムライド」は新しいサイクリングコースの提案と奥琵琶湖の観光資源を披露するきっかけとなった。

掲載日: 2020年12月01日