火災にめげず居酒屋再開

「家庭料理こころ」 八幡東町の新店舗で

 8月の放火事件により休業を余儀なくされていた八幡中山町の居酒屋「家族料理こころ」が常連客や友人の支援を受けて、今月、八幡東町に移転オープン。さっそく馴染み客が足を運び、営業再開を歓迎している。

 店を切り盛りするのは押谷さおりさん(50)。子どもの頃から飲食店の経営を夢見て、開店資金を貯めてオープンしたのは2016年5月。カウンター10席ほどの家庭的な店で、人気は「かしわ鍋」や「ポテトベーコンチーズ」。押谷さんの人柄もあり、連日、多くの客でにぎわっていた。

 4階建てのマンションの1階で営業していたが、8月4日、プロパンガスが爆発する火災が発生。後にマンションの元住民の男が放火犯として逮捕された。マンションの壁面や駐車中の車両が燃えた。店内に大きな被害はなかったものの水道や電気、ガスが復旧せず、休業を余儀なくされた。

 当初は数日で営業再開できると見込んでいたが、復旧の見通しが立たないことから、移転を決意。常連客や友人らが物件を探したり、引っ越しを手伝ったりと、移転を後押しした。

 火災から3カ月での営業再開に常連客の大谷弘光さん(48)は「復活してもらえて嬉しくてしょうがない。火災からわずか3カ月での開店はすごいこと」と話す。

 「1人ではできませんでした。皆さんの助けがあったから」と語る押谷さん。「これからも皆さんが心温かく過ごせるような店にしたい」と心をあらたにしていた。

 場所は大津地方法務局長浜支局南側。営業時間は午後5時〜10時。水曜定休。

掲載日: 2020年11月17日