2019年10月8日

高畑に「キテハ食堂」オープン

資源を有効活用、体にやさしい食事を

 体にやさしい食事と木の温もりを提供する「キテハ食堂」が高畑町にオープンした。

 小谷上山田町で「どっぽ村」を立ち上げ、大工を営む清水陽介さん(64)は、かつて庄屋で「横山百貨店」という名で商売を営んでいた築100年余りの空き家をリフォームし、建築とエネルギーの技術養成学校を作ろうと、「キ=材料、テ=技術、ハ=刃(道具)」を意味する「キテハ」と名付けた。

 学校開設に伴って、寮の食堂を作ることになり、長女の林ひかるさん(34)が「寮母役」(店主)を務めることに。父の影響を受けた林さんは「あるものをできる限り活用する」ことをポリシーとし、自身の健康や子育ての経験などから、無農薬・無化学肥料で栽培した野菜などを利用した料理を提供している。

 先行オープンした食堂は木材チップを利用したバイオマスボイラーで床暖房。自然に還る土壁や無垢材を多用し、小上がりなど24席を設け、「お帰りなさい」と家族を迎えられるような温もりのあるスペースにしている。

 

 

 提供するランチは季節の野菜や体にやさしい食材を使った「豆腐ハンバーグの大葉おろしポン酢」や「鶏肉と季節野菜の天ぷら」などのメイン料理と手間ひまかけた小鉢2品付きの日替わりプレート(1000円、税別)など。デザートにはロールケーキとチーズケーキがあり、提供したものは、どれも食べ残しがなく、返ってくるという。

 「ただのリノベーションしたカフェに埋もれたくない」と語る林さん。「安さや高級感より、もっと大事なことがあるのでは。できる限り、目に見える安心を」と訴える。

 2階のキッズスペースや中庭の芝生でのイベントなども計画中。営業は午前11時から午後2時半(ラストオーダーは2時)。火曜から金曜まで。問い合わせはキテハ食堂℡(50)6647へ。

2019年10月3日

神照小学校で 元Jリーガーが「夢先生」に

「夢や目標、諦めないで」

 アスリートらが先生となって子ども達に人生の目標を持つことや努力することの大切さを伝える「夢の教室」が1、2日、神照小で開かれた。

 教室は日本サッカー協会が全国の自治体と連携して実施している「JFAこころのプロジェクト」の一環。長浜市内では今年、3小学校、2中学校で開催する。

 神照小では元Jリーガーでヴィッセル神戸の前監督・吉田孝行さんが「夢先生」を務め、どのようにしてプロサッカー選手になる夢を叶えたのかを5年生児童に説明した。中学、高校でボール拾いをさせられたり、レギュラーを外されたりと悔しい思いをバネに、部活動の時間以外にも就寝前まで自主練習に打ち込んだことを振り返り、「夢や目標を簡単に諦めてはいけない」と語りかけていた。また、プロ選手になる道のりで、家族、友人、指導者の助言や支えがあったことに触れ「感謝の気持ちを忘れてはいけない」と話した。

 吉田さんの話を聞いた後、児童は「夢シート」に将来の夢や、夢を叶えるためにやってみようと思うことを記し、プロサッカー選手や野球選手などの目標を掲げていた。

 宮下篤生君(10)は「夢を諦めないところが、プロってやっぱりすごいなと思った」と語り、自身もプロサッカーのキーパーになる夢を掲げて「一生懸命練習したい」と目を輝かせていた。

2019年9月20日

ミズアオイ守り続け20年、西浅井町岩熊の竹内さん

昼間しか咲かない希少種、見ごろ迎える

 昼間しか咲かない希少植物を守り続け20年—西浅井町岩熊の竹内勝七さん(77)方の畑で、水草のミズアオイ(水葵)の花が見ごろを迎えている。

 ミズアオイは万葉集にも詠まれ、古くから水田や沼など湿地に自生する単年草。可憐な青紫の花をつけ、葉の形が葵に似ていることから、この名がついた、とされる。

 水生植物公園みずの森(草津市)によると、ミズアオイは除草剤や農地の整備などにより、減少。環境省レッドリストの準絶滅危惧種で、現在、県内ではほとんど見られない、という。

 岩熊では昔、干拓地に群生。絶滅していたと思われていたが、新岩熊トンネルの整備に伴い、20年ほど前、大学教授が周辺地域の生態調査をしたところ、田んぼに生えている少量のミズアオイを発見。教授は「水田の中に自生する水草の中で特に大型で美しい花。観賞価値が高い」などと旧西浅井町や県に保護を訴えた。

 現地での存続は難しく、別の場所に移植したが、猿害により、絶滅。これをみかねた有志団体が岩熊での栽培を開始した。ところが手入れが大変で、町からの助成が廃止されると、育てる人がいなくなった。1人残った竹内さんは「あまりにもきれいな花。守り続けたい」と、10株ほどを自分の畑に持ち帰り、移植。世話を続け、現在は約40㌃で約3000株までに増やした。

 ミズアオイは午前10時から午後3時ごろまで、1日限りしか咲かない。竹内さんによると、今年は開花が例年と比べ遅く、見ごろは10月10日ごろまで続く、という。

2019年9月19日

世界的指揮者・大植さん、中高生に指導

9月23日、浅井文化ホールで

 世界的指揮者でドイツ在住の大植英次さん(62)=写真=が23日午後1時から浅井文化ホールで、市内の中学校と高校の吹奏楽部を対象とした公開レッスンコンサートを行う。19日に市役所で記者会見した大植さんは「僕が縁の下の力持ちになって音楽を盛り上げたい」と思いを込めた。

 大植氏は大阪フィルハーモニー交響楽団桂冠指揮者、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー名誉指揮者。20世紀を代表する音楽家レナード・バーンスタインの助手を務め、欧米各国の交響楽団で指揮者や音楽監督を歴任。2005年にはバイロイト音楽祭で日本人として初めて指揮した。

 レッスンコンサートは長浜市と姉妹都市の独アウクスブルク市との交流事業を支援する山岡記念財団が主催し、今年で2回目。

 「ドイツ音楽を通して音楽の素晴らしさを分かち合おう」をテーマに、曲の書かれた時代背景や作曲者の意図・心情など、音符の中に潜む意味合いを読み取り、表現力を磨く。

 第1部は高月中、虎姫中、長浜西中が出演。大植さんの指導でドイツの作曲家ワーグナーの歌劇「ローエングリン」より「エルザの大聖堂への行進」を合同演奏する。第2部は長浜北高、虎姫高がフンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」を披露する。大阪フィルハーモニー交響楽団のメンバーも参加する。

 大植さんは記者会見でレッスンについて「音楽は教えるのではなく、一緒に分かち合うことが大事」と説き、「レッスンを受けると、1時間でこんなに変わるのか、というのを見せたい」と意欲を語った。

 なお、レッスンコンサートは入場無料だが整理券が必要。浅井文化ホールと長浜文芸会館で配布中。残りわずか。問い合わせは共催の長浜市生涯学習文化課☎(65)6552へ。

2019年9月18日

混声市民合唱団、練習始まる

来年3月にコンサート、団員を募集中!

 長浜文化スポーツ振興事業団主催の声楽コンサート「春を歌う!混声合唱のたのしみ」(来年3月22日、市民交流センター)に向け、コンサートに出演する市民合唱団が12日結成され、練習をスタートした。

 事業団では市民に合唱の楽しさを伝えようと毎年が合唱団を公募し、コンサートを開いている。旧市民会館や現在の長浜文芸会館に代わる新しいホールが誕生した際には、市民合唱団によるベートーベン交響曲第9番の公演を実現したい考えで、声楽コンサートはその土壌づくりの一環。

 公募で40代から80代の男女40人が集まった。結団式では団員それぞれが自己紹介し、「合唱はまったくの初めて。歌を楽しんで元気をもらいたい」「ハーモニーが出来上がるのを経験したく応募した」「皆さんと共に楽しいステージにできれば」と思いを語った。

 団員はさっそく指揮者・北村常男さんの指導で「故郷」など発表曲の練習を始め、声を合わせていた。

 なお、コンサートでは「早春賦」「花」「朧月夜」「旅立ちの日に」「夕焼け」「世界に一つだけの花」など計11曲を披露。練習は月2回。随時、団員を募集している。問い合わせは事業団℡0749(65)3366へ。